禪院系に生まれしハンター   作:とっとこDIO

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新しくタグを増やすつもりではあるのですが、今作の最強は黒龍で行こうと思います。天井組ですら踏み入れない、世界を炎で焼き払う厄災という設定で行きます。


第四話 凶兆の双子と黒龍との接触

悟や直哉との関わりで出来て、それからはよく同じような事を繰り返していた。悟も直哉の事をある程度認めているし、直哉も悟とゲームと言うものを三人で楽しむようになり、それがきっかけで直毘人とも話す事が増えたそうだ。そんな事が続き早三年龍甚が14歳になった時だ。

 

「「オギャー!オギャー!」」

 

扇の所で女の子が産まれた、それも双子。禪院家では基本的に女性の立場と言うものが弱く、この家では男に何をされても文句を言えなかった。

だが、それよりも大きかった事、それは双子である事

呪術界において双子は同一人物と見なされ、お互いにお互いのメリットを潰してしまう、お互いが成長の枷になってしまうのだ。それが扇の元で産まれた。その双子とそれを産んだ母親の扱いは説明をする必要もないほど悲惨だった。

 

「お前があんな!出来損ないを産むからだ!あれさえなければ私は龍甚を差し置いて当主になれたと言うのに!」

「……」

 

自分の実力不足や他の者からの信頼の無さを妻やその子供のせきにんにし、怒鳴り散らかす。龍甚が次期当主に殆ど王手をかけた時から、禪院家での女性の扱いは少しづつ改善され始めていた。何せ龍甚からすれば、腕っぷしだけ立派でも家事が何も出来ない以上、今の禪院家にいる女性全員に逃げられたら、龍甚や直毘人、甚壱、直哉はまだしもその他の男性など何も出来ず飢え死にだ。

だがそれでも、女性に暴力を振り怒鳴り散らす男は今も禪院家にはいた。扇もその一人と言うか筆頭だ。

 

『甚壱兄、俺はもう持ち堪えられる気がしねぇよ!』

「もう少し、堪えろ!今お前が試合ではない所で扇の叔父に手を挙げれば、お前を良く思わない連中がお前を次期当主の座から引き摺り下ろそうとする。それにお前が救おうとしているのは、双子の姉妹だ!事を起こせば誰もお前を擁護する者は居ないぞ!」

『っ!クソ!』

 

龍甚の実力はもはや禪院家で敵うものはいなくなり、当主になるのは時間の問題であった、問題を起こさなければ。龍甚が当主を目指すのは今の禪院家を根本から変え、全体的に術式のレベルを上げる事だ。今の禪院家では下ばかり見て向上心が無い、そのための当主の座なのだ。

 

「良いか、今お前の次期当主と言うのは次当主になれる権利を得ているだけで、家全体を動かせるだけの権限はない。今は堪えてくれ!」

 

龍甚はこの三年でちょっとも鍛錬を怠る事なく、遂には古龍と古龍級生物を数体狩猟し、公式に国家転覆が可能な存在として"特急術師"に認められていた。だが、まだ歳18も行かぬガキ、禪院家の考えに染まってない龍甚ならブレーキが掛かって我々に何かする事は無いであろうと舐め切っているのだ。

堪えるしか無かった今までの努力が無駄にならないように

だが、ついに見逃せない出来事が起きた扇が双子を呪霊庫に放り投げたのだ。

龍甚は甚壱の静止を振り切り、部屋を飛び出した

 

 

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呪霊庫

数々の呪霊がひしめくその空間にまだ歳2も行かぬ幼子が放置された、双子の片方は呪霊が見えるがもう一人は呪霊が見えず、大泣きする自らの片端らを見て自らも泣くしか無かった。

 

【オォゲェェバァ】

【グェェェェェ!シ!シンダんご!】

【ヒャクエーン】

 

呪霊が双子を襲ってしまう。その前に呪霊庫の扉を蹴破り入ってくるものがいる。

 

『その子達に触れるな!リオレイア!リオレイア!双子を狙わず呪霊だけを殺せ!』

 

リオ夫婦が、火球ブレスで呪霊達を焼き払う。

龍甚が双子の元へと走り、二人を肩に抱え外に出る。

 

『チャマカカ、二人を俺の部屋に運べ』

「…主様はどうするのかにゃ?」

『少し、用事だ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おい!そこをどけ!』

「」

『良いからどけ!直哉!』

「ダメや!扇の叔父の所に行くんやろ、でもそんな事したらここまで当主になるために頑張ってきたのに…」

『……直哉…良く聞け、俺は当主になりたくて人を助けていたわけじゃ無い、人を助けたくて当主の座を欲したんだ。だが、人を助けるのに当主に絶対に成らなければいけないわけじゃ無い。だから今救える命の為に当主の座を手放しても良いんだ。直哉、お前が禪院家を変えろ、次の当主に成るのはお前だ。双子をよろしく頼む』

 

龍甚は大きく手を広げる直哉の横を通り過ぎる。背後から直哉の啜り泣く声が聞こえた。

 

『甚壱兄、いるんだろ?直哉と双子を頼んだ』

「……」

 

龍甚は扇の元へと向かう。

その歩みに迷いなど無かった。

 

「あぁ…任せろ」

 

 

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「貴様はここに何しに来た?」

『……何しに来たね……まさか俺がここに来た理由が解らないなんて言わないよな』

「フン!この家に相応しく無い貴様の考えなど一切解らんな…」

『そうかい、そう言う割にはあんたの震えた右手が刀に伸びてるぞ、大丈夫かよ、朽ちるだけの老木はさっさと伐採された方が良いぞ』

「ッ!!!貴様!調子に乗るなよ!貴様なぞ!骨の髄まで焼き尽くしてくれる!」

 

怒りの沸点が限界を超えた扇が、術式を発動させ辺りに扇の呪力が吹き荒れる。

 

「来い!小わっp(グガッン!

