争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
悪魔・堕天使・天使の三勢力の会談の日が訪れた。私服姿でゼノヴィアを伴って、途中でコンビニに寄ってから学園の校門を通り過ぎるとサーゼクスの妻で彼の女王であるグレイフィアが出迎えてくれた
「本日はご足労いただき誠にありがとうございます」
「俺たちが最後ですか?」
その問い掛けに彼女は首を振る。どうやらサーゼクスとセラフォルーが席を外して少し遅れるらしいが会談の時間までには間に合うようだ
「先日は本当に申し訳ありませんでした」
「あれから進展はありましたか?」
「夫婦でみっちりと顔を合わせてとことん話し合いました。サーゼクス様も心を入れ替えてくれれば良いのですが、何か嫌な予感がして」
多分だけどその予感が当たるかもしれない、焼ける鉄板の上で『OHANASHI』をしないとシスコン魔王には伝わらないと思う
会議室のドアを開けると既に天使と堕天使側の代表が座り世間話をしている。彼等の背後にいるヴァーリがこちらに視線を向けてきたので軽く会釈しソーナの隣に腰を下ろす
「今回の会議は長くなりそう?」
「分かりません、和平を結ぶだけなら1時間も掛からないと思いますが確実に話が脱線すると思います」
「歌番組の予約録画するのを忘れているから、早く帰りたいんだよな」
そう言いながらコンビニの袋からブロマイド入りのウエハースチョコをゼノヴィアに渡した
「お気に入りの歌手でもいるんですか?」
「ゼノヴィアがB小町にハマって一緒に見るようになってからミーハーだけどファンになっちゃって」
「推しの子は?」
「問題を起こした星野ルビーと入れ替わる形で加入した…ローマ字読みの」
「MARINですか?」
ソーナが口にした答えに頷くと後ろにいたゼノヴィアが彼女のサイン入りブロマイドを引き当てて飛び跳ねて見せつけてくる
「私は結婚した有馬かなさんも好きでしたが今はセンターを務めるツクヨミさんが推しですね」
「あの銀髪で神秘的な女の子ね」
後ろにいる椿姫とアーシアもB小町のファンであり、匙はメモ帳に『会長の推しはツクヨミ』と記して胸ポケットに戻した。これが昼間の学園だったら何気ない日常の風景だが机を挟んだ先には堕天使・天使のトップがいて二天龍の白龍皇も存在している
「すまない所要で遅れてしまって」
「ごめんなさいみんな☆」
魔王の2人が頭を下げて入室すると最後にリアス・グレモリーが3人の眷属を引き連れて入ってきた
「木場はまだ分かるが何故オマケを連れてきたんだ?」
「石動君ッ!」
「事実だ、グレモリーの眷属でエクスカリバーの強奪からコカビエルの宣戦布告に関して1番精力的に動いたのは木場だけだ」
この場にふさわしくない悪魔は家に帰って寝てください
「妹は駒王町の領主だ、眷属共々この場に訪れるのは私が許可した」
「そうでございますか」
サーゼクスの言葉に彼女は鼻を鳴らして勝ち誇った顔をするがスルーしてウエハースチョコを口の中に放り込んで炭酸水で流し込んだ
「先日のコカビエル襲撃では赤龍帝の彼とセラの妹と眷属たちが活躍してくれた」
サーゼクスが他の陣営のトップに伸元やソーナのことを紹介するが、名前で呼ばなかったことにセラフォルーが頬を膨らませ怒っていたので、彼は慌てて関わった面々の名称を伝えた
「報告は受けています。コカビエル襲撃の件はご苦労様でした。そして我々の関係者が迷惑を掛けてしまい申し訳ありません」
ミカエルが頭を下げて無銭飲食と留置所破壊についての謝罪をした
「悪かったな。俺のとこのコカビエルが迷惑かけた!」
悪びれた様子もなく堕天使総督アザゼルの言葉に血圧が上昇する。コイツのせいでレイナーレに襲われコカビエルも聖剣を奪って襲ってきた。諸悪の根源とも呼べる存在だ
「組織の長が見た目通りにチャランポランだから迷惑が掛かる」
「言ってくれるな赤龍帝」
「全くその通りだ!」
伸元の言葉にヴァ―リが肯定してくれた。コイツのせいで彼も苦労しているんだと思ってしまう。アザゼルは図体のデカいガキそのものだから
「それで何がほしい?金以外ならどんなモノでも用意してやる」
未だにコカビエルの件で堕天使側への慰謝料を請求していない、イニシアチブはソーナたちが持っているのにアザゼルは場を支配しようとしている
「その話は別の機会にしてください、今日は事件の詳細と和平を結びにきたのですから」
「相変わらず固いな」
「あなたが不真面目なだけです」
ミカエルの音頭によって会談が始まり、それぞれの陣営の代表は意見を述べていく
「私は姉であるセラフォルー・レヴィアタンからエクスカリバー強奪とコカビエルたちが現れることを聞き、教会から派遣されたエクソシスト2名と共同戦線を組むつもりでしたが、交渉は失敗に終わり、リアスの眷属である木場君とシトリー家と長年交友関係にある赤龍帝の石動君と共にエクスカリバーの破壊・無力化に努めてきました」
