争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

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残りの1個は彼女の為に

 花粉症を代表するように不快な症状を引き起こすアレルギー、原因となるアレルゲンには体への侵入経路によって3種類に分けられる。埃や花粉などの『吸入性アレルゲン』飲食による『食物性アレルゲン』肌に触れることで発症する『接触性アレルゲン』が存在し、区分外では揺られることで発症する『振動アレルギー』やコラーゲン由来で蕁麻疹が出てしまう『豚骨ラーメンアレルギー』もある

 

 

 グラウンドで涙と鼻水を撒き散らし全身を搔きむしるヴァーリを見下している伸元は少し離れた場所にある水道からホースを差し込んで蛇口を捻った

 

「ガ、ハッぁぁぁぁぁ!」

 

 世界で40人しか発症していない『水アレルギー』これがトドメとなってしまいヴァーリは口から泡を吹いて気を失ってしまった。現代における赤龍帝VS白龍皇の第1ラウンドは石動伸元の勝利で終わった

 

「(もしかして神器アレルギーも将来出てくるのかな?)」

『(あるんじゃないか、先代の頃なんて『アレルギー』の言葉すら無かったぞ)』

 

 時代の変遷と共に病気の数は増えていった。遠くない未来に未知のアレルギーが人々を襲うかもしれない

 

 

 

 

 時計の針を少し戻して会議室に残った面々はカテレア相手に善戦していた。アーシアはアザゼルの治療をしているが切断された腕は細切れにされていたので繋げること出来なかったので傷口を塞ぎ出血を止めている。なおミカエルは真っ先に狙われてしまい床の上でくたばっていた

 

 

「遅いですね。オバさん」

 

 

 小猫が自慢のフットワークで翻弄しながらヒットアンドウェイで拳を振い、適切なタイミングで認識外から朱乃の雷とソーナの水を操る魔法でダメージを与えるが決め手に欠けているのが現状だ、この中で1番の戦力の持ち主であるセラフォルーだが動けないという訳ではなく、動いたらマズイ状況なのだ

 

 

「あら…どうしたのセラフォルー?大好きな妹の前で棒立ちなんて」

「っく…」

 

 彼女の得意とする氷結魔法は開けた屋外なら無類の強さを誇るが、限られた狭い空間では微細なコントロールが必要で威力も落ちてしまう。厄介なのは室内に"人間"のゼノヴィアがいることで彼女が巻き添えになる

 

「このっ!」

「遅いわよ」

 

 接近してパンチを繰り出すが簡単に止められてしまいカウンターで腹部に重い蹴りを食らって後方に飛ばされてしまった

 

「セラフォルー様!」

「姉さん」

 

 

 魔王の妹たちが彼女に駆け寄り状態を確かめる。外傷はなく意識もハッキリしている

 

「ありがとうソーナちやん、リアスちゃん」

 

 2人の肩を借りて立ち上がるとカテレアを睨みつけるが、彼女はセラフォルーたちを見下し余裕の表情を崩さずに笑っている

 

 

 

「ラインよ!」

「同じ手は食わないわ」

 

 匙の伸ばしたラインを掴み自身の魔力を一気に流し込む、少し前に伸元にやられたことなので彼は神器を解除してダメージを回避した。同じ轍を踏む男ではない

 

「もういいわ…一気に終わらせましょう」

 

 大きな胸が主張する懐から黒い蛇のように蠢く何かが入った小瓶を取り出して、カテレアはそれを割ると自身の体内に取り込んだ

 

「それはまさか?」

「オーフィスの『蛇』ですよアザゼル…無限の力を有するドラゴン、変革のため少々力を借りました」

 

 膝をつきたくなるような、とんでもないオーラが噴き出し室内にいる彼等に多大な圧力を押し付ける。アーシアは震えて泣き出してしまった

 

「……カテレアちゃん」

「あなたのように魔王の名を穢す悪魔なんて不必要な存在」

「私は!」

「ここを終わらせたら向こうで寝ているサーゼクスも葬って(おくって)あげますわ」

 

 

 セラフォルーは大声を出しながら駆け出して氷結させた拳で彼女の顔面を殴りつけ接触している部分から凍らせようとした。カテレアの顔半分が次第に凍りついていくがニヤリと笑い魔力を放出すると一気に溶けてしまった

