争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
「英雄派?」
堕天使領から帰還したアザゼルは放課後に伸元を根城の理科準備室に呼び寄せていた。彼は経費で購入した冷蔵庫からウイスキーの瓶を取り出してグラスに注ぎながら向こうにいる匙の近況を伝えると本題に踏み込んだ
「禍の団の派閥の1つだな、この前会場を襲ってきたシャルバたちは旧魔王派になる」
「政治家みたいにテロリストにも派閥があるのかよ」
嘆息するように吐き出すと椅子に腰掛けて頬杖をつく、自身のスマホに届いたセラフォルーからのメッセージでテロリストたちの動きが活発的になってると送られてきていたからだ
「英雄派の構成員は伝説の勇者や英雄さまの子孫が集まっている。神器や伝説の武具まで持って戦闘力は堕天使や悪魔にひけを取らない」
「そいつ等が『オーフィスの蛇』を使ったら対処出来るのか?」
その問い掛けにアザゼルは少し悩んで首を横に振った
「堕天使領で暴れていた下っ端を捕らえて尋問したが、英雄派の奴等は『オーフィスの蛇』に手を出すことを禁じているみたいだ」
「何でまたそんなことを?」
「そいつは"使うな"としか聞かされていなかった」
グラスの中身を空にして瓶を逆さにするが一滴も出てこなかったので床下から新しい瓶を開封し表面張力ギリギリまで注いだ
「親から貰った大事な体を『
ケラケラと誂うように笑いながらアザゼルを見つめるが彼は顎に手を当てて黙ってしまった。度数の高いアルコール飲み過ぎて気持ち悪くなったかと思ったが、引き出しの中から紙の束を取り出して目を皿のようにして見つめている
「『人間がどこまで行けるのかを知りたい』か…それなら説明がつくな」
「正解者には何がプレゼントされるんだ?」
決め顔でウインクと投げキッスをしてきたのでカチンときた伸元はダイスを転がした。しばらくしてアザゼルは頭を押さえて床の上をのたうち回っている。アルコールを飲んだ直後に『群発頭痛』は効果的である
スマホのカメラで撮影し業務中に飲酒をする不良先生にはキツイお仕置きが必要なので放置することを決めて準備室から出て行くのであった。覚えていたら寝る前に解除するから…覚えていたらね
"ぐぅぅぅ~~"
アザゼルと戯れていたら腹の虫が悲鳴をあげてしまった。石動家では晩御飯はだいたい19時前後なので今からだと4時間以上待つ必要がある。近くにコンビニは無く胃袋を納得させるものを捜していると木造建築のラーメン屋を発見した
食品サンプルが日焼けで変色しているが並んでいるのは醤油・味噌・塩やチャーハンなどの定番メニューばかりだ、我慢するのも嫌だったので暖簾をくぐると
「なんで赤龍帝がここにぃ?」
「それはこっちの台詞だ美候」
そこにはカジュアルな恰好をした孫悟空の末裔がラーメンを啜っていたが、入店してきた伸元のことを見て驚き麺とチャーシューを噴き出してしまった
「汚いところみせて悪いな!それに弁償もしてくれるなんて最高だねぇ」
「仕事中に酒を飲む不良教師をイジメて気分がいいからな」
美候の脳内にボロ雑巾のようにズタズタにされたアザゼルの光景が浮かび笑ってしまう。それを見て彼は保存した写真を取り出すと大爆笑してしまった
「それより捕まえなくていいか?俺っちは曲がりなりにもテロリストなんだが」
「ここで狼藉を働くつもりなら縛るがラーメンを食いに来ただけだろ?別に銭形警部じゃないんだ見つけて即逮捕なんてしないよ」
彼が食べているのと同じのを注文し割り箸で麺をほぐしながら口の中へ運んでいく、美候とはヒロイン強奪パーティー以来なので互いの近況を言い合いながら啜る
「旧魔王派の奴等は少し沈黙するみたいだ、勝ったとはいえ襲撃で結構な数を減らした」
「お前たちは何派になるんだ?」
「俺っちのところはどこにも属さない…言ってしまえばヴァーリチームなんだが、リーダーが痩せ細ってね何もできないから開店休業中よっ、黒歌たちが仙術で補っているが飲み食いできないのは辛いねぇ」
