禪院系に生まれしハンター   作:とっとこDIO

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自分の作品って閲覧とお気に入りの割にコメントが少ない気がしてしまう。これくらいなら普通なのだろうか?下位上位でモンスターの実力を分ける事はしませんがリオレウス達一般モンスターと古龍、古龍級生物は明確に格が違う設定で書きます。


第三話 四年で身につけた力

甚爾兄が出て行ってから、自分の周りは少し静かになった様に感じられた。それと甚壱兄はそんな自分を気にかけてくれているのか、前より良く鍛錬に付き合ってくれる様になった。

 

躯倶留隊の訓練場

 

「グァ!」

「ブッ!」

『どうした、どんどん掛かってこい!』

「う、ぬぅ」

 

躯倶留隊は真剣を持ち龍甚へと挑んでいたが、全員が投げられたら素手による格闘で打ちのめされていた。龍甚は集団戦の訓練で躯倶留隊は龍甚の協力で自力を鍛えていた。その様子を遠巻きで眺めていた、甚壱兄と信朗

 

「龍甚殿はまた、腕を上げましたな」

「……そうだな、術式を使わずして、単純な格闘戦は俺も敵わない」

 

龍甚のことについて話していると珍しい人物が入ってくる。現当主の直毘人の弟"禪院扇"

 

「相手を求めているのなら、私が相手をしてやろう」

『………扇…さんですか、…ではお願いします』

 

 

龍甚は扇が苦手と言うか嫌いであった、直毘人と違い気が合う話題も無ければ扇自体常に何だかイライラしているのだ。そして扇は次期当主候補の龍甚を当主に相応しくないと口に出さないが思っており。甚爾兄と一緒にいる事を何度も引き合いに出されぐちぐちと言われていた。

 

「来い!」

『フンっ!』

 

ガギン!

刀を使う扇に素手の龍甚、だが刀と拳の当たる音は金属をぶつけ鳴らした様な音だ。

扇が刀を縦に振り下ろせば、龍甚がその刀の腹を拳で弾き右脚の下段蹴りを仕掛ければそれを扇が刀で防ぐ

 

『貴方の術式や技術についてはこれっぽっちも知らないのですが、今の蹴りに反応したのは何かしらの仕掛けがあるんだすよね?』

「ふん!貴様に教える義理も無ければ貴様なんぞでは扱う事など出来やしないぞ」

『そうですか…なら貴方が使うそれを見て覚えます』

「!調子に乗るなよ!小僧!」

 

扇の感情が昂ったことにより、呪力が扇から噴き出す。それを冷静に見つめながら、術式を発動して太刀を生み出す。"飛竜刀【朱】 LV3"を構え居合斬りで高速で扇を攻撃する。

 

ザシュ!

スパスパ!

 

『』

ツー「貴様!よくも!よくもこの私の顔に傷をつけたな!」

『(今ので何となく理解した。体の周りに呪力を薄く膜のような感じで包んでいるんだ。そしてその呪力に俺が触れたらその呪力がオートで迎撃する反応する動きを刀を振る力にそのまま転用しているんだ。)』

 

龍甚は五条との出来事で黒閃を経験し、メキメキと実力を伸ばして行った。そしてその恩恵は新たな技術を身につける事において最も秀でていた。

扇の技術を理解し、静かに太刀を鞘に納め腰を落とし息を吐く。その形に自らで扇へ攻撃する事をやめた事を表していた。そしてそれと同時に扇の技術を身につけたと安易に示していた、これは分かりやすい挑発だ。

 

「ッ!!!ごぞお!斬り捨ててやる!」

 

扇が龍甚の挑発に乗り、身を乗り出し斬り捨ててやろうと大きく踏み出す。扇の上段からの一振りが龍甚に命中するよりも速く、龍甚のオートによるカウンターの一撃が刀を握る扇の両手を狙う。

 

バァギャン!メキメキメキ

「っ!」

『少し乱暴が過ぎますよ』

 

龍甚は太刀の刃で手を狙わず、柄の部分で扇の両手を潰して骨を折ったのだ、これにより扇は刀を落とす。そして龍甚は一言言って扇の事を殴り飛ばし意識を刈り取った。

 

