エクスデス先生スレに投稿するやつ   作:eriza7170

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サイバシスターズVSシュポラボラス ブラッシュアップ版

サイバーシスターズVSシュポラボラス

 

『さぁさぁさぁ! 至点の座アルカディアへよぉぉぉうこそおおおおおお!!!!!!』

 

ワーギャーという歓声と爆発音が、至点の座アルカディアを埋め尽くしていた。

 

今回行われるのは、アルカディアでもトップレベルに位置するプレイヤー同士による特別試合。

 

もはやこの時間は、キヴォトスにおいて切っても切り離せない一大イベントとなっている。

 

どこの学校の生徒であろうと、映像を表示できる端末さえあれば、その視線はアルカディアへと釘付けになる。

 

見せてもらうか。

 

あるいは自分から見るか。

 

――そもそも「見ない」という選択肢が存在しない。

 

それが、至点の座アルカディアの生放送である。

 

『今回の試合はなあああああああああんんんんんとおおおおおお!?!?!?』

 

『双子のプレイヤァァアアア!!!! 同士による!!! 対決だああああああああああああ!!!!』

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

 

アルカディア中から歓声が巻き起こる。

 

初見の観客も、長年アルカディアを見続けている観客も、興奮を隠せない。

 

プレイヤーは数多く存在する。

 

だが、ランキング上位に名を連ねるプレイヤーの中で、「双子」と呼ばれる組はそう多くない。

 

そして今回――そのうち二組が、ついに激突する。

 

『エエエエエチイイイイイイム!!!』

 

『恐怖の遊園地の姉妹!? 兄弟!? いや強大なモンスターを召喚獣にした、ミレニアムのトラブルメーカーたる姉妹!!!!』

 

『サイバアアアアアアシスタアアアアアズ!!!!!!!!!!』

 

「うわぁ……すごい注目の的にされてる」

 

モモイが若干引き気味に観客席を見回す。

 

その隣でミドリはオッズ表を確認していた。

 

「見て、お姉ちゃん。オッズ表、私たちのほうがちょっと倍率高いよ」

 

「なにをぉ!?」

 

モモイが目を見開く。

 

「ここはサイバーシスターズの力を見せないとだね!」

 

「うん。絶対に勝とう、お姉ちゃん」

 

二人が意気込む。

 

その一方――。

 

『ビイイイイイチイイイイイイム!!!!』

 

『シュッポシュッポと参上した! 本体名はグラシャラボラス!』

 

『お客様を運ぶ列車が、今宵は相手を倒しに運命を運ぶ!』

 

『シュポラボラスの登場だああああああああああああああああ!!!!!!!!!!』

 

巨大な列車型召喚獣が、蒸気とともに姿を現す。

 

その圧倒的な巨体に、観客席から再び歓声が上がった。

 

「パヒャヒャ! なんか適当に考えといてーってお願いしたわりには、ちゃんと言ってくれるじゃん?」

 

「センスありありー?」

 

「ナシナシー?」

 

二人はそんな会話をしながら、堂々とフィールドへ歩み出る。

 

そして――。

 

『今回行われる試合はイベント戦!』

 

『どちらかの陣営が考案したギミックを駆使しての特殊ルールとなります!』

 

『運命のサイコロはどっちだあああああああああああああああ!?!?!?』

 

巨大なサイコロがフィールド中央へと転がっていく。

 

ガラガラガラガラ……。

 

そして――。

 

止まった。

 

表示された面は――B。

 

『今回はビイイイイイチイイイイイイム!!!!!!』

 

『フィールドが無限線路に変化するぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』

 

瞬間。

 

デジタルデータを読み込むかのように、フィールドの風景が一気に書き換えられていく。

 

足元に伸びるのは、どこまでも続く線路。

 

周囲には深夜の森林。

 

月明かりすら届かない暗闇の中、線路だけがどこまでも続いている。

 

そして――。

 

「……あれ?」

 

モモイが周囲を見回す。

 

「グラシャラボラスは?」

 

気づけば、シュポラボラスの姿がない。

 

モモイとミドリは線路のど真ん中に立っていた。

 

「とりあえず横に――」

 

二人が線路から離れようとした、その瞬間。

 

バチリッ!!!