『死ね!』

「ぉがっ!」

 

扇が言葉を終えるよりも速く、龍甚が"風化した大剣"で屋敷の外に吹き飛ばす。風化した大剣は高い攻撃力の代わりに切れ味がとてつもなく低く、剣であるはずのこの武器は早速鈍器の様な鈍い痛みを扇に与える。顎を打ち抜かれ、最早ロクに言葉を発する事すら出来ない。

 

『!』

 

今度は"風化した双剣"で時間を掛けて四肢を切断していく。斬られるのでは無く、刃を当てられた部分が車による事故、重い物体によるプレスに近い感じで肉が潰れる様に飛ぶ。

 

『これが…お前達禪院家がやってきた事だ。お前らが築いてきた文化が!歴史が!こうしてきた!なら!俺は今この時だけお前の苦しみの為に禪院家の考えに染まってやるよ!』

 

 

 

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カン!カン!カン!カン!

「直毘人様!龍甚様が乱心しました!」

「そうか…まぁあいつの性格とこの家での事を考えればこうもなるか。状況は?」

「扇様を殺害後、此方に向かって来ておりまして、今現在、躯倶留隊が交戦中ですが、一人一人を一瞬の内に無力化にしていて長くは持たないかと…」

「そうか、ん?無力化?」

「は、はい。躯倶留隊は皆、気絶させたり投げ飛ばしたり、重症の者でも手足の一本を折られるくらいで」

「もういい、迎え撃たなくて良い。龍甚を俺の所に連れて来い」

「ですが…」

「早くしろ」

「は、はい!」

 

龍甚を迎え撃つのを止め、直毘人は自分の部屋に龍甚を招き入れた。本来ならまずあり得ない、当主の弟を殺した存在と二人きりになるなんて。だがすんなりと話は進み、返り血一つも付いていない龍甚が部屋に入る。

 

『失礼します。直毘人様』

「お前は俺に対してだけは、常に口調を崩さなかったな」

『私の父親はクズでした…そんな俺に趣味が近いと言うだけで良くしてくれた直毘人様は私にとって父親の様な存在でした。よく一緒にアニメを観ていたのを今でも覚えています』

「昔話をしたいかもだが、さっさとどうするか話せ」

 

直毘人は入ってきた龍甚を見ながら昔の事を思い浮かべた。そして龍甚も同じ、龍甚は直毘人を父親の様に尊敬していたし、直毘人も自分の息子以上に龍甚を可愛がった。

 

『私は家を出ます。そして禪院家の姓を捨てます』

「行く当ては?」

『任務の関わりで、アテがあります。その男を頼るつもりです』

「そうか…ではこれから禪院家を名乗る事を禁ずる。明日までにここを去れ」

 

龍甚はその言葉を聞くと深々と頭を下げ、部屋を出ていく。

最後に自らの部屋の襖を開け、中を確認する。

 

「龍甚くん…」

「」

 

部屋には、直哉と甚壱兄が居て、そして双子が寝息を立てていた。

 

『俺は禪院家を出ていく、そして今後一切禪院家を名乗らない』

「そんなぁ…」

「行くんだな」

『あぁ、今日中には出ていく、このことは悟にも言わないとな』

 

その日の夜、悟宛の手紙を書き終え禪院家の敷地をまたぎ、姿を消した。

 

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その日の夜は野宿で一日を過ごした。そのまま明日の朝になるまで部屋にいて良かったが、居心地が悪かったので早々と出てきたのだ。

何も考えなく無いので目を閉じ、意識を落とす。

 

【…の、………】

 

声が聞こえた、聞いたことの無い。だが、ずっと近くにいた様な暖かさがある声。

 

 

【そ…、…の】

【その、者】

(誰だ?)

【おぉ、我の声が聞こえた】

(あんたは?てか何処から声を?)

【今、我の姿を見せてやろお】

 

見えてない筈の自分の視界に、そいつが現れる。

全身が黒い鱗に覆われ、4本の手足とは別に翼が生えているまさしく西洋のドラゴンが目の前に現れた。今まで見たことが無かった。今まで見たドラゴンと言えば後ろ足で地を駆け、翼になっている前足で飛行するワイバーン型か、比較的目撃情報が多い古龍達の獅子の体に翼が生えた様なものだ。

 

(ドラゴン!?)

【まぁ、お前達はそう呼ぶな】

(えっと、名前は?)

【我の名か?我は"黒龍ミラボレアス"】

(ミラボレアス…)

【違う、それは厄災の名だ。黒龍ミラボレアスが我の名だ。龍甚よ】

(俺の名を…何故?)

【そう難しい事では無いぞ】

 

何でも龍甚が産まれてからずっと術式を通して見ていたらしい。

 

【ふふ、それにしてもお前の真っ直ぐなその性格、我は好きだぞ。特にあの人間に対してのあのキレッキレの煽り、フフフハハハ!楽しませて貰ったわ】

(あんた、何が目的で俺と接触したんだ?)

【そうだな、そろそろ話すとしようか…】

 

黒龍ミラボレアスの顔がこちらに向き、その眼光が龍甚を映した。




タグをこれから増やして行くのですが、主人公の声がイマイチ誰の声がしっくりと来るか解らなかったが、何故か、ミラボレアスの声だけは直ぐにしっくりと来る人がいた。
それは 山野井仁 だ!
この人はアニメ、オーバーロードのツァインドルクス=ヴァイシオンの声優なんだが、ミラボレアスの声がツアーの声で再生されるのだ。
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