争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
(例)キン肉マンより、テリーやロビンが戦っている時の方がページを捲る手がドキドキ・ワクワクで震えた
会場に禍の団が押し寄せてきたことを感知したセラフォルーはソーナたちを救いに向かった。ねっとりと皮膚に纏わりつくような嫌な空気の感覚が不安を増大させマイナス思考へと誘ってしまう
頼りになる赤龍帝の彼は他の観客たちと結界に囚われてしまい身動きが出来ない状態である。もし妹のところにカテレアのような旧魔王クラスの悪魔が現れたら太刀打ちが出来ない、頑張って鍛えてきたと言っても若手悪魔でありレベル差は天と地ほど離れている……しかし
「カテレアちゃん」
「随分と悠長な救出ですねセラフォルー」
現魔王の行く手を遮るように旧魔王が待ち伏せていた。カテレアは挨拶代わりにバスケットボールサイズの魔力弾を放ったが彼女は羽虫を弾くように手の甲で軌道を逸らし直撃を避けた
「この前よりマシにはなりましたね」
「どいてよ!早くソーナちゃんを助けに行かないと」
「眼中に無いということ…で・す・かっ!」
音もなく雷鳴のような速さで接近し拳を振り抜いた。セラフォルーは伸びきった腕を掴んで一本背負いで地面に叩きつけたが受け身をとられてしまい目立ったダメージを与えることが出来なかった
カテレアは『オーフィスの蛇』でドーピングし、セラフォルーは時間の許す限り伸元とガチバトルを行って自身を鍛え上げていった。魔王に就任してからトレーニングを行うことが無かった彼女にとってブランクを取り戻すには最高の相手だった
「話し合いじゃ駄目だよね」
「戯れ言を…最後に立っていた者が真のレヴィアタンを名乗りましょう」
彼女の背後には自身の魔力で形成された水龍が佇んでいた。セラフォルーは着用していたスーツの袖を破ってヒールを脱いで動きやすい恰好になると同じサイズの氷龍を作り出している
ズァガァォォォ……ン!
互いを飲み込もうと両者の龍が中央でぶつかり合うと空気の振動と共にレヴィアタンを背負う2人の争いは始まった
結界の中に閉じ込められた伸元たちは頭を悩ませていた。観客席にいた脳筋で力自慢の悪魔が何度も破壊を試みるがカウンターで返されてしまい別の悪魔が被害を受ける状況が続いている
「結界を作っている術者を見つけ出せれば」
「弱点を晒すほど馬鹿じゃないだろ、その辺も織り込み済みだな」
飛び交ってくる魔力弾を相殺しながら作戦を練る。セオリー通りなら外にいる面々に頑張ってもらわないといけないが、目と鼻の先では禍の団が魔法陣で侵入し防衛部隊たちと戦闘をしていた
「シーグヴァイラ様、赤龍帝殿!」
「どうしたんですか?アリヴィアン」
彼女の女王が神妙な顔つきで迫ってきたので2人は耳を傾ける
「気のせいかもしれませんが少し前から息苦しくないですか?」
「まさか…そんな」
「効果的な方法だな、空気穴を作らずに集団で閉じ込めれば酸欠でポックリだ」
「すぐに…」
彼女は騒いでいる面々を落ち着かせようと立ち上がるが伸元たちは腕を引っ張って無理やり座らせた。シーグヴァイラは顔を赤くして止めた理由を問いただす
「向こうはそれも狙っている」
「なんですって?」
酸欠の危機が迫っていたら観客たちはパニックを引き起こす。今以上に酸素を消費しながら結界を破ろうとして攻撃を与えて自滅する。これが映画やドラマのフィクションなら盛り上がるシーンだが現実として受けてしまうと嫌なマインドに陥ってしまう
「アリヴィアンさん…1つ質問が」
「なんですか?」
「死後に強まる術式って有り得ますか?」
その問い掛けに彼は顎に手を当てて考え込んだ、自身の生命力を神器に込めて能力を底上げすることはレーティングゲームの戦法で用いられる。寿命の前借りのようなもので見ている側としては面白いが身内だと推奨してほしくない戦い方である
「この結界にそれが組み込まれていると?」
「あくまで可能性の話です」
「悪趣味ですわね」
テロリスト集団なら大儀のために仲間の命を軽く扱う。"未来のため・誇りを取り戻す"などの言葉を使って投げ出させるはずだ、この光景を高みの見物をしている人物がいたとしたら大笑いするだろう。結界を解くために隠れている術者を見つけて倒したら更にピンチになって首を締め付けるのだから
「私たちの手でどうにかしないといけませんね」
籠った熱気で曇った眼鏡をハンカチで拭いたシーグヴァイラは打開策を見つけようと周囲を観察している。しかし降り注ぐ魔力弾を避けながらでは落ち着けず妙案も浮かばない
遠くで2人の悪魔が同時に放った攻撃の音が聞こえ彼女は防御の体勢になるがカウンターは返ってこなかった
「まさか……赤龍帝さん少し手伝ってください!」
シーグヴァイラの思いついた策は何なのか?そしてそれが上手くいくのか…僅かな可能性を信じ迫ってくるタイムリミットまで脱出を目指せ!
