異世界戦闘摂理解析システム   作:久々にきれてつちまつたよ

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テヤァ!

魔法少女リリカルルカ、お仕事完了!

正義は我にあり!

たーまや、かーぎや、深川屋ー!ってなもんよ!

誰が二番目のヒーローなんでしょうね。


火花散るリスタート

 

「おいヨクリ!あそこに『鍵』があるぜ!あれ取らなきゃ始まんねーよな!」

 

「……まじか」

 

合流を目標に歩き続けて数十分が経った。血生臭い校舎を、アタリの先導で進む。

 

廊下にはゲーム画面で見たような『C』の文字を冠した白い光の柱──ポータルキーがぼんやりと浮かんでいた。

 

アタリがその場に留まると、柱は電子音と共に青く染まり、そこから広がる円形のエリアが俺たちの傷を癒やしていく。

 

「……へぇ、これは便利だな」

 

「ヨクリ!回復していくぞ!それに、ヒーロースキルも使えるようになった!ポータルキー様々だな!」

 

一番危惧していたことが、こうも簡単になくなるとは。

 

危惧すべきモノ、それはアタリの状態だ。アタリを失ったら確定で詰みな俺にとって、アタリをどれだけ消耗させずに生き残るかが重要だったのだが……これは、思わぬ誤算だったな。

 

「……なぁ、ヨクリ。あそこにいるの、人じゃねぇか?」

 

「……ほんとうに、幸先がいいな」

 

アタリが指し示した多目的ホールの重い扉の向こうから、複数の怒号と、爆発音が聞こえてきた。俺たちが中へ踏み込むと、そこには地獄を生き延びた生徒たちがいた。

 

「──《■▲、〇■▽!》」

 

聞き取れない言葉が響いてきた。何か叫んでいるが……日本語ではない。もっと詳しく聞くために、さらに踏み込んだ。

 

すると見えたのは、クラスの主導権を握っていたカースト上位の男子が、掌から火球を放ち、迫りくる怪物──ゴブリンを焼き払っていた。神に与えられた『転移特典』。

 

彼らは口々に『ステータス』を確認し合い、レベルが上がった、スキルが解放されたと、まるで新作のRPGを楽しんでいるかのような異様な熱気に包まれている。

 

異常だな。地獄を経験して、頭のネジが何本が外れてるみたいだ。アドレナリンドバドバとか、そんな状態なんじゃないかな。

 

俺たちが現れた瞬間、その熱気が冷めた。

 

「……ハガじゃねーか。生きてたのかよ」

 

火球を放った男が、品定めするように俺を睨む。『ステータス』を唱えた彼らの目には、俺の数値が『???』に見えているようだった。実際、俺にも『???』以外見えないし。『ステータス』を隠しているだろ、とか言われてもどうしようもないのだが……さて、どんなことを聞かれるのやら。

 

「……おい、その後ろのコスプレ野郎はなんだ? お前の能力か? ……ちっ、弱そうだな。数値が出てねぇぞ」

 

「……アタリは弱くない。俺の、相棒だ」

 

……天狗にでもなっているのか?間違いなく、冷静な判断が欠けている……まぁ、俺が言えたことじゃないんだけど。

 

俺の言葉に、アタリがニシシと歯を見せて笑う。だが、その平穏は長くは続かなかった。

 

〝バリン!!〟

 

ホールの天窓を突き破り、新たな影が舞い降りた。先ほどの怪物とは比較にならない巨体。背中に漆黒の翼を生やし、禍々しい大鎌を携えた『悪魔』のような個体だ。

 

その姿は、まるで……

 

「……サーティーン…??」

 

「──《■◎!》」

 

「──《▲☆○!》」

 

生徒たちが一斉に魔法を放つ。しかし、そのどれもが悪魔の皮膚を焦がすことすらできない。

 

神の与えたルール──『魔力』や『レベル』に基づいた攻撃は、あまりに格上の相手には無効化されるようだった。そりゃそうだ。蟻がいくら人間を殴ろうと、意味なんてない。それと同じってことだ。

 

……これが、魔法か。うん、やっぱり何言ってるか分からないや。にしても威力が化け物だ。こんなのをアタリが受けたら……考えるだけでもゾッとする。火力は負けたな。機動力はこちらのほうが上だけど。

 

「あ、あぁ……魔力が、切れた……っ!?」

 

火球を放っていた男が膝をつく。この世界の理で戦う彼らには限界がある。だが、俺たちのルールは違う。

 

俺の能力の発動に、魔力なんていらない。

 

「ヨクリ、ありゃあ格上なんてレベルじゃねーな。まさにボスキャラだ」

 

「だけど」

 

『バトルが始まります』

 

「俺の方が強いっ!!」

 

アタリの青いゲージが、敵のプレッシャーだけで削れそうになる。スプリンターの機動力では、あの滞空する死神を仕留めるには決定打が足りない。

 

だが、気合十分。準備万端。アタリは、止まらない。

 

「うわぁ!その羽やっぱ飾りじゃないよなっ!」

 

