【完結】争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

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手術描写は力量不足です


一国一城の主

 シトリー領は自然豊かな地域であり希少な植物を育成・研究をしている。また品種改良も並行して行い『冥界のオジギソウ』を生み出してしまった時は研究室が悲惨なことになり数多くの犠牲者を生み出してしまった

 

 植物は医薬品にも用いられ医療面に関してもシトリー家は冥界随一のシェアを誇り病院や介護施設などが充実し、長年培った技術も相まって人間界とも秘密裏に交流を持ち発展に貢献している

 

 

 

「準備は宜しいでしょうか?」

 

 手術着を纏った医師はスタッフたちに目線を向けて確認をした。前代未聞のオペの内容を聞かされたときは震えてしまったが堕天使総督を解剖出来ることに歓喜していた

 

 

「本当に大丈夫なんですよね?」

「怖気付いたかマンモーニ」

 

 不安を口にした若手のスタッフに年長者が茶化すが咳払いをして黙らせた

 

 

「石動様の能力で今のアザゼルが目覚めることは99%無い」

 

 代表者の言葉を聞いてスタッフたちは表情を改め気合いを入れる。これから行うことに対してミスは1つも許されないのだから自然と目と肩に力が籠る

 

 今回のオペではアザゼルの体内から6割の骨を摘出しシトリー家で考案された人工骨と入れ替えて経過観察を行うもので、実用化することが出来れば人間界に売り込むことが出来る。今まで部位によっては経年劣化や使用者の高齢化による不具合の発生などにより定期的にメンテナンスを行う必要があったが、寝ている堕天使に施すのは恒久的な代物でメスを用いるのも今日限りである

 

 

「歴史を紐解けば医学の発展には数多くの犠牲者がいた。ただし我々は命を冒涜をするのではなく、明日を生きる者たちへの礎となろう」

 

 その言葉に端役の雑用係も含めて頷きアザゼルを寝かしたストレッチャーは手術室の扉を潜り、情報漏洩を防ぐために厳戒態勢の中で手術は開始された

 

 

「お疲れ様ですザイゼン先生!」

「みんなの迅速な対応に感謝する」

 

 筆者の力量不足もあり手術中の描写を執筆することは不可能なので割愛するが骨の交換手術は成功した。大腿骨2本を含む切除には5時間を要したが今のところ拒否反応なく術後の経過も安定している。あとは傷口に希釈したフェニックスの涙を散布して痕を消してしまえば完了である

 

 

「しかし骨なんて何に使うんですか?」

「肋骨や仙骨は粉砕して銃弾に、残りの骨は溶かしてから金属と混ぜ合わせて武器を作るみたいだ!アザゼルは風の元素を司るみたいだし」

 

 なお骨以外にも血液も7割程度抜き取ってパックに詰め込められた。彼等は抜いた骨に興味を持つことはなく自分たちで施した人工骨が違和感なく動作することを祈るだけであった

 

 

 

 

 

「以上がサイラオーグ様たちの基本データになります」

 

 人間界にあるシトリー家に集まった眷属と伸元は、グレイフィアが読み上げる資料映像と配布された書類を見比べながら作戦会議を行っていた。

 

 本来なら放課後の生徒会室がデフォなのだが、学園祭も迫り落ち着いて会議をすることが出来ないので土曜日にソーナの家に集まることになった

 

「はっきり言いますが格上で地力が違います!」

「そこまで断言しないでください、会長」

 

 嘆く匙だが現実を直視すると勝つビジョンが見えないのは事実である。サイラオーグのワンマンチームと思いきや配下の眷属たちも断絶した『元72柱』出身の者たちで固められ、ラードラ・ブネが変身する巨大な黒いドラゴンを見て溜息を吐いてしまった

 

 

 

「サイラオーグの実力はどうだった?」

 

 この部屋にいるメンバーの中で彼と対戦経験のある伸元にゼノヴィアは尋ねる

 

「パワー馬鹿と思いきやテクニックもある。多分ジャブ1発を受けただけでも当たり所が悪かったらKO負けだな」

 

 レベルを上げて物理で殴るを実践し、魔力を扱うことが出来ない強みをトレーニングに活かしていった。不純物の無い純粋な拳であり破壊力は抜群だ

 

「あっ…そういえば」

「どうした?アイツの弱点でもあるのか?」

「そうじゃなくて、焦っていたんだよ」

 

 その発言を聞いたグレイフィアはモニターの映像を切り替えて、彼とサイラオーグが戦っている場面を再生し始めると他の面々も食い入るように見つけていた

 

 

「『兆』の詠唱を口にする前に尋ねたんだけど生き急いでいる感じに見えちゃって、サイラオーグってキャプ翼の三杉みたいに心臓に持病でも抱えているのか?」

 

 投げかけた質問にソーナとグレイフィアが口を開こうとしたが、部屋に使用人が慌てて入ってきた

 

 

 

 

 

「会議中に申し訳ありません!石動様にお客様が」

「俺に?」

 

 今日ここにいるのは他言していない、しかも交友関係のある知り合いなら確認の連絡をしてくるはずだがアポ無しで訪れるということは、マナー知らずの人外というのが確定している

 

 重々しい空気が霧散してしまったのでサイラオーグ対策会議は中断となり、使用人が彼等のいる広間に客人たちを呼び込んだ

 

 

