争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

61 / 61
痛みは常に君と共にある

 金平糖って中々食べないよね?例えば"甘いモノが欲しいなぁ〜"という雰囲気になっても『よし金平糖を食べよう』という気分にはならないし、いざ食べたいと思ってもコンビニのお菓子コーナーにも置かれていない砂糖菓子だ

 

 

があぁぁぁぁあぉぁぁぁぉがっ!あぐぅぅ

 

 

 サーゼクス・ルシファーは医療用ベッドの上でシーツの端を握り締めながら呻き声をあげていた。苦悶の表情で痛みに耐えようとしているが眉間に皺が寄り、歯を食いしばっているので奥歯がボロボロに擦り減っている

 

 激痛の原因は尿管結石である。しかも金平糖の10倍を超えるサイズであり腎臓から排出される度に彼の尿管をズタズタに傷つける。シャルバ率いる旧魔王派テロリストたちの襲撃後に見舞われた症状に心当たりは無かった

 

 

「あぁぁぁ゛だぁぁぁおおおおぁぁがががぁぁぁぁ!」

 

 ビー玉のようにツルツルな表面だったら問題無かった。しかし宿主に対して殺意を込めて中指を突き立てる結石はトゲで覆われている

 

 超音波で外部から破壊を試みたが尿管に突き刺さり痛みを倍増させた。今は痛み止めを服用して体の外へ排出されるのを待つだけだが、効果が切れた瞬間に暴れ出してサーゼクスを攻撃する

 

 

「だっ……誰、か…くすり、をクス…グレイフィ、!」

 

 彼の眷属たちはグレモリー領の治安維持に務めているので病室には誰もいない、これまで訪れたのは妹のリアスだけで両親ですら1度も顔を見せていなかった。息子と一緒に出て行った妻の名前を叫びながらナースコールに手を伸ばすが、その仕草だけでも激痛を伴うのであった

 

 

 

 

「おばあさま!来てくれてありがとうございます」

「人間界はどう…不便はないかしら?」

 

 いつもなら学童で母親が来るのを待っているミリキャスだが今日は違った。生徒会も主力の2年生が旅行中なので鍵を閉めて休養となり、母子は一緒に下校していた

 

 ミリキャスは宿題の本読みと書き取りをしているとリビングに魔方陣が浮かび上がりヴェネラナ・グレモリーが高級店のケーキを持って現れた。今日訪れることはグレイフィアに対して事前に伝えられていたのでアポ無しではない

 

 

「友達もたくさんできて京都にも」

「京都…?」

「ミリキャスの文通相手なんです」

 

 トレーに紅茶のカップを載せたグレイフィアが捕捉するように説明し2人の間に座った

 

 

「ペンパルなんて懐かしいわね」

「ペン…パる?」

 

 知らない単語に疑問符を浮かべ不思議そうな顔をしている。祖母はジェネレーションギャップにショックを受けつつも孫が冥界ではあまり見せることなかったキラキラとした笑顔にときめくのであった

 

 

「実はバアル領で面白いモノを見つけて買ってきたの」

「なんですか?」

 

 ヴェネラナは包装紙のテープを剥がして箱の中身を取り出すとミリキャスの前に置いた。それは二頭身サイズのロボットでスマホに専用アプリをインストールすることでリモコン操作が出来るようになる

 

 

「これって…まさか」

「髪の毛の色は違うけど間違いなくサーゼクスをモデルにしてるわね」

 

 ドローンのように空中に浮かせて『上上下下左右BA』とコマンド入力するとロボットは苦しい呻き声をあげながら股間からプラスチック弾を発射させた。魔王のことが大嫌いな大王家らしい皮肉のこもった限定品の玩具なのだ

 

 

「向こうではファルビウムが朝から晩まで働いているわ、あのファルビウムよ!サボり魔の」

「それが覚悟だと思います。石動様は賠償金を求めませんでしたし」

「だけどゼファードルのように彼を狙ってくる悪魔はゼロじゃないわよ、例えば彼の両親を脅しの材料に使う可能性も」

 

 シトリー家でも上記のことを危惧していたので、海外に住む伸元たちの両親にSPを派遣しゼファードルの一件以降は魔王の親族を護衛する手練れを送り、陰ながら見守っている

 

 

「グレイフィアちょっとお願いがあるの」

「お願いですか?」

 

 カレンダーを捲りながらヴェネラナは彼女の耳元で囁き、グレイフィアも笑顔で頷いた

 

 

 

 

 

 

『間もなく京都に到着致します』

 

 新幹線が駅のホームに停車し駒王学園の生徒たちは荷物を持って外に出た。周囲には遠州弁の学生や海外からのバックパッカーもチラホラ存在する

 

「ゼノヴィアさん、マックがあります!」

「違うぞアーシア…関西ならマクドと言わないと警察に捕まるぞ」

 

