TS転生者は、日万凛の双子の姉として頑張る。   作:草鞋の人

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遅れてしまい、すいません。

最近は忙しく、更新頻度は下がると思います。


というわけで続きです。


第二話:ベルちゃんとお話ししたいなぁ

 

「本日からお世話になります、東綺利香といいます。よろしくお願いします。」

寮の居間にて、私は頭を深々と下げる。周りは少しざわついているようだ。まあ東家の出なら当然か…八千穂もこんな気持ちだったのかな。

「じゃあベルは戻るね。紅葉ちゃん、綺利香ちゃんに寮の案内をしてあげて。」

 

「了解しました。さ、着いてきて。」

 

 

 

「ここがトレーニングルーム。醜鬼が出ない時は基本的にみんなここで鍛えてるかな。使い方わからなかったら色々教えるね。」

 

 

「ここがお風呂。何と温泉になってます!これが気持ちいいのなんのって…」

 

 

 

紅葉さんは私の手を引いて案内してくれた。寮の内装については大雑把な部分しか知らなかったのと、紅葉さんの優しくしてくれたこともあって、結構楽しめた。私みたいな鉄仮面な奴にこんなに優しくしてくれるなんて…これがコミュ力オバケか?ありがとう紅葉さん。原作では影薄いとか思ってごめんなさい。

 

 

 

「さて。ここが綺利香ちゃんの部屋だよ。運ばれた段ボール類は室内にあるから、広げるの無理そうなら呼んでね⭐︎」

「…ありがとうございます。」

 

部屋は大体七畳くらいの広さだった。段ボールを崩し、家具を配置する。布団、クローゼット、作業机、その他もろもろ。前世ではそこまでこだわりはなかったが、こういうのも割と乙なものである。

 

その夜。風呂から上がった私は敷布団にダイブする。マットレスでないので、ちょっと痛い。ごろりと寝転び、天井を見つめて今までのことを考える。

 

2度目の生を受けてして17年、極力原作には関わらないようにと決めていたはずが、あの日…日万凛を救ったことを境に変わっていった。あの涙を見てしまった以上、急に冷たくするなんてできない。そういうわけでここ十数年日万凛を可愛がってきた。

 

 

 

でも数ヶ月前、日万凛は原作通り東家を出た。どうやら、日万凛にとって東家の雰囲気は耐え切れるものではなかったようだ。これは喜ぶべきことだ。それに今生の別というわけではないし。そう言い聞かせてきた。そして出ていった当日はしっかり枕を濡らした。どうやら私はシスコンになっていたようだ。因みに朝になったらしっかり乾いていた私の枕に対し、八千穂の枕は朝になってもびしょびしょだった。このことを思い出すのはやめよう。また泣いちゃいそうだ。色々あって疲れたし、今日はもう寝よう。

 

 

関係ないけど皆んなでっかかったなぁ〜。何がとは言わないけど。ベルちゃんはまぁ…ね?

 

 

 

魔防隊に入ってから1週間が経ったが、魔防隊での生活は、私の思っていたものとは違っていた。醜鬼退治や突発的に発生した(クナド)の対処などはしっかりやるのだが、それ以外の部分がかなり緩い。基本組員の要望は通るし、ベルちゃん組長が訓練について指示を出さない。

 

 

 

このままでは原作通り半ばやられ役的な立ち位置になってしまうやもしれない。そうなればベルちゃんが曇る。そ゛れ゛た゛け゛は゛ゆ゛る゛せ゛ん゛!

 

よし、直談判へ行くとしよう。明日な!!

