私の妻が人外過ぎて地球がヤバイ   作:ちゅーに菌

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いつかフランちゃんの心の内を書きたいですね。

ちなみにサーヴァントで召喚されたフランちゃんと、今のフランちゃんでは思想がかなり代わっております。


作戦会議

 

とりあえずフランケンシュタインの怪物ちゃん(仮名)に棺桶から立ち上がって貰った。

 

「………………」

 

身長172cmってところか…意外とデカいな…まあ、姫子さんより5cm大きいだけだが。

 

「まあ、君も聞きたい事や、言いたい事ががあるだろう。着いて来てくれ」

 

「………………」

 

私がそう言うと、彼女は戦槌を握り締めながらも黙って私の後をテクテクと着いてきているようだ。

 

随分、可愛らしい怪物もあったものだなどと思いながら私はジェノバがいるであろう居間へと足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ、私を無視しないでよ!?」

 

そう言えば倉庫にアイドルが落ちていた事を今、思い出した。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

『なるほど…倉庫の人造人間が復活したということですね。ほほう…科学と魔術の合体生物とは…中々ロマン溢れますねぇ』

 

「………………」

 

フランケンシュタインの怪物ちゃんはジェノバさんに身体中を触られながらも私の隣に座っていた。

 

しかし、フランケンシュタインの怪物ちゃんはいくらなんでもかなり長いな…。frankensteinの頭を取ってfran(フラン)ちゃんで良いか。

 

『それはそうとシンラさん?』

 

「はい?」

 

ジェノバは振り向くと笑顔で私に問い掛けた。

 

『あんな素敵な倉庫があるなんて私、知らなかったのですが?』

 

「いや……その…なんというか……すまん…」

 

その笑顔の裏には有無を言わせない、明らかな威圧を感じ、思わず謝ってしまった。

 

『共有財産って知ってます?』

 

「……好きなモノ持って行ってください」

 

『うふふ、大好きです。シンラさん』

 

あ、でもブラックバレルだけは持っていかないでください。

 

その後、ジェノバは暫くフランちゃんの身体をペタペタと触っていた。

 

ちなみに姫子さんは倉庫にある神代の素材が懐かしいかったそうで、倉庫を見ているそうだ。

 

ついでにエリザちゃんはジェノバが出したパフェを食べながら、フランちゃんとは反対側の私の隣に大人しく座っている。

 

『ふむー、北極の海底に放置され過ぎたせいか言語機能の一部が完全に壊れていますね』

 

「喋らないのではなく、喋れないのか」

 

『修理出来ないこともありませんが、家どころか冬木にあるものでは素材が足りませんよ』

 

「そうか…それは残念だ」

 

『それにしても掘り出し物とはこの事ですね。ガルバニズムによる第二種永久機関も滅多に手に入りませんし』

 

その永久機関をたまに見るような口振りは流石ジェノバと言ったところか。

 

「掘り出し物?」

 

エリザちゃんの呟きを聞いたジェノバはフランちゃん、私、エリザちゃんが座る位置とは反対側に移動した。

 

『そうです。何せ彼女の能力をサーヴァント基準のステータスに照らし合わせると…』

 

ジェノバは何処からともなく現れたホワイトボードにキュッキュッとペンを走らせると何かを書いた。

 

筋力D 耐久C 敏捷D

魔力D 幸運B 宝具C

 

『ぐらいが妥当なところです。でも、筋力は限り無くCに近いDで、耐久は限り無くにBに近いCと言ったところでしょうか』

 

「私より宝具のランクが高いじゃない……生意気ね」

 

エリザちゃんが何か言っているが、あれでランク:Dとランク:E-とかふざけているて思うのだが……と言うか両方使用した場合の暫定威力ってランク:A以上の対軍宝具に匹敵するだろう。しなかったら対軍宝具が可哀想だ。

 

そのことをエリザちゃんに伝えると"も、もちろん、当たり前じゃない!"などと言って気を良くしていた。

 

…………チョロい。

 

「1対1の対戦ではキャスター以上、アサシン程度の強さですがそれ以前に、この娘はサーヴァントではないので素晴らしいアドバンテージです」

 

アサシン…だと…? アサシンってムーンセルチャンネルあれだろ? 无二打(二の打ち要らず)により、一撃でサーヴァントを沈める最強のクラスだろ? あんなのと同等なのか…?

