ブラック企業にすり減らされた社畜が主人公になれるアプリを手にしたらどうなるか→ 作:ぱちぱち
初めての麻雀が一瞬で終わってしまった後、暫く場は騒然となり騒ぎを聞きつけた麻雀有識女子まで見に来てしまったため、折角男女に分けたエリアが意味をなさなくなってしまった。これ配信で流したらまたコメント欄が荒れちゃうんだろうなぁ。一線越えてる奴が居たら開示かけなきゃ(使命感)
「え、これどうなってんの。毎回么九牌が9枚以上入ってる……」
「確定九種九牌とかもう麻雀じゃない。達也じゃん。達也の遠藤正二じゃん」
「クズ牌も全部揃えば役満だよねぇ……!」
「運調整した後の遠藤が東一局から居るとかバグなんよ」
「あの……クマコーさん、漫画の世界から居らしてらっしゃる……?」
「アナウンスをおこないまーす。ご搭乗のお客様の中に雀聖ー雀聖さまはいらっしゃいますかー」
その後も数回麻雀を行い、対戦相手もVS社員の群青らいむさんとかホログライブでギャンブル好きと評判の高嶺ハナさんとかが卓に着いたりしたんだが、俺のバックにいる『メンチ』の指示通りに闘ったら大体初手で牌を倒して「きゅーしゅきゅーはい」というか「つもこくしじゅうさんめん」というか、少し長くなっても大体10回くらい牌を引き合ったら「ろんこくしむそう」って口にする事になるため今の所なにが楽しいのかが良く分かってない状況だ。ルールをちゃんと覚えたら楽しくなるんだろうか?
あんまりにも俺ばっかり牌を倒すため一度俺は一切触らずに、背後で見ていた鹿谷くんが俺の代わりに山を積んでくれたり牌を取ってくれたりしてみたのだが、それでもやおちゅーはいというのが集まってしまうため場は大盛り上がり。流石は全員がプロのVタレというべきか、VVVスタッフ組を除いた麻雀卓を囲んだほぼ全員が自身の配信用スマホらしいものでカメラを回し始めた。
特に群青らいむさんは麻雀のプロともネットで試合をしたりするかなり麻雀に力を入れた配信スタイルのため、終始大興奮で俺が麻雀をしている姿を配牌付きで撮影し始め、流石にこれは勝負にならないと俺が卓から追い出された後は「社長、雀士になりましょう! 社長なら大スターになれますって!」と俺の背中をバンバン叩き始めるようになった。
暫くは競馬で忙しいからそういう暇はないかなぁと答えると、それを聞きつけて今度は高嶺ハナさんがこの機会にと耶馬千葉牧場についてを聞いてきたので、それにも群青らいむさんは反応して「ピンクスカート号の引退レース見たんですよぉ。まさか会社の社長の持ち馬になるとは」なんて口にすると、それを聞きつけた欅スロープくんも「ピンクスカート号が見たい! あの末脚は夢があったなぁ」と麻雀そっちのけで主張し始めたりと。男性組の周辺は当初想定していたよりも随分と騒がしい環境になってしまったが、静かに飛行機の旅よりもこの方が楽しいから良いか。
まぁユニコーン対策は各社がやってくれるだろう。VVVのユニコーンは定期的にアキコさんが駆除してるからね……
大体半日のフライトを終えてテキサス州にやってきた。招待したVタレさんには今回が人生初の海外という人もいるため、事前にある程度のレクチャーをしているがここからは各自に護衛兼案内人を用意する形だ。どうしても行きたい所がある人は案内人さんと一緒にそこへ行ってもらって後で合流場所のホテルへ来てもらう形だね。まぁホテルのチェックインをやらないといけないんで別れるのはその後になるだろう。
ただVVV組の本隊には最新式の立体投射機が設定されており周辺に居れば立体投射機での撮影が可能になるため、どうしても行きたい所があるとかじゃなければ招待組もVVV組と一緒に行動するみたいだ。今日は流石にホテルで解散となるんだが、明日以降はアメリカ組と合流して大型バスでテキサス観光旅行もするしね。
今回の旅の最終目標はケンタッキーダービーだから日程としてはテキサスで3日過ごし、その後にアメリカ組も引き連れてケンタッキー州に移動。そこで観光しながらケンタッキーダービーを待ち、ダービーを見終わった後はテキサス経由で日本へ帰る事になるだろう。あと用意してるイベントはレース前の『まみ』にファンサをしてもらったりするくらいかな?
俺自身の予定としてはここで『セシル』と交代して先にケンタッキー州に入ることになる。『篠原まみ』としてナーガの調整を手伝わないといけないからだ。あの暴れん坊、相変わらず『まみ』以外は背中に乗せて走らない為調教も『まみ』が行わないといけないんだよなぁ。今週に関しては流石に日米往復はなしでナーガにかかりっきりだ。
「という訳で後は頼んだ。あ、あとマックス氏がアキコさんが来てるならってどっかのタイミングで来ると思うからよろしく頼む」
『それ他のVタレさんが大丈夫か心配だぞ? うちの社員だって初見めちゃめちゃビビってたのに』
ホテルの部屋に入った後、カメラの位置を確認して『セシル』をレンタル。目の前に現れたもう一人の自分は俺の考えを把握しているが、こういった疑問が出てくるのは『セシル・ファラウェイ』と山里一也の思考回路の違いがあるからだろう。俺としては目の前に超有名人が出てきたくらいならあの人たちは「トトト撮れ高!」となるはずなんで問題はないと思うんだが、俺は想定がいつも甘いからなぁ。
もし『セシル』でも判断が困るような事態が起きたり能力的に厳しいもの。例えば『マネージャー』の演奏技術や作曲技術などが必要な時は都度交代する事にしておこう。そう取り決めを行った後、『ひばり』の力でケンタッキー州に送ってもらう。すでに現地ではナーガの調教師が首を長くして待ってるからな。
『ナーガ(大蛇)の調教師だけに? ぷぷっ』
――やかましい、ボケてないわい
『篠原まみ』として予約したホテルにチェックインした後、ナーガのいる厩舎へ向かったら調教師さんがどたどたと走って出迎えてくれた。ナーガ、全然いう事聞かないらしい。この調教師さんもG1に挑むのは久しぶりらしくかなり気合が入っているんだが、そんなのは馬には知った事じゃないからなぁ。相変わらず暴君を超えた恐君として君臨するナーガは帯同した他馬も寄せ付けず気ままに振る舞っているそうだ。
まぁそんな状態じゃ本来ろくに調教も積めないんだが、そこは最近界隈で癖馬引受人と噂の『篠原まみ』、ナーガに『一番になるため』と称して調教師さんの言う事を聞くように時間をかけて説得し、調教“だけ”はいう事を聞く様に育て上げてある。強くなるためという名目があるとはいえ二言目には『殺す!』になるアイツを操縦できてるのは素直に凄い。
【マミ! マミ来た! あのオッサン殺していい!?】
『あのおじさんはナーガを強くしてくれるからねぇ。殺しちゃダメだよ』
【分かった殺さない!】
いや本当に凄いわ。これ、『まみ』が居なかったらこいつ何人か殺してたんじゃないか???
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