アタリの拳が空を切る。ジャンプすれば届くが……隙が大きすぎる。まずいな、これは。

 

「ヨクリ!マゼコゼ使うか!?」

 

【同調】を使うか?……だめだ。使っても、勝てない。アタリに精神を侵されている俺自身が、そう感じている。

 

「アタリ!避け続けろ!当たったら半分……いや、死ぬぞ!」

 

「はっ!一発ゲームオーバーか!いいねぇ、あがるじゃねぇかっ!!」

 

……くそ、このままじゃ不利すぎる。敵は浮きながら魔法を使ってくる。それを避けるのは容易いが……浮いている間は攻撃は届かない。

 

アタリの跳躍力を最大限活かしたとしても、与えられるダメージは1発分だけだ。分が悪すぎる。

 

「……ペース、上げてくぜ!」

 

【同調】を使用しない場合のアタリのステータスは【攻撃】【防御】【体力】共に1倍だ。ヒーロースキルは溜まっているが……今のところ溜める方法がポータルキーしかない以上、無闇に使うのは避けなければならない。ポータルキーは広場にあるが……今いるのはそこから何十メートルと離れたもう一つの広場だ。一度限りと考えてもいいだろう……くそ、ヒーロースキルの回転率は高いのにこれじゃあ使えない。

 

……それに、アビリティが死んでいるんだ。

 

【そっこーリスタート】

死亡から復活直後移動速度アップ。

 

アタリの強みは戦線復帰が早い万能型スプリンターというところだ。だが、それが全く活かせていない。というか、活かせられない。

 

タイマンで、しかも相性最悪……分が悪いのだ。十文字アタリというヒーローは。

 

「…っ!ヨクリ!出し惜しみして負けたら格好悪いだろ?オレは、次に全てを賭けるぜ」

 

「……確かに、そうだ。だけど!情報不足だ!」

 

敵の狙い目がまだ絞れていない。アイツは一体何分飛べば気が済むんだ?もしかしたら一生飛ぶことができるのか?そうだとしたら…、笑えないな。

 

「でも!待ち続けても倒せないぜ?知ってるか、ヨクリ。逆転の一手は、諦めないことから成り立ってるんだ。ヨクリ、お前は、諦めてないか?」

 

「……アタリ」

 

そう、だな。なに弱気なってんだ。俺には、アタリがいる。十文字アタリというヒーローがいるじゃねぇか。

 

「アタリ!使うぞ!」

 

「おう!」

 

俺は迷わず、【同調】の文字をタップした。

 

「……よし、これで決めるぞ」

 

ステータスを見る。

 

【攻撃】【防御】【体力】共に2倍……まじか、チートじゃん。

 

さて、考えろ。ヒーロースキルは敵が地上に落ちた時にしか使わない。敵を地上に落とすためには……くそ、足りない。移動速度は十分だ。この状態なら、敵の攻撃には当たらないだろう。だが、それはこちらも同じ。敵が空中にいる限り、こちらの攻撃は当たらない。

 

『ヨクリ!リスタートだ!削れた体力も、疲労も、リセットしてから始めればスピードも段違いになる!』

 

「……だめだ。アビリティの話だろ?それは、死ぬことを前提とした能力だ。ここは現実で、アタリは能力だ。だとすれば、死が意味するのは、リスタートじゃない。ゲームオーバーだ」

 

ここじゃ使えないアビリティ。相性最悪の敵。こちらは削られていく一方。

 

……それを、どうにかサポートするのが、プレイヤーだ。

 

「……見つけた」

 

『どうした?って!火の玉くるぞー!』

 

向かってきた火球を避ける。このアイデアなら、いける。ゲーム(2D)じゃできない、現実(3D)だからこそ、できる方法。

 

「3Dには負けねぇ!」

 

俺はコントローラーを握り、コマンドを打った。

 

『はっ!?ここでヒーロースキルを打つのか!?』

 

アタリの叫び声が聞こえるが、それを気にしている余裕はない。オレの後ろに歪みが発生し、ドットのモンスターが出てくる。そして、こいつらには……

 

「……いける」

 

当たり判定がある。

 

最初の怪物の腹を貫通したのだって、このモンスターだ。当たり判定があるに決まっている。

 

ゲームだけじゃだめだ。現実だけじゃだめだ。ゲームと現実が合わさることで、攻略法が生まれたのだ。

 

モンスターを足場にし、敵に向かっていく。

 

「うおおおっ!!覚悟しろよ!!」

 

『このまま突っ込めぇ!!』

 

敵は動揺して動けていない。チャンスだ。ここに一発ぶち込むぞ。

 

「『派手にぶっ飛ばす!』」

 

──一撃──

 

腹にめり込む。グローブが腹を貫通し、敵の血があふれる。血はこちらに触れた瞬間、緑色のピクセルとなって消えていく。

 

──一撃──

 

すぐさま胸に放つ。その一撃は腹に入れたモノよりも強く、練り上げたものであり、食らった敵は勢いよく地上に落ちた。

 

「……やって、やったぞ…!」

 

『ナイスプレイだぜ、相棒!』

 

……どんなに不利でも、攻略法はある。それを探すのが、ゲーマーだ。もう体の半分はゲーマーと言っても過言ではない俺に、見つけられない道理はない。

 

 

「……《☆○■》」

 

 

「……は?」

 

──一撃──

 

モロに入った。

 

腹が、痛ぇ。

 

「大丈夫か!ヨクリ!」

 

くそ、【同調】が解けた。ヒーロースキルも使ったし、満身創痍だ。それなのに、まだ、生きているのか…?