 

 

〜ベルちゃん視点〜

 

東総組長にスカウトされ、自尊心を上げて落とされたあの日から、ベルは他の組員に嫌われないように立ち回ってきました。他人の要望には出来る限り応え、人望を稼いできました。組長になってからも、それまでと同様…いやそれ以上に頑張ってきました。…嫌われないために。

 

そんなベルにもわからないことがあります。1週間前に入隊した綺利香ちゃんです。他の組員の人とは馴染んでいるようですが、ベルと話す時だけ真顔になって怖いです。*1ベルが何をしたというんでしょうか!?思い当たる節がありません。

うぅ…次の休暇はお寿司でも食べに行こう。

 

 

そんなふうに悩んでいると、部屋のドアがノックされる。

 

 

「ど、どうぞ。」

 

「失礼します。」

 

 

綺利香ちゃんでした。一体どんな要件でしょうか。

 

「月夜野組長。私が入隊してからもう1週間ですか。早いものですね。改めて、私を三番組に引き入れてくださりありがとうございます。」

 

褒めてくれるのは嬉しいけど、無表情だから怖いよぉ。

 

「この1週間で仲の良い方もできましたし、生活にも慣れてきました。」

 

あれ?この感じ、ただの感謝?もしかしたら、仲良くn「ただ」ヒェッ

 

 

「少し…鍛錬が緩すぎるのでは?」

 

 

何となくそれを言われる気はしてました。ベル自身、自由すぎると思います。でも、ベルは皆んなにアドバイスとかできません。だからもしそんなことをしたら、きっと…

 

きっと見限られてしまいます。

 

「えっと…つまりもっと鍛錬を厳しくしてほしいってこと?」

 

「……怖いですか?」

 

「え?」

 

「この組の鍛錬は、緩い以上に以前に自由すぎる。基本組員の要望は通ってしまう。まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()ようです。」

 

「………………。」

 

「現に月夜野組長に対する不満の声は一言も聞こえませんでした。でも今の体制を変えれば、月夜野組長の人望は失墜する……そう思っていますよね。」

 

………まさしくその通りのことを言われてしまいました。どうしよう。本当にどうしよう。視界がぐるぐるします。綺利香ちゃんに見透かされてしまいました。

やっぱりベルはダメダメで…「月夜野組長。こちらを押していただけますか?」

 

すると綺利香ちゃんは懐からスマートフォンを取り出し、ベルに見せてきました。

そこには、音声データが入ったフォルダがありました。押してみると、

 

『組長?大好きだよ。能力強くて頼りになるし。』

 

『よく笑ってくれる人だよね。いい癒しだよ。』

 

『あの人、すっごい頑張ってるよねぇ。アタシだったら、あそこまで頑張れないや。』

 

 

「……………。」

 

「あなたは、あなたが思っている以上に皆んなから信頼されてます。誰も、『要望を通してくれるから』だとか、『便利だから』とかではなく。もちろん私も、そんなこと抜きに貴方を信頼しています。だから、もっと自信を持ってください。」

 

その言葉一つ一つを聞くたびに、ベルの目から涙がボロボロ溢れてしまいます。ああ……ベルがやってきたことは、無駄じゃなかったんだなぁ。

 

溢れ出して止まらなくなったベルを、綺利香ちゃんは抱きしめくれました。温かく、そして優しく。

 

 

*

 

 

「えと、ごめんね。慰めてもらっちゃって。」

 

数分後、やっと冷静になりました。我ながら情けないなぁ。

 

「いいんですよ。こういうのはお互い様です。いつでも、私を…私たちを頼ってください。」

 

……初めて見たなぁ、正面からの綺利香ちゃんの笑顔。

 

「月夜野組長。これからも、よろしくお願いします!!」

 

 

「………………うん。宜しくね、綺利香ちゃん!!」

 

ベルは今日、やっと変われたような気がしました。

*1
ベルの前ではポーカーフェイスでいないとニヤけてしまうだけ




ベルちゃん…いいよね。

小話①→ベルちゃんの自己肯定感アップイベントがかなり早いので、優希とのイベントが減るは伏魔の潜伏に気づける可能性が下がるはで原作ブレイクが起こりましたが、綺利香はそんなこと知ったことではないです。
ガバっガバですね。

小話②→今回の話には関係ありませんが、綺利香の斧は『ブラックラグーン』のヘンゼルが使ってるやつみたいな形してます。月輪要素?ま、多少はね。


次回『第三話:原作のはじまりはじまり〜♪』お楽しみに。
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