争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
味方を攻撃するのは決してルール違反ではない、神器の中には持ち主が倒れたことで真価を発揮することもある。だがリアス・グレモリーは明確な殺意を持って自身の眷属である木場を攻撃し瀕死の重傷を負わせた。幸いにもサイラオーグの的確な判断によって救護班に渡された彼だが予断を許さない状況が続いている
「だああああああああっ!!!」
接近して拳を振うが空を切る。振り向いた瞬間にリアスの攻撃が至近距離から放たれるが屈伸するように身を屈めて回避すると飛びかかるように顎に向けてアッパーを繰り出した
「ふふ…遅いわ」
彼女はダンスを踊るようにバックステップを刻みながら散弾銃のように魔力を放ってきた。回避が間に合わないことを悟ったサイラオーグは闘気を解放し腹から咆哮をあげ全てをかき消した
「まるで野蛮な獣ね」
再び距離を離しながら滅びの魔力を連続して撃ち出してくるが、彼は自身の拳を床に向けて殴りつけて地面を隆起させた
「ガイアクラッシャーか」
「あれならリアスの攻撃を防ぐのが容易になりますわね」
ラウンジから抜けた3人は戸惑いの声が響く観客席に戻っていた。伸元はすぐにソーナへ連絡し会場内にアーシアを連れてくることを伝えたら既に通達済みで10分以内に到着する予定である
「ふんっ!」
今度は石畳を引き剥がすと1枚をフリスビーのように投げつけ避ける方向に対して連続して投擲する。リアスは自身の魔力をベールのように囲うと1枚逸らし残りをボロボロに滅ぼしていく
「そんな子供じみたことで何が出来て?」
「案外侮れないぞ!それにこれはタッグ戦だ」
サイラオーグの声に呼応するようにリング外でリアスの背後にいた『兵士』のレグルスが仮面を取り払って飛んできていた石畳を彼女に向けて投げつけた
「小賢しい真似を」
「悪魔なら小賢しいのは当たり前だ!」
滅びのベールを再び纏う時間が無かったので、手から放出した魔力で撃ち落とす際にサイラオーグへの視線を外してしまい接近を許してしまった。気付いた時には拳を振り抜く動作は終わり彼の重いパンチがリアスの腹に突き刺さり地面を何度もバウンドさせるが、彼は追撃を入れることはしなかった
「立てリアス!後ろに飛んで威力を逸らしたな」
「あら…バレてたの」
「石動との戦闘で経験済みだ」
直撃は逃れたが彼女が身につけていた駒王学園の制服が腹部から裂けてしまい上半身だけが下着姿になってしまう
「……もう…エッチ!」
「羞恥心なんて持ち合わせてないだろ?」
彼女の性格を良く知るサイラオーグは、侮蔑の視線をリアスへ向けたあとに自身の眷属に対してアイコンタクトを送り互いに頷いた
「どうしたの?男同士で見つめ合って、知らない間に特殊な趣味に傾倒するようになったの?」
「リアス…お前は何をした?」
「なんのことかしら」
戯けた表情でスカートをヒラリと揺らめかせて薄黒いショーツを見せつけながら不敵な笑みをこぼしている。女好きの童貞なら涎を垂らす光景だが彼は警戒を解くことをしない
「それは瞞しの力だな、短期間で魔力が急激に上昇することなどあり得ない!アガレス家との勝負に負けた貴様が鍛錬に励んだ話は聞かなかった」
「バレていたのね。流石だわサイラオーグ…これはお兄様から与えられた特別な力」
目を見開いて自身の魔力をオーラのように放出すると大気を震わせる。今までとは違う異質な力に彼は背筋に冷たい汗を感じるが平常心を取り戻した
「この力さえあれば私は誰よりも」
「全ての世界に生きる悪魔の中で最弱となった」
自身の言葉を言い切る前に『最弱』と呼ばれリアスは眉間に皺を寄せて怪訝な表情でサイラオーグを見つめる
「何が特別だ!ここは外法の力に心を奪われた卑しい者が立つ場所ではない」
「なんですって!もう一度…言ってみなさい」
怒りの表情で真っ赤な髪を逆立たせたリアスは滅びの魔力を連続で放つが全く当たらない、脳内では初めての敗北を喫したときのことがフラッシュバックする
手加減をされ泥水を啜り公衆の面前で赤っ恥をかかされた。指摘されたことはどれも事実で言葉を返すことが出来なかった。段々とサイラオーグの姿がライザーにダブって見えてしまったリアスは自身の拳に魔力を纏って殴り掛かった
「食らいなさい!」
当たれば大ダメージを負う致命傷だ!……しかし当たればの話である。サイラオーグはそれを半身で躱し足払いを仕掛けると宙に浮いた彼女の顔面を掴んで後頭部を地面に叩きつけた!