 

どう、すれば?どうすればいい?なにをすれば、クリアできる?こっから、ゲームオーバーにならないルートは……「ヨクリ!!引っ張られんな!じぶんで!考えるんだ!」

 

……【同調】の代償が、来ていたのか。だが、それでいい。ゲームで考えろ。ゲームに詰みなんてない。現実は、そんなクソゲーじゃない。考えろ。

 

「……アタリ、下がれ。今の君じゃ、相性が悪すぎる」

 

「え!?」という声と共にアタリが振り返る。その顔には落胆の表情が少し見えた。そーゆーヤツなのだ。どんなに無理ゲーでも、挑みたくなってしまうのが、ゲーマーの性なのだろう……くそ、【同調】のせいで俺の思考までアタリと同化していってる。

 

「へへっ、言うねぇ……じゃあ、次は誰の出番だ? ヨクリ、お前の『デッキ』から、最高の答えを引き出してみせろよ!」

 

アタリが光の粒子となって俺のスマホ──今は脳内のシステムへと還元される。視界に再び、あの膨大な『未解放』のリストへと向ける。

 

空を再び舞う死神を見上げ、俺の指はある一点を求めていた。鍵のかかったそのアイコン。

 

機動力じゃない。火球なんていう生温い魔法でもない。あの傲慢な翼を叩き落とし、地獄の業火で焼き尽くす、圧倒的なまでの『火力』を。

 

くそ。やっぱりこうなる。俺とアタリだけじゃ無理があった。いや、違う……俺が、油断していた。

 

脳内のノイズが激しさを増す。未解放の文字が、赤く、熱く燃え上がるように明滅を始めた。

 

『あんたにあたいが支えられるのかい?』

 

脳内で声が響く。凛と真っ直ぐな声で、曲げられない芯が感じられる。

 

「……これに対抗できるのは、君だけだ」

 

『あたいはアタリみたいに速くない。一発受ければおしまいなのに、いいのかい?』

 

……それだけじゃ、ダメなんだ。アタリの強みはここでは活かせない。だから、君を選んだんだ。

 

「……そんなもの、君の火力で捻じ伏せればいいだろ?」

 

『……ふふっ、はははっ!!百点の解答だよ、アンタ!確かに……土壇場の火力で、あたいの右に出る者はいないよ』

 

深川まとい。火属性の力を最大限引き出せるガンナー。彼女の火力は、タンクのヒーローでさえ、容易く溶かす。

 

「……まとい。一緒に戦ってくれ…!」

 

『二番目ってのは良いんだか、悪いんだか……まぁ、あんたに頼られるのに、悪い気はしないよ』

 

……鍵が、外れた。

 

「……召喚、解析……来てくれ、まとい!!」

 

その瞬間、俺の目の前で爆発的な火花が散った。

 

電子的な爆音と共に、巨大な円筒状の得物を担いだ、真っ赤な法被姿の少女が、硝煙の中から不敵に笑って現れた。

 

「あたいがやって来たからには、覚悟しなっ!」

 

 





二番目のヒーローって誰出せばよかったんすかね。

流石にコラボキャラは早すぎるし強すぎるしで飛ばして……アタリに続くならスプリンター以外の誰か……【ジャスティス】か、【リリカ】か、【ジャンヌ】か、【まとい】で……厳正なるルーレットの結果、まといちゃんになりました。

最初は一応ジャンヌを登場させようと思ってて書いてて、それが保存ミスでパーになっぢゃづだんで…!

「姉御と少年パーティー……ハッ!」

「通報しますた」

「通報しますた」

ちなみに、火球を使ってた嫌味な少年クンの転移特典は【炎ノ神】というやつです。
炎に関する魔法ならば最も効率的に最も強力に昇格することができる能力です。しんぷるいずべすとってやつやね!
簡単な例で例えれば……

ドラクエでメラを撃ったのに、メラゾーマと同じ威力になってるみたいな感じです。はい、ばけもんですね。でもまだバリバリの初心者なんで、はい、少年クンはまだ全然強くないです。殺すなら今ってだけです。

少年クンは火球を飛ばしてるつもりですが、その火球の本来の姿はマッチの火程度のモノです。だから、【炎ノ神】が最大限発動されて火球になってるだけなのです。

こーゆー設定考えるの楽しい。でも、書くのは難しい。誰かコンパス二次を増やしてくれぇ……

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