「扇さん!龍甚殿!これはいくらなんでも…」

「待て、扇の叔父も本気で龍甚を斬ろうとしていたのだ、負けたのであればああなっても仕方のない事だ。」

「それは…ですが…本当によろしいので?」

「一先ず扇の叔父を医務室に連れて行け、龍甚の方は俺が見ておく」

「はい」

 

扇が信郎に連れていかれるようすを甚壱は見送り、龍甚へと視線を戻す。

龍甚へと手を伸ばし、不器用ながら頭を撫でる。

 

「全く、また驚かされるな。今お前が身につけたのは御三家の秘術"落下の情"だ。相手の領域から身を守る為の技術だ。それを少し見ただけで身に付けたとなると直毘人様もお喜びになるだろうな」

『…甚壱兄さん…ありがとうな。禪院家では珍しい甘い俺をずっと気にかけてくれて』

「甚爾のこともあったからな…」

『甚爾兄さんからは何か連絡はあった?』

「いいやなにも」

『そっか』

 

 

 

訓練場から、出て汗を流し自室に入ろうと襖に手を掛けようとしたら…

 

「おい、お前誰だよ。ここは龍甚の部屋だぞ部外者は出ていけよ!」

「堪忍してや、悟くん。俺も龍甚に会いに来たし、悟くんとも仲良くしたいんや」

「はぁ?お前みたいな雑魚には俺は興味ねぇんだよ!」

 

『はぁ〜』

中から聞こえた声で自室にいる人物が容易に想像できて、気が滅入っていた龍甚はこのままどっかに行けないので、襖を開ける。

 

「あ、龍甚!」「龍甚くん」

「なぁ!こいつどうにかしてくれよ!邪魔なんだけど」

「な!酷いな、悟くん俺とも仲良くしてくれや」

『お前らどっちも!邪魔だ!出ていけ!』

 

この日、禪院家に龍甚の怒号が響いた。

 

 

 

自室の机に向かい、自身の術式について情報を整理する為に記録を取っていた。

今現在、調伏したモンスターの数と種類、自分が使えるアイテムと武器や鎧、モンスターの特徴と扱う事が出来る[術式]を記録していた。とは言え龍甚の術式は開示するメリットよりデメリットの方が大きく、普段は龍甚の術式により龍甚のみが扱える"アイテムボックス"に入れているのだが、訓練終わりにいつも記録をとっていた。

そしてその記録を取る龍甚の後ろで騒がしくする悟と直哉二人の年齢はそれぞれ10歳と9歳でどちらも御三家で育った為生意気なクソガキだが、顔だけは幼さが残る。

 

「#?@!0☆」

「@¥=%|○」

『』イライラ

 

『はぁ〜…お前ら何が目的でここに来た?』

「「遊びに」」

 

悟にとって兄と呼べる存在はおらず、自覚はしてないが龍甚の事を友達と思いながら兄弟による親愛に近い感情を抱いていた。直哉は兄はいたが直哉の上は全て出来の悪い存在だと言われているところを耳にした事がある。因みに何人かは躯倶留隊に所属しており話したり皆んなで昼食を取ることもしばしばある。

 

『そうかよ、じゃあ何して遊んで欲しいんだよ?』

 

そう言う龍甚の言葉を聞き、二人は目を輝かせながらそれぞれ遊びの内容を口にする。

 

「俺は、龍甚くんと訓練したい!投射の腕が上がったんや見て欲しいんや!」

「いや!俺とゲームしようぜ新しいやつ買ってもらったんだ!スマ◯ラ!◯マブラ!しようぜ!」

『わかった、わかったどっちの願いも叶えてやるから…先に直哉の方を片付けてやるよ』

「やった!」

『だが、いつも通り一対一のタイマンじゃつまらないから…悟!お前を含めた乱戦にしよう!』

「良いけど、俺そんな雑魚じゃ満足できないぞ」

『良いから、良いから』

 

二人を連れ出し、いつも龍甚が一人でクエストを受注している誰も立ち寄らない裏山に来た。各々が体を温め、準備は万端。

 

『さーて、じゃあ初め!』

「な!いきなりかよ!」

 

龍甚が合図を勝手に行い、気が抜けていた五条を狙う。両手に両手剣"封龍剣【超絶一門】"を使いマジだ。

 

「!くっ!なんで!無下限を突破して刃が!」

 

何故封龍剣を使うのかと言うと封龍剣の属性が龍属性と呼ばれる者で、これが呪力と術式を乱す、もしくは封じる効果があり無下限バリアを使う悟にはうってつけなのだ。

 

「俺を!忘れるなや!」

「!」

『』

 

ドゴッ!

