異世界戦闘摂理解析システム   作:久々にきれてつちまつたよ

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▷ガンガンいこうぜ!
▶いのちだいじに!

途中でヒーロー名羅列するんですけど、そこは飛ばしてもらって大丈夫です。支障はまぁ、そんな、うん、ちょっとしかありません。


退屈なゲーム

 

「……なぁ、アタリ」

 

「ん?どうした?なんかあった?」

 

「……いや、はぁ……一応言っておくけど、そいつ漁っても何も出ないと思うぞ?アタリのことだからドロップアイテムとか期待してるかもしれないけど…」

 

「…ぇ゙!まじかよ…」

 

やはり、ヒーローと俺は違う。俺はまだ震えが止まらない。だって、さっきまで殺されかけてたんだぞ?呑気に死体漁りしてるのを見ていられるほど、余裕じゃないんだ。

 

……それに、アタリが何故ここにいるのか、何故俺が召喚できたのかも不明だ。もしかしたら、これが全くの幻覚とか夢だったりするのかもしれない……だけど、まぁ、俺にはもう、アタリを信じることしかできないから、そんなことを今更考えたところで意味なんてないか。

 

「……ヨクリ、のんびり雑談してる暇はなさそうだぜ?」

 

アタリが死体から顔を上げ、廊下の奥を睨む。その視線の先──暗がりの向こうから、無数の光が灯った。

 

それは怪物の眼光。一体や二体じゃない。十、二十……まじか…最悪の展開だ。

 

「……ッ、囲まれてるのか!?」

 

「ああ。どうやらここは、敵の湧きポイントだったらしい。流石にこの数は、今のオレ一人じゃ捌ききれねーかもな」

 

さっきの怪物と同じ個体だ。くそ。警戒するべきは、大きな個体ではなくて、群れだった…!

 

アタリは軽口を叩いているが、その構えは先ほどよりずっと低い。

 

怪物の群れが一斉に襲いかかってくる。アタリは持ち前の俊敏さで立ち回るが、四方八方からの攻撃すべてを躱しきれるわけがない。

 

『警告。HP残量が低下しています』

 

脳内に直接、システムの声が響く。さっきまではスマホから流れていたというのに、スマホが壊れてしまってからは、ずっと脳内に直接流れ込んでくる。

 

アタリの青色のゲージが半分を切った。くそ。このままではやられてしまう。やられれば……やられれば、どうなるんだ?

 

これが本当にゲームと同じ仕様ならば、復活するはずだ。だけど、そんな甘いわけがない。復活するとしても時間がかかるだろうし、その間に殺されてしまうかもしれない。いや、それよりも危惧すべきは……復活しない可能性、だ。

 

アタリの体から、ドットの火花が散る。そこに見えたのは、流れる赤色の血。

 

「アタリ! 下がれ、もういい!」

 

「何言ってんだ、オレが下がったらヨクリが……っつ!?」

 

怪物の剣が、アタリの肩を深く裂いた。

 

その瞬間、俺の頭の中に『ノイズ』が走った。アタリが感じているはずの痛みが、火花のように俺の脳を焼く。

 

嫌だ。死なせるもんか。俺を助けてくれた、このヒーローを……!俺だけの、ヒーローを!!

 

「…は、?」

 

視界の端に、文字があった。見えているのではなくて、映し出されている。視線を動かしても、固定されているかのように視界の端から動かない。

 

【同調】

 

俺はその文字に、無意識のうちに、触れていた。

 

「……あ、あああああああッ!!!」

 

視界が、極彩色に爆発した。

 

俺の意識が、物理的な重さを持ってアタリの背中へと叩きつけられる感覚。

 

脳内に流れ込んでくるのは、膨大な量のバイナリコードと、アタリの強烈な『闘争心』。

 

『──環境最適化。プレイヤーとの神経接続を確認。シンクロ率、限界突破』

 

「……よし、待たせたな」

 

自分の口から出たはずの声が、アタリの声のように聞こえた。

 

……俺の体であって、俺の体ではない。

 

右手に宿るグローブが、信じられないほど軽く、そして熱い。

 

『おおっ!なんだこりゃ!俺の身体がヨクリに乗っ取られちまった!』

 

アタリ?乗っ取られた?……もしかして。

 

「……この身体、アタリの身体…?」

 

『そーたぞ!……戻さなくていい!こうなった方が、不思議と力が漲ってるからな!』

 

「……おーけー。やるぞ、アタリ」

 

『行くぜヨクリ! 最高のマルチプレイを見せてやろうぜ!』

 