 2人とも捕まって東京に送り返されてこい、京都をなんだと思っているんだ!在京人は冥界に住む悪魔より見栄・意地・プライドに拘る人の姿をしたモノノ怪なんだ

 

『(相棒も返されてこい!)』

 

 

 

 改札口を出て、初めての京都ではしゃぐ面々と数分歩いたところに大きな高級ホテルがある。駒王の面々が泊まる宿泊場所であり名称は

 

【京都ヴリトラホテル】

 

 

 もともとは【京都サーゼクスホテル】だったが、伸元が報酬として受け取っていたものを匙に譲渡した物件である。云わば彼は総支配人の立場だが学生の身なので現在はシトリー家が運営している。匙が1人前になれば表舞台に姿・名前が公表される

 

 

 

 

「部屋に荷物を置いたら17時まで自由行動ですが、あまり遠出はしないように!あと舞妓さんをナンパした生徒は旅行中は部屋で待機になります」

 

 担任が冗談交じりに注意をすると、変態コンビが放校処分になったことで喜ぶ生徒たちは素直に返事をして部屋に向かった

 

 泊まる部屋は広い洋室で男子が2人部屋で女の子たちが3人部屋になる。駒王は女子の割合が大きいからそうなってしまう。しかし伸元に宛がわれたのは和室の1人部屋であった

 

「(この方が落ち着いて対話が出来る)」

『(なぁ…無理してないか相棒、グレートレッドの力で時間を気にする必要なんて)』

『(旅行中ぐらい羽を伸ばせ!…京都の夜景を上空から見下ろしながら月見酒と洒落こもう)』

 

 アルビオンの問い掛けに笑いながら頷くとLINEが届き、ゼノヴィアたちがロビーに集まっていることを知らせてくれた

 

 

 

 アーシア・ゼノヴィア・イリナの教会トリオは京都の空気を堪能していた。土産物店で売られている簪に目をキラキラとさせている

 

『(まるでカラスだな、光り物に心を奪われるとは)』

『(赤いの…そういえば洞窟に隠していたオリハルコンはどうした?)』

『(そんな昔のことなんざ忘れたよ)』

 

 

 二天龍も輝くモノが好きなようだ、もしかしたら一目惚れしたメスのドラゴンにプレゼントするために集めていたのかもしれない、伸元は同じデザインの色違いを4つ購入し万札が6枚ほど飛んでいったが今の彼にとって微々たる金額である

 

 その後も物色を続け伏見稲荷への参道に入った。一番鳥居を抜けると大きな門が現れ両脇には魔除けの像が立っている。本来ならアーシアとゼノヴィアは近寄れないが『フリーパス』様々である

 

 

 

 

 

「ノブチカ…気づいたか?」

「数はざっと20前後ってところか」

 

 千本鳥居を潜ってからしばらくすると敵意を向けられていることに気付いた。ゼノヴィアは彼の傍に寄ると準備を整えている

 

 

「どうする?」

「俺が引き付ける…ゼノヴィアは」

 

 一般人が近くにいるから襲撃してこないはずだ!敵意を向けられての観光なんて日記帳に書きたくない思い出になる。自分の方に食いついてくれるかは未知数だが引き離さなければならない

 

 

「ダメだ!」

「…っえ?」

「私の主は会長だが、ノブチカも大切な存在なんだ!1人で抱え込むな、私がお前の背中を守るから私の背中を頼む!」

 

 頭を下げるゼノヴィアを見て、至近距離で顔を付き合わせる

 

「違うぞゼノヴィア…背中を守るんじゃない、肩を並べるぞ!」

「あぁ…分かった。とりあえず桐生はイリナたちに任せよう」

 

 

 2人はLINEでアーシアとイリナに状況を説明し、購入した簪の入った袋を渡して班から抜けた。人の目が向かない脇道に入って開けた場所まで走った

 

 

 

 

 

 

「出てこいよ!こうなることを待っていたんだろ?」

 

 自分たちを追いかけていた存在がいると思われる場所に向けて声をあげる。『白龍皇の光翼』と悪魔の翼を広げ人工神器を構えたゼノヴィアも臨戦態勢だ

 

 

「やはり京の者ではないな。それにその翼は人でもない…まさか貴様等が母上を」

 

 現れたのは巫女装束を着た女の子だった。金色に輝く髪に同色の瞳は険しいままで、ミリキャスより小さい子供だが頭部に耳と臀部からモフモフしてそうな尻尾が生えている

 

 

「言いがかりも甚だしいな」

「知らないし人違いじゃ……俺たち『悪魔』と『龍人』だから人じゃないや」

 

 神様を『柱』って数えるけど悪魔って何て数えるんだろう?獣や畜生でもないし『匹』じゃないよな、でもドラゴンって云わば爬虫類だし『匹』なのだろうか?

