blue sky archive   作:subnautica

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戦闘描写が難しくていつもフォトンキャノンで吹き飛ばしてしまう……


7 アビドス廃校対策委員会

7 アビドス廃校対策委員会

 

吹き飛ばした不良たちが逃げ帰った後……

 

「いやぁ~、気持ちいいぐらいボコボコだったねぇ。」

「ん。でも、ヘルメット団の人数と武装が明らかによくなってる。あの数も異常。」

「先生の指揮も、とても素晴らしかったですよ!」

戦闘を終えた、アビドスの面々は対策委員会の部屋に戻ってきていた。いかに戦闘に慣れたアビドスといえど、今回の戦闘は戦力差もあってかなりきつかったようだ。

先生の指揮がなければ少し危なかったかもしれない。

「では、改めてあいさつしますね先生!私たちはアビドス廃校対策委員会、そして私は書記とオペレーターを担当する一年の奥空アヤネ……

そしてこちらが同じく一年の黒見セリカ。」

「どうも。」

「こちらが二年のノノミ先輩と、シロコ先輩。」

「よろしくお願いします、先生~。」

「最初に先生にあったのが、私。あ、これは別にマウントをとっているわけではない。」

ノノミはのんびりと、そしてシロコが得意げな顔で言う。わざわざ口にするあたり少し自慢に思っているのだろうか。

「そしてこちらが三年生で、委員長のホシノ先輩、その横にいるのがこの学校の……そうですね、用務員のコーストさんです。」

「いやぁ~、よろしく、先生~。」

「俺はいつから用務員になったんだ、アヤネ?まあ、それはそれとしてよろしくな、先生とやら。」

全員が自己紹介を終える。

よく考えれば、俺はちょっとこの惑星に滞在するくらいな感じでこの学校に住んでいたからこの学校でこれといった役職はないただの居候だった。

この学校の整備なんかもしてるし、用務員というのは確かに合っているだろう。

「先生もご覧になった通り、この学校は度重なる襲撃と資源不足で危機に瀕しています。そこにシャーレの先生が支援に来てくれたことでひとまずの危機を乗り越えることができました。先ほどのヘルメット団の数……先生の物資と指揮がなければ危なかったかもしれませんし、本当に感謝してもしきれません。」

「いやぁ、先生として当然のことをしたまでだよ。ところで、一つ聞きたいんだけど、コーストさん、先ほどの航空機も含め、君は一体何者なんだい?」

先生のその質問にアビドス側は顔を突き合わせて話し合う。

「ねぇ、コーストさんのこと、どこまで先生に話して大丈夫なの?」

「ん、先生も宇宙に連れていく。」

「正体を教えるならそれが一番かもだけど、先生はあくまで連邦生徒会の所属ですし、そこまで言う必要はないんじゃないでしょうか?」

「おじさんも、まだコーストさんの正体を教える必要はないと思うなぁ~。」

「そうか、ならアヤネ、適当にごまかしてくれないか?」

「わ、私ですか!?」

ひそひそと話し込んだのち、アヤネがそれっぽい説明をし始める。

「実は、コーストさんも外から流れてきた人でして、すごい技術力を持っているんですが行く当てもないということでしたので、この学校に協力してもらう代わりにこの学校に住んでもらってるんです。」