脳内でアタリが笑った。

 

俺の意志が『敵を討つ』と決めると同時に、体が勝手に、最速・最短の軌道で地を蹴った。

 

先ほどまで恐怖で動かなかった足が、今は爆弾のような推進力を持っている。

 

「一気に、片付ける……ッ!!」

 

目の前の怪物の顔面に、光り輝くドットの拳を叩き込む。

 

──一撃──

 

ただの一撃で、怪物の頭部がピクセル単位で分解され、消失した。

 

これが、【同調】か。

 

おそらくだが……ヒーローと俺が一つになるということ、なのだろう。

 

しかし、無双する快感の裏側で、俺の精神は悲鳴を上げていた。

 

自分の輪郭が、アタリのデータに侵食され、溶けていく。

 

『俺』が『芳賀世栗』であることを忘れそうになるほどの、強烈な──

 

その絶頂と混沌の最中。

 

唐突に、音が消えた。

 

血の匂いも、怪物の咆哮も。

 

【同調】も解かれていた。

 

「……え?」

 

拳を振り抜いた姿勢のまま、俺は真っ白な世界に立っていた。

 

 

 

やぁやぁ……あれ、脳内ダイレクトメールが届かない個体がいるね。相変わらず、バグみたいなチート持ちはどこにでもいるもんだ。まぁいいや、その分しっかり働いてもらうしね。

 

「あー、あー、テステス。聞こえてるかな?」

 

 

 

 

 

どこだここは。さっきまで、俺はアタリと【同調】して戦っていたはずだ。アタリも見当たらないし、なんなんだ、この白い空間は。

 

『やぁやぁ……あれ、脳内ダイレクトメールが届かない個体がいるね。相変わらず、バグみたいなチート持ちはどこにでもいるもんだ。まぁいいや、その分しっかり働いてもらうしね』

 

なんだ、これは。脳内に直接、話しかけてきている…?

 

「あー、あー、テステス。聞こえてるかな?」

 

「やぁやぁ、はじめまして。私のことは気軽に神様、と呼んでくれ」

 

「単刀直入に言うと、君たちの学校を丸ごとこの世界へ転移したのは私だ。あはは、そんなに睨まないでよ。退屈な日常のアップデートだと思って楽しんでほしいな」

 

「それで、もう気づいている人もいると思うけど……転生特典、ならぬ『転移特典』を君たち全員に付与しておいたんだよ。特別な能力が必ず一つ、インストールされているはずだよ。……まぁ、それでも結構な数のデータが既に消えちゃってる(死んでる)みたいだけどね!」

 

「この空間から出たら、『ステータス』って唱えてみてよ。そうしたら、自分の能力の詳細が知れるからね……あっ、ここから出たら元いた場所に戻るから、ゴブリンとかに囲まれている人とかはご愁傷さまです」

 

「じゃあ、異世界ライフを楽しんでね。ばいび!」

 

 

 

 

 

 

「……『ステータス』」

 

「あっ、ヨクリ!どこ行ってたんだよ!急にいなくなって、あのマゼコゼも解けちゃったから、オレ一人で怪物たち倒してたんだぜ?」

 

【芳賀世栗】

 

【ステータス】

攻……???

防……???

魔……???

生……???

 

【固有能力】

『#コンパス 戦闘摂理解析システム』レベル1

世界の理に左右されないが、世界の理に適応できなくなる。ヒーローを召喚したり、同調したりすることができる。ステータスはその時に召喚・同調したヒーローによって左右される。また、所持していないヒーローを解放することは不可能である。

 

『召喚』レベル1

一度に一体まで召喚可能。ゲージが削られ倒されると、1年のインターバルが必要となる。出し戻し可能。

 

『同調』レベル1

召喚したヒーローと同調することができ、強化状態となる。深く同調するほどヒーローの力は引き出される。深く同調しすぎれば、精神がヒーローに引っ張られていくため、廃人化する可能性がある。

 

解放済み……

十文字アタリ

 