 

「こんなもので倒せるとでも?」

「この野郎!」

 

 死角から治療を終えたアザゼルがタックルで突撃するが人差し指を立てて先端にできたビー玉サイズの小さい魔力弾を1発だけ放つと彼は屋外まで弾き飛ばされてしまい、グラウンドにある学園長の胸像を巻き込む形で沈黙してしまった

 

「アザゼルちゃん!」

「よそ見をしている余裕なんてあるのかしら」

 

 セラフォルーの右手首を軽く握って骨を砕いた。泣き叫ぶ彼女にカテレアは拳を作って肘の関節を外側(・・)から叩き込んで腕そのものを破壊する

 

「ギャぁァァァァァ!」

「醜い声ね。目覚まし時計としても最低」

 

 呆然とする若手悪魔たちのところに投げ捨てると首の骨を鳴らして近づいてくる

 

「か……神よ」

 

 アーシアが小さな声で縋るような言葉を口にするとカテレアは大笑いをしてしまった

 

「何がおかしいのよ!」

「神?…死んでしまった奴に縋るなんて滑稽でしょ」

「どういうこと?」

 

「先の戦争の時、神は四大魔王と共に死んだのよ!」

 

 彼女の口から語られたことに全員信じられない様子だった

 

「神が……」

「死んでいた?そんなこと」

 

 特に教会の関係者だったアーシアとゼノヴィアは驚いた表情で困惑したままカテレアの言葉を受け入れることが出来なかった

 

「あの戦争で三大勢力は多くを失った。どこの勢力も人間に頼らなければ種の存続が出来ないほど落ちぶれた。だからトップたちは神を信じる人間を存続させるためにこの事実を隠蔽した」

 

 未だに笑みを崩すことをしないカテレアはゴミを見るような目で睨み付け一歩ずつ近づいてくる。全員の足が竦んでしまい脳が動け・逃げろと指令を出しているのに反応してくれない

 

「「はあぁぁぁぁぁぁ!」」

 

 匙と小猫が雄叫びを上げながら突進し進行を止める。ラグビータックルのように身を低く屈めて腹に抱きつく形で腰と尻に手を回し龍脈のラインでグルグル巻きにして自分ごと拘束すると小猫は匙の背中を踏み台にしてジャンプしながら殴り掛かるが虫を払うように片手で吹き飛ばされる

 

「会長!ノブさんのところへ」

「匙ッ!」

 

 頼れる彼なら白龍皇を倒しているだろう。ここにいるより安全だ、自分に出来ることは1分、1秒でも王たちが逃げる時間を稼ぐこと

 

「なかなか素敵な眷属…ね!」

「あっぐぅ」

 

 背中に鋭い肘打ちが突き刺さり肺の中の空気が全部吐き出され骨も折れている。並みの悪魔だったら気を失うレベルの激痛だが匙は持ちこたえた。尊敬するソーナの前でカッコイイところを見せたい気持ちもあるが彼が"任せた!"と言ってくれた。今の自分に出来ることは限られているが1つのことに全力を尽くす

 

 

「ゴミはゴミらしく散りなさい!」

 

 それはまるでビックバンのようだった彼女を中心として爆発的に放たれた魔力はそこにいる全員に向けて多大なるダメージを与えた

 

 会議室のあった3階部分が瓦礫の山となって全ての教室の窓が破壊され地面に落ちていく、そこに立っている者はカテレア以外誰もいなかった

 

 

 

「ぅ……あぁ……あ」

 

 痛みで目を覚ましたゼノヴィアは腹部に手を触れて怪我の度合いを確認する。手のひらを見ると肌色の部分は存在せず血液の色が全体を覆っていた。彼女はポケットの中から伸元に渡された小瓶を取り出す

 

「(ノブチカに感謝しない…とな)」

 

 それはリアス・グレモリーの婚姻騒動の時にライザーから受け取ったフェニックスの涙であった。2つのうち1つは参観会の日に彼が顔面を治すときに使ったが残りの1つをゼノヴィアに渡していた

 