「へえ~。あなたもキヴォトスの外から来たんですね。」

先生は特に疑うこともなく信じたようだ。

「それともう一つ聞きたいんだけど、対策委員会っていうのは何をやっている委員会なのかな?」

「対策委員会というのは、このアビドスをよみがえらせるため結成された全校生徒とコーストさんが所属する委員会です。」

「といっても、全校生徒は私たち五人しかいませんけどね~。」

確かに、この学校に来るまでも町は半分以上砂に沈んでしまっていた。

単純に生活しずらい環境である上に、頻繁に襲撃も受けるとあっては学校を出ていく生徒がいるのも仕方がないだろう。

彼女たちがここに残っているのは居場所を守るという強い意志の表れなのだろう。

「そうか、そんなに大変な状況だったんだね……早くに支援に来れなくて申し訳なかった。」

「いえ、そんな……こんな小さな学校ですし、こうして支援が受けられただけでも十分ですよ。」

アビドスの救助要請は書類の山の中でも端のほうに追いやられていたあの時見つけられなければ、この学校はどうなってしまっていただろうか。

「生徒たちを助けるのが私の仕事だからね、ほかにも助けてほしいことがあれば遠慮なくいってくれ!」

「そう?ならおじさん、先生に一つ頼みたいことがあるんだ~。」

ホシノが言うにはあれだけの兵力を捻出した以上、さすがに今のヘルメット団は弱まっているだろうから今のうちに前哨基地を叩こうということらしい。

「ん、ヘルメット団の前哨基地はここから三十キロ位。今から出よう。」

「いいと思います。まさかヘルメット団も今から反撃を受けるなんて思ってもないでしょうし。」

「そうだな、やつらの前哨基地を上からまとめて爆撃してやれば少しは奴らも頭が冷えるだろう。いつも俺の外出中を狙うとかいう狡っからい真似しやがって……。」

「うへぇ~、それじゃあ先生、引き続き戦闘指揮お願いできるかな?」

「まかせて!」

「それじゃあ、校庭のコルベットに乗ってくれ、アヤネ、道案内頼む。」

「はい!」

そうして、コルベットに乗った対策委員会はヘルメット団の前哨基地に飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈脅威を検知:敵性戦闘車両〉

アトラススーツシステムに搭載されたAIが敵が戦闘車両を配備したことを知らせる。

「どうやら向こうも俺たちがやってきたことに気づいたようだ。アヤネと先生以外は近くで降ろす。前哨基地に砲撃するから出てきたヘルメット団の奴らを叩いてくれ。」

「「「「了解!」」」」

コルベットが地上付近でハッチを開放し、ホシノたちが降下していく。

「先生、あんたはその端末を使って生徒のサポートができるんだろ?俺は操縦にかかりきりになるだろうから、地上の様子はわからない。あいつらの補助頼んだぞ!」

「もちろん。私は先生だからね!」

アビドスによるヘルメット団前哨基地の攻略が始まった。

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戦闘開始から十数分ヘルメット団の前哨基地は陥落していた。

もう少し長期戦を覚悟していたのだが、先ほどの襲撃に主要な武装はほとんど使いきっていたらしく、行きで感知した戦闘車両も一、二台しか配備されていなかった。

「敵の撤退、および、ヘルメット団の前哨基地の壊滅、確認しました!」

「よおーし、作戦終了!物資だけ回収したら、学校に戻ろうか~。」

ホシノの号令で前哨基地跡地に散らばった弾薬などを回収していく。

ただ、やはり気になるのが、ただの不良集団だとは思えないほど、物資が充実していることである。

違和感自体は前々から感じていたのだが、こうして実態を目の当たりにしたことで明確な危機感を感じた。

身の丈に合わない潤沢な装備……どこかで拾ってきたなんてことは考えづらい。

とすると、最もあり得る可能性は第三者による提供である。

あくまで想像にしか過ぎないが、きな臭さを感じた。

「コーストさーん、何してるの?物資はいっぱいあるんだから運ぶの手伝ってよ~。」

「……ああ。すまんな。」

感じた違和感は心に留めておくことにし、コーストも物品回収に加わった。

 

 

「皆さん、連戦でしたが、お疲れさまでした。」

「アヤネもオペレーターお疲れ様。」

「うへぇ~、おじさん疲れたよぉ~。」

回収を終え、対策委員会の部屋に戻ってきた。

ホシノは疲れがたまったのか椅子の上で今にも寝てしまいそうである。

「ヘルメット団もここまでボコボコにしたんだからしばらくは手を出してこないでしょう!」

「ん。これで一番大事な問題に集中して取り掛かれる。」

「そうね、これで安心して借金返済に取り掛かれるわ!」

「ん?借金返済?」

気になる単語が出てきた。この高校は借金を抱えているのか。

「あ、えと、気にしなくていいから!」

「いやぁ~、もうそこまで行っちゃったらごまかさなくてもいいんじゃないかな?私たちをこんなに助けてくれたわけだし、別に私たちが何か犯罪を犯したってわけでもないんだしさ。」

ホシノは諭すように言う。警戒心の高いホシノだが、先生には一定の信頼を置けるようにはなったようだ。

「それはそうだけど、先生は結局私たちからしたら部外者じゃない!それに、アビドスの問題は今まで全部私たちで何とかしてきたでしょ!今までまともに私たちを助けてくれようとした大人なんていなかったじゃない!」

