争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
突然の来訪に固まってしまったが伸元は2人を自宅に招き入れた。とりあえず夕食を後回しにしてグレイフィアにアイスコーヒーをミリキャスにはオレンジジュースが注がれたカップを渡して座ってもらった。セラフォルーが守ると言っていたのでソーナのとこで居を構えると思っていたが予想は外れていた
「セラが空き家を紹介してくれたので」
「まさか俺ん家の近くだったとは」
彼女たちは夏休み前に引っ越した兵藤の家を一括購入した。最初は彼女が払うつもりだったがミリキャスの祖父母が秘密裏に資金提供したことでグレイフィアの懐は殆ど痛むことはなかった
「そういえば息子とは初対面でしたね。ほらミリキャス…挨拶をして」
「はい!ミリキャス・グレモリーです。あの…この前の試合凄かったです」
立ち上がって深々と頭を下げて自己紹介をしてくれた。あのシスコン駄目魔王の遺伝子を受け継いでいるのに礼儀正しいということはグレイフィアの教育が行き届いている証である
パッと見て低学年ぐらいの見た目だが母親が生徒会の顧問になるということは必然的に鍵っ子になってしまうのでは?と考えてしまった
「ミリキャスは週明けから駒王学園の小等部に通わせます。放課後は児童会やソーナ様の所で預かってもらいます」
「帰宅して家に誰も居ないは寂しいですからね」
もしかしたら生徒会に連れて来る可能性もありそうだ。サーゼクスが冥界から連れ去りに来る可能性もあるので母親としては目の届くところに息子を置いておきたいという気持ちも分かる
「私も非常勤講師として働きますので」
生徒会の顧問を務めるグレイフィアも駒王学園で教鞭を執ることになっている。担当科目は英語で1学期に産休を取得した教師の後釜として収まった
その後は長話をしながら町内のルールを教え、ゴミ出しのカレンダーを渡すと2人は手土産を置いて目と鼻の先にある自宅へ帰っていった
「魔王も性格の不一致で離婚するのか」
「セラフォルーさんから教えてもらったけど、あの2人って独身時代は違う派閥に所属していたんだけど垣根を越えた大恋愛の末に結ばれたんだって」
「その愛が冷めてしまうほど嫌気を感じてしまったのだな」
「神の前で愛を誓っても神はもう死んでいるよ」
少し冷めた夕食を電子レンジで温めて対面に座るゼノヴィアと共に食べる。いつの世も些細なきっかけで今まで許容することができたパートナーも、愛というフィルターが取り除かれてしまったら醜い肉塊に見えてしまうものだ
「お兄様を見限るって、いったいどういうつもり!」
そして案の定リアスはグレイフィアに絡んだ、熟れた肉体にラインが浮き出るスーツを着こなし男子生徒を前屈みの姿勢にしてしまう人妻英語講師は初日から人気だった。今まで他科目の内職や居眠りをする生徒が多かったが前任者よりも分かりやすい教え方なので学生たちも授業に集中している
「あの人には現実を知ってもらう必要があるので」
「ミリキャスまで連れていくなんて、お父様たちが―――」
「問題ありません、ジオティクス様たちも今回のことに対して了承してくれています」
「…っ、お兄様がやって来るまで僅かな自由を満喫でもしてなさい!」
舌打ちをして苦虫を嚙み潰したような表情で去っていく彼女だが眷属は付き添っていなかった。ギャスパーは自分の部屋に引き籠って自身の顧客たちとモンハンで素材集めを行い、木場と朱乃は所属するクラスで体育祭の練習をしている
「(来ることはありませんよ)」
グレイフィアが言うようにサーゼクスは冥界から外に出ることが不可能な状況に陥っていた。今まで自身のスケジュール管理を彼女に任せていたせいで1日の予定が分からず大王や大公との会談を欠席してしまった。また勝手に人間界へ赴けば公務をすっぽかしたと思われ低い支持率が更に落ちてしまう
自宅に帰っても両親に監視されているので抜け出すことが出来ない、常に誰かがサーゼクスを見張っている状態なのだ
「母様!」
ランドセルを背負ったミリキャスが彼女に近付いてくる。小学生にとって転校生がやって来るのは遠足・運動会に次ぐイベントでありクラスの子供たちも拒絶することなく受け入れてくれた。グレイフィアは中腰になって息子と同じ目線になると
「ミリキャス…学校では先生って呼ぶって言いましたよね」
「ごめんなさい」
「放課後ですし大目に見ますが、明日からは大丈夫ですよね?」
「はい」
