争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

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エロい爺さんは頑張る若者が大好きなんじゃ

 小僧のことを知ったのは偶々じゃった。適当にザッピングをしておったら魔王の妹が植物の蔦に全身を絡まれ逆さ吊りにされておった、スカートは捲れ純白の下着が露わとなって若くて青々しいヒップに向けてスコップを叩き付けていたのだ

 

 口の中にまで植物に犯され悶え苦しむシーンに感動した!涙と鼻水で顔を穢し下着が段々と出血によって赤く染まる。まさに最高のエンターテインメントであった。そしてこの勝負が決すると画面が切り替わって筋骨隆々の悪魔と人間の小僧が睨み合っていたのでテレビの電源を消そうとしたら今代の赤龍帝であるとアナウンスされていた。少しだけ興味が湧き電源を落とすのを止めたことを褒めたいと思う

 

 小僧が終盤に見せた『覇龍』らしき形態に度肝を抜かれ寝ることが出来なかったのだ、いつもならケルベロスに嬲られる戦乙女を妄想すれば夢の世界におるピチピチギャルたちと戯れることが出来るのに己の知識に存在しない『覇龍』が気になって眠ることが出来なかったのじゃ

 

 

「次元の狭間ってどうやって行くんだ?」

 

 

 小僧の言ったことを理解するのに僅かな間だけ無防備になってしもうた。隣におるロスヴァイセや護衛の堕天使も固まっておるな、なぜこやつが次元の狭間について尋ねるのか見当がつかなかった

 

 

「すまんのう…何故そう思ったのか聞かせて貰っても?」

「旧魔王派のシャルバに襲撃された時にオーフィスに攫われたんだ」

「それは鴉頭から聞いておる。今回はそれを含めての会談なんじゃ」

「じゃあスカウトされたことも分かっていると?」

 

 投げかけた質問にオーディンはゆっくりと頷いた。伸元の存在は常に台風の目でありテロリストからも一目を置かれている。また野心を抱く者が取り込むのではないかと危惧をしているがシトリー家との強固な絆のおかげで心配ないが用心に越したことはない

 

 

「グレートレッドは分かるよな?そいつに次元の狭間を追い出されたって、あいつが禍の団に協力しているのも帰還の為なんだよ」

「のう…小僧もしかして」

「だから張本人にオーフィスを追い出した理由を聞こうと思って、それで帰ることが出来ればテロリストに『蛇』が行き渡ることは無くなるし、話を聞くだけでも何か分かるかもしれないだろ?」

 

 

 お偉いさんが集まって会議を開いたとしても憶測で話し合いをするので事態が進展するとは思えない、それなら当事者に直接聞きに行こうと計画したのだが、肝である『次元の狭間』への行き方が分からないのである

 

 

「ドライグの説明だと世界の隙間にあるって言うんだがイマイチ分かり難くて」

「お前さんのぉ」

 

 別にイタズラや野次馬根性で顔を突っ込む訳ではない、もしかしたらテロリストの動きを制限出来る可能性が秘められている。旧魔王派だけでも大変なのに英雄派も目の前に現れたら三大勢力だけでは手に負えなくなるのだ!

 

 赤龍帝を駆り出させる為にソーナたちを危険な場所へ送り込む可能性も考えられる。今はセラフォルーが悪魔を代表する立場なので露骨なことは起きないが、彼女の身にスキャンダル等の災いが起きたら守る術が無くなってしまう

 

 

「頼む、オーディンさん行き方を教えてくれ」

「すまんのぅ。それは教えられんわい」

「どうして…?」

 

 懇願を拒否されてしまった伸元は怪訝そうな顔で北欧神話の重鎮を見つめる

 

 

「別にドンパチする訳じゃ―――」

「ならん…例えグレートレッドと戦闘しなかったとしても若者を死地に送り出すことは出来ぬ、いくら『覇龍』を克服した赤龍帝だとしても無の空間に耐えることは難しいのじゃ」

「そんな」

 

 悲しい表情をする伸元を見てオーディンは少し言い過ぎたと思った

 

「じゃが、小僧が別のアプローチでテロを食い止めようとする姿は素晴らしいことじゃと思う!シトリー家の嬢ちゃんも良い友を持って羨ましいのぅ…今は手持ちにないがスキーズブラズニルの技術で造った逸品をやろうかの」

「スキーズブラズニル?って何だ」

 

 聞きなれない単語を耳にして悲観の顔から『?』を浮かべる顔に変貌していた。神話の武具は名前は知っていても外観や用途が分からないものばかりで覚えきれない

 

「それは小僧らしく楽しみにしておれ、ビックリするモノじゃから期待して待っておるんじゃぞ…そうだ!プレゼントだからサンタクロースが必要になるのぅ…去年の忘年会でブリュンヒルデが着ておった衣装ならインパクトも絶大じゃ」

「オーディン様!まさか」

「ワシのポケットマネーで全員分のを買ってやろう」

「あんなのを着て人前になんか出れません!」

「ケチケチするではない、勇者との本番では使うかもしれないのじゃぞ」

 

 なんか2人だけで盛り上がっているので話に割り込むことが出来ない、イリナに至っては彼のカバンからモバイルバッテリーを取り出してスマホの充電をしている

 

 

「話が逸れてすまんのぅ…困るモノじゃないから安心するんじゃ、ワシ等はこれで失礼するが主たちはどうする?買い物に付き合ってくれるのか?」

「俺は帰るよ、悪いが護衛の依頼が来ても断るから」

「分かっておる。来るも来ないも小僧の自由じゃ」

 

