blue sky archive   作:subnautica

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2 アビドスという土地

2 アビドスという土地

 

自己紹介をすると2人はどこかキョトンとした顔をしていた

「宇宙……?いったい何を言っているのですか。ゲームの称号か何かですか?もっとまじめに答えてください。」

ホシノが呆れたような目つきでこちらを見つめる。

仕方ない反応なのかもしれないが、少し腹が立つ。

「ホ、ホシノちゃん。そんな頭ごなしに否定しちゃだめだよぉ。ほんとかもしれないじゃん!」

ユメもかばうような発言を見せるがどう見ても信じていない。

「自己紹介しただけだというのにずいぶんな言い草だな……そんなに信じられないなら実際に見せてやってもいいんだぞ?」

「結構ですよ。それよりあなたたちに何があったのかを――「え!宇宙見れるの!ホントに!?」……ユメ先輩、少しは疑うってことを覚えてくださいよ。そんなんだから私がいつも……」

「ひぃん……ホシノちゃんそんなに怒らないでよぉ……」

また2人で言い合いになってしまっている。コーストが振った話題なのに完全に蚊帳の外だ。

「……2人の世界に入るのはいいが、結局どうするんだ、行くのか?行かないのか?」

「私は行きたい!」

「……はぁ、わかりましたよ。……ただし、くだらないことしたらほんとに墜落させますよ。」

「俺が言えた義理じゃないかもしれんが、暴力的過ぎやしないか?」

とりあえず宇宙を見てみるという方針になったので2人をコルベットに乗せる。

ちなみに今乗っているコルベットは探索に主軸を置いたコルベットで、コックピット周辺に窓ガラスを多めに配置してるので外の様子も見やすいだろう。

「ほえ~高校に戻ってみたときはあまり見る余裕がなかったけど、改めてみるとやっぱりすごいなあ」

「よくよく考えるとこのサイズの乗り物が羽も、プロペラも持たず飛んでるというのがだいぶおかしいですよね……。まさか本当に……」

この世界の文明レベルがどんなんものかまだ分からないがこの船は彼女らからすれば全くの未知の技術の産物だ。新鮮に映るのだろう。

「じゃあ跳ぶぞ」

「「え」」

それはさておきというように、驚く2人の顔を尻目にコーストは船首を上空に向けパルスドライブのスイッチを入れた。

「ちょ……まだ心の準備があああ――」

慣性制御により体には負担がかからないものの急激に流れていく外の景色に2人は抱き合って目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

「ほれ、そろそろ目を開けろ。外を見てみな。」

そんな声がして、外を眺めてみるとそこには黒い空間に輝く青い星があった

「わあぁぁ……」

「ウソ……、ほんとに宇宙船だなんて……」

2人は己の理解を半分超えた景色に目を奪われているようだ。

「お前たちは惑星の外に出ることはないのか?」

「ええ……生きてるうちに外に出ることなんてないと思ってましたがまさかこんな形で宇宙に出てくるなんて思ってもみませんでしたよ。……コーストさん。先ほどの発言は謝罪します。」

「ねぇねぇコーストさん!コーストさんのこともっと教えてよ!」

そう言われたので彼女たちの星を横に見ながら自分が銀河を巡りながら経験してきたことを話した。勿論、アトラスの一件は隠して。

砂漠の町からほとんど出ることのなかった彼女たちにとっては私の話は新鮮に映ったのだろう。目を輝かせて話を聞いてくれた。

 

 

 

「だいぶ長いこと話し込んでたな……そろそろ元居た場所に戻るか?」

気づけばマーカーを置いてきた彼女たちのいたアビドスなる場所は日が陰ってきているようだ。

「そうですね。長居しすぎました。長いこと空けすぎるとまた襲撃者がやってくるかもしれません。」

「そうだねぇ。今日は帰ろっか。」

2人はのんびりした様子で言い放ったが気になる発言があった。

「襲撃者?お前たちがいたあの場所は襲撃を受けているのか?」

見たところあの場所にはユメを連れてきた時点ではホシノしかいなかった。もしかして、2人で襲撃をいなしているというのだろうか。

「ええ、そうです。ヘルメット団とかいう不良集団が私たちの高校を奪おうとしょっちゅう襲ってくるんですよ。あなただって、ユメ先輩がいなければそのヘルメットで敵だと思っていたかもしれませんね。」

「あまり恐ろしいことを言わないでくれ……」

彼女の持っている銃はコーストから見れば旧式のもので大した脅威にはなりえそうになかったが、彼女自身からは、彼も得体の知れない威圧感を感じるし、分析バイザーも正体不明の高エネルギー反応を検知している。

