【完結】争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい   作:大気圏突破

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トーナメント開催!

誰が勝っても怨みっこ無しだ!冥界を統べる王様になりたきゃ全力で挑んできやがれ!

 

 マイクを持って登壇した伸元の言葉に集まった面々は拳を上げて賛同した。広大なグレモリー領を丸々戦闘用のステージにする工事の施工は、禍の団に所属するレオナルドをシャルバから提供してもらい『魔獣創造』を労働力にして168時間ぶっ通しで頑張ってもらった。なおレオナルドには褒美としてカプコン信者の伸元の秘蔵する『ロックマン4~新たなる野望~』のゴールドカセットが贈呈された

 

 

「(待っててください会長!俺が絶対に勝ちますので)」

 

 本戦トーナメント進出者を決める予選ブロックが行われる会場に立った匙は観客席にいると思われるソーナへ視線を向けた。彼女が伸元と結ばれたことを知った彼だが優勝してソーナを堂々と自身の嫁として宣言を下すつもりだった。仮に優勝しなくてもトーナメントで伸元を倒すことが出来れば自分の方に来てくれると思い込んでいた

 

 

「ヴリトラの小僧か?」

「予選で初代と相まみえるとは遺言の準備は済ませたか」

 

 彼と同じブロックには初代孫悟空とシャルバが存在し、それ以外にも禍の団からジークフリードも参戦し激戦区となっている。覚悟が揺らぐ匙だが己に喝を入れて今日まで頑張ってきたことを全て出し尽くして挑んだ結果

 

「参りぃ…ばしぃいいた!」

 

 

 勝てませんでした。歴戦の猛者たちに食らいつこうと噛み付いていったが禁手化しても17歳の身では敵う相手ではなかった。それでもシャルバは匙の評価を下げることはなく恐れずに立ち向かってきたことに拍手をした

 

 なお試合が始まる前に彼が向いていた方向にソーナは座っておらず、セラフォルーと共に来賓室で伸元の予選を観戦していて匙の敗北を知ったのは本戦トーナメントの組み合わせが発表されたときだった

 

 

「(全員で一斉に襲うぞ)」

「(どんなに強くても物量差で攻めれば問題あるまい)」

「(俺が冥界の王になる!)」

 

 

ドガッ!

 

 

「次の大会まで鍛え直してこい!」

 

 

 野心を持つ者は徒党を組んで実力者たちを追い込もうとするがレベル差を埋めることは出来ず場外へ弾き飛ばされる。タンニーンやサイラオーグなどのネームバリューと力を持つ者が順当に勝ち上がり、他のブロックでも各方面に名前の知られた参加者が予選をクリアしていった

 

 

「駒王所属で残ったのは石動様と朱乃様だけですね」

 

 大会を主催する伸元が勝ち上がるのは妥当だが、意外にも敗退が予想されていた姫島朱乃も本戦に進出した。彼女はリアスの処分が下されてから堕天使領に身を置いて幹部たちの指導を受けてメキメキと実力を伸ばしていった

 

 

「ノブちゃ〜ん!本戦も頑張ってね〜☆あとソーナちゃんが愛してるって!」

「姉さん!こんなところで」

「本当のことなんだから大声で言わないとダメでしょ☆ほらほら自分の声で言わないとノブちゃんの大きなハートに届かないよ!」

 

 流石に羞恥心が勝ってしまい口にすることは出来なかった。しかし心の中では彼の勝利を強く願い応援している。なおここにいる3人は彼からプレゼントされた簪を身に着けているのは言うまでもなかった。…じゃあ4本目は誰が持っているのか?実は

 

 

 

 

 

「いつまでそれを眺めているんですか姉さま」

「ずっとだにゃ!」

 

 猫魈姉妹たちは豪華なホテルの一室でルームサービスで提供された果物を食べながらテレビでトーナメントの行く末を見守っていた。黒歌の手には簪が握られシャンデリアから放たれる光に対して角度を変えながらニヤニヤと笑っていた

 

「大きくなったら白音に頼るけど大丈夫かにゃ?」

「任せてください、悪い見本が目の前にいるので健全な子に育てあげます」

 

