ブラック企業にすり減らされた社畜が主人公になれるアプリを手にしたらどうなるか→ 作:ぱちぱち
『これは非常に難しい問題だ。慎重に検討を重ねていかなければいけない。まずデザイン。ツインテールは外せないだろう。大体150cmから160cmくらいの女の子が増マストかな。服装は春・夏・秋・冬。それぞれにバリエーションも必要だろう、女の子だからね。性格も少し勝気な方がいい』
つい先日、VVVの米国支社が誕生した。米国代表は俺がレンタルしているテレポーターの『三沢ひばり』。彼女一人だけの小さな支社だが、今の所やる事がマックス氏の会社とのやり取りを米国側で完結させるためのなんちゃって法人なので人員的にはこれで十分である。
まぁ折角立ち上げた海外法人なんだから活用しない手はないんだけどね。という訳で新たな試みであるVVV主導による新規AIプロジェクト、『VタレAI開発計画』をマックス氏に提案すると、反応は劇的なものだった。
マックス氏曰く、『あきら』にいつかお願いしようと思っていた。何億でも詰むから理想の嫁げふんげふん。VタレAIを作り上げて欲しいとの事。予想以上に反応が良いけど、このVタレAIに関しては各個人でデザインを大まかに変えられるようにしたいと話すと氏は少し訝しむような表情を見せた。
どういう事かというと、だ。大まかな初期デザインは氏の望むとおりにしてほしいんだが、今回作るAIはVタレ+AIという存在だ。つまり完全に電子の存在であり、本来のVタレの活動場所である配信サイト以外にも電子の世界ならどこにでも存在する事が出来る。
これを利用してまずマックス氏の所有するSNS、ツブヤイターのオペレーションに彼女を利用して欲しいと話す。例えば利用者がコメントで彼女に向かって質問すると、彼女がショート動画サイズの動画で口頭で応答してくれたり、ニュースや相手の発言を彼女の視点から見てどうなのかを口にしてもらったりと。まぁこの辺は今、世界中で作られてる普通のAIと一緒なんだが、この時に現れるVタレAIのカスタマイズを利用者ごとに出来るようにしたいのだ。
先ほどマックス氏は理想の嫁げふんげふんと言い直した。つまり、自分だけの理想の嫁を彼は持っている事になる。そしてそれは、恐らく様々な人の心の中にも存在する概念だろう。
その理想の嫁を自分の手で外観を創り出せるなら。それは最高に推せるんじゃないか?
『………………なるほど。なるほど。なるほど……………やろう。それ』
「ご賛同いただけますか?」
『ここでノーと言える奴はオタクじゃないでしょ! だってこれ、デザイン自由でガチ初音ミク開発プロジェクトでしょ!? あ、でもVタレって事は配信もするんだよね。それはどうするの?』
「さすがにそこまで限定的なファン層狙いじゃないんですけどね。YOUCUBE側と連動して利用者が作ったデザインが配信に映るように設定します。性格や口調は流石にどうしようもないので、それを前提に自分の嫁を想像してもらうしかないんですが」
『それなら最初に何本か性格や口調が分かる動画を作った方が良いね。で、自作のデザインを設定した人は連動した瞬間からその見た目が変わる。うん、良いよ。かなり良い。これ、SNSだけじゃなくて他の会社にも使っていい? 僕が持ってる自動車会社のオペレーションシステムをこの子にしたいんだけど』
「ツブヤイターと連動するように設定を弄っていいなら可能ですよ。その辺は先方のシステム設計者と打ち合わせをさせて貰えれば」
『すぐに連絡させる! ツブヤイターとスター社のシステム責任者に日本に飛べって言っておくね! 他にも必要なものがあったら言って! 全部用意する!』
「ウェブ会議で十分ですよ」
事前に『あきら』が『ヨユーかな!』って言ってた内容だから、多分AIの開発を含めた実装自体はそこまで大変ではないだろう。問題はAIを動かすためのサーバーとか色々用意しなきゃいけない点だが、この様子だと多分マックス氏は幾らでも金を出しそうな予感がする。
つまりこちらが出した提案は、一代で世界有数の金持ちになるほど金儲けが上手い彼ほどの経営者に全振りでも構わないと思わせるほどの夢と、利益の匂いを発しているんだろう。これはやる気が出るね。
さて仕事の方では新しいプロジェクトが始まり忙しい日々を過ごしているわけだが、プライベートの方でもやる事は幾つかある。というよりも仕事が忙しいからこそプライベートは充実させなければいけないわけだ。ストレスが溜まれば精神に支障をきたすし、その結果体の方にまで不調が出てしまうかもしれない。忙しく働いた後はプライベートで癒されなければパフォーマンスを保てない。
じゃあ、どうすればいいか? もちろん風俗だね!
