追記:感想欄でご指摘をもらったので注意書きを書いておきます。
注意)この回には、「劇場版仮面ライダーガッチャード・フューチャーデイブレイク」のネタバレが含まれます。
もしネタバレが嫌だよって方がいたら避けていただくようお願いいたします。
今日もはぴぱれの仕事を終え、俺はいつも通り帰路を辿っていた。
しかっし、その道中で見覚えのない建物を見つけた。
「...光寫眞舘?こんなところに写真館なんてあったか?」
俺が訝し気にその写真館を見つめていると、中から一人の男性が出てきた。
その男はピンク色のYシャツに黒いジャケットを羽織っており、首からピンク色のカメラをぶら下げていた。
見たところ、かなり古いカメラっぽいけど...
「...何か用か?」
「あっ、いえ、そのピンク色のカメラ、珍しいなと...」
「ピンクじゃない」
「えっ?」
「マゼンタだ」
その男性はカメラはピンクではなくマゼンタだと訂正する。
確かによく見てみると少し濃いピンク色だけれども...
「す、すみません...この写真館、いつから...?」
「さあ、いつからだろうな?昨日からかもしれないし、ずっと前からあったかもしれない」
「は、はあ...?」
そのよく分からない返しに呆然としている俺に、対してその男はカメラを向け、パシャリ、とシャッターを切った。
「じゃあな」
その男は背を向け、こちらに手を振りながら写真館の中に戻っていく。
「...何なんだ?」
俺は疑問を覚えつつもデンテおじさんのところまで戻るのだった...
「昨日のあの人、結局何だったんだ...?」
翌朝、頭の中に数々の疑問を抱えながら俺ははぴぱれに到着する。
すると俺が扉を開ける前に開かれ、中から幸果さんが出てきた。
「幸果さん、もう仕事ですか?」
「うん、ちょっと早く出なきゃいけなくて。あっ、マモルンにお客さん来てるよ」
「お客さん?」
「じゃあ後はよろしく!」
急ぎ目の幸果さんを見送り、はぴぱれに入る。
その中で待っていたのは、昨日写真館から出てきたカメラの男であった。
「あーっ!」
「よっ、昨日ぶりだな」
「兄さん、急に大きな声出してどうしたの?」
「いや、ちょっと色々あってな...で?何の用ですか?」
「何って、依頼さ。お前たち、
「「っ!?」」
こいつ、俺たちの正体を知ってる!?
ショウマと俺は思わずガヴとドライバーに手をかける。
すると男は小さく笑った。
「警戒心は合格だな」
「答えろ。お前、何者だ」
「門矢士、お前らと同じ仮面ライダーさ。通りすがりのな」
そう言いながらその男は懐からピンク色、いや、マゼンタ色のバックルのようなものを取り出す。
「あなたも...仮面ライダー?」
「単刀直入に言う。お前らの先輩にあたる仮面ライダーたちを助けてほしい」
「...なぜ俺たちなんだ?お前が助ければいいだろ?」
俺は率直に思った疑問をぶつける。
どこか飄々とした態度に、俺は警戒心をむき出しにしていた。
「それもそうだが、お前らのほうがいいと思ってな。強いて言うなら、勘だ」
「勘...?」
あ、怪しい...とてつもな怪しい。
この門矢士とか言う男、掴みどころが無さすぎる。
言葉も軽いように見えてどこか重みを感じる気もする。
「それともなんだ?この何でも屋は依頼人を選ぶのか?」
「っ!それは...」
痛いところを突かれた。
この男は仮にも依頼人という立場を利用している。
このままいけば立場が悪くなるのはこちらだ。
俺がこの状況に頭を悩ませていると、やがてショウマが口を開いた。
「...兄さん、この話、受けてあげてもいいんじゃないかな?」
「ショウマ...?」
「だって、困ってる人を助けるのがはぴぱれの仕事でしょ?それに、この人も仮面ライダーなら、悪い人じゃないと思うから」
「...!そう、だな。ショウマの言う通りだ」
俺は何を難しく考えていたのだろう。
俺たちは何でも屋で、門矢士は依頼人だ。
だったら、その依頼を受けるまでだ。
「話はついたか?」
「ああ。その依頼、受けた」
「なら、早速来てもらおうか」
その言葉と共に門矢士が手を振り上げると、オーロラカーテンのようなものが二つ出現する。
「「!?」」
「これをくぐれば目的地に着く。ガヴはあっち、俺とヴァルプはこっちだ」
「別行動なのか?」
「ああ、二か所行かないといけないからな」
「兄さん、俺なら大丈夫」
「...ああ、気をつけてな」
「うん!」
ショウマはそう返事をすると、迷うことなくそのカーテンをくぐる。
すると、士がぽつりとつぶやいた。
「兄想いのいい弟だな」
「......」
「失いたくないか?」
「当たり前だろ」
「なら強くなれ。それが今のお前に出来ることだ」
その会話を皮切りに、俺と士もカーテンをくぐるのだった。
<Attack Ride!Blast!>
カーテンの中をくぐるや否や、士はカーテンの向こう側を銃撃する。
カーテンの向こう側では金髪の青年が倒れ伏していた。
「それで?俺はあの人を助ければいいのか?」
「いや、俺はあの坊主と少し話してくる。お前はあの雑兵の相手だ」
士はそう言うとカーテンで青年を包み込むと同時に、俺をカーテンから放り出した。
「おい!...時間稼ぎかよ...」
俺はため息をつきながらも、目の前の兵士のような奴らを睨みつける。
やつらの動きは機械的で、意思を感じられなかった。
周りに人はいない...つまり、隠す必要もない。
「少し本気を出すか。」
そう決意した俺は自分のガヴから眷属を大量に生成する。
無数のエージェントがガヴから飛び出し、俺の背後に並んでいく。
相手もかなりの数だ。時間稼ぎだけでも骨が折れるだろう。それでも...
