転生先はストマック家でした   作:白豆男爵

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本編、始まります。
プロローグが短いって?はっはっは...その通りですね。
後で追加するかもしれません...


本編
1.新たな戦士はおカシな戦士!?


俺は今、屋敷の中で黒い服装をしたエージェントから逃げ回っていた。

警報が鳴り響き、銃弾があちこちで飛び交っている。

 

「うわっ!?」

 

ある扉を開けると、そこは扉が無数に広がる空間だった。

しかしエージェントが追ってくるため、立ち止まってはいられない。

やがて銃撃をくぐり抜け、横向きの扉の上に着地するとその扉が開いた。

 

「うわあああああ!?」

 

そして俺の視界には見たこともない世界が広がっていた。

ここが...母さんのいた世界...!

俺は宙を舞いながらその期待に胸を躍らせるのだった。

 


 

「いやぁ、ありがとね。おかげで助かったわ。」

「いえ、仕事ですから。」

 

俺は家の掃除という依頼を終え、おばあさんと会話をしていた。

はぴぱれの仕事にも随分と慣れてきた。

少なくとも俺一人で仕事を任せられるほどには。

 

「それじゃあ、俺はこれで。」

「本当にありがとう!」

 

俺はおばあさんと別れを告げ、はぴぱれへの帰路につく。

しばらく歩いていると、見知った顔がいたので、話しかけることにした。

 

「よっ、絆斗。」

「うわっ、びっくりした...守か。仕事帰りか?」

「そうだな、絆斗は今日も今日とて情報収集か?」

「おう。と言っても、収穫はゼロだけどな...」

 

俺と話しているこの青年は辛木田絆斗。

塩谷さんという人のもとでフリーライターをしている。

最近はぴぱれに何度か依頼をしてきたので、その縁だ。

かなり話しやすい人で、見かけたら話しかけるくらいには絆斗のことを気に入っている。

そして、絆斗は個人的に追っているものがある。

 

「母ちゃんを攫った怪物...絶対に見つけ出してやる。」

 

曰く、小さいころにお母さんが怪物にさらわれたらしく、その怪物の手がかりを追って日夜情報を集めている。

十中八九、グラニュートのことだろう。

絆斗とは仲がいいが、それはそれとして秘密を教えるわけにもいかない。

だから絆斗には自力でグラニュートに辿り着いてもらうしかないのだが...友人として、危ないことに首を突っ込んでほしくないというのが本音だ。

でも絆斗はきっと諦めない。絆斗の復讐の炎は今も燃え続けている。

 

「気合入ってんな。頑張れよ、怪物探し。」

「お前も、はぴぱれでの仕事、頑張れよ。」

 

俺たちはそんな会話をして別れる。

きっと俺がグラニュートだとバレたら絆斗とは友人ではなくなってしまう。

だからこんな中身のない励ましの言葉しか送れない。

本当はこんなに深く関わるべきじゃないと分かってる。

それでも、俺は絆斗のことを嘘だとしても嫌いにはれなかった。

 

「はあ、甘いな...俺。」

 

俺は独り言を呟きながらはぴぱれに戻るのだった。

 


 

とあるコンテナ置き場の一角、腹に口のある怪物と青年は対峙していた。

 

「この子は絶対...お母さんと幸せに暮らすんだ!」

「うっとうしいんだよ!」

 

青年は目の前の怪物にそう告げる。

だがしかし、健闘空しく怪物に殴り飛ばされてしまう。

 

「ぐわあっ!」

「イートグミ!イートグミ!」

「...食べろって...?」

 

青年は地面に転がり、倒れ伏す。

そこへグミのような見た目をした何かが片言の言葉で青年に告げる。

しかしただ食べるわけではないのか、集まって何やらジェスチャーをしている。

 

「こっちか。」

 

青年は立ち上がって腹部のジッパーを開け、その赤いガヴをあらわにする。

 

<グミ!>

<EAT グミ!EAT グミ!>

 

そしてそのガヴにグミを装填し、レバーを回すと、青年の周囲を袋のようなものが包み、グミがその中を漂う。

やがてレバーの反対側についているボタンを押すと、周囲のグミは青年のガヴに集まっていき、装甲を形成していく。

青年はその眼を紫色に妖しく光らせ...

 

「...変身。」

<ポッピングミ・ジューシー!>

 

その体を、変化させた。

 


 

仕事の帰り道、せっかくなので少し買い物をしようと周囲を散策していたところ、それは起こった。

ドカーン!

 

「な、なんだ!?」

 

文字に起こせそうなほどのすさまじい爆発が起こった。

音のした方へ行ってみると、犬のような怪物とバギーが俺の目の前を通過していった。

建物の壁や道路を走りながら攻防を繰り広げ、あちこちが爆発する。

 

「おいおい、最近のバイトはこんな暴れん坊なのか!?」

 

さすがにここまで派手に暴れるグラニュートは初めて見た。

グラニュート同士で喧嘩してるのか?

それにあのバギーに乗っていた奴...普通のグラニュートには見えなかったな。

まるでグミのような装甲を身に纏っている。

強いて言うなら雰囲気がヴァルプに似ているような...?

 

「とりあえず、追うか...!」

 

俺は人気のない路地裏に入り、壁を伝って建物の屋上へと飛び移る。

グラニュートの身体能力をもってすれば造作もない。

にしても速いな!爆発音を頼りに追っかけるのがやっとだ。

やがて紫の方が犬型を蹴っ飛ばして開けた場所へ吹き飛ばす。

俺はそれを追って近くの建物の屋上へ移動した。

なにやら紫の戦士と犬のグラニュートが問答をしている。

 

「どうする?二度と闇菓子にかかわらないか、この場で俺に倒されるか!」

「闇菓子を諦める?ありえねえ!答えはお前をぶっ倒すだ!」

<キッキングミ!>

 

その答えを確認すると、紫の戦士は四角い何かを赤いベルトに装填し、オレンジ色の装甲を足に纏う。

あれって...赤いガヴ?

 

「...!まさか!」

 

<CHARGE ME!CHARGE ME!>

<キッキングミキック!>

 

その音声と共に紫の戦士は宙へ飛びあがり、上からその蹴りを喰らわせた。

 

「タアーッ!」

「ぐああーっ!」

 

そして犬型のグラニュートは悲鳴と共に爆散した。

凄い力だ...そうだ、確かめないと!

<ブルキャン!>

そう思ったが、次の瞬間紫の戦士は再びバギーに乗ってどこかへ走り去ってしまった。

 

「あっ...くそ、乗り物がないって不便だな...」

 

さすがに全力疾走のバギーに追い付けるほど俺は速くない。

うーん、あまり使いたくなかったけど...

俺はそう思いながら自分のガヴから人型の眷属を一人生成する。

黒い服を纏い、顔についている仮面の目と口の部分はベージュ色に光っている。

 

「出来る限りでいい。あれを追ってくれ。人目に付かないようにな。」

「承知しました。」

 

俺の眷属...エージェントはその命令を聞くと即座に行動を開始した。

 

「ショウマ...なのか?」

 

疑問を確かめるすべもなく、俺はその場に立ち尽くしていた。




デンテ離反からショウマ脱走までの期間がどれくらい空いてるか分からないのでその辺は有耶無耶です。
ディルの人間体は知っていますが、グラニュートとの攻防に夢中だったためショウマはディルのことを認知していません。
ディルはエージェントを生み出せますが、兄妹たちのエージェントやグラニュートに発見されるリスクを考えてあまり使っていません。
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