最安10円レンタルチート ブラック労働で過労死数歩前だった俺の心の癒しだった動画アプリがマジモンの神アプリだった   作:ぱちぱち

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第63話 暴力は良いぞ一也

『暴力は良いぞ一也。大体の物事は力が強い方が有利だよ』

 

「最近暴力は良くないって反省したばかりなんだ」

 

 

 悪の道に引きずり込もうとする『かすが』の誘惑と戦っていると、気づけばもう秋も終わり初冬というべき季節がやってきた。大人になると月日が経つのは本当に早くなるもんだな。

 

 

「一也さんは変わりなさ過ぎなんですよ……ほら、みてくださいよ。みきちゃんなんて着ぶくれしすぎてダルマさんみたいになってるじゃないですか!」

 

「サムサムサムサム」

 

「あぁ……沖縄出身だとやっぱり寒いのは大変なんだね。我慢しないでエアコン入れちゃっていいから。一也くん、見てるだけでこっちが寒くなるから、そろそろ冬服に変えてくれない?」

 

 

 寒くなってくるのに合わせてVVVの社員も衣替えを行ったようなのだが、その中でただ一人半袖のシャツで生活していたらなんだか良く分からない理由でアキコさんに叱られてしまう。いや、冬服に変えるのはまぁちょっと面倒だが問題はないけどね。

 

 あんまり寒いって感じなかったから服を変えて無かっただけなんだけど、そういえばもうハロウィンも過ぎてるんだよな。本当に必要性は感じてないんだが、流石にそろそろ上着は羽織る様にした方がいいだろうか。

 

 というか、よく考えたらこの時期に上着もなしに外を出歩いて寒くないってのは確かにおかしいよな。去年の今頃はエアコンも入れられずに極寒の部屋の中でガタガタ震えてた覚えがあるから、そんなに寒さに強いって訳でも無かったのに。

 

 

『んー、多分だけど私の影響ね! 不死鳥と呼ばれる私が寒さに震えるなんてあるわけないじゃない? だからその私の爪の垢くらいの力があるアンタにもその恩恵があるのよ! 多分!』

 

――大事な事だから二度言ったんだね。でもお前、原作で絶対零度の魔女に一回殺されてたじゃん。死んだらまた復活したけど。

 

『あれは凍えるじゃなくて凍る!』

 

 

 自身の作中で一度も魔女同士の戦いに勝てずに全敗のまま戦争を勝利した『さやか』だが、こいつの力は超絶使いにくいだけでとんでもない力だというのは間違いない。何度かレンタルした事でその力の幾分かを身に宿しているからこそわかるが、コイツの力の数%でも扱えるならそれこそ北極海に裸でダイブしても生き残れるだろう。

 

 その影響で体が強くなり、暑さや寒さに強くなったのだとすれば……なるほど、と頷ける理由になる。

 

 とはいえ周りから不審な目で見られるのは避けるべきだし、季節に合わせた格好はするべきだろう。来年からはその辺に気を付けるようにして、一先ずは今をなんとかしないといけない。というのもブラック企業に勤めていた頃は余裕が無くスーツとコートくらいしか冬に着る衣類が無かったため、冬用の衣類というのを持っていないのだ。

 

 幸いなことにあの時とは大きく異なり、今は金銭的に余裕がある状況だ。この機にある程度冬用の衣類を買っておくべきだろう。近くにあるクロウニという超大手アパレルショップに行った俺は、店員さんに合いそうな上下セットを5セットほど見繕ってもらい、それとコートやダウンジャケットなども3種類ほど購入した。

 

 お洒落なんてまるで考えたことがなかったから、その辺はもうプロにお願いするのが一番だろう。店を出る時に新品のジャケットを一枚羽織った方が良いとか着こなしのアドバイスも貰ったし、明日からはそれを参考に服を決めればアキコさんにも叱られないはずだ。大きな袋を抱えながらショッピングモールの駐車場に赴き、レンタルした車に荷物を積み込む。

 

 さて、目的のものは買いそろえたが折角買い出しに着てるんだからもう少し買い物をしても良いんだけれども。なにか必要なものはあったかな、と車の運転席で考えていると、いきなり車のボンネットの上に少年が飛び込んできた。

 

