争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
モヤモヤと追加のケジメ
駒王学園では2年生の修学旅行が終わり今度は学園祭がやって来る。夏休みが終わってから体育祭・修学旅行・学園祭というトリプルコンボは勉学に励む学生たちにとって、かけがえのない思い出となるが生徒会は運営側の立場なので準備段階でぐったり状態である
「(これって、そういう意味で捉えていいのかしら?)」
誰もいない生徒会室でソーナは目の前に置かれている簪と睨めっこをしていた。京都から帰ってきた伸元から渡されたお土産であり相応にして高価なものだと見て取れる
一般的に男性から女性に簪を贈るのは『あなたを災いから守りたい』という意味や『一生を共にする』などといったプロポーズや永遠の愛が含まれる
「(今までプレゼントなんてもらったことも無かったのに)」
これは伸元から初めて貰ったプレゼントであり、今回の真意を深読みすればするほど答えは自ずと1つに絞られてしまう
彼が人であることを止めた日に自分に向けて口にしてくれた言葉はもしかして『生涯』という意味なのかもしれない、限られていた寿命がグレートレッドの力によって自分と同等となったことで壁は取り払われた
「(でも私以外にも………)」
姉のセラフォルーも伸元から簪を貰ったことを自慢していた。シトリー家と彼は長年に渡って深い繋がりで結ばれている
「(まさか姉妹共々ってこと?)」
ふとソーナの脳内に同じ屋根の下で暮らす成長した自分たちの姿が浮かび上がる。魔法少女のコスチュームではなく年相応の落ち着いた服装で大きなお腹を摩る姉と、それを微笑ましく見つめる自分と彼が肩を寄せ合って互いの手を握る。部屋には気の早い両親が贈ってきたベビー用品が存在を主張し孫の顔が見たいと催促をしている
きっと甘えさせてくれるだろう。疲れているときは何も言わずに雰囲気で察してくれるはずだ!子供の頃に握った手は今でも自分のことを包み込んでくれる大切な掌であり誰にも渡したくない、同じベッドでランプの灯りを消してから夫婦の時間が…
「っちょう!会長」
「ヒャッいややややや!」
呼び掛けられ妄想の世界から現実の世界に戻された。今まで出したことのない声を披露してしまい恥ずかしさも相まって顔が熟れた林檎のように真っ赤である
「っつ…椿姫、いぃぃぃ、いったい…いつから?」
「今さっきですが、どうしたんですか顔が真っ赤ですよ」
簪をケースに戻してカバンの中に入れたソーナは平静を取り戻そうとするが心臓の鼓動が全く収まることを許してくれない、季節は冬に突入する時期なのに背中から夥しい量の汗が噴出し制服を濡らしていく
「大丈夫ですから、問題ありません」
「そう…ですか、そういえば会長って元B小町の有馬かなのファンでしたよね?」
「今はツクヨミさんですが」
運よく椿姫の方から話題を切り替えてくれる。今の心境を悟られたくないソーナにとって僥倖である。簪のことは自宅に戻ってから考えよう
「これを見てください」
差し出してきたスマホの芸能ニュース画面には星野アクア・有馬かな夫婦が写しだされていたが、その見出しに彼女はギョッとした
【有馬かな来春ママに】
子役時代に『10秒で泣ける天才子役』として一世を風靡し、アイドルユニットB小町として活躍した女優の有馬かなが妊娠を発表した。夫である星野アクアと共同の声明をマスコミ各社へ通達し安定期に入ったことで世間に伝える形となった
所属する苺プロの社長を務める不知火フリルも『初めてのことなので母子の健康の為に過激な取材や報道を控えていただきたい』とコメントを残している。なおB小町は今年の紅白歌合戦を辞退し東京ドームでカウントダウンライブを行うことを発表している
「出産……妊しん、ケッコン」
「会長?」
宝箱の中に入れてダイヤルロック式の南京錠で封じた妄想が再び溢れ出ようしている。パスワードの数字がパチンコのリール映像のようにドンドン変化していく、目の前にはタキシードを着込んだ伸元がいて自分はウエディングドレスを纏っている
「(誓いの…近いの……、ちかいの)」
だがソーナの頭脳は先を映し出すことが出来なかった。だってそれは経験をしたことが無かったのだから、しかしオーバーヒートした脳はバグを引き起こし近くにあった書類を山羊のように食べ始めてしまうのであった
英雄派の襲撃で1番反感を買ったのは堕天使総督のアザゼルだ!彼は京都からの帰還後に相応の報いを現在進行形で受けている。では次点は誰だろうか?