「コカビエルの撃退は俺と戦力不足を補う為にセラフォルーさんと偶然この地に訪れていたグレイフィアさんに助っ人を依頼し、フリードに対して神器持ちの3人で対応を行い、残りの面々で周囲に被害が及ばないように結界を張りました」
事件の当事者であるソーナと伸元が簡略化した内容を口にしてトップたちに伝えた。ミカエルは手元の資料に目と通し不備がないか確認をしている。どうやら手を挙げて質問する様子はなさそうだ
「さてアザゼル…この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」
その言葉に皆が注目すると、彼は不敵な笑みを浮かべて話始める
「軍法会議でコカビエルの刑は執行するつもりだったが取りやめになった。アイツは自分がコカビエルということを認識していない、俺やバラキエルにシェムハザの顔を見て頭にクエスチョンマークを浮かべてやがる」
手元のコーヒーで口を潤すとアザゼルは伸元の方へ視線を向けた
「赤龍帝…お前はアイツに何をやったんだ」
「素直に手の内を明かすとでも?」
「頼む!あんな奴でも戦友なんだ、元に戻せれるのなら何でもする」
「会議が終わってからで」
その後も会議と並行しながら関係ない話題に脱線するとグレイフィアがサーゼクスの頭を叩いて場の空気を修正させる。歌番組はクラスの誰かが録画しているのを祈るしかない
「長々と話していないで、さっさと和平を結んじまおうぜ?」
会議中に何度も話を脱線させていた張本人の言葉にミカエルは溜息を吐くが、求めていた言葉であり強く頷いた。サーゼクスやセラフォルーも同じように頭を縦に振る
「悪魔・堕天使・天使の三竦みの外側にいながら世界を動かせるほどの力を持つ赤龍帝、そして白龍皇…おまえ達はどうだ?まずはヴァーリお前の考えは?」
「俺は強いやつと戦えればそれでいいさ」
何回・何百・何千回聞かれても判で押したように当たり前の言葉が返ってくる。思考が完全にバトルジャンキーそのものである
「赤龍帝…いや石動伸元、おまえさんはどうしたい?」
「和平には賛成だ、土地に血を流しても作物は育たない」
平和が1番である。馴染むことが出来なかったからコカビエルのように暴れたくなるのも分かるが受け入れないといけない、武力で解決することなんて少ないのだから
「ヴァ―リから聞いたが二天龍の定めを受け入れるのか?」
「望んでいるのなら、だがやるとしたら迷惑の掛からないところにしたいね」
その言葉を聞いた彼はニヤリと笑い、目を光らせる
「アザゼル、君は神器を集めているようだが?」
「まぁな。神器の研究は俺の趣味で生き甲斐だからな…だがな、神器を集めていたのはとある存在を危惧してのことでもある」
「とある存在? それはいっ―――」
サーゼクスが言いかけた時だった。時計の針が止まったような感覚に陥った
「なんだよこれ?」
部屋を見渡すと動いている者と止まっている者に分かれていた。三大勢力のトップたちとグレイフィアにヴァ―リは動き、伸元の周りでは彼とソーナと木場だけだった
「上位の力を持った俺たちはともかく、グレモリーの騎士は聖魔剣が停止の力を防いだのだろう。ソーナ・シトリーが動けるのは止まる瞬間に赤龍帝に触れていたからだろうな」
彼女の手が伸元の手と触れていた。外には明らかに不審者と思われる連中が次々と現れ、外で動かなくなっている警備の面々や施設に攻撃を放っている
「これって確実に会議で集まったトップたちを狙ってのテロですよね?しかも時間を止めるって、ザ・ワールドの使い手でもいるのか?」
DIOが敵だと日の出まで時間が全然遠い、オラオラのラッシュはやればできるか、スターフィンガーは無理だけど
「時を止める………まさかギャスパー君が?」
サーゼクスの言葉に頭を抱えた、コツイやらかしたなって、どうやら深夜残業コース確定だ!
文中に登場した『B小町』ですが今回だけの登場です(もしかしたらテレビ画面に映る描写はあるかも)
『B小町』
星野ルビーが起こした不祥事とメンバーの有馬かなが星野アクアと結婚・引退したことで急遽結成されたユニット
・ツクヨミ
メインボーカルとセンターを担当、ロングヘアーの銀髪を靡かせる姿にファンは魅了されてしまう
・MARIN
突如として苺プロにスカウトされた謎のアーティスト、彼女が表舞台に出ているとき何故か星野アクアの姿は消えてしまっている
・MEMちょ
ダンスのキレが悪くなり本人は卒業を希望しているが、今日も顔面に熱々のおでんが当てられてしまう
エグゼクティブ・プロデューサーは星野アイ
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