<ヴァルプニルギア!>
<ワッフル・オン!>
「頼まれたからには、必ずやり遂げる。はぴぱれの一員として!変身!」
<ワッフル・ヴァルプシステム!>
俺が変身を完了するとともに、敵の兵士とエージェントの銃撃が飛び交う。
俺はその中を進み、ヴァルプスラッシャーで敵を斬り伏せていく。
どうやら赤黒い奴は歩兵といった感じでそこまで強くはないが、問題は銀色のユニコーンと赤色の鬼の装甲を纏った奴だ。
レイピアや棍棒を駆使してエージェントをなぎ倒し、俺とも互角に打ち合っている。
こいつがリーダー格と考えてよさそうだ。
赤黒い奴をエージェントに任せ、俺はリーダー格の兵士に向かって斬りかかる。
「ふっ!」
「...!」
剣とレイピアが火花を散らし、鍔迫り合いとなる。
グラニュートのバイトの中でもここまで手強い奴はいなかった。
久しぶりの苦戦に、体を緊張感が駆け巡る。
このままではジリ貧と判断し、俺は鍔迫り合いを中断し、距離をとる。
しかし、その隙を突かれ、歩兵のワイヤー銃によって拘束されてしまった。
「なっ!?くそっ!」
当然リーダーがそれを見逃すわけもなく、取り出した棍棒から放たれた火球を諸にくらってしまう。
「がっ!?」
その攻撃に思わず膝をつく。
俺のエージェントが次々撃破される。
敵の兵士が、ぞろぞろと近づいてくる。
「こうなったら...!」
俺は自ら変身を解除し、ガヴのミミックキーに手をかける。
これだけは、やりたくなかった。
兄さんたちに見つかるリスク以上に、怪物である自分を否定したくて、仮面ライダーという文字通りの仮面を被っていたかった。人々を守る戦士でありたかった。
でも、ここで負けて、人々に危害が及んでしまう方が俺には耐えられない。
だからこそ、俺は...!
そう思った直後、俺の目の前にオーロラカーテンが出現し、そこから先ほどの青年が現れた。
「そうだ。カグヤ様はもう、あの頃の坊主ではない...!」
その青年は、自分が映った写真を手にしながら、そう呟いた。
そして俺に向かって話しかけてくる。
「門矢士から聞いている。カグヤ様の後輩、ヴァルプ。よく耐えてくれたな」
「ようやく主役のお戻りか...」
「ふっ...そう、主役の到着だ」
さらに青年は敵の方に向き直り、告げる。
「我が名は、鳳凰・カグヤ・クォーツ!伝説を超える仮面ライダーだ!」
その宣言に対する返答はなかった。
しかしドレッドルーパーたちは一斉にこちらへ向き直り、武器を構える。
まるで新たな脅威を認識したかのように。
そしてその言葉と共に、その手に握られた写真は一枚のカードに変化した。
そのカードには、ライダーの顔と思われるものが映っている。
「覚えておけ」
俺より年下だろうに、その青年...カグヤの瞳には確かな闘志と自信が宿っていた。
その様子を見て、俺も立ち上がる。
「俺も...負けてられないな!」
「ふ、ならば共に戦おう、ヴァルプ!」
「ああ、上等!」
<CHEMY RIDE!>
<ワッフル・オン!>
カグヤがドライバーにカードを差し込むと、その背後に巨大な金色の扉が出現する。
そして俺はレバーを、カグヤはドライバーのトリガーを同時に操作する。
「「変身」」
<LE-LE-LE-LEGEND!>
<ワッフル・ヴァルプシステム!>
「行くぞ、レジェンド先輩!」
「先輩か」
俺の言葉に、カグヤは満足そうに頷いた。
「悪くない、実にゴージャスだ」
その会話を合図に、俺とレジェンドは敵に向かって走り出す。
レジェンドが加わったからか、先ほどよりも戦闘が楽になった。
俺のエージェントも徐々に押し返している。
そして、レジェンドは手元からバイクのような見た目の銃と、4枚のカードを取り出した。
「さあ、ゴージャスタイムだ...!」
<KUUGA RIDER!>
<DEN-O RIDER!>
<W RIDER!>
<OOO RIDER!>
「ハアッ!」
<GO GO GO GORGEOUS!>
その音声と共に、その銃から放たれた4つの銃弾は、やがてバイクに乗った人の幻影のように変化し、着弾点には4人のライダーが現れた。
すると突然、カグヤの懐が光り出す。
「...?この光は?」
カグヤがその光を頼りに取り出したのは一枚のカード。
「なっ!?」
そして、そのカードは意思を持ったように俺の元へ飛来し、ベルトに装填できそうな形のアイテムに変化した。