初日に自分たちのことを敵と誤認して襲ってきた九重と思われるが彼女は人質として悪魔側に献上されるので形式上の禊は済ませた。それ以外だと該当するのは1人しかいない
「冗談だよね?こんなの無理…むりだから」
紫藤イリナは目の前にあるものを見つめながら額から冷や汗を流していた。彼女が非戦闘員である九重を連れて参戦したことがセラフォルーからの報告書でミカエルに知られてしまった
しかも九重が原因で伸元たちがピンチに陥ったので根本的な原因を生み出したイリナを処罰する流れになったが厳粛に法廷へ立たせるつもりはない、関わりたくない彼女の上司であるミカエルも『皆様が納得する罰を受けなさい』という風に投げ出していたのである
かと言って彼女を三角木馬に乗せて鼻フックを施し鞭で百叩きといった鬼畜なことは出来ないので、今回の関係者である伸元と転生悪魔の面々は罰ゲームを与える態で訓練フィールドに集まった。箱の中には彼等が記載した罰が封入されイリナが引き抜くことになる
・ダチョウの卵を一気飲み(石動)
・感謝の正拳突き1万回(ゼノヴィア)
・18禁カレーを水無しで(アーシア)
・コンビニで全員分の飲み物を買ってくる(木場)
・本屋にあるエロ本を全冊購入(翼紗)
・ノーブラ・ノーパンで1日を過ごす(巴柄)
・聖者のブロマイドを土足で踏む(桃)
肉体・精神・金銭など様々な罰が用意されイリナとしては木場の案を熱望し次点はアーシアの18禁カレーだった。しかしこの世に存在しない神は彼女に特大の試練を与えることになった
箱から引き抜いたイリナの手には匙の書いた罰ゲームの紙が握られていた。その場から逃げ出そうとする彼女をゼノヴィアと巴柄が取り押さえ匙が『黒い龍脈』で縛り上げる。伸元は木場と翼紗と一緒にユンケルを買いに出かけた
「お願いだからもう1回引かせて、チャンスをご慈悲を」
「ダメですよイリナさん…これは神が与えた試練ですから」
「もう…かみは」
「何か問題でも?」
茨の鞭を持って床を叩くアーシアを見て続きの言葉を紡ぐことか出来ず観念するのであった
「ユンケルの代金って天界に請求すればいいのかな?」
「ごめんレシート捨てちゃった」
ビニール袋に大量のユンケルを詰め込んだ3人が帰宅し、ホームセンターで購入した新品のバケツの水洗いを済ませると瓶の中身をドンドン投入していった。その様子を見てイリナは泣きじゃくるが手が止まることはなく全てが注がれた
「のっ……伸元君、無理だから1日1本って説明書にも」
「転生天使なら大丈夫…たぶん」
「ねぇ!今、多分って…ちょっと」
往生際の悪いイリナに対して誰かが手を叩くと同調した面々も同じように手を叩き始める。そして冥界で最もポピュラーな掛け声が全員の口から発せられる
逃れることが出来ないと察したイリナは背中から羽を出現させて覚悟を決めた。バケツの重さを含めて約11キロの物体を両手で持ち上げて口を付けると一気に角度を上げた!
「んぐぅぐぐう………ん~~~~~」
口の端からユンケルが零れる。しかし大部分はイリナの口内へ侵入し食道を通過して胃袋に収められる。半分を過ぎた頃で咽てしまい飲んだ液体が鼻から逆流するが彼女は全てを飲み干して背中から倒れ込んだ
空前絶後・前人未到の偉業を成し遂げたイリナに対して全員は賛辞の拍手を叩く、グルグルと目を回す彼女にアーシアは神器で治療を施し、匙は腹にラインを繋いでバケツの中へ体内から抜いたユンケルを注ぎ込んで排水するのであった
『赤いの俺たちは何を見せられていたんだ?』
『理解しない方が身のためだ』
ごもっともである。そして鉄槌の下る時がきた
「これよりアザゼルの体内から骨を摘出する手術を行います!」
「ダチョウの卵を一気飲み」のネタを知っている人が同世代です。(10リットルのユンケルにもネタはありますが)
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか
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マイナーな技も出してくれよ OK
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ハイDにキン肉マンは合わないから NG