「バブルスプラッシュ!」
カテレアは自身の周囲に無数の水玉を浮かべると高速でセラフォルーに投げつけた。水玉は細かく分裂して散弾銃のように小さくなって彼女を襲う
「…っ、氷龍陣」
氷の龍を作り出して
「脆いですわ」
「うそ…でしょ!」
接近した彼女の蹴りで龍は無残にも砕け散ってしまう。カテレアは驚いている彼女を仕留めようと拳を振り抜こうとした瞬間にセラフォルーの口角が僅かにあがる
「ショットガン・アイス!」
砕け散って地面に落ちていた氷が弾丸になってカテレアの背中に着弾した。出血し着ていた衣服を汚しながらも攻撃の手を止めずに顔面を狙うが、セラフォルーも同じように自分の顔に向けてパンチを繰り出していた
"ドォォンッッ!"
互いの頬に拳がめり込み骨が砕ける音が全身に伝わってくる。その体勢のまま睨み合いが続いたが均衡を破ったのはカテレアの方だった
膝蹴りで腹部を狙ったがセラフォルーは片手で受け止めて抱えると内側に捻るように倒れこんだ、当然ようにバランスを崩しマウントポジションをとられてしまう。氷のグローブを作ってダメージを与えようとするがブリッジするように下腹部をバウンドさせて彼女を退かせる
「前より出来るようになりましたね」
「私だって…ノブちゃんと特訓してきたもん☆」
「やはり赤龍帝ですか」
瞬きをすれば詰められる距離で対峙する2人は呼吸を整えていた。カテレアは焦燥しセラフォルーは実感をしている。あの時に開いていた戦闘力の差は縮まり彼女は『オーフィスの蛇』を使った自分と同じ位置に存在する
真剣な目で見つめてくるセラフォルーを見下すのは止めた。最後まで立っていた者がレヴィアタンの名を受け継ぐ、敗者になるつもりなど持ち合わせていない自分こそが相応しいのだから
「
空中に浮かび上がらせていた氷の槍を複数射出してくる。躱す余裕がなくボクシングのガードの構えで顔を隠し自身の中心から魔力を放出して弾き飛ばした。しかし氷の槍は回転し再びカテレアに照準を向ける
「小賢しい技を」
「魔王なんだもん…悪魔なんだもん小賢しいのは当たり前でしょ!」
飛んできた槍を掴み飛来してくるモノを全て薙ぎ払い、最後は所持していた氷槍を全力で投げつける。音速の壁を突破する振動が空気中に伝わり尖った先端がセラフォルーの心臓に突き刺さったが
「変わり身だと」
それは彼女を模して造られた氷の人形だった。バラバラに崩れ落ちる氷像を見つめるカテレアは視線をあちこちに向けて彼女を探しだそうとしているが見当たらない
「(まさかソーナ・シトリーの所へ?)」
セラフォルーのシスコン具合は病的であり彼女はそれを嫌悪していた。家族を大切にし愛することは当たり前のことだと言えるが度を越していたら害悪にすぎない、しかし彼女がこの勝負を投げ出すとは思えないのも事実だ
その場に立っていたカテレアは警戒を解くと次に何をするべきか思案をする。誰かと合流しサーゼクスや他の魔王を討伐するか、結界の外にいる若手悪魔たちを狙うのも面白いと考えていたが…彼女は油断をしていた
「氷竜拳!」
地面からセラフォルーが出現し氷を纏った拳でカテレアの顎を粉々に砕いた。更に彼女は追撃を与えようとしたがパンチは止められてしまい仕留めるチャンスを逃してしまった
「ふぅ…っっ…っうつ……うっっぅ………うぅん」
口の中が血で溢れ地面に吐き出してしまう。彼女は自分自身に対して怒っていた!このダメージは油断や慢心で負ってしまった不名誉な痛みだ、我々は悪魔なのだから卑怯な手だって使う
「(私の全てをぶつけますわ!)」
ボロボロになっていた上半身の衣服を破り捨てるとレヴィアタンの魔法陣を浮かべ八匹の水龍を呼び出した。それぞれが違う形で単眼や瞳を閉じている龍もいる
「カテレアちゃん…私の本気を受け止めて」
セラフォルーは血だらけの右腕を横に伸ばし魔力を集中させた。自身の身の回りに存在する水分を集めて凍らせると氷の大剣を作り出して素振りをして感覚を確かめる
「はぁぁぁぁぁあああ!」
力強く駆け出し跳躍したセラフォルーは今まで出したことのない声を叫びながら斬りかかる。2人の勝負の行方は?そしてシャルバと対峙するソーナは無事なのか?次回をお待ちください!
多分だけどカテレアが強くなって活躍する作品って稀ですよね?普通は自爆してフェードアウトですし、とりあえず作中の技名は某ゲームから拝借しました(カプコンとセガ)
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか
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マイナーな技も出してくれよ OK
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ハイDにキン肉マンは合わないから NG