 

格闘でお互い近距離でやり合っていた龍甚と悟を狙った直哉のストンプが襲う。だが、二人の間に落ちたのはあまりにも愚行…

 

「あのさ、やっぱりお前釣り合ってねぇーて」

バゴォーン!

『俺たちの間に降りたのは間違いだったな、直哉』

 

特に避けることなく、近くにいた悟が降りてきた直哉の脇腹に回し蹴りを放ち草木が生い茂る場所に蹴飛ばす。

 

『お前に合わせたい奴がいるんだ』

「あ?人気女優か?それともアイドル?」

『そんなわけねーだろ、来い!』

 

地面が揺れ、岩盤を突き破り奴が姿を現す。それは4年前悟も戦った事があるモンスター、だが少しあの時と姿が違っていた。

前回蒼で砕かれた両方の大牙は再生しているのだが、片方があり得ないほど大きくなっており、体の色も前回より黒っぽく顔もより鬼っぽく変化していた。その顔は4年前の悟との出来事を覚えているようであった。

 

『あれから、3年経った後にテツカブラに異変が起きてな…このように左右非対称な大牙を獲得したのだ、名を"岩穿テツカブラ"だ。ある一部のモンスターが要因があって特殊個体になるのだがこいつはその中でも二つ名と呼ばれる、強力な個体だ』

「おいおい、こいつ俺の事覚えてるのか?」

『当然』

【ワァオ、グアァァァァ!】

「やべ!」

 

咆哮を轟かせたテツカブラは五条へと狙いを定め、岩を掘り出し投げ飛ばす。無限があるから直撃はしないが、龍属性で術式が乱れている現状、確実に防ぎ切ることは困難。

それに…

 

『フン!』

「チッ!」

 

龍甚が的確に隙を狙い、悟の手首や脚を狙ってくるのだ。狙ってくる部位が低い為、余計意識が削がれる。五条を挟み撃ちにする形で叩き続ける。

悟としてはこの状況から脱却したい、その為に

 

「位相 黄昏 智慧の瞳」

『完全詠唱!蒼か!』

「術式順転 “蒼”」

 

全てを吸い込む蒼の球体は龍甚ではなく、テツカブラに向けて発動する。

 

【グァン!?】

『テツカブラ!逃げろ!』

「逃さねーよ!」

 

ボッ!ピカっ!

「な!また閃光か!?」

 

テツカブラに出力最大にした、蒼をぶつけようとしたその時、目の前で閃光が起こる。4年前と同じだが発動した蒼は止まらないこのままテツカブラを呑み込む。

 

 

蒼が消え、龍甚を視界に入れようとした悟の目にあり得ない光景が飛び込む。

 

「はっ!?なんで?最大出力だぞ!」

『驚いている。場合か?』

「しまっ(殴」

『オラっ!』

 

背後に回っていた龍甚に頬を殴られる。斬られていないが持っていた武器ですっかり術式を使えなくなった悟…だが諦める事なく立ち上がる。

だが、背後に岩を掘り出しているテツカブラ

 

岩を口に咥えたテツカブラが前足を上げ、悟に向かってバックドロップの要領で岩を叩きつける。

 

ドガン!ガラガラガラ

 

 

 

 

『ふー、お疲れテツカブラ』

【グググ】

『戻って良いよ、チャマカカ!二人を運ぶ!出ておいで』

「にゃぁ!」

 




前回の補足
2話で五条の蒼をテツカブラが防いだが、あれは自分と悟の間に岩を出したことにより致命傷を逃れました。
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