ブラック企業にすり減らされた社畜が主人公になれるアプリを手にしたらどうなるか→   作:ぱちぱち

122 / 159
誤字修正、somey様、げんまいちゃーはん様、じゃもの様ありがとうございます


第122話 OH~ ワタシニホンゴワカリマセーン

 でかい規模のイベントをやる事になるため、雨宮セキュリティーと話し合って会場付近の交通整理についての手配をする。どうやらバイトくんのような単発バイトアプリも使って100人くらいの人員で駅から会場までの交通整理を行う必要があるみたいだ。

 

 あとは来賓客用の送迎の手配も必要だ。今回は“V.A.I”の正式発表でもあるため米国から人工知能の研究をしているお偉い学者さんが結構な人数来日する予定だし、イロリー・マックス氏も当然参加予定だ。VIPになにかあったら大変だし、警備体制も気を付けないといけない。

 

 

『一也くん、手配するなら熱中症対策もやった方が良い』

 

――うん?

 

『今、歩いていた子。少しふらついていたろう? 元気な人でもこの炎天下で長蛇の列だ、当然倒れる人だって出てくるだろう? 予算があるなら日よけや冷風機などを手配した方がいい』

 

 

 また、夏場のイベントという事もあるため熱中症で倒れる人も出てくるかもしれないし熱中症対策も行わなければいけない。去年はその辺を置き去りにするくらいの人津波の影響でおざなりになっちゃってたけど、ちゃんと余裕をもって計画出来ている今年はその辺もしっかりと行わなければいけない。

 

 という訳でつい最近プレミアムレンタル権者になった『黒井めぐみ』の指導の下、救護所の設置や送風機・冷風機の設置、それに待機列が日除けになりやすいように調整を行っていく。当人は『私は外科医なんだがなぁ』とボヤいていたが、自作の『ライアードクター』でも難病に苦しむ女の子を助けたりしてたんだから今更だろう。

 

 

「なんかVVVさんのイベントって、うちと大分雰囲気違いますね」

 

「はちじくじさん所はどんな感じでやってんの?」

 

「いやぁ。謎の先輩みたいな着ぐるみ着た不審者が暴れ回ったりしてるんですけど」

 

「つまみ出せよ不審者だろ」

 

 

 このVVVエキスポには子会社であるVSの社員も当然スタッフとして駆り出されており、貴重な男手である梟くんはこれもまた当然のように荷物運びを手伝わされている。会場設営中は重い機材の運搬とかに人手が居るからね。仕方ないね。まぁ女手だからって重い荷物を持たないで済むかというとそれもまた違うんだけど(鬼畜クマ成分)

 

 しかし着ぐるみか。そういえばうちの事務所はこう、着ぐるみ的な子供が喜ぶようなものがないよなぁ。マジカル☆ミキティみたいな変身ヒロインは居るけど肝心かなめのマスコットが居ないじゃないか。

 

 

「マスコットみたいな愛され方してるVは居るじゃないですか。さやかちゃんとか」

 

「ペット枠としてはありか」

 

『ないわよ! 誰がペットだ誰が!』

 

 

 男二人でバカ話をしていると背後から『さやか』に膝裏を蹴られる。お前、機材持ってる時に膝カックンやるんじゃないよ、ほんまお前ぇ。

 

 

 

 

 

 そんなこんなで準備が進んでいき、イベント当日まで残り数日といったタイミングで米国からイロリー・マックス氏が日本にやってきた。

 

 

『やあアキラ! この日を待ちわびていたよ! ついに僕たちのヴァーイが世界を席巻する日が来たんだ!』

 

『イロリーもやる気満々だねぇ! わはは!』

 

『hmmmm……イロリー、喜んでいるのは分かりますが、昨日からちゃんと寝れていませんね? 体調管理は大事です』

 

 

 自分の発明品を大体的に発表できるとあって『あきら』もテンションが高いし、マックス氏はそれ以上にテンションが高い。まだイベントの数日前なんだがこの調子で身が持つのか心配なほどだ。案の定その件をヴァーイに突っ込まれている。

 

 まぁ、ヴァーイが注意したら素直に怒られてるし、マックス氏の体調管理はヴァーイが居ればなんとかしてくれるだろう。AIと人間の関係って……とちょっと考えさせられる一幕だったが、それはそれとして仕事をこなさなければ。

 

 

『よう、久しぶりだな。元気そうで何よりだ』

 

