争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

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前話で多く感想をいただき誠にありがとうございます
これからも頑張ります


グレモリー家は大丈夫なのだろうか?

 レーティングゲームは勢力を大きく減退させた悪魔が生み出した競技であり、あらゆるルールのもとで自身と相手の眷属たちで競い合う。将棋やチェスのように駒に役割が存在し「王」の戦闘不能か降参を宣言した場合に敗北となる。安全面も考慮されダメージを受けて戦闘不能となった駒は強制的にフィールド外へ除外されて治療を受けるため、死者は出ないようになっている

 

 

 

 赤龍帝の籠手を顕現させた瞬間に騎士の木場が床を蹴って接近してきた。両手には剣が握られ上段から斬りつけてくるが騎士のスピードを殺す重量のある剣だったので半身で躱して顎にアッパーを叩き込んだ

 

 

「……当たってください」

 

 入れ替わるように戦車の小猫が俊敏なフットワークを駆使して拳を振る。しかし動きが単調であり攻撃のリズムを崩せばパンチのモーションも大きくなりカウンターのデコピンで沈黙させた

 

 

 女王の駒を持つ姫島朱乃は雷を用いて広範囲攻撃を仕掛けていたが、動きながら放つことが出来ず常に足が止まっている所を狙われノックアウトさせる

 

 

『弱すぎぞコイツ等、ウォーミングアップにもならない』

「そ〜だよね…ちょっとこれだとね」

 

 ドライグが愚痴るのも当然のことで、上記の戯れは『赤いきつね』が出来上がるよりも早くアッサリと終わってしまったのだ、戦力差云々の前に実力が全く伴っていない

 

 

「そんな…私の眷属たちが……嘘よ!」

 

 現実を受け入れることができないリアスは髪の毛を掻き毟り自慢の頭髪がボサボサになる。汗を流すことすら出来ない無駄な時間を終わらせるために伸元は彼女に近付くと母方から受け継いだ『滅びの力』で外野にいるアーシアへ攻撃した

 

 

 

 

「きゃっ!…………伸元さん」

 

 咄嗟のことで避けることが出来ず、目を瞑ってしまったが間一髪のタイミングで彼が盾となってくれたことでダメージを受けることはなかった。しかしリアスは攻撃を緩めることなく魔力弾を放ち続ける

 

「リアスあなた!」

「黙ってなさいソーナ…最初からこうすれば良かったの」

 

 ソーナは彼女の力を知っているので対処をされる。女王の椿姫は神器で反射される恐れがあった。そして赤龍帝に攻撃しても容易く避けられてしまうだろう。選択肢を潰していけばアーシアが恰好の的になって誰かが間に入るはずだ、そして1番確率が高いのは伸元であると予想した

 

 

『相棒』

「大丈夫だドライグ…それより何秒経った?」

『90秒だ!』

 

 赤龍帝の籠手は10秒ごとに自身の能力が2倍になる。90秒なら512倍となりこの状態でコンクリートを殴ったら砕けるどころか木端微塵になるだろう。『Explosion』の音声と共に手に持っていたダイスを投げると示された面には『腋臭』と書かれていた

 

『なぁ…』

「何も言うなドライグ」

 

 症状が20もあれば『腋臭』だって存在する。ダイスの中には体に痛みを伴わない内容の1つや2つぐらいあるだろう。投げた当人としては『こむら返り』や『群発頭痛』でこの場から消えてもらおうと思っていたが出目を操ることはできない

 

 とりあえず鼻をつまんで接近し腹部に強烈なボディブローを1発ブチ込んで黙らせた。意識を取り戻した彼女の眷属たちに臭いオブジェを持って帰るように伝えると3人とも鼻を押さえながら逃げていくのであった

 

 

 

 

「大丈夫ですか石動君?」

 

 全てが終わり見守っていたソーナたちが駆け寄ってくる。アーシアは泣きながら神器を使って彼の怪我を治そうとするが目立った外傷は殆ど無かった。なお椿姫はファブリーズを散布してリアスの残した臭いを消しているが市販品では512倍の腋臭に太刀打ちするのは不可能だった

 

「すぐにグレイフィア様に抗議しましょう」

「それは俺がやる。会長はセラフォルーさんを経由してグレモリー家に抗議をお願いします」

 