先生を『お母さん』と言ってしまうことは小学生のあるあるだが、彼女がミリキャスのいる小等部の先生だったら洒落にならない事案である。優しい手付きで息子の頭を撫でると児童会室に送り届け彼女は生徒会室に向かうのであった
「次の対戦相手が決まりました」
1番最後に入室してきたソーナの発した言葉に書類をまとめていた眷属たちは手を止めた。生徒会に所属していない伸元も手伝いとして部活対抗リレーの組分けを行いながら耳を傾ける
「私たちが次に戦うのはグラシャラボラス家のゼファードル・グラシャラボラスです」
ソーナと椿姫以外の面々は頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。"そんな奴いましたっけ?"という表情を見て会長はため息を吐いた
「ホールでアガレス家と揉めていた方です」
「あの田舎のヤンキーみたいな奴か」
匙が手を叩いて思い出し他の眷属たちも同じように納得している。サイラオーグによって鎮圧されたヤンキーは会合に参加することが出来ずに病室のモニターを見つめるだけだった
「ゼファードルは躍起になって私たちを倒そうと意気込んでいます」
「グレイフィアさん…そいつの実力って眷属を含めてどれぐらいの強さですか?」
「凶児と呼ばれ相応の実力を有していますが特殊なルールでない限り、今の皆様なら99%の確率で勝つと思います」
その言葉にゼノヴィア以外の眷属たちが沸き立つ、コカビエルや禍の団など格上たちと戦い、初めてのレーティングゲームで完勝した自分たちの相手が格下なら楽に戦えると思っている…しかし
「1%負けています!」
「そうだなこれは余裕ではなく緩みだ!」
「リアスは私たちを格下と侮って敗北しました」
ソーナの言葉にゼノヴィアが続いた。今回は追われる立場であり向こうは汚名返上の気持ちで挑んでくる。あのヤンキーが正々堂々と戦う保証なんて無いルールの隙を突いて1%の勝率に全てを賭けてくる。負けてしまったら自分たちの評価は落ちてしまうのだ
「体育祭もありますが、日々の訓練を疎かにするつもりはありません」
「私も徹底的にやりますので生半可な気持ちで立たないようにお願いします」
兜の緒を締めた眷属たちは緩んでいた表情から切り替えると、生徒会の仕事を終わらせてトレーニングに励んだ
椿姫とゼノヴィアは接近戦で斬り合い、匙は翼紗たちと共に自身の神器の活用方法を見出す戦法を模索している。回復役のアーシアはゲーム開始直後に狙われる可能性があるのでグレイフィアから防御魔法を伝授された
「それで実際はどれぐらいですか?」
「負けることはあり得ません…しかし嫌な胸騒ぎがします」
「そこは匙たちを信じてあげましょう」
ソーナも『
昔なら行き詰ってしまったが今の自分たちには歴戦の猛者であるグレイフィアが顧問として味方についている。セラフォルー以外に頼れる大人がいるおかげで今までより悩む時間が減ることで心に余裕が生まれていた
「ところでゼノヴィアが冥界にB小町を呼びたいと」
「やっぱり夢物語ですかね?」
「彼女たちの身の安全を保証するのは難しいですし、私の夢より高い壁になります」
ゼノヴィアの案は却下されてしまったが、企画書を読んだセラフォルーが冥界でアイドルユニットを作って人間界に売り込もうと立案した。しかしノウハウが全く無いのでプロデュース業を担う業界人とコンタクトを取ることから始めることになった
坊主頭で無精ひげを伸ばしボロボロの衣服を纏った少年が公園のトイレの中に息を潜めて隠れていた。生まれ育った町に戻った兵藤一誠は自宅まで僅かな距離まで迫っている
「(もう少しで俺は……)」
脱出と逃亡に時間を擁してしまいイベントに参加することは出来なかった。しかしあとちょっとで自宅まで辿り着ける
「(こんな生活は今日でおさらばだ!)」
既に両親は退去していることを知らない彼は自宅の表札に他人の名前が書かれているのを見たときにどんな反応をするのだろうか?
グレイフィアは駒王の先生になりました
そしてソーナたちの対戦相手はヤンキー悪魔ですが、アイシールド21の蛭魔の台詞を言わせたかった目的もあります
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか
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マイナーな技も出してくれよ OK
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ハイDにキン肉マンは合わないから NG