争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
『眷属を奪われたグレモリー家の失墜』
魔王主催のパーティーでサーゼクス様の妹で先日の勝負にて惨敗を喫したリアス・グレモリー氏の眷属で『戦車』の塔城小猫が誘拐された。エキジビションマッチで勝利した赤龍帝の石動氏が彼女のことを所望していたが、会場に現れた禍の団に所属するテロリストの女性が攫ってしまい行方をくらませてしまった
誘拐犯の攻撃を受けた赤龍帝に目立った外傷は無かったが、褒賞を受け取ることが出来なかったので代替案としてサーゼクス様が人間界で所持している『京都サーゼクスホテル』の経営権を求め近日中に引き渡される予定である
「ドンピシャのタイミングだぜぇ!」
地上200階から窓を突き破って脱出した泥棒とヒロインは美候の操る筋斗雲に着地して現場を離れた。5分にも満たない電撃作戦で妹を取り戻した黒歌は一度だけ振り向いて頭を下げた。それは赤龍帝に向けての礼なのかもしれない
「(ありがとうございます石動先輩)」
そして小猫は最後まで匙の名前を思い出すことは無かった
「(あんな即興劇でも案外なんとなるんだな)」
医務室に運ばれた伸元はベッドの上に横たわってアーシアから治療を受けながら今回の作戦を振り返っていた。こんなことをしなくても黒歌が小猫を攫うだけで簡単に終わることだが演出が欲しかったのだ
・悪魔側の警備体制がザルであることを証明する
・攻撃を受けて倒れることで相手が強者であることを認識させる
・小猫が攫われたヒロインであること
この3つの理由が必要だった。パーティーは4人の魔王が主催だが責任者はサーゼクスなので賊の侵入を許したことで非難が集中する。そしてサイラオーグを圧倒した赤龍帝が襲撃を受けて倒れることで禍の団が実力者であることを証明できる。3番目は彼女を『はぐれ』にしない為の保険だ
なお匙にはアドリブで黒歌のアシストをしてもらう為に動いてもらった。今回は伸ばしたをラインをわざと外しドアを開けたが、状況に応じて窓に叩きつけて外に放り投げてもらうつもりだった。外には美候が待機していたので容易に回収もできる
「早く小猫を連れ戻しましょう!」
廊下ではヒステリックなリアスが兄や他の魔王たちに陳情しているが2番目の理由の効力が強く発揮される
「ノブちゃんを圧倒したのよ☆返り討ちにされちゃうわよ」
「すまないが耐えてくれリーア」
「だったら私たちだけで助けに行きます!」
BGMだとしても不協和音で好ましくない音楽で耳を塞いでいてもうるさかった。しばらくするとアザゼルが鎧を着た女性と白く長い髭を生やし古ぼけた帽子をかぶった隻眼の老人を伴って入室してきた
「気分はどうだ赤龍帝」
「廊下が騒がしくて寝ることもできない」
「眷属が攫われたんだ仕方がない」
段々とリアスの声が遠くなっていく別室に送られて頭を冷やすのだろう。連絡先も交換していないし彼女たちのアジトも分からない闇雲に捜索したところで砂漠で10円玉を捜すようなものだ、仮面ライダーV3のデストロンが住所を教えていたが彼の自宅に禍の団から年賀状は届くのだろうか?
「この若造が今代の赤龍帝か」
「ここは病室だ少し黙ってろ!クソジジイ」
「悪ガキらしく口の聞き方を知らないようだな、しかしあの燃える土下座には笑わせてもらったぞ総督よりコメディアンの方が向いておる」
「ハッ!そんな昔のことなんざ覚えていないな、ジジイと違って忙しいんだよ…お・れ・は!」
とりあえず2人とも黙ってほしい、鎧を着た女性とアーシアがオロオロしているが伸元はスルーしてコーヒーを啜ったが少し温くなっていた。その後も口喧嘩は続いたので籠手を呼び出して倍加したパンチでアザゼルの膝の皿を砕いた
「この口が悪くてスケベそうなジジイはオーディンだ、これでも北欧を統べる主神様なんだよ」
目元に涙を浮かべ出血する膝を押さえながら老人の紹介をしてくれた。そして隣にいるのは戦乙女のロスヴァイセと名乗った
「よろしくのう小僧」
「それで何の用ですか?」
挨拶するだけなら別の機会でも良いはずだが、病室に訪れたということは早急に話さないといけない用事があるのではと勘ぐってしまう
「そう身構えるな、バアルの小童との戦いで見せた姿に興味が湧いての」
「ここに来てから早く合わせろってウルサイから連れてきたんだ」
せめて場所を選んでほしいものである
「それに小僧よ…お前にも興味がある」
「ちょっと気持ち悪いんですが」
「男をそういう目で見ることはない!この鴉頭に聞いたのだが、なぜシトリー家の嬢ちゃんに手を貸すのだ」
悪魔に転生することなく人間の身でソーナに尽くすことにオーディンは疑問を抱いていた。北欧の神様にとって彼の存在は異質に見えるみたいだ
「冥界にきた時に飯と布団を用意してくれた」
「それだけなのか?」
「北欧には一宿一飯の恩義っていうのは無いのか?あとはテスト勉強や宿題の手伝いをしてくれたから俺に出来るのはドライグとの荒事ぐらいだけだし」