 

「うぎゃー!?」

 

モモイの身体から火花が散る。

 

「HP減った!? なにこれ、横に逃げられないの!?」

 

「お姉ちゃん!」

 

ミドリが慌てて周囲を確認する。

 

「これ……線路から離れられないんじゃない!?」

 

「えっ!?」

 

「相手を更に考えると……」

 

ミドリが青ざめる。

 

「列車ってことは……!」

 

「ま、まさか!?」

 

――シュッポ。

 

――シュッポ。

 

遠くから音がする。

 

深夜の森林という静寂に、あまりにも不釣り合いな音。

 

――シュッポ。

 

――シュッポ。

 

そして。

 

『ポオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!』

 

汽笛。

 

木々の隙間を突き破るようにして、巨大な影が姿を現した。

 

それは列車。

 

ただの列車ではない。

 

召喚獣としての圧倒的な質量を持った、巨大な怪物。

 

その名は――グラシャラボラス。

 

「シ、シロ召喚!!!」

 

モモイが叫ぶ。

 

「お姉ちゃん! 手とって!」

 

「うわわわわわわわわ!!!」

 

シロの大玉が出現。

 

二人はその上へ飛び乗った。

 

転がる。

 

転がる。

 

ひたすら転がる。

 

もしここでクロまで召喚していれば、列車と大玉による大規模な追走劇になっていただろう。

 

しかし――今回はシロだけ。

 

列車と正面から勝負するには、あまりにも分が悪い。

 

それがモモイの判断だったのか。

 

それとも単純に、慌てすぎてクロを呼ぶ余裕がなかったのか。

 

いずれにせよ――。

 

運命のいたずらは、一つの答えを導き出した。

 

「「グラシャラボラスー! とっしーん!!!」」

 

「「うわああああああああああああああああ!!!!!!」」

 

轟音。

 

グラシャラボラスがシロの大玉へと突撃する。

 

巨大な質量同士が激突し、シロの大玉はあっさりと弾き飛ばされた。

 

その勢いでモモイとミドリまで空中へと放り出される。

 

「あわわわわわわわわわー!!!」

 

だが。

 

「――よっと!」

 

モモイが落下していくシロの大玉へ再び飛び乗る。

 

そのまま着地。

 

そして再び転がり始めた。

 

「ミドリ!」

 

「うっ!」

 

ミドリもなんとか大玉へ飛び乗る。

 

「ありがとう、お姉ちゃん!」

 

二人乗りの大玉が、夜の森林を駆け抜ける。

 

いや――転がり抜ける。

 

一方は巨大列車。

 

一方は大玉に乗った双子。

 

サーカス芸と巨大兵器による、意味不明極まりない追走劇。

 

だが、それこそがアルカディア。

 

観客席は大盛り上がりだった。

 

「パヒャヒャ!」

 

グラシャラボラスの車体から、突然――。

 

腕が生えた。

 

「ミサイル発射ー!」

 

「ジャイアントー」

 

グラシャラボラスは自らの客車へ腕を突っ込む。

 

そして引きずり出したのは――。

 

四連装ミサイルランチャー。

 

それを左右の腕に一本ずつ装備。

 

「「発射ー!!」」

 

ドドドドドドドドドドッ!!!

