争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

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実力差を知る

 レーティングゲームは冥界における唯一と言っていい程の娯楽だ!先の大戦で種族の数を大きく減らした悪魔界隈で漸く出てきた明るい話題で、今年は魔王・大王・大公を輩出した一族から高い力を持った若手悪魔が登場したことに世間は注目している

 

 今日開催されるのはソーナ・シトリーとリアス・グレモリーの対決であり、魔王の妹同士のマッチメイクに会場は大盛り上がりで勝敗を賭けの対象にしている

 

「(シトリー会長が6で向こうが4か)」

『(舐められたものだな!)』

 

 セラフォルーが用意してくれた特別席に座りモニターに映るオッズを確認しえいる。ゲーム開始前に彼女たちのいる控え室に行って鼓舞する言葉でも掛けようと思っていたが全員集中していたので引き返したのだ

 

 彼はリアス・グレモリーの支持率が4割もあることに驚いていた。非公式戦でレーティングゲームを経験しているとはいえ、婚姻を賭けたライザーとの試合で醜態を晒していたのに彼女に資金をつぎ込む悪魔が一定数存在している。穴党なら狙ってみたいが金をドブに捨てるようなものである

 

 

「同席してもよろしいですか?赤龍帝さん」

「構いませんよ」

 

 オッズを確認しながらマークシートと睨めっこをしていると会合の時に顔を合わせたシーグヴァイラ・アガレスが隣に座り、彼女の眷属たちも近くで待機をしている

 

「リアスたちは何分持つと思いますか?」

「単純な力比べなら1時間も掛からないはずだが、シスコン魔王のサーゼクスのことだが有利になるルールを持ち出してくると思うな」

 

 シーグヴァイラもソーナが勝つと思っている。彼女はポケットの中から投票券を見せつけてきたソーナが勝つ方に都内一戸建てを一括で購入出来る金額を投じていたのだ、しばらくは互いの身の上話をしていたが会話中に伸元のスマホが鳴動したが非通知だったのでスルーした

 

 

「それって00(ダブルオー)の?」

「あらご存知で」

 

 スマホから聞こえたのはトランザムをする時に流れるBGMで彼のお気に入りである

 

「好きなシーンってありますか?」

「劇場版で小熊が防衛線を突破した大型ELSに特攻して侵食されながら"私は市民を守る連邦軍の軍人だ!"で泣いていた」

「私も感動しました…他のジンクスパイロットたちも同じように命を賭すのがカッコよくて」

 

 初めて会った時はヤンキー悪魔と争って少し怖いイメージを持っていたが、ロボット作品を愛する同志なのかもしれない、そして彼の中で長年の疑問を投げかけてみた

 

 

「サバーニャが乱れ撃ちを披露するときにロックオンが舌打ちしてたけど、あれってどういう意味だと思う?」

「2回目のアレですね」

 

 彼女は腕を組んで考えこんでいた、ソーナより大きなバストが主張をしているが直視する訳にはいかなかった。こういった視線って案外バレるんだよね

 

「因みに赤龍帝さんの考察は?」

「刹那が到着するまでガッツリ戦闘していたしGN粒子の残量を気にして―――」

「あの時のサバーニャは中破して片腕が無くてシールドビットも破壊されていました。多分ですが想定よりも攻撃出来る対象が少なくて舌打ちをしたと思います」

 

 確かにミサイルを全弾発射したということは足りない火力を補うためだと言える。疑問が解決したことで2人はゲームが始まるまでロボットトークに熱中し最後は『グラハム・エーカーは気持ち悪い』で締めくくられた

 

 

 

 

 控え室にいるリアス・グレモリーは目を閉じて今日に至るまでのことを振り返っていた。桜が咲き誇る頃は自信に満ち溢れ周囲からの期待に応えるつもりだった。グレモリー家の時期当主として眷属たちと共にレーティングゲームのトップを目指す夢を叶えるつもりだったが、今は夢を語れば笑われてしまう存在になってしまった

 

 なにもかも全部アイツのせいだ!ソーナの隣にいる赤龍帝が表舞台に出てきてから全ての歯車が狂ってしまい自分に対する評価も地に落ちてしまった。だけどそんな屈辱は今日までだ!今回の勝負は兄の魔王が発案したもので自分にとって優位に働くはずだ、それに頑張ってトレーニングを積んだ我々が負けるはずなんて無い

 

「ょう……部長」

 

 寝ていると思われていたのか木場が何度も声を掛けてきた。彼だけはエクスカリバーを破壊した功績で高い評価を受けている。少しムッとした表情を作ったが1秒もせずに普段の顔を作り椅子から立ち上がった

 

「さぁ…いくわよ皆!」

 

 控え室から飛び出した彼女たちは肩で風を切るように力強く歩いていく、その様子を遠くから小さい黒猫が瞳を怪しく光らせていることも知らずに

 

