もしカイザーにウツキではなく『小鳥遊ホシノ』が連れて行かれたら…のIFの二本目です!
カイザーよ、須臾に散れ
では、お楽しみください!
夜、アビドス砂漠の中を一人の少年が歩き続ける
その足取りに迷いはなく、まるで向かうべき場所がわかっているようだった
そして、次第に目的地が浮かび始めた
『カイザーPMC』
その文字が目に入ると同時に少年の足は一瞬止まる
しかし、すぐ再び歩を進め始める
全ては、『大切なモノ』に手を出したゴミの掃除の為に
…日は、まだ昇らない
「…ねぇ、これはどういうことなの?」
両手両足を不思議な鎖で縛られたホシノは、目の前の機械人形を睨みつける
睨まれた機械人形…『カイザー理事』は愉快そうに笑っている
もし、この鎖がただ頑丈なだけだったならば今すぐ引き千切って
だが、どうやら鎖には神秘を抑え込む力があるらしい
小さな身体と少ない筋力を莫大な神秘で補っていたホシノは、今や見た目通りただの少女と何ら変わりがない
『まさか、本当に我々が君の力だけの為に利益を捨てると思っていたのか?』
「…」
カイザー理事は更に笑みを深める
『…ふん、やはり力だけが取り柄な馬鹿なガキは扱いやすくて助かるな』
「…ッ」
ホシノが苦虫を嚙み潰したような表情を見せる度、カイザー理事の笑みは深まっていく
『それにしても…前の生徒会長だったか?あれは本当に大馬鹿だったな』
「…何だと?」
ホシノが目を見開き、普段の様子からは考えられないほど低い声で呟く
カイザー理事はそれを無視して続ける
『人を信じるだの、皆根は良い人だの、聞いてて呆れる』
「黙れ」
『何も出来ず、無力で、後輩に守ってもらう事しか出来ない』
「黙れ…!」
『その上口だけは一丁前、アビドスも落ちたものだな』
「黙れッ!」
『あぁ、そうそう…
彼女の遺体の第一発見者は君だったな、『小鳥遊ホシノ』?』
ホシノはカイザー理事に跳びかかろうとする…が、鎖の揺れるジャラジャラとした音を立てるだけで留まってしまう
カイザー理事はそれにひどく満足した様子で出ていった
部屋には一人、無力な少女だけが残された
カイザー理事は部屋から出ると、すぐに黒服に連絡を取ろうとする
1コール、2コール、3コール…
しかし、誰も出ないままブツリと切れた
『…ふん、まぁ別に連絡は後でも良いだろう』
そう判断してスマホの電源を落とし懐にしまい込む
…だが、この時のカイザー理事は知らない
「クククッ…えぇ、えぇ。他ならぬ貴方からの頼みですので。では、後はそちらの手筈通りに…」
今、黒服が『誰』と手を組んでいるのか
そして、それがカイザーを滅ぼしに来ている事を
そして、PMC内に爆発音と警報が鳴り響いた
開戦の狼煙は、機械がへしゃげるような音だった
『し、侵n』
「…『
無線機に向かって何か言おうとするオートマタの頭を片手で掴み、そのまま中央のメモリ核すら残さず縦に押し潰す
瞬間的に神秘を解放する事で必要最低限の体力のみで雑魚を処理していく
デカい盾を持った奴は邪魔だから、最速で盾ごと一撃で砕き抜く
戦車はRL兵同様にPMC側に打たせてから上部のハッチをこじ開けて中のオートマタを潰す。ついでに弾が残ってたらPMCに向かって撃ち尽くす
…1秒たりとも無駄にはしない
そんな意志の下、ウツキは淡々とスクラップを量産する
数分もしない内にオートマタは全て消え去り、迷彩柄の金属片だけが辺りに広がっていた
今のウツキに『高揚感』も何もない
「…次」
ただ、目の前の『障害』を叩き潰す
そして、
それだけだった
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『い、嫌だ!まだ俺は死にt 』
グシャァッ!
『ヒッ…ッ!』
「…どうした、早く来いよ」
『や、やめろ…くっ来るn 』
メギョッ!
「…このエリアにも居ない…次」
ウツキが暴れている中、それを見下ろす影よりも黒い男がいた
「クックック…珍しく本気で『憤怒』してますね…まぁ、『やりすぎなければ』問題はないでしょう。最悪でも1週間ほど性格に『あれ』の影響が出てくる程度でしょう」
男…『黒服』は面白そうに口元を歪め、記録を取っていく
ウツキの神秘…それについて『知っている』のは黒服、マエストロ、そして…
「…クククッ、貴女もお人が悪い…折角の情報を何処に記す事もなく『失踪』してしまったのですから…クックック…!」
まぁ、その方が『研究』のしがいがありますがね…と呟きながら、夜の闇に紛れるように姿を消すのであった…
「…ここもハズレ」
オートマタの頭をポイっと投げ捨てる
先程からずっと走り回って探しているが、どうも見つからない
そういえばここ、足音がよく響くな…下に空洞があるのか?