 

いや、その前に私の自己満足の聖杯戦争に参加する義理は無いだろ。

 

そんなことを考えていると、フランちゃんが私の服の裾を弱く引っ張ていた。

 

フランちゃんと私の目が合うと、フランちゃんは口を開いた。

 

「……ナァァ……」

 

………………ふむ、そうか。

 

「どうやらフランちゃんは私が拾ったのだから責任を取って欲しいらしい」

 

「……ヤァァ……」

 

「こ、言葉わかるの?」

 

エリザちゃんが目を丸くしている。

 

ジェノバの方はやっぱりか、とでも言いそうな顔だ。

 

何せフランちゃんの生きていた時間から約200年経っているわけだ、フランちゃんには行くところも、住むところも、知人も無いも居ないだろうからそれは当然の事だな。まあ、当時のフランちゃんのことなど毛ほども知らんが。

 

「それなら勿論だ。私は拾ったモノは中々捨てれない質でね。寧ろイヤと言っても居て貰うぞ?」

 

というかまだ、アトラス院の錬金術師共に自慢もしていないのに放り出すわけが無い。クククッ…アイツらの悔しがる顔を思い浮かべるだけでメシがウマイ。

 

そう言うとフランちゃんの機械的な虚ろな瞳が少しだけ輝いたように見えた。

 

「!!……ナァァ…オゥゥ!……」

 

「ならここに居たいそうだ。居させてくれればその分働くとも言っているな」

 

そう言うとフランちゃんはコクりと頷いた。

 

「ちょ……なんで会話が成立してるのよ!?」

 

エリザちゃんがクリームの付いたスプーンを私にビシッと突き付けて来た。

 

お行儀悪いから止めなさい。

 

能力なのかは微妙なところだが、私が青年だった頃、修業の場にしていた場所に巨大な菩提樹の木があるのだが、そこに時より現れるインド人風の師匠から武術を教わっていたのだ。

 

その頃からだろう。言葉にならない言葉を読み取れたり、動物に妙に好かれたり、霊などに手で触れられるようになったりしたのである。まあ、これらは仕事ぐらいでしか役に立たないがな。

 

「え? あなた魔術師なのに武術も使うの!?」

 

「教官時代の口癖だが……代行者が地を蹴り、黒鍵を振りかざすのに対し、魔術など詠唱していてどうする? 殺し合いにそんな暇は無い」

 

そんなのだから執行者の死人が多過ぎて、埋葬機関みたく、機関として成立しないんだ全く…。

 

そう言えば私の師匠は、午前6時から訓練。相手を倒すことではなく、自律を学ぶ。自身の中心点を探す。神聖な練習場所では、師匠を信頼して全てを委ねる。水を飲むのも汗を拭くのも師匠に尋ねてから等々、インド人風なのに中国武術みたいな掟の数々。

 

乳粥を異様な頻度で差し入れして来る。

 

金勘定に妙に厳しく、笑顔が怖い。

 

と謎の人物だったな…。

 

そう言えば私の前から姿を消した最後の時に…。

 

 

 

"また、会いたければ2006年から立川に来い"

 

 

 

と、よくわからない事を呟いていたが一体なんだったのだろうか?

 

「へー」

 

エリザはその話は興味がないらしく、イチゴを転がしていた。

 

『シンラさんは大物に好かれる体質なんじゃないですか?』

 

「なんだそれ?」

 

「私もビックアイドルだものね! 光栄に思いなさい!」

 

『2006年までは知らない方が人生楽しいと思います』

 

そう言ってジェノバはエリザちゃんの自己主張をスルーし、ホワイトボードを片付けてから戻ってきた。

 

『ならフランちゃんは戦力に数えるとして何か作戦でも立てますか? あ、フランちゃんのメンテナンスと"改造"は私におまかせください』

 

改造、と言ったときにジェノバがとても嬉しそうな声色だったような気がするが気のせいだろう。気のせいだと思い込もう。

 

ジェノバがフランちゃんに、"ラピスレーザーとロストブローどちらが良いか選ばせてあげます"とか聞いている気がするが気のせいだ。

 

フランちゃんの助けを求めるような視線に心が痛むが、ここが正念場だ。

 

「作戦か…」

 

昔の私なら無縁な事だ。と、言うよりも執行者の性質上、相手を追撃するとか、魔術工房を襲撃するとかの状況が殆どのため、状況判断による臨機応変な対応こそがものを言う世界だったからであるがな。

 

まあ、聖杯戦争では作戦なども必要なのだろう。

 

私がフランちゃんを眺めると、視線に気付いたフランちゃんが無機質な視線を送ってくる。

 

「フランちゃんをサーヴァントに擬態させるとかどうだ?」

 

『霊体化出来ないサーヴァントなどもいるので見た目と、性能でバレることはないでしょうが、他のマスターがステータスを確認すれば一発でバレますね』

 

「そうか…やはりムリか」

 

『なのでそれを逆手に取るのです。逆に言えばステータスさえ、見られなければわかりません。それに幸いにもこの娘は科学と魔術により生まれた人造人間ですから、ただの魔術師が正体を見抜くのは不可能でしょう。それと…』

 

ジェノバの指に小さな魔弾が出現し、それをフランちゃんへと放った。

 

すると途中までフランの頭に直進していた魔弾は、流れるようにフランちゃんの丸い戦槌へ軌道を変える。

 

「あだだだだだ!?」

 

さらに当たる直前で魔弾は電気へと姿を変えると、電気は私の頭上を通り抜け、エリザちゃんの胸に命中した。

 

まあ、アイドルだから大丈夫だろう。

 