敵に回せば少なからず被害を受けるだろう。

「私もしばらくはこの惑星に滞在する予定でいる。これも何かの縁だし、良ければ襲撃者の排除を俺も手伝ってやろうか?」

「いえ、ユメ先輩も助けてもらってこれ以上何かしてもらうのは――」

「え!しばらくいるつもりなの!なら、うちの高校に住めばいいじゃん!どうせ部屋は有り余っているんだし。」

何やらユメがとんでもないことを言い出した。助けてもらった相手とは言え警戒心がなさすぎではないだろうか。

正直ホシノぐらいの警戒心のほうが生きていく上では正解だろう。

「さすがに出会ったばかりの相手を自らのテリトリーに住まわせるのはどうかと思うぞ」

「でも……コーストさんこの星に来たばかりなのにこの星のどこで過ごすつもりなの?」

「俺は銀河を旅しているんだぞ?宇宙船の中でも十分快適に過ごせるし、どこか適当な場所に基地でも建設すればいいだろう。」

今までもそうしてきたのだ。初めて訪れる惑星だろうが生活していく分にはどうとでもなる。

「コーストさん……宇宙ではどうなのか知りませんが、許可を得ず勝手に建築するのはこの星では違法ですよ」

「え?土地の領有権を得るのに誰かの許可がいるのか?」

聞いたところ、この星の土地はすでに大体誰かの土地になっており、勝手に自分の土地にすることはできないのだという。

まさかこの星にそんなに知的生命体が存在しているとは思わなかった。それに、勝手にこの星は砂漠ばかりだと思っていたが普通に植物にあふれる場所もあるらしい。

今まで見てきた惑星は場所ごとのバイオームの変化などほとんどなかったからだいぶ新鮮な感覚だ。

「だから!コーストさんがこの星にいる間うちに来れば問題なしってことですよ!なにせ生徒会長の私がいいって言ってるんですから。ね!ホシノちゃんもいいでしょ!」

ユメは目を輝かせてそう言う。

「まあ、ユメ先輩を助けてもらった恩もありますしね……ただ、あなたちゃんと戦えるんですよね?」

「戦闘能力に関しては、お前たちの戦いを見たことないから何とも言えんが……まあ少なくとも失望させることはないだろう。……だが、ホントにいいのか?」

「まあ……アビドスの生徒会長は先輩ですからね。」

先輩が決めたなら、私はそれに従いますよ、とホシノは苦笑いで言った。

おそらく普段から振り回されているのだろう。まあ彼女自身まんざらでもなさそうだが。

「そこまで言ってくれるなら、少しの間、お世話になろうかな。」

「やった~!これからよろしくね!コーストさん!!」

「よろしくお願いします。コーストさん。」

こうして、私はしばらくアビドスに滞在することになったのだった。

 

 

 

――同時刻 アビドス高校近辺の廃墟

 

「よし!お前ら!今日こそアビドス高校を奪い取ってやるぞ!」

「「「「おおおーーー!!!」」」」

宇宙のヘルメットと地上のヘルメットの初戦闘の時が近づいていた。

 

 

 

 

 

 

 

パルスドライブを使ってマーカーを置いたアビドス高校前に戻っていった。

「行きでも見たけどこの外の景色は慣れないですね……。」

どうやらホシノはパルスドライブ中の景色はお気に召さないらしい。

個人的には結構きれいだと思うのだが。

そうしてあれこれ話しながらアビドス高校上空に来ると高校前に何やら人だかりや武装車両がいるのが見えた。

「ホシノ。あれはお前たちの仲間か?」

「……いや、あれがさっき話したヘルメット団。私たちの敵です!」

「そうか……なら、俺の戦闘能力をアピールするチャンスだな!」

その夜、夜闇にフォトンキャノンの閃光が降り注いだ

 

 

 

 

 

 

「おらぁ!アビドス!今日こそ学校を渡してもらうぞ!」

「出てこいやぁ!」

ズガガガガ!

不良たちが校舎に向かって乱れ撃ちする。

「姉貴!誰も出てきやせんぜ!」

「もしかして留守か……?よし!これはチャンスだ!今のうちに占領すr「あ……姉貴!」なんだ一体、せっかくいいところだったのに……え?」

不良の姉貴分が不良下っ端Aに指さされた先を見ると空には見たことない形の飛行物体が飛んでいた。どう見てもドローンやヘリコプターではない。

『やあ、不良集団。今すぐ引くなら機嫌がいいから見逃してやろう、だが、やり合うなら……俺は賊には容赦しないぞ。』

彼にとってちょくちょく襲ってくる海賊はボーナスバルーン的な側面もあるものの、交易所で宇宙船の目利きをしていても襲ってきたりとめんどくさい相手なので基本的に嫌いな存在である。

「うるせえ!お前もアビドスなんだろ!こっちには戦車もあるんだ!全部まとめて吹っ飛ばしてやる!」

「お、おいまて!」

下っ端が勝手に返答したが、コーストはそれを宣戦布告と受け取った。というより、もとより逃がすつもりはなかったのだが。

「コーストさん。外から来たあなたに一応言っておきますが、私たちキヴォトス人は頑丈なので生半可な攻撃で死ぬことはありません。ですが、誰かを殺すことはキヴォトスでは禁止されています。……それだけお願いします。」

「……も、もちろんだとも。君たちの信頼を裏切るようなことはしないさ。」

完全に殺戮マインドでいた彼は危ないところだったと冷や汗をかいた。

インフラナイフ・アクセルで全員ひき肉にしてやろうとか考えていたが、アップグレードをすべてオフにした殺傷性低めのフォトンキャノンに変更した。

「まとめて、吹き飛びやがれ!」

 

ガガガガガガガガガ!!!

 

「「「ギャアアアア!」」」

キヴォトスに存在しない兵器が不良たちをまとめて吹き飛ばすのに数十秒もかからなかった。

 




subnauticaです

no man's skyの小説ってハーメルンだとこの小説以外に1件しかないんですよね……

もっと知名度が増えてプレイヤーも増えてほしいと思う今日この頃です。
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