 オーディンたちと別れた伸元はモバイルバッテリー取り返そうとしたが、彼女のスマホはまだ20%を超えたぐらいなので渡してくれなかった

 

 頭を掻きながら彼女に付き合うことにした。晩御飯の献立を考えながら自分もスマホを弄っていると靄が掛かってるように見えてしまい、何度も目を擦ったが靄は更に酷くなっていた

 

 

『相棒!マズイこれは絶―――』

 

 ドライグが全てを言い切る前に彼等は人間界から姿を消してしまった。その様子を見ていた制服にローブを羽織った魔法使い風の青年は不敵な笑みを浮かべている

 

「そんなに行きたいのなら、2人でどうぞごゆっくり」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴァーリを治せってどういうつもりだ?」

『そっちはジジイの護衛が欲しいんだろ!俺っちたちも手を貸してやるからヴァーリのことを治して欲しいんだ』

 

 書類整理をしていたアザゼルのスマホに彼の名前が浮かびあがっていた。心臓の鼓動が早くなり通話ボタンを押すと電話口にいたのは孫悟空の末裔だった

 

「お前たちの手を借りなくてもオーディンの護衛には」

『おっと赤龍帝は断る方向みたいだぜぇ、ラーメン屋で会ったときに今回の伝えたら露骨に嫌な顔をしていたが…今のところどうなんだ?』

「そもそも何でお前たちがオーディンが来ることを知っているんだ?外部に漏れないようにしていたはずだが」

『こっちの情報網を侮っちゃ困るね~~~』

 

 

 まだ伸元には伝えていないが美候のネタが本当なら最悪である。アザゼルも彼の戦力をアテにするつもりだったのでマズイ状況なのだ…更に墓穴を掘るように

 

 

「だがアイツはヴァーリのことを治すつもりは」

「やっぱり、その言い方ってことは赤龍帝が関わっているんだな!こっちが交渉のカードさえ揃えれば応じてくれる可能性が少しでも存在するなら賭けさせてもらうぜ、俺っちや黒歌にはヴァーリが必要なんだ」

 

 出し抜かれてしまい彼の秘密を殆ど明かすようなことをしてしまった

 

「総督さんよぉ…あんたも育ての親なら何も出来ずに弱ってくたばる姿を見たくないだろ!ここはタッグを組んで頼み込もうぜ、頭を下げることに関しちゃ俺っちは初代より上手だぜ!」

「そっちは何を出せる?」

「禍の団に所属する神器・神滅具所有者の情報ならどうだ?なんならアンタ等のスパイになって団の秘密を流すことだって出来る」

 

 確かに三大勢力なら喉から手が出るほど欲しい情報だが伸元にとってプラスになるものではない、つまり堕天使側で彼の求めるモノを用意しろということだ

 

 

「伝えてみるが上手くいくとは思えんぞ」

「そうなったら黒歌に夜の接待してもらうぜ、猫の発情期は相当乱れるみたいだ!」

 

 ハニートラップで取り込むことが可能なら既にやっている。色香で靡いてくれたら苦労することなんてないのだからと思う独身野郎は通話終了ボタンを押した

 

 しかし彼がアザゼルからの電話に出ることが不可能な状況に陥っていることを、知る由もなく連絡を後回しにして新しい人工神器の図面を引き出しの中から取り出すのであった

 

 

 

 

 

 

 

「ここは何処だ?」

 

 目を開けると説明が難しい分からない場所にいた。様々な色が混ざり合ったような気持ち悪い景色で直視していると酔いそうになり岩場や瓦礫、電話ボックスと中に浮かぶ金メダルといった残骸らしきモノが所々に漂っていたのだ

 

『ここは相棒が求めていた『次元の狭間』だ』

「こんな所なんだ…確かに静かだね」

 

 近くを見渡すとイリナが漂って寝ていたので足首を掴んで引き寄せた。スカートの中身はまる見えだが気にすることはなかった

 

 

『素の状態では次元の狭間の『無』にあてられて消滅するぞ!とりあえず禁手化しろ、コイツには相棒のオーラを纏わせれば生きていられるが長居は禁物だな』

「分かった」

 

 ドライグの指示通りに禁手化させて寝ている彼女にオーラを纏わせると目を覚ました。ありきたりな「ここはどこ?私は誰?」をやっていたがツッコミを入れずにスルーする

 

 

 

「しかしどうやって来れたんだ?」

『確証は持てないが神滅具の絶霧だな、アレには転移能力も備わっていたはずだ』

「今は時間が惜しいから説明は帰ってから頼む!」

 

 グレートレッドに会いたいがイリナがいる状態では長時間滞在するのは避けたい、目的を達することは出来なかったが『絶霧』を使える奴を捜せば再び訪れることが出来るのは収穫だと思おう

 

 

「ねぇ…ねぇねぇ伸元君」

「どうした出口でもあったのか?」

「あの赤いドラゴンって何?」

 

 人差し指を向ける先には、少し前に出会って消えてしまった巨大な赤き龍が自分たちのことを睨みつけて口からブレスを吐こうとしていた




オーディンの言ってた『スキーズブラズニル』の技術を用いた逸品ですが、石動君が貰って困るモノじゃないです(なお武器ではありませんが、別媒体の作品だと武器扱いされることがあります)

ネタバレになりますがヴァーリの『アレルギー』を解除しますが、とあるモノを了承無しに代金として貰う(奪うが正しい表現かも)ので楽しみにしてください

感想ありがとうございます(おまちしてます)
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誤字訂正もありがとうございます

明日は函館記念、さぁ頼んだよオニャンコポン
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