 黒歌は仙術を用いて将来産まれてくる小さい生命の息吹を感じ取っていた。それを見つめる妹はジト目になりながらメロンを頬張る

 

 

「白音は誰が優勝すると思うにゃん」

「朱乃先輩はアジュカ様に負けますし、石動先輩も2回戦目から強い相手と連続して当たって消耗すると思うのでトーナメントの端の方にいるタンニーン様が有力じゃないですか?」

「ドラゴンが冥界の王様って味気ないにゃ~」

 

 バスローブ姿で足をばたつかせる黒歌が最後の所持者であった。彼女がどうして持っているのかというと伸元からの依頼の報酬として求めていたのだ!その簪には彼の持つ魔力が宿り悪災から遠ざける加護が施されている。詳しいことは本編終了後に筆者が番外編を書く気力が残っていたら伝えるつもりだ

 

「姉さま」

「どうしたのにゃ白音?」

「私を檻から連れ出してくれてありがとうございます」

「じゃあ手伝ってくれた人を応援しにゃいといけないね」

 

 

 

 テレビに映る伸元の対面にはゼノヴィアの師匠で教会の戦士であるヴァスコ・ストラーダが立っていた。ご老体で筋骨隆々の見た目に圧倒されてしまうが彼の持つ『アスカロン』の方に視線が奪われている

 

「龍人の子よ棄権することを勧める。退くことは恥ではない」

「優しいことで!だけど断らせてもらう。好きな人の前では意地を張るタイプなんでな」

「そうか、全てが終ったら不甲斐ない弟子を預かってくれたことに対しての言葉を聞いてほしい」

 

 

 龍殺しの異名を持つ聖剣を構えゴングが鳴るのを待っている。久々の肉弾戦に心が躍る

 

「人生の先輩に胸を貸してもらいますよ」

「安心して飛び込んできなさい!」

 

 

 金色のゴングに木槌が振り下ろされ互いの武器がリングの中央でぶつかり合った。ストラーダの凄まじいパワーから放たれる一撃は重く骨に響く、何度も受けていたら体が地面に埋まってしまいそうな気がする

 

「上ばかりだとボディが疎かになりますぞ」

 

 屋久杉のように太く肥大化した右腕で振り抜いてきたのを寸前で躱し、顔面に膝蹴りを与えるがダメージに狼狽えることなく足首を掴んで地面に叩きつけバウンドしてしまう

 

 

「咄嗟に『光翼』でダメージを半減させましたか、中々な腕前です」

「スゲー馬鹿力だな、ゼノヴィアも鍛えれば爺さんを超えるのか?」

「石炭になるかダイヤモンドになるか彼女の頑張り次第となります。そして私もまだ成長途上にすぎません!」

 

 突進してくるストラーダをジャンプで飛び越え反転し、後頭部に膝を当てて突進の勢いを利用しながらテキサスの荒馬を葬り去る必殺の攻撃

 

カーフ・ブランディング!

 

 

 血だらけになった顔を拭った彼は笑みをこぼしていた。かつて対峙した堕天使のコカビエルを相手にした時のように全てをぶつけることが出来る存在が目の前にいる。愚直なまでに積んだ鍛錬の答えを出すことが出来るなんて最高と言えるだろう

 

 

「ありがとう龍人の子よ!」

「その言葉は争いが終わってからだ」

 

 手加減なんて無用だ!伸元は詠唱を済ませると極覇龍状態になって全魔力を開放した。それに呼応するように他のフィールドでも同じように力を開放し冥界全体が大きな地震に見舞われたように揺れた

 

 出し惜しみなんて無粋な真似はしない今ここで全員とバトルロイヤルになっても構わない、観客たちも大声で応援し冥界が1つになろうとしている。だがここで宴に水をさす輩が現れた!

 

 

「リゼヴィム・リヴァン・ルシファーだと?いったい何の用だ!」

 

 

 さぁ祭りを邪魔してきた愚か者に鉄槌を下そう




多分ですが次話かその次で本編が終わると思います。いつものように終了後の「つぼやき」で述べますが最終回を迎える切っ掛けがあったので、冥界統一トーナメント編を盛り込んで終わりにしようと思いました

感想を書いてくださる読者の方々が筆者の支えとなり執筆のエネルギーになってます。最後までお付き合いお願いします

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