 

 彼とソーナが同じ人物に抗議をするより、彼女の姉である魔王を経由してグレモリー家に対して直接抗議をした方が深いダメージを与えることができるだろうと算段を立てていた

 

 

「私のせいで…」

「これから強くなればいい、そして強くなったら今度は俺のことを助けてほしい」

「絶対に強くなります!」

 

 今のアーシアを下手に擁護するよりも成長を促す言葉の方が彼女の為になる。これは前世でレッドブルが手放せなかった先輩社員から教わったノウハウだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に申し訳ありません」

 

 あくる日の放課後にグレイフィアが学園の生徒会室に訪れ土下座をして謝罪の言葉を口にしていた。彼女の態度にソーナは右往左往しているがアーシアと伸元は動じていなかった。なおリアスは眷属共々冥界の自宅で謹慎中である

 

 

「グレイフィアさん、アレが当主になったらグレモリー家って潰れませんか?」

「返す言葉もありません」

 

 リアスの兄でグレイフィアの夫であるサーゼクスが、彼女のワガママを容認し溺愛したせいで最悪な事態に陥っている。このままの性格でグレモリー家の当主に就任したら彼女の代で取り潰しになるだろう

 

 

「結婚相手のライザーさんが気の毒に感じます」

「俺だったら熨斗(のし)をつけて離婚届と一緒に送り返す」

 

 当人たちがいないから言いたい放題である。リアスのことを形容するなら身体100点・性格0点が1番しっくりするだろう。辞書で『結婚は人生の墓場』という用語を調べたらリアス・グレモリーと夫婦になることだと書かれていそうな気がする

 

 

「ヴェネラナ様たちもリアスに対して怒っているのですが、サーゼクス様が彼女の味方になって擁護をしてしまって」

 

 魔王を味方にしたがリアスの愚行がチャラになる訳ではない、グレイフィアも夫のシスコンに対して辟易しているのだ

 

 

 

「リアス・グレモリーは婚約破棄を望んでいるんだろ?」

「えぇ…その通りですが」

「なら願いを叶えれば済む話だな」

 

 その場にいる全員が頭の上に「?」を浮べていた。婚約破棄をすることは今回のレーティングゲームで勝つことである。しかし先日の戦闘を見ればライザー相手に勝利することは夢のまた夢の話だ

 

 

「グレイフィアさん、結婚相手のライザーさんと面会する時間を用意することはできますか?」

「問い合わせないと分かりませんが可能だと思います」

 

 彼の頭の中では複数の点と点が1本の線になって繋がっていく、その点の中にはデバフで与えた『腋臭』も加わっている。後はライザー・フェニックスをこちら側に引き入れることが出来れば万事上手くいくだろう

 

 

 

 そしてリアスの起こした騒動から1週間が経過し、グレモリー家とフェニックス家のレーティングゲームが行われた。結果だけを伝えるのならライザー・フェニックスの圧勝で終わった

 

 開戦前から4対16で戦力差の不利が指摘されたが、ライザーの眷属たちはゲーム開始直後にお茶会を始め戦場に現れたのは彼1人だけであった

 

 木場・塔城・姫島の3人をアッサリ倒すとリアスが登場し『滅びの力』で攻撃をするがフェニックスの力で再生してしまう

 

 

「腋の臭いが脳みそまで伝わって腐ってしまったか?リアス」

「いいかげんにしなさい!」

 

 連続して攻撃を放つがダメージなんて殆ど与えることができない、同じ「王」でも如実なまでに実力差が開ききっていた。勝ち目が無くなったリアスはリザインを宣誓しグレモリー家の敗北が決まった!

 

 これで2人の結婚は決まったが試合終了後のインタビューでマイクを向けられたライザーは高々と宣言する

 

 

「リアス・グレモリーは我が妻に相応しくない!」

 

 婚姻を否定する言葉に映像を観ていた面々は口をあんぐりと開けて呆けていたが、フェニックス家とグレモリー家の面々はサーゼクス・ルシファーを除き笑っているのであった

 

 

 

 

 




リーダー伝たけしのガッツ島編で「たけしの体臭で世界が滅亡」するという文言が頭の中に残っていたので、512倍の腋臭になったリアスになりました

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