「な、なにすんのよ!?」

 

「……ウィィィ……」

 

抗議の声を上げるエリザちゃんに対し、フランちゃんはそっぽを向きざまあみろと声を上げた。

 

どうやら槍で突かれた事を根に持っているらしい。思ったより、フランちゃんは黒いモノを抱えているようだ。

 

『このように、対キャスター&魔術師戦においては無敵でしょう』

 

「へえ…?」

 

「ほう…」

 

キャスターことエリザちゃんが槍を取り出し、魔術師こと私が指を鳴らし始めた。

 

『…………一部、例外もあります』

 

だろうな。

 

『兎に角、このガルバニズムにより、実体のない攻撃に対しては無敵。さらにガルバニズムを使い、身体から微弱な魔力を放出させれば、誰が見てもサーヴァントに見えるでしょう。よって認識阻害の魔術礼装を装備させ、ステータスの確認を妨害しおけば立派なサーヴァントになりますよ』

 

なるほど…確かにフランちゃんは現代に生きる英霊だし、能力も強力だ。ステータスさえ、確認されなければ立派なサーヴァントに見えるだろう。

 

だが、強力な認識阻害の魔術礼装か…そんなの…。

 

ふと、私は倉庫の中にあるこれまで殺してきた魔術師から剥いだ魔術礼装を思い出した。

 

……心当たりが多過ぎるな…。

 

『まあ、キャスターのサーヴァントともなればそんな小細工は無意味ですが……』

 

私とジェノバの視線がエリザちゃんに向いた。

 

エリザちゃんはブツブツなにか言いながらも、パフェを美味しそうに頬張っている。意外とイチゴは最後までとっておくタイプらしい。

 

「イケるな……」

 

『イケますね』

 

そんなこんなで当面の作戦が決定した。

 

 

 

 

 

 

その夜、食後にファミコンボックスの対戦ゲームでエリザちゃんがことある毎に声を上げ、それをフランちゃんが……ウィィィ……等と言いながら鼻で笑うような声を漏らしていた頃。

 

ジェノバが姫子さんを連れて玄関にいたため、何かと声を掛けたのだが…。

 

『ちょっと、"間桐家"からバーサーカー貰ってきますね』

 

『そういうことだ。留守を頼むぞ』

 

などと言ってそのまま2人で出て行ってしまった。

 

私はその背中を見送る事しか出来なかった。いや、他にどうしろと?

 

まあ、なんだ……。

 

部外者でもマスターを襲撃すれば令呪をもぎ取れるようにした聖杯戦争が悪い。と、思うしか無かろう。

 

そんなことを考えながら明日からは本格的に活動を始めようと決心し、布団に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーおまけー

 

 

「トイレ、トイレっと…」

 

私は雑誌を持ちながらトイレへと駆け込んだ。

 

特に何か理由があるわけでもないが、トイレに雑誌や漫画を持ち込んで読んでいると、気付けば30分ほど時間が経つ事がよくある今日この頃。

 

私は手早く用を足した後、便座に蓋をし、そこに腰掛けた。

 

さて読むかと思い、雑誌を開いた。

 

 

 

____パチン…_

 

 

 

次の瞬間、小さな音が響き、トイレの電気が消えた。

 

停電かと思ったが、扉の隙間から廊下の光が漏れているため、それはないだろう。

 

とりあえず雑誌を便座の蓋の上に置き、外に出ることにした。

 

「………………」

 

「………………」

 

そこには無言のフランちゃんがスイッチの前で佇んでいた。

 

薄暗い廊下に佇む、花嫁衣装のような服装の172cmの女はまるで亡霊のようである。まあ、亡霊など見慣れはているが…。

 

フランちゃんと目が合い、お互い動かない間が出来上がった。

 

なんだかよくわからないが、スイッチを再度付けトイレに戻った。

 

さて…今週のこち亀は…。

 

 

 

____パチン…_

 

 

 

「……ふう…」

 

私はもう一度外に出た。

 

やはり外には世界一可愛い亡霊が佇んでいる。

 

「………………」

 

「………………」

 

そしてこの無言である。言いたいことがあるなら何か言うのが出来る人間だといつか教えてやらねばと思いながらまた、スイッチを押し、トイレの電気を付けるとトイレに戻った。

 

こち…。

 

 

 

____パチン…_

 

 

 

「………………」

 

私は雑誌を閉じると光を失った電球を眺め、ふと思った。

 

 

 

"ああ、成る程これが流行りの節電という奴か"

 

………………。

……………。

…………。

………。

……。

 

「居間で読むか…」

 

「……ヤァァ……」

 

私はどこか嬉しそうに付いてくるフランちゃんと居間に戻ることにした。

 

 

 




主人公が強い理由その1が判明ですね。

まあ、代行者に優位で勝ちたきゃ、こちらも同じ土俵で戦うしか無いですもの。

ちなみにサーヴァントのスキル的にはA+++ぐらいですね。よし、師匠よりは弱いな(白目)。
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