最安10円レンタルチート ブラック労働で過労死数歩前だった俺の心の癒しだった動画アプリがマジモンの神アプリだった   作:ぱちぱち

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第74話 風俗は心の洗濯

自衛団(ヴィジランテ)のリーダーさんっスね。一手、付き合って頂きたいんスが」

 

『ほぉ~? ほぉー。ほぉー』

 

 

 例の戦闘動画が流出して以降、ちょっとだけ変わったことが起き始めた。ボコボコにしてた犯罪者たちに、明らかに格闘技を。しかもかなり本格的にやってるとしか思えない人たちが混ざり始めたのだ。しかもその状況は千差万別で、犯罪者側に雇われて用心棒をしている時もあれば今日みたいに犯罪者側を仲間内で制圧した後、『日華』がやってくるのを待ってるって場合もある。

 

 彼らの目的はただ一つ。例の動画がネット上に流出してから実しやかに流れている「自衛団(ヴィジランテ)のリーダーが最強の格闘家なのでは?」という噂を確かめるためだ。

 

 

「あんたに勝ったら俺が最強って事ですよね。女一人に勝つだけで最強に慣れるんならやらなきゃ損っしょ」

 

『ほぉー! 良いね、良いねぇ。あーしが大好きなタイプのバカだよアンタ』

 

 

 中には明らかに売名の為に『日華』に挑んでくる奴もいる。そしてそういう奴は非常に『日華』の好みの相手なのだ。

 

 ボコボコにするという意味合いで。

 

 

「行くぜぇぶべっ!」

 

『間合いの取り方がクソ。殴った感触もクソ。基礎からやり直しな! はい次!』

 

 

 『日華』は言いながら次の対戦相手らしき青年にクイクイと手招きをする。その仕草に怯えることなく、好戦的な笑顔を浮かべて総合格闘家らしき男が拳を握った。

 

 

――殴った感触ってどんなドS?

 

『いや、殴ったら筋肉の付き方わかるかんね? 見せ筋で格闘家に挑むとか舐めてるわ』

 

 

 二人目の総合格闘家っぽいのもワンパンで下して、次のプロレスラーっぽい奴は3発使って。戦い始めて10分ほどで、その場に立っているのは『日華』と今日のサルくん、それに撮影係をしていたバイトくんだけとなる。あ、向こうも撮影係が居たみたいだからその子も含めないといけないか。

 

 怯えてる向こうの撮影係くんに『救急車呼んだげてね』と伝えてから格闘家の一団がノシていた不法外国人の犯罪の証拠を確認し、こちらのカメラに用意して拡散……あ、そうだ。向こうの撮影係くんもちょっと手招きして、『これ一緒に映しといてくれる?』と頼むと二つ返事でOKをしてくれた。

 

 

「俺、マジリスペクトで! 俺も格闘技やってて、今日、先輩に誘われて一緒に来たんスけど!」

 

『あ、先輩くんボコっちゃった? ごめんねぇ』

 

「いえ! 先輩もほんとリーダーさんリスペクトしてて! 試合えたらカンドーって言ってたんで! 今日すっごいラッキーでした!」

 

『うーん、この』

 

 

 思わず苦笑する『日華』の様子にも気付かず、撮影係くんは延々とやれ凄い体捌きだの突きが見えなかっただのと先ほど見た試合の感想を言い続けた。一応君ら、暴行事件の当事者なんだけどそれに気づいてるんだろうか、と言いたくなったが、まぁ、実行犯の子たちは流石にそれくらいは理解してるはず……筈だよね?

 

 救急車が来そうな段階で『日華』は最近巡査部長になったという日暮さんに連絡し、撤収。その際に電話先の日暮さんがちょっと愚痴というか、自衛団(ヴィジランテ)関連の上の動きが気持ち悪いというかやたらと腰が重いって言ってたから『かすが』の奴がまたなんかしてるのかもしれない。そういえば米国がどうこう言ってたな。まさか在日米軍に襲撃かませとか言うんじゃないだろうな、あいつ。

 

 

 

 

 

 さて、暴力&暴力&ちょっぴりの善行を行った後はお仕事の時間だ。暴力の方は、俺にとっては『かすが』から出された社会勉強みたいなものだからね。社会勉強で暴行犯になるというのもいかがなものかと思うんだが、そう言うと『かすが』は『お前のような奴が一般常識だけで動く方が問題がある。さやかを見れば分かるだろう? 核爆弾の自覚を持て』とか意味の分からない事を言って諭そうとしてくる。核爆弾に自覚もクソもないだろうに。

 

 まぁそんな自主勉強のようなものは兎も角として。現在、VVVでの仕事の方はかなり忙しい状況が続いている。というのもホログライブさんが立体投射機の導入に成功してここ最近横ばいだった登録数を増加させたのが業界内部でかなり注目されており、以前から話を進めていたハチジクジさん以外の同業他社からも問い合わせがかなり来ているからだ。俺宛てに。

