争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

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悪魔が小悪魔風メイクをしても無意味ですよね?


覚悟を決める悪魔と報いを受ける悪魔

 若手悪魔たちの活躍の場を襲撃されたことで冥界の代表である魔王に対してバッシングが相次いでいる。和平合意や祝勝会に続いてテロリストたちに再三襲われ警備の甘さを指摘されたのにも関わらず、対策が不十分だったことに民衆の怒りは言葉の刃として魔王たちを斬りつける

 

 本来なら4人の魔王を代表してサーゼクスが説明責任を果たさなければならないが、襲撃以降表舞台に立つことなくダンマリと雲隠れを続けている。なおカテレアとの戦闘で重傷を負ったセラフォルーは翌日から職務に復帰し、禍の団に対して堕天使・天使との対策会議に乗り出している

 

 

 

 

「(私は何も出来ずに……)」

 

 治療中の匙を除いた眷属たちとシトリー家に戻ったソーナは自室から夜空を見上げ当時のことを思い出していた。シャルバの指摘に歩んできた人生を振り返ると常に護られている日々だった

 

 産まれた時から衣食住に不自由することなくシトリーの家柄に護られ魔王である姉が脅威から遠ざけてくれた。長年の友人は立ち止まった時に助力をしてくれて夢の応援をしてくれる。そして眷属たちは身を挺して敵から護ってくれた

 

 

 

「(何が『王』だ!見ているだけで)」

 

 対峙したシャルバには魔王の風格が備わっていた。敵でありながら自身の身を犠牲にして奮闘した匙に向けて賛辞の言葉を述べると彼共々スカウトを試みた

 

 あの言葉を聞いた後だったから"もしかして"と疑念を抱いてしまうが、彼は寸分の迷いなく拳を構えたことに安堵したと同時に揺らいでしまった自分自身を恥じる。全幅の信頼を寄せてくれる伸元の気持ちを踏みにじる思考に至った弱さが憎い

 

 

「(私も肩を並べるようになります。もう迷いません!)」

 

 覚悟を決めたソーナ・シトリーは眼鏡を外すと引き出しの中に入れて鍵を掛けてゴミ箱に捨てた。心に誓い部屋を出た彼女は父親のいる書斎に向かうのであった

 

 

 

 

 

 

「オーフィスの言ってた次元の狭間って何だ?」

「そうだなこっちも聞きたいことがある。お互いに情報開示としよう」

 

 姿を消したオーフィスがいなくなったことで部屋には野郎だけが残っていた。今回のことを振り返る目的としてアザゼルに問いかける

 

「お前に分かりやすく伝えるなら『異空間』が近いな」

「こことは隔てられた世界ってことか?」

「その認識で大丈夫だ!完全なる静寂以外は何も存在しない無の世界でオーフィスとグレートレッドの生まれ故郷とされている」

「グレートレッドって…あのバカでかい赤いドラゴンか」

 

 その質問に頷いたアザゼルは頷きドライグが口を開いてくれた

 

 黙示録に記されし赤いドラゴンであり真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)と呼ばれ『D×D』(ドラゴン・オブ・ドラゴン)と称される。次元の狭間に住み永遠に飛び続ける最強の存在

 

「ヴァーリが挑みそうな相手だな」

『今の奴等ならグレートレッドは歯牙にもかけない、例え『覇龍』で暴走してもレベル差は天と地の差がある。無論だが相棒にも言えることだ!』

「アレを極めてもか?」

『どうだろうな…稀有な存在として一目を置くかもしれない』

 

 彼の求めていた情報を得ることが出来たので今度はアザゼルの方から問いかけられたのはオーフィスが口にしていた『白龍皇は弱者になった』という文言だった

 

 

「言葉で説明するより味わった方が分かりやすいな」

「味わうって…オイッ!なにを?」

 

 赤龍帝の籠手で倍加しダイスを転がすと『飛蚊症』と書かれた面が現れる。部屋の壁は清潔感のある白で統一されていたので目の前に映った夥しい量の歪な模様に吐き気を催してしまい自身の頭を何度も叩いて正常に戻ろうとしていた

 

 

「コカビエルもこれでやったのか?」

「あの時は『アルツハイマー型認知症』が出た。そしてヴァーリには『アレルギー』を与えた」

 

 症状を解除するがアザゼルの足元はおぼつかず椅子に座っても落ち着くことはなかった。先程の状態を例えるなら目の前に顕微鏡で覗く微生物が数多く出現し、蠢いていれば誰だって気持ち悪くなるのは当然だ

 

 

「埃に花粉、水や食品に関するアレルギー症状がアイツの体内で起きている。オーフィスが口にした弱者ってことは殆ど飲み食いが出来ない病人だな」

「育ての親としては解除を頼みたいが、堕天使総督の立場だと―――」

 