「俺がいるじゃないか。」

「コーストさんは黙ってて!」

コーストは黙った。

「とにかく、急に現れて急に助けるだなんて、私は認めないから!」

そういってセリカは教室を飛び出して行ってしまった。

グラビティーノコイル*1で引き戻すこともできたが、そんなことをすれば余計に話がこじれるだろう。

「私、様子を見てきますね!」

ノノミがセリカを追って教室を出ていく。

「あ~セリカちゃんがごめんね、先生。まあ、簡単に言うとこの学校借金があるんだよ。それも結構大きなね。」

「大きな借金て、大体いくらぐらいなの?」

「……ざっと八億円くらい?」

ホシノは軽い様子で言うが凄まじい金額である。

「これでもコーストさんのおかげでだいぶましにはなっているんですよ。実際、二年ほど前までは借金はもう一億円ほど多かったみたいですし……。」

「ここまで減らせたのは、あの時期の治安が終わっていて、賞金首がその辺にごまんといたからだ。最近は賞金首の数自体が減り、俺を警戒してかどいつもこいつも隠れるようになったから、昔のようにはいかない。傭兵みたいな仕事もしているが、前ほどの稼ぎにはならないな……。」

「コーストさんが来る前は生きてるうちに借金が返済できる見込みがほぼゼロだったので、一人、また一人と生徒が減っていき……。」

「最終的に私たちだけが残った。」

「今、私たちが抱えている問題は、最終的に全部この借金に帰結するんです。」

そしてアヤネはアビドスが借金を負う原因となった大規模な砂嵐災害について語った。

人の手ではどうにもならない自然災害。その立て直しのために多額の資金を必要としたが、片田舎の学校に大量の融資をしてくれる銀行も少ない。

最終的に見つかったのが……

「結局見つかったのは悪徳金融業者。」

「最初は返せる金額だったのですが、砂嵐はその年に収まらず、町が砂に埋もれるたびに立て直しに資金を借りてとやっているうちに首が回らなくなって……。」

「いま、こんな状況なわけなんだよ。」

部室に暗い空気が漂う。

「でも、悪いことばかりじゃないよ~こうして先生が支援に来てくれて、少なくともヘルメット団の襲撃問題は解決したからこれからは借金返済に時間を使えるし。あ、別にこの委員会の顧問になるとしても借金に関しては気にしなくていいからね~。あくまで私たちの問題だし、ここまで親身にしてくれた先生にこれ以上迷惑はかけられないよ~。」

「ん、先生は十分私たちのために頑張ってくれた。」

二人はもう十分だという。

だが、先生は生徒を助けるものだ。

ここでアビドスを見捨てるような人間なら、彼は先生に等なっていなかっただろう。

「いや、私も対策委員会の一員としてみんなの助けにならせてほしい。」

その言葉に対策委員会の面々は驚いたような顔になる。

「ほ、本当ですか!シャーレが私たちの味方になってくれるなんて……。」

「こんな問題に首突っ込むなんて先生も変わり者だねぇ~。」

「ん、先生が手伝ってくれるならこんなに嬉しいことはない。」

予想外の援助にみんな希望を見出しているようだ。

「本当にいいのか、先生?この学校が抱える問題は生半可なものじゃないぞ。」

「それでも生徒のために頑張るさ。先生ってのはそういう職業なんだよ。」

「先生か……俺にはそんな存在はいなかったが、そうか、頼もしい限りだな。」

コーストも先生の人となりをなんとなく悟り、こいつは底抜けのお人よしなんだなと理解した。

こうして、アビドス廃校対策委員会の顧問として先生が加わった。

 

*1
マルチツールに取り付けることのできるアタッチメントの一つ。重力をゆがませ、引力、斥力を発生させる。




subnauticaです

コーストが暴れすぎると原作がどこかに飛んで行ってしまうのでさじ加減が難しいです

次回はセリカ誘拐の一幕になるかと思います

また、GWが終わるので執筆ペースが少し落ちるかと思います。
それでも週に一本以上は出すつもりでいるので、これからも温かく見守っていただけると幸いです。

ではまた次回お会いしましょう。
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