SUMMON NIGHT(サモンナイト)OVRE(オーバー) 作:Wisadm
「ねえ、ネスゥ…まだ着かないの?」
今朝から歩き通しで疲れてしまった私は、旅の道ずれであるネスことネスティに後どれくらいで着くのか聞いてみることにした。
「…はぁ、君はバカか?ついさっきも同じようなことを聞いてきただろうに」
いや、確かに聞いたけど…
そこまで言わなくても…
「ま、まあまあ、2人とも落ち着いてください?ね?」
「アメル、君からも言ってやってくれないか。いい加減少しは成長したらどうかって」
「え、え、えぇとですね…」
苦笑いのアメルと、呆れ顔をしたネスティが急にこちらを振り向く。
な、なに?
「君は何を笑っている?まったく…」
え、わたし笑ってたの?
いつの間に…
顔を触りつつ答えると、
「ふふふ…やっぱりトリスさんはトリスさんですね。どれだけたっても変わりません」
と、アメルに笑われてしまった。
うぅ…
現在私達は遺跡調査の一環で聖王国の南に位置する森へ来ている。
どうやらこの先のお城のようなお屋敷の近くに新たに遺跡が見つかったらしく、そこの調査を命じられたのだ。
だが、どれだけ歩いてもそのお屋敷すら見当たらないのはどういう事だろうか?
もうかなり長い間歩いているにも関わらず、である。
見つからなくてもいい、凶暴なはぐれ召喚獣ばかりが見つかるのも意外と堪えている。
2人も気を使って疲れをあまり見せないが、結構疲れていると思う。
そんな、さっさと着かないかなぁ…なんて思っていたときだ、アメルが急に立ち止まって私がぶつかりそうになったのは。
「び、びっくりした…どうかしたのアメル?」
「何か…変です…」
???一体何が…
すると突然アメルが天使の翼を広げた。
いつ見ても綺麗だと思う。
知らない人がいたらビックリするかもしれないが、アメルは豊穣の天使アルミネの生まれ変わりであり、軌跡の力を行使することができる。
「やっぱり、私達さっきから同じところをグルグルと回っています」
「アメル、原因は分かるか?」
「…どうやら結界みたいですね。術式はサプレスのようですが…そこのガラス片が支点だと思われます。壊してください」
アメルが指を指した先には確かにガラス片が転がっている。
私は言われた通り腰に下げていた剣を一思いに叩き付けた。
すると砕けたガラス片から黒い靄のような物が浮かび上がって霧散した。
これって…
「
「どうやら近くに悪魔が潜んでいるらしいな…恐らくは目的地の隣の屋敷だろう。急ごう」
「はい!」
「ええ!」
目的地に向けて、いい加減暗くなってきた森を急ぐ…
「――以上が儀式の手順ですわ」
「ああ、ありがとう。やってみるよ」
レーンから預かった無色のサモナイト石に魔力を込める。
魔力とかいきなり言われてよく判らなかったが、やろうと思ったらそれっぽい何かが体から石に流れていくのが分かる。
そう、思えばメルクリウスは俺が契約して呼び出したのだ。
可能性はある。いや、無くてもやるのだ。
呪文が分からない為、こちらは適当だがそれ以外は完璧に終わる。
「我が呼びかけに答え、門より来たれ!――召喚!!」
サモナイト石が光り、異界との門を開く。
思い描くのは光の剣、闇を切り裂く鋭き刃。
さあ来い。
シャインセイバー!
「打ち砕け光将の剣よ!!」
その詠唱と共に光が弾け無数の武器と炊飯器がヤツの上に降り注ぐ。
辺りにはもうもうと土煙が上がり、ヤツの姿は見えないが、確実に当たったはずだ。
は、ははは…どうだこの野郎!
「俺だってやれば…「う、うわぁぁぁぁぁぁ!?!!」え、この声…ロウォンか!?何処だ?」
段々声が近づいて…上!?
や、やばい!ぶつかる!
「どいてどいて!!」
落ちてくるロウォンをギリギリで避ける。
「いやぁ、ビックリした!」
「お前…逃げたんじゃ…」
すると不思議な顔をして、一言。
「…?まだ恩が返せてないのに逃げないよ?当たり前でしょ?」
まるで、何を言っているんだ?とでも言うような発言に俺は困惑してしまう。
そしてそれと同時に、自分が凄く小さく思えて嫌気が差した。
「ま、まぁそれよりあいつは…」
「…ゥざ……ォ」
おい!?まさかまだ生きてやがるのか!?
「――ッ!?主!早く下がっ…ヒャッ!?」
「フざケるナよォぉオぉォぉォっ!!!!」
吼える悪魔からとてつもない衝撃波が飛んできて、悲鳴と共に壁へと吹き飛ばされる。
壁にぶつかった衝撃で肺の中の空気が無理やり押し出され、意識が飛びそうになった。
「げ、ふっ…かはっ…はぁはぁ…」
「に、ンげンの分際デ焦セてんジゃ…ネぇェぇェぇゾっ!?」
は、ははは…体中に穴が開いてるのにまだ生きてやがる。
何だって言うんだよ、チクショウが…
だんだんとこっちに近づいて来る悪魔を、ぼやける目で見つめる。
ああ、怖い。
とんでもなく怖い。
なんでこんな目にばっかり合うんだよ。
死を前にして思うのはこんな情けない言葉ばかりで、俺の心の中にはただ、死にたくないという1つしか残っていなかった。
「さッさトくタばレっ!!」
振り下ろされた凶手は俺の胸を貫通して、その命を散らした。
――――はずだった。
「何ダとッ!?」
目の前にはメルクリウスが渡してくれた刀が俺を守るようにして浮いていた。
《死の危機に瀕し、汝は何を望む?汝が最も強き願いを、我に望め》
そんな声が頭の中に響く。
「俺の…望み…。俺の、望みは…――」
「いっけぇ!ガイエン!!」
聞こえたのは女性の声だった。
しかしそこに現れたのは鎧を身に纏った鬼。
いろんなことが一度に起こりすぎて、もう何が何だか分からなくなった。
朦朧とする意識の中、天使が何かを叫んでいるがもう何も聞こえない。
そんな中、目の前が真っ暗になって…思ったんだ。
力が欲しいって…
なんと言うか…
遅れました。
ええ、滞ってました。
投稿がです。
ごめんなさい。
月1回も更新しない亀更新です。
言い訳すると、ネスティが難しいのです。
何だか違和感がぬぐえないのですよ。
とりあえずこの後は、何処へ進むかを検討中です。
今の所は、ワイスタァンに向かって、かと。
ではまた。