争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

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昨日は更新出来ずすいませんでした(執筆時間がありませんでした)


頼み事と新たな二つ名

「すまない」

 

 ゴリゴリマッチョの前に飲み物を注いだカップを置いた伸元は深く大きな溜息を吐いて座った。スーパーでサイラオーグを見つけた時は回れ右をして退散しようと思ったが、彼が手を挙げて自分の名前を呼んだことで捕まってしまった

 

 

「それで何の為に人間界へ来たんだ?観光だったら張っ倒すぞ」

 

 この巨体を伴って喫茶店に入る訳にもいかないので彼を自宅に招待する形で玄関を跨がせた。なお店内で囲まれていた理由は常連さんがサイラオーグのことを不審者と思い込んで店員に通報した結果で、知り合いと説明し納得してくれるまで15分を擁してしまった

 

 

 

「頼み事があって、何から話せばいいか」

「俺にか?」

 

 普段とは違う煮え切らない態度の彼はゆっくり頷いてカップの中身を飲み干すと、今回ここに訪れた理由を話し始めた

 

 

 

 

 

 サイラオーグ・バアルの母親であるミスラ・バアルは上級悪魔の一族であるウァプラ家から嫁いできた。しかし生まれてきた息子である彼はバアル家の『消滅』どころか魔力が皆無に等しかった。当主は魔力に恵まれ『消滅』の力を持つことが当然とされてきた

 

 周囲の面々は2人のことを欠陥品を産んだバアル家の面汚しと罵り迫害した

 

「実はグレモリー領で保護を受ける話もあったが」

「横槍を入れられたのか」

「バアル家としてはサーゼクス様は疎ましい存在で目の敵にしている」

 

 

 滅びの力を色濃く受け継いだシスコン魔王が、世間から支持を集めていたことが要因となり救いの手は封殺される。その後ウァプラ家が2人の帰還を求めたが、それも叶わなかった

 

 バアル家は魔王に次ぐ権力を持つ大王であり『元72柱1位』なのでプライドが高く、家の恥を外に出すわけにはいかないと現当主である父親がそう告げた

 

 

「俺達は助力を断りバアル領の辺境へ身を寄せることになった」

 

 

 貴族として生きてきた者たちにとって都落ちであり生活は厳しいもので、特に魔力を持たないサイラオーグはイジメの的になって生傷を作る日々で泣きながら帰宅することもあった。しかし彼の母親は慰めるのではなく

 

ー魔力がなくとも、あなたには立派な体があります。腕力でも知力でもいい、それを補ってみなさい!人間界に"雨垂れ石を穿つ"という言葉あります。信念を突き通しなさい!諦めなければいつか必ず勝てるからー

 

 

「俺の夢は魔王になることだが、出自のせいで願いを制限される風土を潰したい」

「腕1本で成り上がるってことか、立身出世物語を体験しながら執筆中って」

 

 少し茶化すような言い方をしたが真剣な目をするサイラオーグを見て、発言に関して頭を下げた

 

 

 

 その言葉を胸に厳しい修行をこなし着実に実力を伸ばしていったが、中級悪魔とまともに勝負が出来るようになった頃に彼の母親が病魔に侵された

 

「悪魔がかかる病なのだが深い眠りに陥り目を覚まさなくなる。寝たきりになれば肉体も衰弱し死を迎えるだけだ!今のところ治療方法も見つかっていない」

『(…相棒)』

「(疑うなよ、アザゼルの時が初めてだ!)」

 

 

 彼の持つダイスの面に『クライン・レヴィン症候群』という似た症状の病気はあるが、妖怪たちとの会談でアザゼルに与えたのが初めてでありサイラオーグの母親とは面識すらない

 

 

「母の為には地位が必要だった。だから俺はバアル家に帰還してから腹違いの弟を下して次期当主の座を得た」

「その弟は持っていたんだな?」

 

 深く頷いたサイラオーグを見て自分用のカップに口をつけて飲み干した。バアル家当主としては苦虫を噛みつぶしたような心境だろう。母子をグレモリー家やウァプラ家に送って表舞台に立たないことを契約として盛り込んで金銭を払っていれば今の状況に陥ることが無かったのに見栄やプライドが原因で最悪な出目を引いてしまったのだから

 

 

「あの時の焦りはそれが原因という訳か」

「俺自身の腕試しの側面もあったが、サーゼクス様が『勝てたら設備の整った施設へ斡旋をする』と約束してくれた」

 

 その結果がサイラオーグの敗北と会場の全損による修繕でグレモリー家は火の車でサーゼクスは見限られてグレイフィアと別居することになった

 

