争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい 作:大気圏突破
本戦トーナメントの会場に現れた悪魔は俗世の関わりを捨てた存在として上級悪魔や貴族たちに知られていた。上空から警備兵を薙ぎ倒しフィールドに降り立ち轟音のような雄叫びをあげて周囲を威嚇する
「リゼヴィム・リヴァン・ルシファーだと」
彼のことを知る悪魔が名前を口にした。関わりたくないトラブルメーカーであり隠居していたことを喜んだがトーナメントの会場に現れた。絶対に碌でもないことが起きてしまうだろうが止める手立てが無い、彼は超越者である
「うひゃひゃひゃひゃ!っぱい、おっ……ぱい!」
リングに降り立ち、白目で涎を垂らしながら不気味な笑い声で威嚇すると体内から魔力を放出しようとした瞬間のことだった
「「「邪魔だ!」」」
「うげぇ!」
サイラオーグ、伸元、シャルバの拳で三方向から殴られると股間をストラーダが全力で蹴り上げられ彼の二子玉は粉砕されがら上空へ飛翔した
「「「散れ!邪魔者が!」」」
そこにはアジュカを含めた悪魔や妖怪に吸血鬼が待機し膨大な数の魔力弾でリゼヴィムのことを攻撃し続けた
「っぱい…、おっぱ、ππ」
しかし隙をついて抜け出し支離滅裂な言葉を口にしながら敵対する相手の胸を揉んだが
「なんのつもりだ!リゼヴィム」
極限までに鍛え抜かれたムキムキの雄っぱいを触る彼に渾身のアッパーを繰り出して更に上へ打ち上げると、ライザーとタンニーンの炎で燃やし尽くされギャグ漫画のように真っ黒となってしまった
「誰だか知らねえが水を差してくんな!」
「全くだ!」
地上から飛び上がった伸元はリゼヴィムの両腕と首を横から手足でホールドし、サイラオーグは足首を持って両腕を自分の両足で踏みつけながら落下させる。この争いに乱入してきた不届き者を懲らしめるツープラトンの必殺技
キン肉ドライバーとビッグベンエッジの同時攻撃によって頭頂部から地面に激突したリゼヴィムは意識を失う寸前となり自身の手を天に向けて魔力弾を放出しようとするが、全員から袋叩きにされてしまい原形が分からなくなるまでボコボコにされて連行されていった
「とんだ水入りだ!このまま戻って再開じゃあ白けちまうな」
「ならやるべきことは簡単だな」
「ここにいる全員が敵ってことだ!」
全会一致でトーナメントからバトルロイヤル方式に変更され争いは84時間にも及び最後に立っていたのは?………
「あれってヴァ―リの爺さんだったのか?」
「そうだぜぃ…アイツにとってリゼヴィムは殺したいほど憎んでいる相手だったが、全員からボコボコにされるのを見てスカッとした表情で笑っていやがった」
トーナメントが終わり人間界に戻った伸元は美猴とラーメン屋で顔を合わせていた。そして乱入してきた悪魔がヴァ―リの親族であることを知り驚いている
「アジトでラーメンを食ってると黒歌たちが睨んでくるから肩身がせまいぜ」
「当事者としてはコメントに困るな」
「しばらくは外で食べるしかないが、今度は服についたニオイが原因で怒られそうだ」
まだ全然先のことだが黒歌は産まれてくる赤ちゃんの為に人間界で必要なモノを買い揃え、今は毛糸で小さい靴下を編んでいる
「指名手配を取り下げてくれたんだろ?」
「まぁな…母親がお尋ね者じゃ子供が可哀想だからな」
「おかげさまで大手を振って歩いて、今日はスイミングスクールで体を動かしているぜ」
食べ終わった丼をカウンター側へ返し、お茶を啜る
「にしてもこれからが大変そうだな、大丈夫なのか?」
「次の100年まで頑張ればいいってことだ」
冥界を統べる王が決まり周囲が慌ただしくなる。学生なので当面の間は人間界と往復する日々になりシトリー家の邸宅に身を置いて生活する予定だが、既に隣で彼等の住む新居の建設が始まっている
「いざとなったら俺達にも頼ってくれよ」
「そうさせてもらう」