 彼女はそれを使おうとしたが、隣にいる目の前にいるアーシアが自分よりも酷い重傷を受けていることに気付いた

 

「アーシアが……庇って?」

 

 その通りである。アーシアは1番被害を受けるであろうゼノヴィアを守るために自身を盾にして彼女の被害を少しでも食い止めようとした。体はボロボロだが目の光は消えていない

 

「ぁーぁシア……」

 

 腕を限界まで伸ばし、ゼノヴィアは小瓶の中身を彼女に振りかけると命の火は小さくなり消えようとしていた

 

 

 

「少々やり過ぎたかしら?」

 

 周囲を見渡したカテレアは自分以外に立っている悪魔が居ないことを確認すると、旧校舎で寝ているであろうサーゼクスの所へ向かおうとしたが

 

 

「そうね…やり過ぎですわね!」

「…グレイフィア」

 

 物陰から姿を現した彼女は後頭部に膝蹴りを繰り出した。咄嗟のことでガードが遅れた彼女は脳を揺らしてしまうが怯まずに反撃をするが躱されてしまい至近距離でプロレスのロックアップのように組み合った

 

「あなたも一緒に―――」

「それはどうかしら?石動様!」

 

 その声に反応し赤龍帝が突撃してくると思ったカテレアは後ろを振り向いたが、彼は何処にもいなかった。それが嘘だと気付いた時には頭突きと最大限の魔力が込められたアッパーを食らって顎が砕けた

 

「き…しゃま―――」

「言っとくけど嘘じゃないぜ!」

 

 伸元は浮かび上がった彼女の胴体を後ろから抱えて倒れ込むとバックドロップで後頭部を床に叩きつけるが寸前のところで防御魔法で防がれてしまい想定以下のダメージしか与えてることが出来なかった

 

 

「赤龍帝あなたが、ここにいるということは」

「アイツならアザゼルに頼んで確保してもらった」

「こちらもサーゼクス様たちの無事は確認しました」

 

 銀髪の殲滅女王と禁手化した赤龍帝のタッグVSカテレア・レヴィアタン、蛇で能力を底上げされた彼女にとって骨の折れる相手である。だが負ける気は毛頭ない

 

 しかしその時、カテレアの近くに一人の男が舞い降りた

 

「ヴァーリを助けにきたら面白いことになってるなカテレア」

「美猴か…何の用だ!」

「言っただろヴァーリを助けにきたって、目的は達したから帰ろうと思ったんが気になって覗いてみたんだよ」

 

 なんか話しているがコイツも仲間なのか?

 

「自己紹介が遅れたな、俺っちの名は美猴…闘戦勝仏の末裔だ」

「とうせん…しょうぶつ?」

 

 聞きなれない単語にクエスチョンマークを浮かべる伸元にグレイフィアが闘戦勝仏が孫悟空であることを説明してくれた

 

「俺っちは初代と違って自由気ままに生きるんだぜぃ…よろしくな赤龍帝」

「どうも…ご丁寧に」

 

 挨拶をしてくれたので彼も腰を曲げて頭を下げた。どんな相手だろうが礼儀は必要である

 

 

「帰るなら連れていってやるぞ」

「そうね顔見せにしては良い頃合いね」

 

 棍を手元に出現させ床に突き立てた。2人の足元に黒い闇が広がると、ゆっくり沈んでいく

 

 

「赤龍帝!ヴァーリからの伝言があるが聞きたいか?」

「俺の所にきて直接言いに来いって伝えてくれ」

「分かった!」

 

 それだけ言い残すとカテレアと美候は完全に姿を消した。テロリストの襲撃は終わりを迎えたが三大勢力が受けたダメージは大きく、立て直すのに少し時間がかかりそうだ

 




カテレアが自爆せずに生き残りました(考えていたヤツと全然違う展開になってます)しかも原作よりも強化されてます

最初はリアス・グレモリーは功を焦って「私が倒す!」にして人質になって、彼女がサーゼクスに「妹を傷物にされたくなかったら、1人ずつ滅ぼしていきなさい」にする予定だったのに、こうなってしまいました


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明日は3歳馬の頂点を決める日本ダービー
頑張れアスクエジンバラと怪我から復帰した園田の英雄リンダリンダ岩田
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