この小説はジェノバさんとイチャイチャしながらエリザちゃんの可愛さを広めるための小説です。
…………検索してもエリザちゃんの小説ぜんぜん出てこないんだもん…書いちゃったよ…。
その夜、私はそれを眺めていた。
流石に生腕はイヤなので今日買ってきた漫画の表紙に移した令呪である。無論、未召喚の夢のある令呪だ。
ちなみに姫子さんは昼寝中である。うん、吸血鬼が夜に"人や原初の一もダメにするソファー(made in JENOVA)"でスヤスヤと寝ているのだから正しいな。
「ふむ…」
聖杯戦争。まあ、流石に現在野良呪術師の私と言えどそれぐらいは知っている。
聖杯を求める七人のマスターと、彼らと契約した七騎のサーヴァントがその覇権を競い、他の六組が排除された結果、最後に残った一組にのみ、聖杯を手にし、願いを叶える権利が与えられる。
と言うか、魔術協会関連施設の何処かしらにデカデカとポスターが貼ってあるので一度でも関わりがあれば誰だって知ってる。
その後、ジェノバに聖杯戦争の裏については教えてもらったのでそれを要約するとこうだ。
冬木の聖杯戦争のシステムを作り上げた御三家の本来の目的は、サーヴァントとして召喚した英霊の魂が座に戻る際に生じる孔を固定して、そこから世界の外へ出て『根源』に至る事。
小聖杯は溜め込んだ七騎分をもって大穴を空けるためにある。
まあ、始めから破綻しているような計画な気がしないでもないが、御三家はその為に頑張っているなら良いのだろう。こちらはサーヴァントと共に六騎倒した時点で使えばいいだけだからな。
と言っても、私の今の望みなんて一騎倒した時点で使えば十分な気がしないでもない。ズバリ家の改築である。
兎も角、聖杯が願望器であることには代わり無いので問題あるまい。御三家に呼び出されたサーヴァントは気の毒と言う他ないが。
それに数年前は私も本気で聖杯を取ろうと色々やっていたこともあったのだ。まあ、結局途中で求める理由が無くなったので止めたのだがな。
まあ、そんなこんなで1~2年程前の私も…冬木に住んでいる訳だし参加しようかなー、等という安直なことを思っていたのだが、ジェノバから衝撃の事実が伝えられたのだ。
なんと現在の聖杯は穢れていて願いをマトモに叶えない"聖杯くん"になっているらしい。
このまま家の改築を聖杯くんに願えば局地的な地盤沈下か何かで、店ごと潰れてしまうそうな……なんと恐ろしい…。
と、言うわけで触らぬ神になんとやら精神で、私は第4次聖杯を対岸の大火事の如く傍観し、街が危なくなれば家ごと転移などと考えていたのだが……なんの因果か今日になって聖杯くんを教えてきた張本人が令呪を持ってきたのだ。
ちなみに張本人の彼女は現在、私の隣で細やかな笑みを浮かべながら正座していたりする。
まあ、聖杯がダメなら参加する意味もないからな。明日の朝、遠坂家にでも届けて恩を売りに行…。
『あなた』
「ん?」
『抱いてくれたり、店番を一緒にしたりしてくれるあなたも好きですが……』
ジェノバは私の手を握り、花が咲いたような笑顔になった。
『呪術師として戦っているあなたが一番好きです』
「………………」
それを聞いた私は無言で立ち上がると台所に移動した。
一般的な日本料亭の厨房程の広さの台所の一角で足を止める。
そこにはかなり大きめのぬか漬けの壺が置いてあった。
だが、可笑しなのは蓋に乗せてあるのが石ではなく、1.6~1.7m程の妙に長い木箱なことだ。
私はその箱を持ち上げ、肩に担ぐと居間へと戻り、机の上の令呪の隣に優しく置いてからジェノバへと向き直り、頭を垂れた。
「あなたの呪術師はここに」
『わーい』
皆言いたいことはあるだろう。だが、君達に私はこの言葉を贈りたい。
男はみんな……ヴァカなんだ!