ヴァーリは今もアレルギー症状で苦しむが解除するつもりは毛頭に無い、冥界にグレートレッドが現れたこともアルビオンを通じて分かっているはずだ、バトルマニアには黙ってもらい白龍皇との戦いは向こうが次代になったら決着をつけようと思う
「そういえば週刊誌の報道は本当なのかい?」
「サーゼクス・ルシファーのことか」
「あの2人の恋路は舞台やドラマ化されるほどの人気コンテンツでゴールデンタイムでも再放送されていたんだが、すっぱ抜かれてから全くやらなくなった」
ゴールデンの時間帯にドラマの再放送を流しても数字が取れるドル箱作品が、夫婦関係が冷え切ったことで番組は二度と使えなくなってしまった
「シスコン魔王の自業自得だ」
「シャルバが攻めた翌日から表舞台に出てきていないんだが、かなりの重症みたいだな」
「不摂生でもして尿管結石にでもなっているんだろ」
「まさかぁ~~~」
美候はスープを飲み干して笑っているが、伸元は実情を知っているので口を閉ざした
「そうだ!黒歌がお前にお礼を言いたいんだとよ、もしかしたら今日明日にやってくるかもな」
「この前シャルバにスカウトされたんだぞ、赤龍帝のテロリスト入りって勘ぐられるって」
「その辺は抜かりないぜ、風俗嬢みたいな見た目だが黒歌は仙術の達人だ!外部と遮断する空間も作ることなんざ朝飯前ってことよ」
コップの水を一気飲みすると厨房で漫画を読んでいるヨボヨボの爺さんにお茶を求めると、美候は真剣な眼差しで視線を向けてきた
「これは極秘情報なんだがラーメンのお礼に2つ教えてやる」
「有益なことなんだよな?」
ハンカチで汁で汚れた口元を拭いて食べ終わった丼をカウンターの奥に遠ざける
「1つはオーディンのジジイが駒王町にやって来るみたいだ、どうやら北欧の連中は三大勢力との会談を望んでいるらしいが気に食わない奴等も一定数いるはずだ」
「そんなこと冥界でやれって話だな」
「ここには赤龍帝が住んでいるから有事の際に動いてもらおうって寸法だな」
「やりたくないね」
その発言を耳にした彼は目を一瞬だけ細めるが、すぐに表情を戻した
「もう1つは英雄派の連中が神器所有者を拉致ってる。戦力を集めるにしても節操がない」
「旧魔王派が静かなうちに何かをするつもりだな」
「気をつけな赤龍帝…アイツ等は狂信者の集まりだ!英雄と言いながら悪どいことにも手を染める」
「ご忠告感謝する」
レシートを持って立ち上がり会計を済ませると美候はスマホを取り出していた。どうやら連絡先を交換しようと目で訴えてくる
「こっちも動きあったら連絡する」
「ゴシップな話題なら大歓迎だな、団の中でサーゼクスのヤツがいつ別れるか賭けの対象になってる」
「ついでに旨いラーメン屋の情報も載せておく」
「話が分かるね赤龍帝、マジで俺っちたちと一緒に来ないか?今なら黒歌たちがお風呂でじゃれ合っている動画もプレゼントするぜ……もちろん無修正だ」
変態たちなら涎を垂らして飛びつきそうな魅力的な勧誘だが伸元は首を横に振った。彼の方も断られることを予見していたので深く追及することなくスマホをポケットの中に入れた
店を出て彼と別れた美候は僅かながらチャンスを得たことを実感していた。ヴァーリが陥っている症状は伸元が関係している。そして彼はオーディンの護衛に関して消極的である
「(上手くいけばヴァーリを治すこともできるはずだ!薄氷を踏むチャレンジだが成功させてみせるぜ)」
孫悟空の末裔は今も苦しむ仲間の為に孤軍奮闘するのであった。なおアザゼルの群発頭痛を解除せずに寝てしまったので堕天使総督は更にアルコールを摂取して和らげようとしたが症状を悪化させるだけだった
美候と友達になりました。変態コンビの修学旅行を予想している読者もいますが楽しみにしてください期待に応えるようにしますので
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか
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マイナーな技も出してくれよ OK
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ハイDにキン肉マンは合わないから NG