…なら多分、これ『下』だな
…じゃ、ブチ抜いた方が早いか
ゆっくりと息を吐き、左手を突き出しながら右手を引く
そして…足を引き全身のバネを使いながら
「壊れろ…『
全力で、床を殴る
その瞬間、アビドス砂漠に轟音が鳴り響いた
ホシノは、願っていた
助けではない。むしろ逆だ
『誰も助けに来ませんように』『私なんかの為に危険な目に会いませんように』と
…でも
「やっぱり…寂しいよ…」
もう乾き切っていたと思っていた瞳から、水滴がポツポツと…言葉と共に零れ落ちる
「先生…シロコちゃん…ノノミちゃん…セリカちゃん…アヤネちゃん…」
名前を呼ぶ度に顔が浮かび、涙が零れる
そして…
「ウツ、キ…助け、てぇ…ッ!」
そう、呟いた時だった
天井が崩れ落ちる轟音が響く
そんな轟音の中でも、『それだけ』は聞き逃さなかった
「 悪い、遅くなった」
優しくて、あったかくて、もう一度聞きたかった声
「…ぇ…?」
白い制服。少し青みがかった黒髪。所々に見える白のメッシュ。そして、私の右目とよく似た金色の瞳。
…見間違えるはずがない。だって、あんなにも一緒にいて、何度も助け合って、ずっと…ずーっと…
「助けに来たぞ、『
「うつ…き…?」
『大好きな人』なんだから
ウツキはホシノに歩み寄ると、ホシノの手足を拘束している鎖に気が付いた
ホシノが脱出出来ていないところから、何か仕掛けがあることに気付く
『…ま、関係ないか』と心の内で呟きながら鎖を手に持つ
そして…思いっきりホシノから離れた根本側を引き千切る
破片で怪我したりしたら危ないからな
「っと…」
ホシノは長時間の拘束による疲労と安心感で力が抜けたのか、こちらに身を預けるようにポスッと倒れてきた
…ホントは今すぐ説教のつもりだったんだけどなぁ…
…まぁ、別に明日でもいいか
…明日はあるから。絶対に作るから
「…んじゃ、あとは帰るだけだな」
いつの間にか眠ってしまった小鳥遊先輩を抱え、『重厚な金属扉』感の強い扉(コユキの反省部屋のドアに似てる…?)を蹴破って外に出る
「っ…眩し…」
いつの間にか日が昇り始めていた…時間的に『暁』か?
腕の中ですうすう寝息を立てる小さな先輩の頭を撫でながら、そんなことを考える
「…後は頼んだよ」
黒服
『はぁ…はぁ…ッ!なんなんだあの化け物は…!』
息を荒げ、全身の関節部が悲鳴をあげる中、カイザー理事は絞り出すような声で叫ぶ
『あれはヒトではない…完全に悪魔…いや、『荒神』ではないか…!』
焦点の合わない目で、路地裏の壁にもたれながら肩を上下させる
すると、コツ…コツ…と聞き覚えのある足音と共に、声が聞こえた
「クックック…随分と派手にやられましたね、理事?」
『…黒服か…悪いが今は立て込んでいる。用事なら後に…』
そう言いかけて気付く
黒服の手に、一丁の黒いハンドガンが握られていることに
『…珍しいな、貴様が銃を持つとは』
「…そうでしょう。今後使うことも滅多と無いでしょうから…『最期』に見れて幸運でしたね」
何を言っているのかを理解する前に…カメラが消えた
パンッ!パンッ!と乾いた音が路地裏に響く
やがて、そこにあったのは黒い男と『金属の塊』であった
「これにて、この契約は完了ですね…ウツキさん?」
ハンドガンを懐に仕舞い、影の闇に姿を消す
…そして、誰もいなくなった
朝、先生は取り乱していた
…何時の間にか、ウツキがいなくなっていた
先生は急いでシロコ、ノノミ、セリカ、アヤネを起こす
そして、全員が『二人を助けに行こう!』となった…
「ただいま~…」
もっとも、その『気の抜けた声と姿を認識するまでは』だったが…
因みにこの後ホシノは全員から物凄く怒られたし、ウツキもシナッシナになるまで先生に説教されました。…え、そのシーンは何処に書かれてるかって?…教えn"ウツキ?"ごめんなさい
これにて、UA1万突破記念完了となります!
これでやっとミレニアム編に入ります!
アンケートの結果、オリキャラはカタストロムされました!
モブちゃん'sの呼び名は基本あだ名等になり、ネームドにならない様になります!
ストーリー等に大きな差異は出ないのでその点はご安心を…
皆様、ご投票ありがとうございました!
今後とも『WEVE』と『楽しい銃社会の生き抜き方』をよろしくお願いいたします!
では、次は新章『ミレニアム編』でお会いしましょう!
バーイ!
主人公以外の名持ちオリキャラは…
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あり
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なし