 これが発動している間は禍の団は主戦力を失っている状態であり、三大勢力との戦力差をギリギリのところで保っている。テロリスト側が隠し玉を用意してる可能性も考えれば今のうちにこちらも戦力を整える必要がある

 

 

「さっきのことだがシトリー会長に伝えておく」

「正式な手続きを踏んで生徒会の顧問にも打診するが、お前の方からも頼む!」

 

 

 時計を見ると長話をし過ぎたことに気付いた伸元は冷めてしまったコーヒーを一気飲みして立ち上がった。シーグヴァイラとの約束を果たせるか不明だが人間界から持ってきたプラモデルのお土産だけでも送り届けないといけない、状況が落ち着いたら彼女を自分たちのところに招待し静岡県が誇る某企業に連れていくプランを頭の中で組み立てる

 

 

 

 

 

「……ってくれ、待ってくれグレイフィア!」

「何で貴方の指図を受けないといけないのですか?サーゼクス・ルシファー」

 

 

 扉を隔てた廊下から男女の大声が聞こえてくる。どちらも知った声で険悪な雰囲気であることがヒシヒシと伝わってきていた。伸元は深く息を吐きアザゼルは極上の喜劇を観るような目でウキウキとしている

 

 

「考え直してくれないか…ミリキャスだって父親と離れて暮らしたくないはずだ!」

「ご心配には及びません、ミリキャスはグレモリー家にいた頃よりも表情豊かになって多くの友達を作っています。毎日の入浴で今日の出来事を聞くのが私の楽しみなので」

「だけど…」

「生徒会のシトリー家の皆さまや近所に住む石動様も誰かさんと違ってご理解をしてくれます。もうお忘れになったのですか?『言いたいことがありましたらシトリー家の顧問弁護士を通じて書面でお願いします』と」

 

 

 背を向ける彼女にサーゼクスは近寄って肩に手を掛けるがハエを叩き落とすように手で弾いた。明確な拒絶を受けた彼は途方に暮れている。その様子を耳にしていたアザゼルは堕天使らしく悪戯心に火がついてしまい伸元の背中を押して廊下に出してしまった

 

 

 

「あら、石動様…こんなところでいったい何を?」

「アザゼルと今回の報告書をまとめていた。匙や会長たちには休んでいてほしいから」

「そうでしたか…ご苦労様です」

 

 

 グレイフィアの顔を直視すると彼女は普段と変わりない表情だったが小悪魔的な笑みを浮かべていた。なんか凄くとても面白そうな予感が速達で到着し脳内で警鐘を鳴らす

 

 

「今からセラの見舞いに行きませんか?石動様の顔を見たら元気になると思います」

「こんな時間に押しかけて大丈夫なんですか?」

「問題ありません…それに悪魔にとって今からが本番なので」

 

 

 答えを聞く前に彼女は伸元の手を握りサーゼクスに見せつけるようにした。その手は次第に腕へ絡みついて圧倒的な存在感を示す豊満な胸が肘に当たって体温とゴム鞠のような弾力に心拍数がドンドンと上昇する

 

 

「セラの病室はコチラですよ!」

 

 年下の彼氏をエスコートする乙女の振る舞いを披露しているとサーゼクスは猪のように突進し2人の仲を裂こうとしたがグレイフィアの方が1枚上手だった

 

 彼女はマタドールのようにヒラリと身を躱して廊下の端に寄ると伸元を正面から抱きしめる体勢となって、互いの胸を突き合わせている

 

 

「汚らしいドラゴンの手でグレイフィアに触れるなっ!」

 

 何かが弾けたサーゼクスは滅びの魔力を彼に向けて放つが、抱き寄せられた時に偶然にもダイスが転がってしまい『尿管結石』の面で止まっていた

 

 体内に変な違和感が生じる。最初は小さな痛みだったが段々と主張が激しくなり額に脂汗が浮かびあがる。背中から伝わってくる痛みの箇所を殴って緩和させようとするが収まる気配がしない……そして

 

 

「ガァァああッあがががあAAAAッAGaaaaaaああぁぁぁああがが‼」

 

 ついに我慢が出来なくなり断末魔の叫び声を轟かせながら、床の上で殺虫剤を吹き付けられた虫のように飛び跳ねていた

 

 グレイフィアはその様子をスマホのカメラで動画として保存すると室内で笑っているアザゼルに向けて虫の処理を頼み、改めて彼と共にセラフォルーのお見舞いに向かうのであった

 

 




久々にダイスを使った気がする。なおサーゼクスの尿管結石は常に体内で作られるので痛みが収まることはありません。倍加無しですとサイズは直径11センチの大きさになります

感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます

石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか

  • マイナーな技も出してくれよ OK
  • ハイDにキン肉マンは合わないから NG
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