「久しぶりじゃのう小僧」

「オーディンさん」

 

 そこにはアースガルズの前主神でスケベで有名なエロジジイが立っていた。彼は蓄えていた髭を撫でながら室内にいる女性陣を値踏みしつつ伸元の前に立った

 

「赤龍帝の『覇』を極めたそうじゃな、オーラの質が全然違うわい」

「京都で色々と」

「ほぅ…京都か、芸者の姉ちゃんと夜のアバンチュールでもして大人にでもなったか?」

 

 冗談半分で笑い飛ばしながら、差し出された紅茶を一気飲みすると椅子に深く座り込んだ。いつもなら護衛として戦乙女のロスヴァイセがいるはずだが彼だけしかいない

 

 

「また会談ですか?」

「いやいや今回はプライベートじゃ、夜の蝶たちを捕まえる昆虫採集ってところじゃよ」

 

 下半身に人格が宿っていそうな言い方だが云わば遊びに来たという訳か、欲望に忠実な生き方を謳歌していればストレスフリーな人生なんだろう

 

 

「あと…あれだ!小僧にプレゼントを……、ロスヴァイセいい加減に入ってこんかい!」

 

 ドアに向かって大声で叫ぶと、ノブがゆっくり回転しながらスローモーションのようにドアが開いていくと護衛の彼女がいたが恰好がヤバかった

 

 カジノなどにいるウサギさんの恰好だが通常のではなく『逆バニー』だった。大きな胸の先端には♥マークのシールが貼り付けられ、網タイツを纏った下半身もハイレグ仕様で尻が食い込んでしまっている

 

もう…お嫁に

 

 右腕で胸を隠し、左手で股間を見えないようにして顔を真っ赤にさせている。ドアに近かった匙は興奮して鼻血を吹き出て倒れたが嬉しそうな表情で光悦としていた

 

 

「どうじゃ!凄いだろ、これが北欧神話の最先端じゃ!」

TPOをわきまえろ!

「なんじゃウサギは嫌か?」

「むしろ好きだよ!」

 

 人並みに性欲はあるが女性陣が多い環境で見せるコスチュームじゃない、とりあえずシトリー家の使用人に羽織るモノを持ってこさせて別室に案内した

 

 

「ちょっとお茶目が過ぎたのぅ」

「まさかプレゼントって、あの逆バニーじゃないよな?」

 

 倒れていた匙も復活し頭にコブを作ったオーディンは質問に対して首を横に振って、懐から小さいボールを取り出した

 

 

 

「モンスターボール?」

 

 上が赤で下が白のツートンカラーで日本人なら誰もがアニメで見たことがあるデザインのボールだった。しかも真ん中の突起部分を推すと手のひらサイズまで大きくなったのでモンスターボールといっても過言ではない

 

「赤龍帝と白龍皇を宿しておるのならピッタリじゃろ」

 

 そう言ってオーディンはボールを床に向けて投擲すると、中からホームセンターで売られているような1人用のテントが出てきた

 

 

「これがプレゼント?」

「見かけは地味だが中は凄いぞ!」

 

 前垂れの部分を持ち上げて入ることを促してきたので伸元は嘆息をつきながら足を踏み入れると、そこは別世界だった!

 

 大人1人が寝転がる空間だと思い込んでいたが冥界にあるシトリー家の屋敷より広く豪華な室内であった。すぐに外へ飛び出しテントの大きさを確認する彼を見てオーディンはクスクスと笑った

 

 

 

「どうじゃ気に入ってくれたか?」

「いったい…これはどうなって」

 

 今度は全員でテントの中に入りシトリー家の眷属たちは言葉を失っていた。自分たちの王が住む屋敷より大きく『凄くて凄い』という知能ゼロの感想しか浮かび上がらないのである

 

 以前オーディンが口にしたスキーズブラズニルは、全ての神族を乗せることが可能な巨大な帆船だが折りたたむと袋に入るほどの大きさになる。このテントはそれとレーティングゲーム用のフィールド生成技術に空間魔法を組み合わたモノで、屋外でも窮屈することなく過ごすことが出来る代物だ

 

 

「気になった女を連れ込んでいいぞ!風呂場にはローションも完備しておる」

 

 その言葉にソーナは"ビクッ!"と体を震わせるが気づいたのはグレイフィアだけであった。オーディンは説明書の冊子を手渡すとロスヴァイセを連れてシトリー家から出て行き風俗店に向かった

 

 結局会議を再開させる空気にすることは不可能だったので一同は解散となった。今日のゼノヴィアはアーシアと一緒にイリナの住む部屋に泊まりいくので、久しぶりに1人となる伸元は晩御飯の買い出しでスーパーに向かったが何やら店内が騒がしい

 

 外から店内を覗くと

 

「なんでアイツがここにいるんだよ!」

 

 そこには着用しているシャツが悲鳴をあげるレベルにパンプアップされた筋骨隆々な肉体を披露するムキムキゴリゴリマッチョの若手悪魔のサイラオーグが囲まれていた

 

 




アザゼルは人類の為に身を捧げてくれました。なお他の堕天使幹部に渡しているので当人は施術されたことに気付いていません

オーディンからのプレゼントも元ネタは有名な作品からです。良かったねこれで新居が手に入ったし外からはテントなので税金もパス出来る

明日は仕事の都合で更新出来ません(申し訳ございません)

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