エクスデス先生スレに投稿するやつ   作:eriza7170

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アルカディア大暴走レース 短縮版

# エクスデス先生「アルカディア大暴走レースだと?」

 

## 001 アルカディア大暴走レース、発足!

 

「アルカディア大レースだと?」

 

エクスデス先生は、アルカディア社の社長、ヴァーチャの提案に首を傾げた。

 

アルカディアは、キヴォトスで大人気のフルダイブMMO。

ヴァーチャは、先日開催されたチョコボレースと、VRゴーグルで家畜のストレスを軽減する実験から、新たな企画を思いついたのだという。

 

「イチカさんと赤チョコボさんの活躍も参考にしました。抜かした相手や煽った相手にコメットをお見舞いしたそうですね!」

 

「ファファファ! それは聞いておる!」

 

普通なら大問題だが、ゲーム内なら話は別だ。

 

「そこで企画したのが、攻撃魔法も補助も妨害も、グループ参加も自由な、アルカディア大暴走レースです!」

 

「ファファファ! 面白い! 許可しよう!」

 

「ただし、痛みはゲーム内の演出に限定すること。現実の怪我につながるような仕組みは認めんぞ」

 

「もちろんです!」

 

こうして、キヴォトスに新たな火種が投下された。

 

## 002 巻き込まれるイチカ

 

「え、私とヴァルカンスターがアルカディアでレース?」

 

シャーレに呼び出されたイチカは、分厚い参加者名簿を見て頭を抱えた。

 

そこにはロアヒカセンとアルティマ、ブロントさんとキングべひんもす、暴走族、グラシャラボラス、補習授業部、さらには車で参加するセイアの名前まで並んでいた。

 

「まともなレースになる未来が見えないっすよ……!」

 

「ファファファ! ゲームの中なら、思う存分ストレスを発散できるではないか!」

 

隣のヴァルカンスターも、どこか嬉しそうに鳴いた。

 

「……まあ、ヴァルカンスターが乗り気なら、仕方ないっすね」

 

イチカは覚悟を決めた。

 

このとき彼女は、相棒がどれほど本気なのか、まだ理解していなかった。

 

## 003 開幕、アルカディア大暴走レース!

 

「さぁ! アルカディア大暴走レースのお時間が参りました!」

 

スタートラインには、チョコボ、車、戦車、そして巨大な機関車まで並んでいた。

 

ロアヒカセンのアルティマは、戦闘能力と継戦能力を兼ね備えた強豪チョコボ。

ブロントさんのキングべひんもすは、巨体と圧倒的な破壊力を誇るモンスターの王。

そしてイチカのヴァルカンスターは、隕石すら降らせる赤チョコボである。

 

補習授業部のクルセイダー戦車には、なぜかロールケーキが装填されていた。

グラシャラボラスの後部車両には、さまざまな兵器が積み込まれている。

 

「位置について……スタートォォォォッ!」

 

号砲と同時に、参加者たちが一斉に飛び出した。

 

アルティマは巧みに障害物を避け、キングべひんもすは巨体で蹴散らし、ヴァルカンスターは車両を飛び越えて加速する。

 

「ちょ、ちょっとヴァルカンスター!? 速いっすよ!」

 

その横を、クルセイダー戦車が猛スピードで追い抜いていった。

 

「ロールケーキ、発射!」

 

砲撃された巨大なロールケーキがモブ参加者の前に着弾し、コースをクリームまみれにする。

 

そこへグラシャラボラスの汽笛が響いた。

 

――ボォォォォォッ!!

 

機関車は減速するどころか、兵器を撃ちまくりながら突進してきた。

 

「なんでレースに機関車がいるんだよぉぉぉ!」

 

## 004 隕石と暴風、そしてクリーム

 

先頭集団では、アルティマとヴァルカンスターが激しい競り合いを始めていた。

 

「アルティマ、迎え撃て! チョコキック!」

 

鋭い蹴りを赤チョコボが回避すると、アルティマはチョコケアルで体力を回復する。

 

だが、ヴァルカンスターも負けてはいなかった。

 

「チョコメテオォォォッ!!」

 

空から無数の隕石が降り注ぎ、コースにクレーターを刻んでいく。

 

「ファファファ! やりおるわ、赤チョコボ!」

 

エクスデス先生が笑う中、キングべひんもすも黙ってはいなかった。

 

「ミールストーム!」

 

暴風が巻き起こり、障害物もモブ参加者もまとめて吹き飛ばされる。

 

「俺たちはレースをしに来たんだぞぉぉぉ!」

 

一方、キングべひんもすとグラシャラボラスは並走しながら激突寸前の攻防を繰り広げていた。

 

そこへクルセイダー戦車が割り込む。

 

「ロールケーキ、発射!」

 

巨大な菓子が両者に命中し、モンスターの王も機関車もクリームまみれになった。

 

「……何をしているのだ、あの戦車は」

 

「勝てばいいんです!」

 

補習授業部は大真面目だった。

 

## 005 第二セクション、魔境地帯!

 

隕石で穴だらけになったコースの先に、巨大なゲートが現れた。

 