云わば2人の間で恩を返し合っている間柄だったが、今では純粋に彼女の夢を応援する立場でもある。下世話なことだがシトリー家で彼のことを他家から守ってくれるのも要因の1つだ
「フフッ…変わった小僧ではないか、気が向いたら北欧に来い!とびきりのヴァルキリーを紹介するぞ、このロスヴァイセのように綺麗どころが揃っておる選り取り見取りじゃぞ」
「ちょっ!オーディン様」
「赤龍帝が惚れ込んだシトリー家の嬢ちゃんにワシも注目しておこうかの」
満足したのか戦乙女の尻を物理的に叩いたオーディンは病室から出て行くのであった。寝る気が失せた伸元はアーシアの手を取ってソーナたちのいる部屋に戻ったが
「ノブさん…」
四つん這いになっていた匙の上にソーナが座ってこちらも物理的に尻を叩いていた。黒歌を捕らえることができず逃走をアシストした叱責を受けている最中だった。彼は助けを求める目で見つめてくる
匙は悪くない、アカデミー賞並みの演技で咄嗟のアドリブにも対応してくれた。黒歌をいの一番に外へ出したことで余計な戦闘をすることなく被害を抑えることもできて文句無しだ、じゃあ何が悪いか?まぁいろいろ考えると匙が悪いに行きつく…でも助け舟は出してやらないと恨まれる
「シトリー会長そこまでにしておきましょう」
「ですが」
「俺を一撃で弾き飛ばした侵入者を外に出したことで被害を抑えることが出来たんですよ、あの空間内で暴れたらフレンドリーファイアになる可能性だってありました。突き詰めれば匙は来場者たちを守ったことになります」
彼の行ったことをストーリー風にして全て肯定した。人も悪魔もプラスの面を提示して1つずつメリットを並べていけば納得してくれる。しかしソーナの顔は煮え切らない表情だった
「それなら匙にチャンスを与えましょう」
「チャンス?小猫さんを攫った誘拐犯を捕まえるんですか?」
「眷属の実力を理解してください!勝てると思いますか?」
ハッキリ弱いと言わないだけマシである。彼はメモ帳に記した計画を彼女たちに披露するとソーナは少し渋い顔をしたが納得してくれた
結局のところ小猫は囚われたままで進展することは無かった。リアスはシトリー家に乗り込んで伸元のことを糾弾した。"サイラオーグを倒した力を使わなかったせいで小猫は捕まったのだから責任を取ってこい"と唾を飛ばしていたが穏便な方法で帰ってもらった
「名義は私だけど責任者は匙君だから頑張ってね☆」
「がっ……頑張ります!」
匙に与えたチャンスだが『京都サーゼクスホテル』の経営を担う責任者にすることだった。伸元が小猫の代わりに所望した権利を彼に譲渡したのだ
これが誘拐劇に協力することに渋っていた彼に提示した条件なのだ、匙もいずれ昇級すれば領地を受け取ることができる。ホテル経営と領地運営は畑違いだが金の扱い方や流れについて勉強してもらう。それに儲けを出すことができればソーナの夢である学校設立の資金にもなる
ホテルなら従来の悪魔稼業よりも多く稼ぐことも可能である。なお収益が発生したら伸元が10%を受け取る内容になっている
「経営学は私の友達がミッチリ教えてあげるからね☆」
「はい!」
力強く返事をしたが人間界に帰るまで、朝から晩まで毎日机に齧りついて泣きながら経営学の勉強をする羽目になったが、ソーナに出来るところを魅せる欲望だけで頑張るのであった。なお自宅に帰っても冥界から家庭教師が派遣されるのであった
「ノブチカ…早く行かないと」
「ライブが始まるのは夜からだろ」
「B小町グッズが売切れたらどうするんだ!」
お盆が過ぎた頃に人間界へ帰還していた2人は暑さ対策をして玄関から外に出た。ゼノヴィアの推しであるB小町がジャパンアイドルフェスに出演するので正式な手順を踏んでチケットを入手した。伸元も楽しみにしていたので待ち遠しかった…そして冥界では
「私とミリキャスはコカビエルの件でソーナ様から戴いた旅行に行ってきますので」
「別に今日じゃなくても」
「親子水入らずで楽しんできますので…公務を頑張ってください」
グレイフィアは旅行にしては少し大きなスーツケースを持ってグレモリーの屋敷から出て行った。息子と繋ぐ左手に指輪は無く、痕だけが残るだけでサーゼクスは気付くことは無かった。
「母様?」
「ミリキャス…2人で頑張りましょうね」
「…はい」
どうやら冥界で波乱が起きる模様のようだ!
体育館裏のホーリーは原作と同じになることは無いですね(主要人物は既に亡くなっていますし)
考えているのはセラフォルーとカテレアのガチバトルとグレモリー家の凋落にしようかと、ソーナを含め石動が空気になる可能性がある
感想ありがとうございます(おまちしてます)
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誤字訂正もありがとうございます
明日は宝塚記念 G1最年長勝利記録を1週で塗り替えろ マイユニバースと典さん