「おっと...これは...」
「どうやらカードがお前を選んだようだ」
「俺を?」
「歴代ライダーにも、お前と似た運命を背負った者がいたということだ」
「よく分からないけど...それなら遠慮なく!」
<ファイズ・オン!>
そして俺はレバーを倒す。すると赤い光が俺の体を包んでいく。
不思議と恐怖はなかった。
まるで、
"怪物であっても構わない"
そう背中を押されたような気がした。
<ファイズ・ヴァルプシステム!COMPLETE!>
俺の体には所々に赤いラインが入り、複眼は黄色く光っている。
気付けば、俺の手には赤い光を放つ剣が握られていた。
俺が光剣を振り抜くと、赤い残光が一直線に走り、迫ってきた兵士がまとめて両断される。
「速い...!」
思わず自分でも驚く。
「はっ!そらっ!」
俺はその光剣を振り回し、迫ってくる兵士をなぎ倒す。
<FULL CHARGE!>
<JOKER!マキシマムドライブ!>
<トリプル・スキャニングチャージ!>
そしてレジェンドが召喚したライダーも立て続けに必殺技を放ち、相手を追い詰めていく。
「さあ、ゴージャスに決めるぞ!」
「ああ!」
<GORGEOUS ATTACK RIDE!LE-LE-LE LEGEND!>
<ファイズ・ストライク!Exceed Charge!>
俺たちは同時に飛び上がる。
「ハアッ!」
レジェンドが先に金色のオーラを纏ったライダーキックを食らわせる。
その直後、俺の足元のポインターから円錐状の赤いマーカーが飛び出し、敵を拘束する。
「ハアーッ!!」
俺はその中に向かって飛び込み、敵を貫く。
貫かれた機械兵たちの体にはΦの文様が浮かび上がり、リーダー格を含めた兵士たちは爆散したのだった。
俺が変身を解除すると、先ほどまで使っていたアイテムは元のカードに戻った。
俺はそのカードをカグヤに返却する。
「実にゴージャスな戦いぶりだったぞ、ヴァルプ」
「そっちこそな、先輩。あと、俺は守。麻田守だ」
「ふむ、では覚えておこう、守。貴様はこれからも残る戦いに身を投じるのだろう?」
「ああ、もちろんだ」
「ならば、貴様に一つアドバイスだ」
カグヤは一度俺に向き直り、告げる。
「力そのものに善も悪もない」
「...!」
「力の使い方は、使う者が決めることだ。カグヤ様は仮面ライダーの歴史から、それを学んだ」
「...ああ、肝に銘じておくよ」
やがて、俺の背後に士のオーロラカーテンが出現する。
どうやらお別れの時間のようだ。
「さらばだ、守。また肩を並べて戦うことがあれば、その時はまた、共にゴージャスに輝こう」
「おう、またな、カグヤ先輩」
俺とカグヤは別れを告げ、俺の体はオーロラカーテンに包まれていくのだった。
「たっだいまー!マモルン、ウマショー、依頼どうだった?」
「きっちり受けて、終わらせましたよ、幸果さん」
「ちゃんと完遂したよ!」
「おお、よかった~!...ん?これは?」
幸果さんは机の上のあるものを拾い上げ、その疑問を口にする。
「依頼人からのちょっとした贈り物です。レプリカらしいですけど」
「へぇ~、飾るのにちょうどよさそう!パソコンの棚の上に飾っとこ~」
幸果さんはそれを棚の上に飾り、俺とショウマはそれに向かって視線を向ける。
俺たちの視線のその先には、マゼンタ色のカメラが置かれていた。
スパナの方はともかく、カグヤの方に援軍に行かせられるな...と思ってこのエピソードが生まれました。
ショウマに関しては映画どおりにスパナの援軍です。
気になる方はガッチャードの夏映画、『フューチャーデイブレイク』を観てみよう!
・仮面ライダーヴァルプ・ファイズカスタム
SPEC
身長:196.8cm
体重:72.4kg
パンチ力:2.5t
キック力:5.0t
ジャンプ力:10.0m(ひと跳び)
走力:6.8秒(100m)
<Point>
レジェンドの持つ仮面ライダーファイズのレジェンドライダーケミーカードがディルの想いに共鳴し、変化したファイズ・ワッフルゴチゾウで変身するヴァルプのフォームチェンジ。
ファイズエッジやファイズショットなどのファイズの装備を一式使うことができ、スペックもかなり上昇している。
必殺技はクリムゾンスマッシュを模したものであり、原典同様に敵を貫くことができる。