アマタがプルガトリウムにいる真昼をスカウトに行く。
シーンチェンジ、プルガトリウムで真昼との合流を試みる。
プルガトリウムの大地に寝そべりながら、
アマタの話によれば、脱出した夕凪チカコは真昼との間に起こったトラブルを黙秘しているらしい。二人の間で起こったことは本当に個人的なことだから「まぁそうもなる」と真昼も納得していた。夕凪チカコが語らないなら、真昼も語らない。それがせめてもの謝罪だと真昼は考えていた。
「俺が消えるのが、一番なのにね」
『……』
寝転んだまま、真昼はブレザーを着た女の子に黙って見下されている。
いつの間にか寝てしまったのだなと、もうどこにもいない人を見て確信した。
「怒られちゃった。……もう二度と出てこないでよ、
『……』
朝日ちゃんと呼ばれた女子生徒は、少しだけ微笑んで掻き消えた。
「今日は静かだな」
真昼は身体を起こして耳をすませる。
助けを呼ぶ声は、聞こえてこない。代わりに聞こえてきたのは足音だった。
「……また来たのか」
音のリズムや癖から、それがアマタのものだと真昼は察している。今日もアマタがスカウトに来たのだろう。
「何度来ても同じだぞ。俺はもう、どっかで生きていけるような人間じゃ……何持ってんだ?」
嫌なことがよぎりかける。が、振り返ってアマタを目視した瞬間にすり替わった。アマタは見せびらかすように袋詰めにされたポップコーンを持っていたのだ。その腕には、コンビニのマークが入ったビニール袋が引っ掛けてある。こころなしかホットスナックのような油の匂いがした。
「今日は映画でも観ようかと思って」
「……電波あんの?」
「ダウンロードしておきました。何作品かピックアップしたので、お好きなものを選んでください」
どうせすることもない。真昼はスマホに表示されたリストを確認する。何件か目を通しているうち、ピタッと真昼の指が止まった。それは真昼がプルガトリウムに閉じ込められる前、映画館で上映されていたものだ。残念ながらタイミングが合わず、もう見ることは叶わないと思っていた映画がそこにある。
「こ、これ……!!」
「話題作でしたもんね、これ」
さっきまで、あんなに気が滅入っていたのにな。こうやって、少しずつ立ち上がってしまう。それが良いことなのか悪いことなのか、未だによくわからないまま、幕間が始まる。
罪悪感とか落ち込んでいるとき。その場では意外とあっさり誤魔化しがきいて、でもしばらくするとぶり返すのなんなんだろうなという自己嫌悪定期。