楽しい銃社会の生き抜き方   作:WEVE

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Ep.24 カイザーPMC

「うへぇ…おはよーせんせー…」

 

ガラガラと音を立てながら部室に入る

すると、スマホの画面を睨みつけるように見ている先生がいた

数瞬の後、こちらに気付いたように振り向くと

 

"うん…おはよう、ホシノ"

 

と、何も無かったかのように振る舞った

それが何処か心に引っ掛かり、何があったのか問いかけようとした時

 

「ん、先生もホシノ先輩も早い…おはよう」

 

"おはよう、シロコ"

 

シロコが入って来た

それにより質問する隙を失ったホシノは喉元まで出かかった言葉を一度飲み込む

そして息を一つ、誰にもバレないように吐いた

先生はシロコとたわい無い話で盛り上がっており、どうも邪魔をする気にはならない

 

『また後で聞けば良い』

 

そう結論付けると、タイミングを見計らったかの様にノノミとセリカ、そしてアヤネが入って来た

3人は元気よく挨拶をし、ノノミはシロコと先生の取り合いをし、セリカはまた詐欺に引っかかりかけていてそれをアヤネが止めていた

いつものそうな光景に思わず笑みが溢れる

和気藹々とした雰囲気…しかしそれは

 

「…あれ、ウツキは?」

 

そんなセリカの何気ない一言で消え去る事になった

 

                        

 

「痛っ…此処は…」

 

足の痛みに目を覚ますと、知らない場所にいた

ジャラジャラとした音と手首足首の違和感から、鎖で何処かに繋がれてるであろう事を予測する

左足に視線を向けると応急手当一個下くらいに手当されており、少なくとも傷口はガーゼらしき布で塞がれている様だ

 

「すぅぅぅぅ…はぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

 

あまりの面倒くささにクソデカい溜め息が溢れる

さっきから手足に力が入りづらい…多分この鎖に変な効果でもついてるのだろう

…あ〜、これ俺詰んだか?自分でも此処が何処なんかわからんのやが…

 

と、そんな事を考えていると3つの足音が迫って来ている事に気付いた

音的に走ったり焦ってる訳でも無さそうなので、おそらく俺を捕らえた側のものだろう

そして、重たい音を立てながら目の前のドアがゆっくりと開き出し…

 

「…やぁ、調子はどうかね?居待ウツキ君?」

 

「…いやぁ、たった今最悪になりましたね。またカイザーかよって」

 

他のより横にデカいオートマタが護衛二機をつけて俺の目の前に立った

俺は、コイツを知っている…と言うより最近知った

 

「…私は「カイザーコーポレーションの理事…だろ?」…ふっ、流石に知っていたか」

 

アビドスは現在、約5億の借金をコイツらからやっている

それを知ったのはこの前調べてた時だが…まぁ、うん

コイツらやっぱ一回潰したほうがいいだろ

 

「…んで、カイザーの理事さんはお暇なのでしょうか?ここ最近は砂遊び?宝探し?だかにお熱な様で」

 

「…そんな安い挑発に乗る程、私も馬鹿ではないからな」

 

「おいおいしっかり聞いてんじゃねぇか、放熱しちまってるぜ?どうした?冷却板壊れてんのか?仕方ないから冷やしてやるよ…海水で良いか?」

 

恐らく、コイツらには俺を殺せない理由がある

もし殺せるならわざわざこんな風に手足縛って監禁なんかせずド頭バーンで終わりだろうしな

なら、折角だし煽り散らかすしかねぇよな!(?)

 

「…ふぅ、また様子を見に来るとしよう…お前はコイツを見張っていろ。くれぐれも殺す事がないようにな」

 

『ハッ、了解致しました!』

 

ほらな、やっぱり俺を殺す事は出来ない様だ

理由が何かは知らんが、最悪俺は生きてさえいればどうにでもなる

『死なない』と言う前提がある限り、俺は無敵に近い

 

「とは言え、このまま捕まってるのも癪だしなぁ…」

 

正直、こっから抜け出そうと思えばいつでも抜け出せるんだが…恐らくサバイブもゲバルトも手榴弾も回収されてるから下手に動きづらいんだよなぁ…

っぱカイザーってクソだわ

…はぁ、せめて誰か助けに来てくれんかな…

 

                        

 

「本当ですね…いつもなら私達が来るより早い事が多いはずですよね?」

 

「ん、それどころか私より早い時もある」

 

「まだ寝てるのかも…ちょっと見て来る!」

 

「あっ、ちょっとセリカちゃん!?」

 

ノノミは首を傾げ、シロコは少し表情を曇らせる

セリカは走ってウツキの部屋に向かい、アヤネは困惑しつつも不安そうな表情を浮かべた

 

"…ウツキは、ついさっきまで居たよ"

 

「「「「「!?」」」」」

 

全員が先生の方へと振り返る

セリカは走り出した足を無理に止めたせいで転けそうになったが、何とか持ち堪えていた

 

「…ウツキは、何処に行ったの?」

 

ホシノは少し声を低くして先生に問いかける

すると先生は少し言い難そうにしてから

 

"それにはまず、私とウツキが見てた地図の事から話さないとね"

 

そう言って先生は2枚の地図を開き、話し出した

 

アビドスの約8割以上がカイザーの手に渡っている事

何故かカイザーの手に渡ってない一点があり、ウツキはそれについて調べに行った事

そしてそれは数時間前の話で、まだウツキが帰って来ていない事

 

私達は絶句する

ウツキの事もそうだが、アビドスの土地の殆どが…既にカイザーの手に渡っていると言う事実に

 

「…とにかく、今はウツキちゃんを探さないと…」

 

そうノノミが呟く

その直後だった

 

「…ウツキさんの居場所なら判明してますよ?」

 

その声に、全員が振り向く

 

「…何故、お前がそれを知っている…『黒服』」

 

「クックック…そんな事は今関係ないでしょう?」

 

黒服の神経を逆撫でする様な言い様に思わず引き金に指をかける…が、重要な情報源である事には変わらない為何とか堪える

 

"…黒服、その情報…タダという訳には行かないんでしょ?"

 

先生は、黒服に情報の対価を質問する

黒服は良くも悪くも等価交換を主としている

故にその情報の対価を先に先生は問いたのだ

だが…

 

「…先生、この情報に関しては…特別対価は必要ありませんよ」

 

「…どういう風の吹き回しだ」

 

黒服の思いがけない言葉に、私はその真意を探ろうと少し圧を掛けながら質問をする

すると黒服は珍しく溜め息を吐いてから…

 

「ウツキさんを【誘拐】したのは、カイザーコーポレーションの理事…私の『元』契約相手です」

 

「「「「"…!?"」」」」

 

「…またカイザー、か」

 

皆が目を見開いて驚く中、私は苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべる

 

「…ウツキさんの座標です」

 

そう言って黒服が地図に印をつける

アビドス砂漠の奥の方に、赤いバツ印

そこにウツキが捕えられている…

全員の意思が、一つに揃った

 

…『ウツキを助けに行こう』と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度こそ、守ってみせる




ではまた次回があれば会いましょう!
バーイ!
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