未解放……

ジャスティス ハンコック

魔法少女リリカ

双挽乃保

桜華忠臣

ジャンヌ ダルク

マルコス'55

ルチアーノ

Voidoll

深川まとい

ソル=バッドガイ

ディズィー

グスタフ ハイドリヒ

ニコラ テスラ

初音ミク

ヴィオレッタ ノワール

コクリコット ブランシュ

イスタカ

リュウ

春麗

マリア=S=レオンブルク

アダム=ユーリエフ

13†サーティーン†

かけだし勇者

エミリア

レム

カイ=キスク

メグメグ

鏡音リン

鏡音レン

ザック&レイチェル

輝龍院きらら

モノクマ

ヴィーナス ポロロッチョ

アクア

めぐみん

ソーン=ユーリエフ

リヴァイ

デビルミント鬼龍 デルミン

トマス

猫宮ひなた

岡部倫太郎

零夜

セイバーオルタ

ギルガメッシュ

魔法少女ルルカ

ピエール77世

佐藤四郎兵衛忠信

アイズ・ヴァレンシュタイン

狐ヶ咲甘色

ノクティス

HM-WA100 ニーズヘッグ

中島敦

芥川龍之介

ゲームバズーカガール

ライザリン・シュタウト

青春アリス

ジョーカー

イグニス=ウィル=ウィスプ

アインズ・ウール・ゴウン

糸廻輪廻

キリト

アスナ

Bugdoll

ステリア・ララ・シルワ

ラム

2B

ラヴィ・シュシュマルシュ

リムル=テンペスト

アル・ダハブ=アルカティア

御坂美琴

アクセラレータ

天空王 ぶれいずどらごん

ベル・クラネル

ロキシー・ミグルディア

ロックマン.EXE & 光熱斗

クー・シー

デンジ

パワー

アミスター=バランディン

シノン

ターニャ・デグレチャフ

鬼ヶ式うら

コラプス

ボンドルド

みりぽゆ

ゴン=フリークス

キルア=ゾルディック

チーちゃん

上条当麻

ーペルリニエ

シャドウ

ポプ子&ピピ美

メルーニャ・ランチェルナ

セイバー

アーチャー

ランサー

†ファースト†

レゼ

 

「……ふざけんな。使えるのはアタリ一人で、あとは全部ロックされてる……リリカも、忠臣も、ルチアーノだって、今の俺じゃ呼び出せない……文字通り、手持ちが空っぽじゃねーか」

 

「なぁ聞いてるか?さっきのマゼコゼもっかいやりたいんだけど」

 

「……アタリ。俺のステータスが見えるか?見えるのなら共有しておきたいんだけど」

 

「おおっ!やっと聞き慣れた単語が来たぜ。どれどれ……1年のインターバル? 死んだら1年ゲーム禁止とか、親にコンセント抜かれるよりキツいぜ! 絶対クリアしような、ヨクリ!」

 

「…あぁ、クリアの基準とか知らないけど……てか、問題はそこじゃない、下の、同調のところだ」

 

「廃人化の可能性か。んじゃあ、今のヨクリは俺に引っ張られてんのか?」

 

「…少しだけな」

 

そう言いながら、俺は無意識に親指で存在しないコントローラーのボタンを弾くような動きをしていた。

 

自分の指なのに、まるで他人のデバイスを操作しているような違和感。

 

アタリの『ゲーマーとしての本能』が、俺の神経に焼き付いているのだ。

 

「……一回だけしか使ってないのに、進行が激しいな。強いけどあんまし使えない……諸刃の刃ってところか?……まぁ、そんなにネガティブに考えんなよ!」

 

「そうだな。とりあえず、俺はアタリ以外のヒーローを、召喚できないか試してみる、か」

 

「手数は多いに越したことねぇしな!」

 

まだまだ、謎の多い能力だな。

 

メダルもカードも何もない。だから、頼れるのは己とヒーローだけ。アタリが倒されたら、俺の死も確定する。やっぱり、戦いはできるだけ避けていくのが好ましいか。

 

「……アタリ、行くぞ」

 

「…お、やる気でも出てきたのか?」

 

そうすれば、目指すのは一つだけだ。

 

「合流するんだよ。俺達以外の、生き残り(チーター)とな」

 

 

 





オマケ

「ステータスが???なのは、この世界では測定不能…チートってことか?」

「いや、世界の理に適応できないって書いてんだろ?だからこの世界で測ることはできないんじゃないか?まぁでもいんじゃね?ステータスはヒーローに左右されるみたいだしな。オレがいれば安心だろ!」

「……そうだな。てか、その理屈なら、魔法で回復してもらうこともできないのか、俺は」

「ん?ジャンヌとかいるじゃん。あとは、カードとか?」

「……どっちも今の俺には足りないものだな」

「てかさ、やっぱり引っ張られてるよなー」

「……何が?」

「いや、最後チーターって言ってたからさ。ゲーム脳になってきてんなーって」

「うわまじかよ……このペースなら三回目くらいで廃人になっちゃうだろこれ…」

「どんまい!」

アタリを呼び出したのは、やっぱり間違いだった。



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