ブラック企業にすり減らされた社畜が主人公になれるアプリを手にしたらどうなるか→ 作:ぱちぱち
男子だけの運動会企画は秘密裏に計画を進める事になった。
というのも、立体投射機をふんだんに使える機会のため間違いなく女性Vタレからもやりたいという声が上がるからだ。それは全く仰る通りなんだが、各企業ともにセンシティブ判定が怖いため一旦男性Vタレで様子を見たいと思っており、本番の女性Vタレ運動会(ポロリはないよ!)の為にも男性Vタレで一度試しておきたいのだ。
まぁ合同企画なんだからその内漏れちゃうだろうが、出来るだけ本番直前まで伏せておきたいらしい。まぁその辺を考えるのはホログライブさんとはちじくじさん側の仕事だ。参加者が多いはちじくじさんやホログライブ男子組は人数調整もしないといけないだろうし、機材と場所を提供したこちらはもうやる事が無い。ゆっくりと向こうの準備を待つだけの段階になっている。
じゃあそれでVVVが暇になるかというともちろんそんな事はなく、というか9月10月とヒットチャートを賑わわせていた結果なんだけれどもなんとVVVから発表した楽曲が日本のヒットチャートで1位から5位を独占するというとんでもない事態が発生したのだ。
特にVVVガールズバンドの楽曲『電脳歌姫ろっけんろー』と社歌的な立場になる『
それに比例するようにVVV本社に対する問い合わせや楽曲提供の連絡も数多くなっており、ついには関連企業であるホログライブさん経由でお仕事の話が入ってきたりするようになったそうだ。
「いやぁ、大変ですねぇ」
「そちら様が理由ですがね??? いやぁ、うちとしても普段は絶対に掛かってこないような
「でも株価上がったでしょ?」
「倍になりましたねぇ……給料もボーナスが随分……あ、あっちがVVV本社ですっけ。ちょっと拝んで良いですか?」
ホログライブ担当の営業さんがそうゲラゲラ談笑する位には忙しくなったらしい。そしてこの好機にホログライブさんも勝負に出たいらしく、VVVが抱える今話題の音楽家グループ“マネージャー”に楽曲を依頼したいと言われたがそんなグループはないと断る。あれは1年かけて頑張って作った結果だからね。それに1位の『電脳歌姫ろっけんろー』は『マネージャー』が元の作中で作った楽曲だからね。アニメのタイトルと同じ楽曲で大丈夫かと思ったけどどうもこの世界にはこんな楽曲は存在しなかったから問題ないそうだ。
うん、問題ないそうだ。
さて、断れる仕事は断っておいたので後はのんびり、とならないのがこの業界の辛い所。立体投射機の販売や設置に関しては需要と供給が明らかに釣り合ってないから継続的に仕事が起きるのだ。今の所月産で10くらいだからしょうがないといえばしょうがないんだが。作った瞬間即出荷が1年くらい続いている。
もちろんスタッフもこの1年で技術を身に着けており、アキコさんと食堂を任されている原田さん以外は全VVVスタッフが立体投射機のセッティングを行う事が出来るようになっている。これにはVタレ兼バイトとして業務にもかかわる様になってきたひなちゃんや蝶子ちゃんも含まれており、将来的には二人ともそのままうちに就職したいと言ってきている。
ひなちゃんは実家の蕎麦屋もあるし良いのかと聞いたが、Vタレとしての収入がお店の年商と同じくらいになってるみたいでこれなら自分はこちらに本腰を入れて実家は従業員を雇うなどで対応したいと考えているそうな。ううん、しっかりしてる子だ。
蝶子ちゃんは高校に通いながら本格的に占い師としての勉強をしているみたいで、配信外でもカルガモみたいに『リリーベル』について回る様になった。初めてVVVに彼女が来た時もこんな感じで『あきら』に付いてきてたっけなぁ。立体投射機の操作ではその『リリーベル』よりも詳しくなっているため互いに教え合っている姿を見ると、少し昔を思い出してほっこりとする。
さて、その話題に上った『あきら』だが。VVVの仕事のほぼすべてを生み出す女『あきら』だが、ヴァーイの発表後は少し大人しい。といっても何もしてないという訳ではなく、ちょっとした準備でバタバタ動いているため対外的には大人しく見えるという意味合いである。
『ある程度準備も整ったし! そろそろロボット作ろっかなーって』
「ほーん。巨大ロボットは駄目だぞ?」
『……………………うん、もちろんわかってる!』
「そうか、分かってるか。じゃあ毎週進捗報告も出来るよな」
『……………………うん、もちろんわかってる!』
瞬時に視線を逸らした『あきら』に絶対にフリーにさせない方がいいなと確信したが、まぁこの1年余り『あきら』には助けてもらったしな。そろそろ好きな物を作りたいっていうなら作らせてやりたい。巨大ロボットは多分色々と申請とか必要そうだし駄目だが。あ、いややるとしたら完全に土木作業用ならワンチャン……? 今以上に何の会社なんだって言われそうだが。
何の会社だと突っ込まれそうな案件としてはあと一つ。これもちょっと断りにくいというか異色過ぎてどう判断すれば良いか分からずにホログライブさんからVVVにお伺いが来た案件なんだが、特撮OVAを制作する会社から立体投射機を使った撮影をやってみたいというオファーが来ている。
いや、これ実はこの会社だけじゃなくてハリウッドとかの映画会社とかも問い合わせが来てたんだけどね。結構な金額で誘われてたんだけどそっちはうちと関係するイロリー・マックス氏から『あそこと関わると絶対に面倒になるよ。絶対! 立体投射機も本当に撮影に使うか分かんないから!』と言われて一旦保留中である。米国のショービジネスは主義主張のぶつかり合いが激しく、いっちょ噛み程度の考えだとマイナスが大きくなるかも、との事だ。
VVVは事業としてはVタレがメインの会社だから、マイナスイメージが付きかけない相手との仕事は避けたい所。その点、今回依頼してくれた会社は大人向けのしっぶい特撮をメインに作ってる会社だから受けても良いかな、と思って話を勧めたんだけども。
「山里さん! いや、クマコーさん! 貴方は特撮をやるべきだ! 貴方は新時代のライダー仮面マンになれる!!!」
「う、うっす」
試しに機材を持ってきての実演という事でちょっと動いたら相手の会社の社長がいきなり口説き落としに来たんだけど、これどう対処すればいいんだ……?
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