「でもよ~お前が優勝する方に賭けていたんだぜ、無一文な俺っちにはギャラを多めにしてくれないとキツイぜ!」
「賭け方が下手だったな」
「だけどサイラオーグに務まるのか?」
「それは本人次第だな」
最後に立っていたのは魔王を目指していたサイラオーグだった。不死を誇るライザー・フェニックスとの殴り合いを制したことで勝ち名乗りをあげボロボロの右手を突き上げた
伸元は極覇龍を長時間使用していたことでガス欠となり、タンニーンを道連れにしてダブルノックアウトしてしまいシャルバはストラーダと相打ちとなった
「元魔王の嫁さんに何て言われたんだ?」
「それは2人だけ…いや4人だけの内緒だな」
「ドラゴンの宿主様は盛んだね~、詮索はしないが程々にしとけよ色男」
サイラオーグが初代の王となったが経験が乏しいのでアジュカと伸元が相談役として選ばれ、シャルバはカテレアと共に姿を消して行方知れずとなった
「黒歌に伝えることはあるか?」
「考えを改めたら連絡しろって言ってくれ」
「分かったぜ」
彼女はシングルマザーになる道を選んだ!夢双龍の加護を得た自分はこれ以上求めることはしない、『可愛い子供を独占させてもらうにゃ』と言って庇護を受けることを拒否している
会計を済ませると美猴と別れ魔法陣で冥界のシトリー家に戻った
「ノ~ブ~ちゃ~ん、どこ行ってたのかな?こんなに可愛い奥さんを放っておいてナニをしていたのかな~☆」
「飯を食べながら知り合いに頼みごと」
戻った瞬間にセラフォルーに抱き着かれ首を軽く絞められながら美猴と会っていたことを伝えた。隠し事をするよりも真実をきちんと教えれば納得してくれる
「御夕飯前にラーメンはどうかと思います」
「出されたモノは全部食べますので」
「では、私のことも一緒に」
グレイフィアはメイド服を脱ぎ出すが伸元は止めることをしなかった。少し前に同じ状況へ陥った時に慌てて止めたら彼女はクスクスと笑っていたので今回はイジワルをすることにした。ブラジャーだけの姿になると首を絞めるセラフォルーの力が強くなり胸が背中に押し付けられてしまう
「このまま気持ち良くさせてあげようか?大丈夫☆ノブちゃんが寝ちゃったら朝まで一緒にイテアゲルから」
「ぐる…ごめんなざ」
「えっ?もっと絞めてくださいって!仕方ないな~☆」
段々とお花畑が見えてくる。遠くの方では新聞のお悔やみ欄に名前が載っていた松田と元浜が手を振っているような気がする。このまま終わろうと思ったが
「姉さん!グレイフィアさん、私の夫を離してください!」
制服姿のソーナが息を切らせて部屋に突撃し、セラフォルーから奪い去るように伸元のことを自身の胸に引き寄せ脈と息を確認して深呼吸をすると唇を重ね合わせて自身の息を彼の肺に送り込んだ
「ソーナちゃんも大胆だね☆」
「フェニックスの炎のように熱々ですね」
現世に戻ってきた意識を回復させソーナに礼の言葉を述べるが
「グレイフィアさんについて説明してくれますよね?石・動・君」
「これには深~い訳が」
「ドライグ、アルビオン詳しく正直に話しなさい!」
二天龍の神滅具を宿す彼よりもシトリー家の女の子は誰よりも強い!完全に尻に敷かれる伸元だが悲観などしていない、これからもずっと好きな人たちと長く過ごすことが出来る。例え人間界や冥界が滅びようとしても手を離すことなく握り続ける
小さい頃の出会いから始まった物語は様々な困難を乗り越え、転生前に彼が忘れていた安らぎを思い出させる。求めていた平穏無事とは程遠いが、この暮らしも悪くない
「ありがとう」
この世界に来たことを心の底から感謝するのであった
サイラオーグが王様になりました。魔王じゃなくても目指していたものだしOKだよね?
お盆休み中に番外編(いつもの没ネタ)をやって今作を終わりにしたいと思います。「つぼやき」もそっちに記載する予定
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