 

大量のミサイルが飛び出した。

 

「腕が生えたのも初めて見たし、なにそのイカした武装!!」

 

モモイの目が輝く。

 

「私たちのゲームにも使いたい!!」

 

「とっきょしんせーちゅー」

 

「認可されるかは分かんないけどね!」

 

爆発。

 

爆発。

 

また爆発。

 

「うわあああああああああ!!!」

 

「お姉ちゃん、右!」

 

「右!?」

 

「やっぱり左!」

 

「どっちぃ!?」

 

サイバーシスターズは大玉を乗り継ぎ、乗り継ぎ、ひたすら逃げ続ける。

 

一つの大玉が爆発すれば次の大玉。

 

二人で一つに乗ったかと思えば、今度は二人が別々の大玉へ。

 

時には互いの大玉を踏み台にして方向転換。

 

時には爆風そのものを利用して大きく跳ぶ。

 

その姿はまさに――。

 

大道芸。

 

対するグラシャラボラスは、ミサイルを撃ちながら線路を爆走する。

 

巨大列車VSサーカス芸。

 

アルカディア史上でも類を見ない異色の戦いに、観客は狂喜乱舞していた。

 

「お姉ちゃん!」

 

「なに!?」

 

「全然こっちにターンが回ってこないよ!」

 

「シロはどこいったの!?」

 

「クロも出てこないし!」

 

「どうなってるのこれー!?」

 

二人のHPが徐々に削られていく。

 

一発。

 

また一発。

 

そして――。

 

ついに残りHPはミリ。

 

「やばいよお姉ちゃん!」

 

「ポーション!」

 

「もうゼロ!」

 

「うそぉ!?」

 

その瞬間。

 

――ガツン。

 

「……パヒャ?」

 

――ガツン。

 

「……いやなよかーん」

 

――ガツ。

 

――ガツガツガツガツガツガツ!!!!!!

 

「え?」

 

グラシャラボラスの車体が大きく揺れる。

 

そして――。

 

ドンガラガッシャーン!!!!!

 

巨大なギアが外れた。

 

「パヒャアアアアア!?」

 

グラシャラボラスが大きく傾く。

 

車輪が線路から外れる。

 

脱輪。

 

その勢いは止まらない。

 

「うわあああああああああああああああ!!!」

 

「飛ぶ飛ぶ飛ぶ飛ぶうううううううう!!!」

 

シュポラボラスの二人が空中へ投げ出された。

 

そして地面へ――。

 

ドシャアアアアアアアアン!!!!!

 

何が起きたのか。

 

観客が一斉にグラシャラボラスへ視線を向ける。

 

すると――。

 

ギアの外れた箇所。

 

そこにいたのは。

 

「……シロ?」

 

そして、反対側には。

 

「クロ!?」

 

二体の召喚獣。

 

どうやら彼らは、二人の指示を受けて動いていたわけではなかった。

 

独自の意思で行動していたのだ。

 

そして――。

 

シロには、いつの間にか大量の補助魔法が掛けられていた。

 

これまでの異常なまでの大玉召喚。

 

それなのに一向に攻撃へ移らなかった理由。

 

それは――。

 

全てを、この瞬間のために溜め込んでいたのだ。

 

「シロとクロ! ナーイス!!!」

 

モモイとミドリが大喜びで駆け寄る。

 

四人でハイタッチ。

 

「「「「イェーイ!!!」」」」

 

一方。

 

遠くではHPミリ残しのシュポラボラスの二人が、瓦礫の陰からこちらを覗いていた。

 

「……まだ終わってないよね?」

 

「まだワンチャンある?」

 

「あるある」

 

「じゃあ――」

 

二人が立ち上がる。

 

その瞬間。

 

ヒュン。

 

「……え?」

 

二人の頭上を何かが通過する。

 

振り返る。

 

そこには――。

 

巨大なシロの大玉。

 

しかも。

 

こちらへ向かってくる。

 

「……このボール」

 

「……まさか」

 

「追尾するのー!?」

 

「二人してアウトライーン」

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

 

閃光。

 

爆炎。

 

そして――。

 

静寂。

 

実況席から、最後の宣告が響き渡る。

 

『しょ、勝負ありいいいいいいいいいいいいいい!!!!』

 

『勝者は――――!!!!』

 

『サイバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアシスタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアズ!!!!!!!!!!!!』

 

アルカディア全域から、割れんばかりの歓声が響き渡った。

 

サイバーシスターズ WIN!

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