TS転生者は、日万凛の双子の姉として頑張る。   作:草鞋の人

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第五話:綺利香ちゃんが死んだ!?この人でなし!!

「知らない天井だ」

 

私が目を開けると、いつもとは違う灰色の天井が広がっていた。

 

ここは…魔防隊の治療室だったか。

 

 

 

 

やっったァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!

 

八雷神相手に、何とか生き延びることができた!嬉しい!!!神は私のこと嫌いって思ってたけど、本当は私が大好きなツンデレなのかもしれない!だとしたらもっとデレてほしい!!!

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

心の中で一通り叫んで冷静になった私は、そばにあった全身で自分の姿を見てみる。全身に包帯が巻かれており、ミイラのようだった。

辺りを見回そうと、点滴スタンドを掴んで移動しようとするが、

 

「痛ぅっ」

 

足に痛みが走り、うまく立てない。まぁアキレス腱切ってるし、当然と言えば当然か。

小さくため息をついて、ベッドに戻る。すると、白衣を着た女性が、カルテを持って現れた。

 

女医さんによると、私がぶっ倒れた後、他の隊員に担がれて三番組寮まで帰還し、そのまま治療班へ改修されていったらしい。

 

全身の火傷だけに留まらず、呪術的な毒に侵されていたらしい。この毒が原因で、私はこんなところにいるようだ。

あと、アキレス腱の回復にかなりの時間を要するらしく、数日は絶対安静必だそうだ。仕方なかったとはいえ、全くバカなことをしたものだ。そこを説明しているときだけ女医さんがキレていたのは、気にしないでおこう。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

特にやることもなく暇だし、今回の総括をするとしよう。

 

 

まず味方側は、三番組の組員は私を除いて軽傷で済んだ。今もせっせと醜鬼退治に勤しんでいることだろう。

 

続いて紫黒敵側は、目的である『魔防隊の戦力を測る』を一部達成。今回は組長が不在であったため、原作通り次は六番組と七番組の交流戦を襲うだろう。ただしこれは天花さんがどうにかしてくれるし、下手に介入しないでおこう。

そもそもこんな体じゃ、介入もクソもないし。

 

 

まとめると、今回は相対的に見れば、プラスの結果となったと言えるだろう。

私はこの通りボロボロだが、原作ではこんな状態の人が三人はいたんだ。かなりマシになった。

 

やったぜ綺利香ちゃん大勝利〜♪

 

 

そんなことを考えていると、病室のドアが開き、思わぬ来客が現れる。

 

「えっと………久しぶり。綺利香」

 

「日万凛…久しぶり」

 

そこには、私の愛する妹である東日万凛が立っていた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜日万凛視点〜

 

「……………………」

 

「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気まずい。

 

綺利香と最後に話したのは、自分が家を出ていった時だ。それ以来、彼女とは顔すら合わせていない。

何を言ったら良いだろうか?

 

『怪我は大丈夫なの?』。こんな全身ぐるぐる巻きの痛々しい包帯姿を掘り返すことはできない。

 

『元気だった?』。自分から離れていったくせにどの口が。

 

 

そんなふうに頭の中で言葉を探していると、

 

「日万凛は、魔防隊楽しい?」

 

 

綺利香の方から沈黙を破った。…本当にいつも綺利香は、私を引っ張ってくれる。

 

「うん。組長や朱々や寧…あとあの男もいるけど。辛いこともあるけど、それと同じくらい楽しいこともあるの」

 

そんな彼女に甘えてしまう自分が、たまらなく恥ずかしい。

 

「そっか。それは良かった」

 

綺利香はにっこりと笑う。

 

「それはそれとして、噂の彼はどんな感じ?」

 

「優希のこと?アイツはケダモノよ!」

 

「へぇ…どんなところが?」

 

「え?そ、それは…」

 

突如、先日の初めての“ご褒美”がフラッシュバックする。

自分で自分のスカートをたくし上げ、それで……*1

 

「と、とにかくイヤらしいやつなの!!」

 

赤面する自分の顔を隠すように、綺利香から目を背ける。

 

「そっか。……ともかく、日万凛が楽しそうで良かったよ」

 

綺利香はまた微笑む。相変わらず優しい人だ。…とても東の人間とは思えない。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜綺利香視点〜

 

「それで?私にどんな話が聞きたいの?」

私はそれとなく聞いてみる。

 

「……あなたと、話がしたくって」

 

「話?」

 

「ええ。あなたには可愛がってもらったのに、私は家を出たから」

 

あーそういえば、あの時は最低限しか話せてなかったっけか。

 

「何も謝ることではないよ。むしろ嬉しいんだ」

 

「え?」

 

「日万凛が、自分自身の意思で決めたことだもの。それで日万凛が幸せなら、それでいい」

 

「綺利香…」

 

 

「だから、頑張ってね。私はもちろん、風舞希さんを超えれるように」

 

「うん。うん!」

 

相変わらず笑った顔可愛いなぁ…。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

三日後、顔の包帯を取った。火傷跡こそ残るが、痛みはない。いつも通りの私の顔だ。

 

動かなかった足も動くし、戦闘こそ無理だが、これで復帰できるだろう。治療室を出ると、ベルちゃんが抱きついてきた。

 

「……申し訳ありません。心配をかけました」

 

ベルちゃんは何も言わない。ただ、抱きつく力を強めるのみだった。

 

 

そんなこんなで、車は三番組寮…ではなくなぜか本部へ向かっていた。

 

そこで降ろされ、私は本部の一室に通される。ベルちゃんは別室だそうだ。つまり、そう言うことだろう。はぁ…会いたくねぇなぁ〜。

 

「初めましてかしら?東綺利香」

 

部屋に入ってきたのは、魔防隊総組長にして、『生命の極み』『地球の答え』と評された最強……

 

 

山城恋であった。

 

 

*1
詳しくは原作を読もう




小話①:綺利香の火傷跡は、優秀な治療班によって大体治りましたが、左頬から左眼にかけて思い切り残りました。

小話②:この女医さんは、多分これ以降出てきません。

小話③:日万凛が会いにきたのは、交流戦に向けて特訓が始まった次の日です。


次回『第六話:総組長の話より、交流戦見てぇなぁ…』お楽しみに
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