《第二セクション:魔境地帯》

 

そこには溶岩の川、浮遊する足場、巨大な岩山、空飛ぶモンスターが待ち受けていた。

 

「これ、誰が作ったんすか!?」

 

『私だ! 冒険と競争の楽しさを融合させた新コースです!』

 

「融合させれば何でも許されるわけじゃないっすよ!」

 

地面が突然沈み、モブ参加者たちがトランポリンで空高く打ち上げられる。

 

一方、先頭集団はそれぞれの方法で難所を突破していった。

 

アルティマは溶岩を飛び越え、転がる岩を紙一重で回避する。

キングべひんもすは岩壁を粉砕したが、飛び出してきた巨大な振り子に吹き飛ばされた。

 

「次は貴様が吹き飛ぶ番だ!」

 

怒ったキングべひんもすが振り子を破壊すると、ヴァーチャ社長は新たな攻略法の発見に喜んだ。

 

クルセイダー戦車は最短ルートを選び、巨大なループ状の坂道を駆け上がって宙返りを決める。

 

そしてグラシャラボラスは、坂道を登る代わりに崖を突き破って進んでいた。

 

「機関車は線路を走るものではないのか!?」

 

ブロントさんの叫びもむなしく、機関車は答えずに突き進む。

 

## 006 赤チョコボと少女の意地

 

ヴァルカンスターの前に、巨大な谷が現れた。

 

「さすがにこれは無理じゃないっすか!?」

 

イチカが手綱を引こうとした瞬間、赤チョコボは迷わず跳躍した。

 

「うそでしょぉぉぉ!」

 

必死にしがみつくイチカを乗せ、ヴァルカンスターは谷を飛び越える。

 

着地したイチカは、相棒の誇らしげな鳴き声を聞いて笑った。

 

普段は仕事に追われ、好き勝手に走ることも難しい。

だが今は、誰にも迷惑をかけない仮想空間で、相棒と全力で走れるのだ。

 

「よーし! このまま一着を目指すっすよ!」

 

ヴァルカンスターはさらに加速した。

 

その先には、アルティマたちが待っている。

 

## 007 最後の直線、そして伝説へ

 

魔境地帯を抜け、五者がほぼ同時に最終直線へ突入した。

 

アルティマ。

キングべひんもす。

ヴァルカンスター。

クルセイダー戦車。

グラシャラボラス。

 

「最後の勝負だ!」

 

「ここで負けるわけにはいかんな!」

 

「ヴァルカンスター、ぶっちぎるっすよぉぉぉ!」

 

五者は全力でゴールへと突き進んだ。

 

観客は立ち上がり、実況者はマイクを握り締め、シャーレの職員たちは無事なゴールを祈った。

 

「ファファファ! これぞ競争! これぞ大暴走レースよ!」

 

そして五者がゴールラインに到達した瞬間、なぜかコース上空で大爆発が起きた。

 

煙が晴れると、全員がゴールの向こう側にいた。

 

モニターに結果が表示される。

 

《第一位:判定不能》

《同着判定:複数参加者》

《原因:ゴールライン付近における同時到達およびコース破損》

 

「「「「「なんだそれぇぇぇぇぇ!!」」」」」

 

五者の叫びが重なった。

 

## 008 閉幕、そして伝説へ

 

レース終了後、シャーレの会議室には大量の報告書が積み上がっていた。

 

「先生、今回のレースはいかがでしたか?」

 

ヴァーチャ社長の問いに、エクスデス先生は満面の笑みで答えた。

 

「ファファファ! 実に素晴らしかった! 参加者たちは全力を尽くし、最後まで走り抜いた!」

 

「では第二回を――」

 

「その前にコースの修復費用と、参加者への説明について話し合いましょう」

 

職員の冷静な指摘に、ヴァーチャ社長はそっと目を逸らした。

 

その後、アルカディアの掲示板ではレースが大評判となった。

 

『機関車が崖を突き破るゲーム、初めて見た』

『戦車が宙返りしてたんだが』

『赤チョコボのチョコメテオ、あれ本当にレースか?』

『優勝者なし? いや、全員優勝でいいだろ!』

 

最終的に、アルカディア社は参加者全員の健闘を称え、全員優勝と発表した。

 

「楽しかったっすね、ヴァルカンスター」

 

イチカが首を撫でると、赤チョコボは嬉しそうに鳴いた。

 

「……まあ、次も参加するかは考えものっすけど」

 

しかし、ヴァルカンスターはすでに次のレースを期待しているようだった。

 

そしてシャーレでは、エクスデス先生が新しい企画書を取り出していた。

 

《アルカディア大海戦》

 

「もうやめてください!!」

 

職員たちの悲鳴が響き渡る。

 

こうして、コースは壊れ、機関車は走り、戦車は飛び、チョコボは隕石を降らせた伝説のレースは幕を閉じた。

 

アルカディアでは、何が起きてもおかしくない。

 

なぜなら――

 

「ファファファファファ!」

 

エクスデス先生が、そこにいるのだから。

 

**――第一回アルカディア大暴走レース、完。**

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