◆◇◆◇◆◇
と、言うわけで現在、私の右腕の甲に移されたのだ聖杯戦争の参加資格である令呪だ。
よし、これで肉た…デコ…前衛を受け持ってくれるサーヴァントさえ引ければ私もそれなりに戦えるだろう。まあ、問題はサーヴァントに私の全力の魔術礼装が効くかどうかだが……物は試しだな。
『ああ、そうでした。残っているのはキャスターだけですね…………清々しいほど嫌そうな顔をありがとうございます』
ジェノバはキャスターと言った瞬間の私の苦悶の表情を受け取ったのか、急に笑顔になり、皮肉混じりのお礼を言ってきた。
だってお前…キャスターだぞ…ムーンセルチャンネルで一、二回戦敗北必死のキャスターだぞ…三回戦まで進んだ試合を数える程しか見たこと無いぞ…。
「そもそも私の呪術は本来は相手から2~4kmぐらい離れて使う呪術だから前衛がいないと…な」
『無いものは無いから仕方ないですよ。それにあなたも封印指定候補まで上がった呪術師何ですから誇りを持ってください』
そう言うとジェノバは少し口を尖らせ、私へ非難の視線を送った。
『昔はそれで正面から突撃しながら死徒や魔術師を何百体も葬ってきたではありませんか』
「ほら、昔はさ…一人だから無理できたんだ。でも今は君がいるから」
そう言って私はジェノバを抱き寄せる。
昔は死ぬのが怖くて不死身になる方を探していた。
そして、死徒を殺し、魔術師を殺し、屍の山の果ての先に最愛の君を見つけ、今こうして抱き締める事も出来る。
君のお陰で不死身に極めて近い身体も手にした……だが、遠ざかる所か昔以上に死が怖くなった。
なぜなら君と永遠に離れることになるからだ。私と違って君は遥かに強く美しい。だから死ぬとすれば私だろう。
だから私は死が怖い…いや、君といれなくなるのが怖いんだ。
『シンラさん…』
ジェノバは私に抱き締められながら、逆に私の首に腕を絡めて抱き着くと頬にキスをしてきた。
『うふふ、仕方ないですね。
「バレたか…」
『もちろんです。手をこちらに』
私は言われるがまま、ジェノバに令呪が刻まれた手の甲を向けた。
ジェノバの人差し指が蒼く光り、そのまま令呪に触れ、細い指輪が甲をなぞる。
さらに回すような動作を繰り返すと1分も立たずに手を膝に戻した。
『終了です』
「それだけ?」
『はい、召喚されるのはキャスターですが一つそれなりのスキルを付け足したのでちゃんと盾にもなります。その代わり聖遺物等を使って固定のサーヴァントを呼び出すと本来より弱体化しますので、何も使わずに呼び出してください。これでスキルに適した上で今のあなた、それか昔のあなたに近い生涯を送った、或いは思想を持った英霊が召喚出来ますよ』
「そうか、すまんが召喚を手伝ってくれないか?」
『はい、喜んで』
私はどうも魔術工房等を作ることには向いていないため、自分の部屋ではなく、ジェノバと庭先に向かって行った。
◇◆◇◆◇◆
「ふーん、あなたが私のマスターね。顔は…まあまあ…中々…」
約30分後、庭に一人の少女がマイクスタンドのような槍のような何かを持ちながら立っていた。いや、これを少女と形容しても良いのだろうか?
その容姿はコケティッシュな衣装を身にまとった赤髪の少女だ。
だがその反面、頭に生えた禍々しい角、鋭く尖った赤い指、二股に分かれた尻尾と、まるで人と何かの間の子のような容姿をしていた。
なにやら一人でごにょごにょと喋っているが生憎、私の聴力は人間相応なため、聞き取れない。
ちなみに初顔合わせは1対1でしたいと私が願ったため、ジェノバは家の中に戻っている。
「魔力も上質…言うことないわね」
どうやらお気に召したらしい。しかし、これがサーヴァントか…イメージが違うような…。
そこでムーンセルチャンネルに出てくる個性豊かな英霊が頭を過った。
……いや、だいたいこんなものか。
「良いわ、特別に
次の瞬間、彼女は両手を広げ、空に身を掲げるように無い胸を張ると高らかに声を張り上げた。
「雷鳴とどろくヤーノシュ山より舞い降りた鮮血の唄歌い! 私こそハンガリーにその名も高い、"エリザベート=バートリー"よ!」
「……………………」
言い終わり、決まった…と言った様子のドヤ顔をしている彼女もといエリザベート=バー…長いな、ならエリザちゃん。
私はとりあえず盾に出来るか、ステータスを確認する事にした。
真名:エリザベート=バートリー
クラス:キャスター/ランサー/バーサーカー
属性:混沌・悪
マスター:
ステータス:
筋力A 耐久A 敏捷B
魔力A 幸運B 宝具E
保有スキル:
三重召喚:★
陣地作成:B
狂化:E-
対魔力:A
戦闘続行:B
カリスマ:C
精神異常:A
竜の息吹:E
拷問技術:A
無辜の怪物:A
頭痛持ち:A
………………キャスターってなんだっけ?
スキル説明:
二重召喚:Rank B
アサシン (Apocrypha・赤)
二つのクラス別スキルを保有することができる、極めて希少なスキル。
↓
三重召喚:Rank ★
二重召喚が暴走して生まれたスキル。Rank測定エラー。三つのクラス別スキルを保有することができる、ではなくクラス自体を2つ追加するチートスキル。ジェノバ曰く、令呪を少し(※少しの基準には個人差があります)改造すればどんな英霊にも付けられるらしい。当たり前だが三つのクラス召喚適性が無いサーヴァントに付加したとしても、クラススキルは増えるが付け焼き刃にしかならないだけでなく、生前と全く違う事を強いるために寧ろ総合的な能力がかなり下がってしまう。
エリザの場合はキャスターに加え、ランサーとバーサーカーのクラスを持つ。
これにより"ぼくのかんがえたさいきょうのエリザちゃん"になっております。
まあ、こうでもしないとあの味方だと妙に強いエリザちゃんを出せなかったんです許してください。