 バアル家にとって疎ましい彼が負けたことやサーゼクスの不幸は溜飲の下がる清涼剤となったが、冥界におけるサイラオーグの人気や支持率は未だに高いのでアキレス腱であるミスラを狙おうとしている

 

 

「今は支援者のおかげで匿ってもらっているが、治療方法が見つからない病なら冥界随一を誇るシトリー家が管轄する病院に入れたくて」

「つまり会長との間に立ってほしいって訳か?」

「その通りだ!ソーナの連絡先を知らなくて…交渉は俺がする。2対1で追い込むようなことはしたくない」

 

 機会を作りテーブルを用意してほしいと懇願している。自分がサイラオーグ側に加担して一緒に頭を下げる訳ではない、ただ1つ気になることがある

 

 

「まさか今度のゲームで星を譲る代わりに入院させろって言わないよな?」

「ゴフォッ!」

『図星かバアルの者よ』

 

 咽る様子を見てアルビオンも呆れている。分からんでもないよ

 

「勝ち星を押し付けるような真似をするなら今ここで冥界に送り返す。48の殺人技ナンバーワンで代引き手数料無しで投げつけてやる」

「だが…俺には」

「頭を下げて真摯に頼め、お前の夢と会長の夢には通じるものがある理解してくれるはずだ」

 

 

 深入りするつもりは無かったが不器用な生き方をする悪魔に対して手助けぐらいはするつもりだ、しかし今日は星たちが夜空に出勤し月も遅れながらタイムカードを押して輝いている。明日の予定を確認し空いている時間に訪れることになった

 

 サイラオーグせいで買い物が出来なかったので『Uber Eats』の配達員が到着し野郎2人で食卓を囲むことになった。冥界では中々お目にかかることのない料理を目にした彼はぎこちない手で箸を握り半信半疑だったが腹の虫は忠実だった

 

 

「まだ冬本番じゃないが夜は冷えるぞ」

「だが冥界に比べて暮らしやすい」

 

 この筋肉馬鹿は野宿するつもりで人間界に訪れていた。親戚のリアス・グレモリーとは会合の日から疎遠になってしまい顔を合わせるのが辛いみたいだ

 

 流石に会談を申し込む悪魔が無宿者だと恥ずかしい、かつて自分もシトリー家から一宿一飯の恩義を受けた身なので彼に施すことにした

 

 

「この恩は必ず」

「利子つけて返してくれ」

 

 小銭を持った少年を蹴り飛ばす初期のテリーマンみたいなことはしない、不器用なサイラオーグが悩み抜いて見合うモノを選んでくれれば問題無い

 

 

 

 

 

 

「構いません!ミスラ様はシトリー家で請負います」

「いっ……いいのか?俺には肉体しかない、出せるモノは何も」

「別に問題ありません。私が要求するのはレーティングゲームで…」

 

 えっ?…まさか?

 

「全力で挑んできてください!手を抜いたら承知いたしませんので」

 

 

 どうやら杞憂だった。シトリー家でもミスラが患っている病気に関して調べたいことがあるので、治療を目指すためのモニターになってもらうつもりだ、費用に関してはサイラオーグが十分に稼げるようになってから払ってもらえば構わないので信用している

 

 

「まだルールは未定ですが互いに良い勝負をしましょう」

「ありがとう。ソーナ、赤龍帝…いや今は何て呼べば」

「夢双龍とでも呼んでくれ!言いにくいかったら名字でも下の名前でも構わない」

 

 夢幻を司るグレートレッドから力を授かり、赤龍帝と白龍皇の双方を宿す伸元の新しい呼び名である。排泄中や入浴中に考え抜いた名称でありドライグたちも納得してくれた

 

 

「夢のため野望のため、俺はゲームに臨む!互いの全力を出しきろう」

「負けるつもりは毛頭にありません!シトリー家の全てをお見せ致します」

 

 

 握手を交わし健闘を誓い合う。記者会見の場は後日に用意されているので再び同じような構図を見ることになるが問題ないだろう…だが、その日の午後に伝わった一報は彼女たちを驚愕させた

 

 

【サイラオーグ・バアルVSソーナ・シトリー】の対戦カードの延期が大王の主導で決められてしまった




サイラオーグは母の為に頭を下げるのですが、ソーナの連絡先を知らずに人間界へ来てしまったのを石動君が見つけて保護しました

なお帰りにプロテインとEAAの入った袋をお土産として渡しています。グレモリー家とは距離を置いてますのでリアス・グレモリーに頼むことはしませんでした


感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます

明日は小倉記念、さぁ目覚めろ3年前の覇者エヒト

石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか

  • マイナーな技も出してくれよ OK
  • ハイDにキン肉マンは合わないから NG
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