「あがっ!」
「何に手を出したか知らないが、全く研鑽を積まない拳を受けるほど耄碌したつもりはない」
受け身が取れず痛む頭を抱えてのたうち回る。おかしい?兄のサーゼクスから貰った特別な駒を取り込んだはずなのに、家柄と才能溢れる自分が…レーティングゲームのトップランカーを目指すリアス・グレモリーが使えば、誰も寄せ付けない無類の強さを手に入れたはずなのに
許せない―――それは誰に対して?
与えられてきたチャンスを逃してきたのは誰?
才能に胡坐をかいて努力を怠ったのは貴族は誰?
ソーナやサイラオーグは未来に向けて頑張っているのに何をしていた?
うるさい!―――貴女は弱い
ウルサイ!―――夢は決して叶わない
五月蠅い!―――もう誰も期待なんかしていない
痛む体で立ち上がったリアスは胸の谷間から小瓶を取り出した。誰もが傷を癒す『フェニックス家の涙』と思われたが中には黒い蛇が蠢いている
「まさか…それは」
「そのまさかよ、光栄に思いなさい!」
小瓶を叩き割り体内に蛇を取り込む、滅びの力を纏ったオーラは強大となり暴風を全身で受けているように感じる。なぜリアスがテロリストの持つ『オーフィスの蛇』を持っていたのか?
「(考えるのは後だ!)」
王の思考を読み取ったようにレグルスが段々と変貌していき、全身に金色の毛が生えて腕や脚が太く逞しくなる。更に口が裂けて、鋭い牙を覗かせ、尻尾が生えて、首の周りにも金色の毛が揃えていく
ゴオォォォォォォォォォォォォン!!
咆哮をあげたのは少年が変身した巨大なライオンだった。そして跳躍すると彼の隣に立ちリアスに対して威嚇するが通じていない
『サイラオーグ様!』
「やるぞ!」
互いに向き合って頷くとライオンの全身が黄金に輝き、サイラオーグと同化するように光となって消えていった
「我が獅子よ!ネメアの王よ!獅子王と呼ばれた汝よ!我が猛りに応じて、衣と化せ!」
彼の声に呼応してフィールドが…否、会場どころか冥界全体を揺らす。戦闘で使用した石畳が粉々になって砕け散っていく、レイヴェルは伸元に抱きつくようにしがみつきながらサイラオーグのことを見つめていた。そして閃光が止んで現れたのは金色に輝く獅子の全身鎧だった
「『獅子王の戦斧』の禁手化『
右手の拳で空間を叩くと黄金のオーラは霧散しサイラオーグの体内に取り込まれた。これは今まで隠していた秘中の秘だ!本当は伸元と再び戦う時に見せるつもりだったが、異質な存在と化したリアスを無力化させるのに必要なことだ
「なんでアイツが『オーフィスの蛇』を持っていやがる」
観客席を離れサイラオーグのいるフィールド近くまで向かった3人は別室にいたシトリー家の姉妹と合流した。試合を中止させようとするがオーラの放出が激しく今の場所から前に進むのが困難であり、伸元は『紅蓮赤朱の極覇龍』の詠唱を口にしようとしたが盤面にたつサイラオーグが大声をあげて止めた
「俺に任せてくれ」
「だが…」
「もしもの時は頼むが、今は俺達を信じてくれ!」
そう言って彼は歪な魔力を放出し続けるリアスのところへ歩みを向ける。滅びの魔力は鎧を纏ったサイラオーグを襲うが傷1つどころか近寄っただけで霧状となって消えてしまう
「消えなさい!消えろ!朽ちて死んでくたばって!無残に」
「品性まで捨てて悪しき力に縋ったか…リアス」
「そんな、もの何も…やくになんか立たな、いぃぃぃ、弱いことは悪なの!」
連続して拳を突き出すが通用しない、段々と皮膚が裂け血が滴り落ちて骨が露出していくが攻撃の手が緩むことなく更に追撃を繰り出す…しかし
「終いだ!」
2人の想いが込められた拳が深々と腹に突き刺さった
すいません睡眠時間を削っての執筆に無理が祟りまして、しばらくは毎日更新は難しく2日に1回更新にさせてもらいます。仕事が忙しくて…
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか
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マイナーな技も出してくれよ OK
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ハイDにキン肉マンは合わないから NG