 

 

 

 

『皆さま、このたびはグレモリー家、シトリー家の「レーティングゲーム」の審判役を担うことになりました。ルシファー眷属『女王』のグレイフィアでございます。ご両家の戦いを公平な立場でジャッジすることをここで宣言します。私の判定に物言いがありましたら挙手でお願いします!』

 

 普段のメイド服ではなく胸元が大きく開いた煌びやかなドレスを身に纏ったグレイフィアがマイクを握り観客たちから注目を浴びている

 

『今回のバトルフィールドは2人が人間界で住む駒王町の大型デパートになります。ソーナ・シトリーさまの本陣は転移先の室内でリアス・グレモリーさまの本陣は無しとなっております。双方の扱える神器は1名のみで、当人以外の選手が使用した場合は失格・退場になります』

 

 

・本陣を落とされるか3人の眷属が戦闘不能でシトリー家の敗北

・制限時間内にグレモリー家が1名でも残っていたらリアスたちの勝利

・デパートの過度な破壊はNGだが退場にするかはグレイフィアに委ねられる

 

 

「ソーナにとって厳しいルールでは?」

「それでも勝つよシトリー会長たちは」

「信頼さなっているのね」

 

 シーグヴァイラの問い掛けに言葉を発することなく笑顔を答えた。これぐらいの不利は跳ね除けないと夢を叶えることなんて出来ないのだから

 

 

 

 貴賓席で試合開始の号砲を待っていたサーゼクスは笑みを零していた。今回のルールは彼が決めたことで妹を有利にする判官贔屓の内容であった。セラフォルーや他の魔王から苦言を呈されたが眷属の戦力差を調整するためだと言い張ったのだ

 

「(今日がリーアたんの本当のスタートだ!)」

 

 しかしその目論見は簡単に崩れ去るのであった

 

 

 

 

 

「ようこそ私のテリトリーへ」

 

 衣服販売店が並ぶ階層で椿姫は敵が来るのを単独で待ち受けてきた。階段を駆け登ってきた木場は息を切らすことなく近づき聖魔剣の切先を彼女に向ける

 

「副会長だけですか?」

「もしかしたら隠れているかもしれません…ですか教えませんよ」

 

 薙刀を構えた彼女を見て彼は今までと違うことを肌で感じ取っていた。制限時間まで逃げ続けていれば勝てるのでリアスに進言したら却下された。彼女が望むのは完全勝利であって弱虫のように逃げ惑うことを嫌った

 

「悪いけど時間を掛けている余裕はないから」

 

 騎士の能力で一気に加速する。ただ闇雲に突っこむのではなくチェンジオブペース…つまり加減速を巧みに操って残像を見せるようにしている

 

 いくら相手が女王でも師匠と共に鍛えたスピードに追い付くことは不可能だと思った。目で遅れながら姿を追っているのがその証拠である

 

「(一気に終わらせる)」

 

 背後から斬りかかる。このままリタイアにさせるつもりだったが

 

"キンッ!"

「…えっ?」

 

 

 彼女は振り向くことすらせずに孫の手で背中を掻くように薙刀を自身の背に向けて木場の攻撃を容易く防いだ、あまりにも鮮やかな防御で素っ頓狂な声をあげてしまい体が硬直してしまった

 

「甘いですわね!」

 

 固まっていると側頭部にハイキックを受けた彼は下着売り場まで蹴飛ばされる。鈍器で殴られたような重い一撃にブラジャーの乗った頭部の上で星が周っているが顔面に拳をくらって現実に引き戻された

 

 おかしい…事前の情報では接近戦が不得手だったはずなのに玄人のような立ち振る舞いに木場は恐怖に陥っていた。全力で剣を振ったのに彼女の持つ薙刀には刃こぼれどころか傷一つすら付いていなかった

 

「私たちが弱いと見くびっていましたか?」

「そんなつもりは」

 

 聖魔剣は確かに強いが椿姫が持っている薙刀はタンニーンの爪で作られた代物だ、しかも落ちている古いやつではなく特訓中に接近戦を挑み元龍王の生爪を素手で剝ごうとしていたのだ

 

 

「会長の…いえ私たちの夢の為にこんなとこで足踏みをしている余裕なんてありません!」

 

 自分たちはなんて恐ろしい悪魔たちと敵にしてしまったのだろうか?木場が最後に見た光景は自身の顔を靴で踏みつける椿姫の顔で伸元と似ていると思ってしまった。スカートから覗かせる黒光りする下着を目にして意識が遠のいた

 

 

 

 

『リアス・グレモリー様の『騎士』一名リタイア』

 




まずはメインアタッカーの木場君が退場になりました。ルールではソーナたちは不利になりますが跳ね除けるはずでしょう


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明日は安田記念、頑張れガイアフォースとシェケナ
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