争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
サイラオーグ・バアルとリアス・グレモリーの勝負は彼の方に軍配が上がった。しかし試合を観戦していた貴族や上級悪魔たちは拍手を送ることは出来なかった。試合中に『オーフィスの蛇』を使用した彼女は兄のサーゼクスのように滅びのオーラ形態となって暴走したことで会場は地獄絵図と化した
彼女から漏れ出た髑髏は観客たちを襲い亡き者に変貌させていった。死の恐怖から逃げ惑う彼等は出口に殺到したことで将棋倒しを引き起こしてしまい死傷者を多く出してしまう。実際のところリアス・グレモリーの出した被害よりも群集心理によって巻き込まれた犠牲者の方が多い
「レイヴェルさん『フェニックスの涙』の在庫は?」
「芳しくないですわね。全く無いというわけではありませんが今後のことを考えれば節約することに越したことはありませんわ」
英雄派は解散したが禍の団は健在である。ここで浪費してしまえば本番の絶対数が足らなくなってしまうので使うことは避けたいのだが、フェニックス家の電話はひっきりなしに鳴り響き、割高で法外な値段でも良いから譲ってほしいと懇願する声で耳にタコが出来てしまう
「ソーナのところの『僧侶』に無理をさせる訳にはいきません、今回の件は勝負を推し進めたバアル家にも相応の責任を負ってもらわないと」
「責任…リアスはどうなるのでしょう?」
冥界中に彼女が『オーフィスの蛇』を使用するところが映像として流されている。テロリストたちが使うドーピングアイテムをどうやって手に入れたのか聞き出さないといけないが、リアスの未来は既に固く閉ざされてしまっている
「私は今からフェニックス家に戻って今回の件と今後についてお父様たちと話してきます。御二人やセラフォルー様たちのお陰で助かりましたわ、後日になりますが改めてお礼申し上げに伺います。その時は石動様も同席していただけると…」
「分かりました。彼には私の方から伝えますので」
レイヴェルは頭を下げると2人前から去っていった。そして病室から医師が出てくる頃に現場に残っていたセラフォルーたちが反対側の廊下から現れた
「全ての処置が終わり安静になりました。ところでリアス様のご両親はまだでしょうか?」
「えっ…来てないの?」
グレモリー夫妻は自宅に突撃してくるマスコミの対応をしているので離れることが出来ない
「入っても構いませんが病室内ではお静かに願います!」
「ありがとうございます」
医師に向けて頭を下げると4人はベッドの上で目を閉じるリアスの傍に寄った。首元まで布団が掛けられ端からは点滴の管が伸びて寝ている彼女に栄養を注ぎ込んでいる
「今のうち削っておくか?」
「それは起きてからでお願い、だけどもし暴れたらすぐに対応できるようにして」
寝ていてもオーフィスの蛇を取り込んだことで能力は跳ね上がっている。今ここでリアスが滅びのオーラ状態になったら取り押さえることが出来るのは彼だけなのだ、セラフォルーはとりあえず彼女が寝ている間に今後のことを検討するため未だに姿を現さないアザゼルに連絡しようとするが
「リーア!」
病院着姿のサーゼクスが突撃してきた。偉丈夫だった魔王は長い入院生活で頬がこけてしまい四肢の筋肉も衰えている。尿管結石の痛みよりも妹を想う気持ちが勝りここまでやってきたのだ
「おい、なんでコイツがオーフィスの蛇を持っていた?もしかして禍の団と繋がって」
「リーアに限ってそんなことは無い!セラ…すぐにフェニックスの涙を用意してくれ、はやく」
騒ぎ立てる彼はセラフォルーに対して命令するが彼女は首を横に振った。病院内に在庫はあるが数が少なく魔王の妹だからといって優遇する訳にはいかない、命の危機が迫っている本当の病人に対して使用しなければならない
「私の名前を使えば問題な―――」
「サーゼクス様!」
振り向くとそこには治療を終えたばかりのサイラオーグが立っていた。彼は眷属の女性に肩を借りて歩を進めると全員を見渡した後にサーゼクスに顔を向ける
「よくも私の大切な…この身の程知らずの若造が」
「リアスにいったい何を渡したのですか?蛇を使う前に『お兄様から与えられた特別な力』と口にしていましたが」
その言葉を耳にしたサーゼクスの顔が若干曇ったのをみた伸元は彼の背中を赤龍帝の籠手で殴りつけると尿管結石の痛みで苦しみだした
「隠さず全部話してくれるのなら痛みから解放してやるがどうする?」