 

 大事な事だからもう一度言う。アキコさんでも『あきら』でもなく俺宛てに、だ。

 

 

「いやーごめんね? 私はほら、あんまりそっちの技術方面は分かんないし」

 

『私はそういうビジネスちっくなお話はね! 全然わっかんない!』

 

「偉そうにふんぞり返っていうな、19歳児」

 

 

 ぺシーンと『あきら』の頭をハリセンではたくと『あたっ!』と『あきら』が声を上げた。これは三期生の不動くさりをぶっ叩くために同じく三期生の御園みつきちゃんが自作して事務所に常備しているものだ。ちゃんと画用紙代は経費で買っているため立派な事務所の備品である。

 

 まぁ、見て分かる通り。俺が忙しくなる原因は、実際に対応するのが俺になるからという悲しい理由である。アキコさんは何度か覚えようとしているのだが機械関係がかなり苦手らしくて自分の機材のセッティングも出来ないし、『あきら』はそもそも外に出すのが怖い。なにかやらかして帰ってくる可能性が120%くらいある。

 

 他のスタッフだと鹿谷くんや猪上くんといった男手が今は勉強中でその内任せられるようになると思うんだが、現状では機材に問題が起きた時に対処できるのが俺か『あきら』になってしまうのだ。この件に関しては実は『セシル』もまだまだ勉強中であり、実際に機材がセッティングされた後なら鹿谷くんたちでも問題ないんだが、今現在話し合われている新規の機材導入に関してとなるとどうしても不安が残るため俺が直接出張る事になる。

 

 そして一度機材を導入して後は保守点検だけで良いはずのホログライブさんからも何故か俺を指名で呼び出してくるから、渉外担当がほぼ俺一人みたいな状況に陥っている。いや、まぁうちの規模の会社だと営業一人はまぁよくある事だと思うんだけどね?

 

 

「せめてホログライブさんの所は別の担当に任せたいんですけどね」

 

「そんなこと言わずに! うちとしても、山里さんとは良い付き合いをしたいと思ってまして」

 

「ただの社員なんですがね、僕ぁ」

 

「またまた。今を時めくVVVのナンバーツーがご冗談を。VVVの実務は山里さんが受け持ってるってのは皆知ってる事ですし」

 

「アキコさんが公言してますからね。自分の配信で」

 

 

 ホログライブの運営元であるカダー社に赴くと、毎回のように専務さんがついて色々と話をしてくれるのだが。どうもVタレ事務所の界隈では、VVVになにか依頼をする際は俺を経由するかどうかでその後の進捗が大きく変わる、なんて言われてるらしい。最初の頃はアキコさんや『あきら』に色々依頼とかを投げてた所もあったらしいんだが、アキコさんは全部俺に振るって発信してるし『あきら』はそういうの全無視するからな。

 

 必然的にまともに話を進めるにはVVVの公式メールアドレスにメールを送信して返答を待つか俺に話を通すかになる。だったら直で話が進む俺に話を通したいよね、という事だ。

 

 自分でもそっちのが手間かかんねぇよな、って思うから、まぁ、うん。連絡してくる担当さんの気持ちは分かる。すっごい分かる。ただ、なんというか。言いづらいんだけど、仕事で訪れた際にはVタレの中身の人とかとも打ち合わせを行うんだけど、クマパンチの件が尾を引いてるのかめっちゃ怖がられる事が多くて心に来るんだよね。ドア枠ピンボールの動画はまだ拡散されてるみたいだし、多分暫くこの感じなんだろうが。見目麗しい人も多いからやっぱりね、キツいわ。

 

 ……最近暴力案件でいけてなかったし、久しぶりに田井中さん誘って風俗に行くか。風俗は心の洗濯って昔のアニメで言ってた筈だしね。多分。

 

 




山里一也(男)26歳


視聴履歴
『ドキドキ! 魔女っ子大戦争』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『不死鳥の魔女』(運営に怒られたので値上げしました。料金10円)
『煉獄列島』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『閻魔の地上代行人』(料金1000円)
『電脳歌姫ろっくんろー!』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『鬼畜クマネージャー』(料金30000円)
『九十九あきらは終末世界を諦めない』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『天災科学者』(料金:ひなちゃん家のご飯)
『安楽椅子の占い師』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『未来を知る者』(料金:1億円or生徒とのランチ権1回分)
『ドッペルゲンガー』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『もう一人の俺』(料金:週休2日三食昼寝付き週6万)
『世界最強の傭兵隊長だった俺が女子高生になった件について』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『生真面目系殺伐女子高生』(料金:組織)
『魂羽織』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『至高の人形師』(料金:人形作成・開発費)
『拳創成期』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『無双女帝』(料金:気持ちよく昼寝できる環境)

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