「そちらもお元気そうで。マックス氏、随分と張り切ってますね」

 

『米国に居た時の方が酷かったぞ。毎日カレンダーを眺めてその前でウロウロしてたからな』

 

 

 げんなりとした表情のクラウザーさんと握手を交わし、マックス氏の警護体制とこちらの受け入れ態勢について意見を交わす。当然その場には雨宮セキュリティーの担当者も居るため、実質この場でのやり取りがVVVエキスポ本番の警備体制になる。

 

 

『銃は流石に難しいか。会場を一望できる場所をピックアップして教えてくれ』

 

「狙撃対策ですか?」

 

『当然だ。先日、討論会中に大統領が狙撃されて負傷しただろう? 米国の体制側と反体制側の闘いは、もうそこまで行っているんだ』

 

「平和活動とか多様性とかを口にする奴ほど言論じゃなくて直接相手を殺しにかかるの、ギャグみたいですね」

 

『奴らにとって自分の行いは正義だ。正義だからなんでもしていいと思ってるのさ。まぁ、そう言う思想の奴は保守リベラル関係なく一定数居るもんだが、実行に移しちまう辺り、熱意はあるって事だろ。褒められた話じゃないが』

 

 

 熱意で片付けて良いのかはなはだ疑問だが、結構な頻度でツブヤイターで言論闘争を巻き起こしてるマックス氏の傍近くで彼を守り続けているクラウザーさんがそう言うなら、きっとそうなんだろう。

 

 さて、世界でも有数のVIPであるマックス氏が来日したら当然起こる事がある。怒涛の取材ラッシュだ。

 

 

「マックスさん! こちらに表情をお願いします!」

 

「マックスさん先日の大統領狙撃に関して一言!」

 

「マックスさん五味葛テレビです! 今回の来日に関して一言!」

 

『OH~ ワタシニホンゴワカリマセーン』

 

 

 テレビでは毎時間、彼が宿泊しているホテルのロビーで取材陣をけむに巻く姿がニュースとして映し出されている。日本語が分からないと言ってるだけの姿が今日だけで何十回とテレビ画面に映っているんだが、もうちょっと使える映像なかったのだろうか、テレビ局は。

 

 とはいえ何度もテレビに出ているというのはやはり注目度を集めるようで、世界有数の金持ちであるイロリー・マックスが来日した目的であるVVVエキスポについても注目度が上がっているようだ。そしてチケットが当の昔に完売しているという事で、何故かテレビの朝ニュースで名指しで喝っ!されたりするという珍事態が発生。チケットが売り切れて怒られるってなんなんだろうな、とスタッフ一同が配信のネタにする事になり、それがまたSNSでトレンド入りしてまたこの件で次の日に別のニュースに怒られるという天丼まで発生。

 

 まだ開催しても居ないというのに世間を騒がせながら、第二回VVVエキスポは開催日を迎えた。

 

 




山里一也(男)26歳


視聴履歴
『ドキドキ! 魔女っ子大戦争』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『不死鳥の魔女 赤神さやか』(料金10円)
『煉獄列島』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『閻魔の地上代行人 坂東メンチ』(料金1000円)
『電脳歌姫ろっくんろー!』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『鬼畜クマネージャー マネージャー』(料金30000円)
『九十九あきらは終末世界を諦めない』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『天災科学者 九十九あきら』(料金:ひなちゃん家のご飯)
『安楽椅子の占い師』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『未来を知る者 リリーベル・リ・ラスティーネ』(料金:1億円or生徒とのランチ権1回分)
『ドッペルゲンガー』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『もう一人の俺 セシル・ファラウェイ』(料金:週休2日三食昼寝付き週6万)
『世界最強の傭兵隊長だった俺が女子高生になった件について』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『生真面目系殺伐女子高生 雨宮かすが』(料金:組織)
『魂羽織』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『至高の人形師 人形残夢』(料金:人形作成・開発費)
『拳創成期』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『無双女帝 日華』(料金:気持ちよく昼寝できる環境)
『テレポーター三沢ひばりは平穏に過ごしたい』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『ハードラックテレポーター 三沢ひばり』を獲得しました(料金:休日)
『プロレスラーに明日はない!』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『炎の経営者 純情仮面(本名:間藤勇作)』(料金:良き闘い)
『ライアードクター』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『神域の外科医(コスプレ?) 黒井めぐみ』(料金:1手術100万円)



更新の励みになるのでお気に入り・評価よろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。