「なんのことだ!私は何も…がぁぁぁぁぁぁああああああああ!」
追撃を加え倒れ込んで更に苦しむサーゼクスは額に脂汗を大量に浮かび上がらせている。右足の踵でグリグリと踏み続けること1分で白旗を上げて全てをゲロった
「王の駒だと?」
上級悪魔になると各領の領主の城、または魔王領の魔王の城のみに存在する『石碑』に触り、『王』であることを登録する。これにより眷属を有する権利と悪魔の駒を渡されソーナやシーグヴァイラは『王』としてゲームに参加する
「姉さんは―――」
「知っていたよ、王の駒は単純に強化を司るの…少なくとも10倍から100倍以上なんだけど数値のバラつきに関してはアジュカちゃんでも分からない、当然だけど駒の使用を禁止にした」
取り込めば苦労せずに能力を向上させることが出来る。安易にパワーアップが出来るチートアイテムが広がれば混乱が発生し国を存続させることが難しくなるのを危惧した4人の魔王は存在を秘匿したが
「コイツ以外にも使っている奴はいますよね?」
伸元の問い掛けにセラフォルーはゆっくりと頷きソーナは膝から崩れ落ちた。過呼吸気味にワナワナと震える彼女をシーグヴァイラは抱き締め、背中をゆっくり摩ると手渡された袋をソーナの口元に近づけて深呼吸するように話しかける
「私の持っていた『王の駒』をサイラオーグと戦うリーアに与えたのだ!これを使えば絶対に勝てるはずだと思ったんだ!」
「腐ってやがる」
「あぁ最悪だ」
侮蔑の視線を向けるサイラオーグに同調した伸元は怒りを露にする。トップを目指して切磋琢磨する悪魔の努力を踏みにじる悪辣な行為であり嘲笑う暴挙でもある
「そしてその結果がこれか!」
伸元が布団を引き剝がすとサーゼクスは尻餅をついてしまった。そこに寝ているのは確かに彼にとって愛しい妹であるリアス・グレモリーだが歪な存在と化していた
右肩・左モモ・右膝から先が消失していたのだ!唯一無事な左手もボロボロで原型を留めていなかった。彼女は戦闘中に不完全な状態で滅びのオーラ化をしてしまったことで自身四肢までも滅ぼしてしまい再生することが不可能な状態である
「あっあぁぁぁ!リリ……リーア」
「自業自得だよサーゼクス!」
扉が開くと今度はアジュカ・ベルゼブブが入ってきた。彼は未だに現実を受け入れることが出来ないサーゼクスを一瞥すると室内にいる面々に対し頭を下げた
「今回のことはしばらく他言無用にしてほしい、ここにいる全員に日を改めて王の駒について伝えなければならないことがあるが、今は国家転覆をしでかそうとした2人を捕らえさせていただきたい」
指を鳴らすと武装した悪魔たちがサーゼクスを取り囲むと、彼の首に銀のチョーカーを装着させて聞きなれない言葉で封印を施した
「リアスはいったいどうなりますか?アジュカ様」
「何ぶんにも前例が存在しない、唯一の救いは民に『王の駒』を知られていないことで彼女がオーフィスの蛇で暴走したと思い込んでいる。それに今回の試合を組んだ大王家にも責任を取ってもらうつもりだ!」
サーゼクスは両脇を抱えられた状態で連行されリアスはベッドで横たわったまま運ばれていった。殿となったアジュカは再度頭を下げて退出した
「ノブちゃん…ソーナちゃんのこと任せてもいい?今回の責任の所在をはっきりさせてくるから、逃げ得なんて絶対にさせない!」
そう言って彼女も足早に去っていき、サイラオーグとシーグヴァイラも共に部屋を出ていった。彼は長椅子に座るソーナの隣に腰を降ろすが言葉が何も浮かばない
沈黙が続くとソーナは伸元に抱きつき彼の胸の中で大粒の涙を流し始めた。何も言わずに彼女の背中に手を回し泣き止むまで胸を貸すことが出来ない自身の無力さを嘆くのであった
こっから先の展開をどうしようか悩んでいます(原作に戻すのは難しいな)
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
明日は灼熱の中京で行われる東海ステークス、22年ユニコーンSで3着に突っ込んできたことで筆者の買ったヴァルツァーシャルの複勝馬券を紙屑にしたバトルクライよ頑張れ
石動君の技にキン肉マンから抜粋してもよろしいでしょうか
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マイナーな技も出してくれよ OK
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ハイDにキン肉マンは合わないから NG