 

 

 

「とぼけるな!私の目は誤魔化せんのじゃ…皆の者、かかれ!」

 

 少女の掛け声と共に林から烏天狗や、狐のお面を被った妖怪たちが姿を現し襲い掛かってきた。投げつけきた錫杖をキャッチして『光翼』から魔力弾を広範囲に放つ

 

 

「こしゃくな母上を返してもらうぞ!」

「だから知らないって」

 

 被弾を恐れずに突撃してくる鴉天狗に対して翼の向きを操作して斬撃を繰り出し、正面から向かってくる奴も錫杖を上段から振り抜いて脳天に直撃させた

 

 凄まじい威力で錫杖が折れてしまったが空中でキャッチすると二刀流で妖怪たちを蹴散らす。そしてゼノヴィアは剣を地面に刺して自身の魔力を一気に開放し

 

 

「コスモノヴァ!」

 

 放たれた魔力は妖怪たちを襲い殆どを沈黙させた。膝から落ちた彼女は大粒の汗を流しながら呼吸を整えている

 

 ケモミミ少女は憎々しげに睨んだ後、手をあげた

 

「撤退じゃ。今の戦力では悪しき者たちに勝てぬ。おのれ伴天連の怪異め!必ずや母上を返してもらうぞ!」

「ばてれん…って、久々に聞いたぞ」

 

 突風が吹いて視線を外すと少女だけではなく倒れていた妖怪たちも姿を消していた。とりあえず脅威は去ったのでゼノヴィアを背負って山を下りる伸元であった

 

 

「一緒に来てくれてありがとうゼノヴィア」

 




作中には出しませんでしたが、バアル領の玩具に『ドキドキ手術パニック』というものありまして、サーゼクスを模した人形の首からヘソまでをパカッと外して内臓を見れる状態にして臓器を1つずつ抜き取るゲームもあります(昔あった寝ている犬を起こさずに骨を奪う玩具のパクリ)

ミリキャス君もグレモリー家を継ぐ気持ちは無いので、祖父母は家を畳む準備をしています

感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます

明日は盛岡で芝2400のせきれい賞 頑張れ11歳のゴールドギア

石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか

  • マイナーな技も出してくれよ OK
  • ハイDにキン肉マンは合わないから NG
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

心配性の実力者は今日も鍛え続ける(作者:大気圏突破)(原作:魔法少女リリカルなのは)

 青信号で横断歩道を渡っている時に上級国民が運転する暴走車に轢かれてしまい彼は命を落とした。本来ならもう67年ほど生きる予定だったが天国に来てしまった。定員オーバーなので神は二次創作特有のアニメ作品内に彼を転生させる▼ 部屋で目を覚ました彼は9歳の姿になっていた。そして机の上置かれていた手紙に▼「その世界は実力が無いと死んじゃうから頑張って鍛えてね♡ byゴ…


総合評価:3434/評価:7.15/完結:63話/更新日時:2026年05月02日(土) 20:55 小説情報

異世界ントム(作者:色々残念)(原作:クロスオーバー)

現代日本から生まれ変わり、ドラゴンクエストモンスターズの世界でモンスターマスター兼波紋使いとなって、ポケットモンスターの世界で波導使いにもなった波紋と波導の使い手が、ダンまち世界で幼馴染みのフリュネと生き抜いて大往生してから、また別の世界に生まれ変わり続けていく話▼ちなみにそれぞれの世界で相棒ポジションとなるのは、個性的な相手になる


総合評価:1586/評価:8.22/短編:63話/更新日時:2026年06月10日(水) 15:21 小説情報

オラリオで娯楽革命を(作者:寝心地)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

オラリオでテレビゲームとか携帯ゲームとかカードゲームとか作って売っちゃう話。▼ダンまちにゲームキャラが転生とかゲームキャラで転生とかはあるけどゲームその物がオラリオにあるのって見ないなぁ〜と思って作りました。▼


総合評価:3087/評価:7.46/連載:106話/更新日時:2026年07月03日(金) 10:00 小説情報

一番星の子(作者:孤独なバカ)(原作:推しの子)

歌好きの主人公が転生した先は推しの子である星野アイの子供だった。前世の曲を推しの子世界で歌って星野アイを超えようとするとありふれた話。▼曲は曲名のみ使用。歌詞は使わないつもりです。▼ごめんなさい。タイトルかぶりがあった為タイトル変更してます


総合評価:2294/評価:8.22/連載:23話/更新日時:2026年03月27日(金) 18:40 小説情報

【安価スレ】転生者ワイ、家の地下にある代物で色々作れるから楽しもうぜw(作者:同感するワイト)(原作:インフィニット・ストラトス)

神様転生で家の地下に装備や機体を作れる機械があるオリ主が転生者掲示板で安価をして好き勝手するだけのお話


総合評価:2968/評価:7.08/連載:31話/更新日時:2026年03月01日(日) 20:06 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>