 ぐらっと揺れる車。目を丸くする俺。俺が呆けている間にボンネットにうつぶせに倒れ込んでいた少年に、走り寄ってきた少年が手に持った警棒で襲い掛かる。

 

 

「死ね!」

 

「あぎゃ!」

 

 

 肉を硬質なもので殴打する、鈍い音が周囲に響き渡る。警棒で叩かれた瞬間、倒れ込んでいた少年が悲鳴と共に顔を上げた。血だらけで、歯も数本折れている。明らかに暴行を受けている。それを目にした瞬間、頭の中で『かすが』の『やれ』という言葉が響いた。

 

 ドアを開けて外に出る。周囲を見渡すと、2人の少年以外にも5,6人の少年たちが手に手に武器をもっているのが見える。

 

 なるほど。

 

 『かすが』に言われるまでもなくスイッチが入る。それと、念のために用意しておいたペンカメラを起動する。レンタルした車両にも車載カメラはあるが、ある程度の証拠は残した方が良いかもしれないという判断だ。ほら、車の損傷とか、保険とかの話しがだね?

 

 まあ、とりあえずは。

 

 

「お兄さん。それ以上はその子死んじゃうから。殺しちゃうから止めなさい」

 

「あ”ぁ”!?」

 

「人がレンタルした車の上で人を殺すなって言ってんの。こういう駐車場は防犯カメラもあるから全部証拠残ってるし、暴行と殺人じゃ全然違うよ。そろそろ辞めなって」

 

「うっせぇジジイ! しゃしゃりでてんじゃねぇ!」

 

「まだ20代だっつーの」

 

 

 出来るだけ優しく、刺激しないよう。この状況がどういう不都合になるかを丁寧に語ったのだが、どうもそれが少年にはお気に召さなかったらしい。ズルズルと力なくボンネットからずり落ちていく少年を引きずり落とした後、警棒を持った少年はこちらにターゲットを変えたのかボンネットの上に飛び乗り、そこから警棒を振り下ろして襲い掛かってきた。

 

 幸いなことに隣には車がなかったので、すっと一歩後ろに下がると、目標を外した少年がバランスを崩してボンネットの上から落ちてきたので軽く右拳を握り、タイミングを合わせて顔面に拳を叩きこむ。

 

 武器もって襲い掛かってきたんだからこの時点で正当防衛だろう。よし。

 

 

「ッテメェ! ジジイ!」

 

「※※! ※※※!」

 

 

 それを見ていたお仲間らしき少年たちも、手に持った武器を持ち、一部は良く分からない言葉を叫びながら襲い掛かってくる。あれ、もしかしてこの子等日本人じゃない? 最近増えてるみたいだからなぁ、こういう外国人のギャングまがいの人。

 

 一番近くに居たバットを持った少年のバットを右手で受け止め、握り占めて手形をつける。特に意味はない示威行為だが、バットが握力でへこんだのを見てその少年たちの勢いが明らかに弱くなった。なるほど、『かすが』の言う通り力の差を見せつけるのも結構効果があるんだな。そのままバットごと少年を持ち上げ、ぶんと放り投げると「~~~~あが!」と良く分からない単語を叫んで少年が地面に転がった。

 

 

「で、まだやる?」

 

 

 投げ飛ばされた少年の姿に少年たちが立ち止まったのを見て、俺はべきべきと両拳の骨を慣らしながら少年たちにそう問いかける。あと、まだ20代だ、ジジイじゃねぇよ。

 




山里一也(男)26歳


視聴履歴
『ドキドキ! 魔女っ子大戦争』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『不死鳥の魔女』(運営に怒られたので値上げしました。料金10円)
『煉獄列島』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『閻魔の地上代行人』(料金1000円)
『電脳歌姫ろっくんろー!』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『鬼畜クマネージャー』(料金30000円)
『九十九あきらは終末世界を諦めない』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『天災科学者』(料金:ひなちゃん家のご飯)
『安楽椅子の占い師』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『未来を知る者』(料金:1億円or生徒とのランチ権1回分)
『ドッペルゲンガー』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『もう一人の俺』(料金:週休2日三食昼寝付き週6万)
『世界最強の傭兵隊長だった俺が女子高生になった件について』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『生真面目系殺伐女子高生』(料金:組織)
『魂羽織』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『至高の人形師』(料金:人形作成・開発費)


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