「今日は俺の奢りだ。就職記念が遅れてすまんな!」
「マジか。マジか! マジなのか!?」
「羨ましいですねぇ、竹永くん。ここは極上の嬢しかいないんで全部任せちゃえば満足できますよぉ」
都内でも結構有名なお店に予約を入れ、全部お任せコースで竹永をシュー! 超! エキサイティン! まぁこれくらいしないと風俗初心者の竹永じゃ何して良いか分からないだろうからね。
今回は言った通り、竹永の就職記念だ。就職先は雨宮セキュリティー。つまり『かすが』の会社な訳だが、以前に行った配信の後に竹永は雨宮セキュリティーに営業として入社する事になったらしい。雨宮セキュリティーでは全員がちゃんと訓練を受ける事になるため毎日ヒーヒー言いながら体をイジメているそうだ。
本当は去年の内にお祝いしたかったんだが、暴力の日々や国外出張に年度末とかなり忙しかったからな。ようやく連れてくることが出来たわけだ。もちろん風俗に行く以上は田井中さんも一緒である。というか予約周りは田井中さんがやってくれた。何でも霊能関係の仕事でこの辺は伝手があるため、予約とかも結構融通が効くらしい。
「じゃ、僕らもお楽しみの為にちゃちゃっと仕事を終わらせましょうか」
「そうですねぇ」
夜の仕事ってのはその名の通り、夜に蠢く連中を吸い寄せやすい業種でもある。どうも欲望に直結する業種だからか恨み、妬みなどの負の感情が溜まりやすいのだとか。で、このへんの業種の仕事は流石にミキちゃんには振りにくいんで、田井中さんが毎回遊びがてらお祓いをしてるんだとか。遊びがてら。ここ重要ね。
なんとこのお祓いをするだけで田井中さんは格安で有名店を利用できるらしい。誘ってくれよと言ったら「君、忙しそうだしお金持ちでしょ?」と素で返されてしまった。確かに忙しいしお金はあるけどそれを言うなら都内各所で物件を扱ってる田井中さんも十分お金持ちの分類である。
「メンチくんが今度手伝ってくれたらなぁ。いい仕事紹介できるんだけどなぁ」
「あいつはほら。アキコさんが悲しそうにするんで」
「尻に敷かれてるねぇ」
苦笑する田井中さんと一緒に、歓楽街の中を歩く。キャッチの兄ちゃんたちも田井中さんを見ると道を空けるので、話が通っているのだろう。そのまま歓楽街の淀みを感じる場所を数か所浄化して、その日の仕事は終了。
つまりレッツパーリィ。朝まで帰らないぞ!
山里一也(男)26歳
視聴履歴
『ドキドキ! 魔女っ子大戦争』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『不死鳥の魔女 赤神さやか』(運営に怒られたので値上げしました。料金10円)
『煉獄列島』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『閻魔の地上代行人 坂東メンチ』(料金1000円)
『電脳歌姫ろっくんろー!』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『鬼畜クマネージャー マネージャー』(料金30000円)
『九十九あきらは終末世界を諦めない』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『天災科学者 九十九あきら』(料金:ひなちゃん家のご飯)
『安楽椅子の占い師』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『未来を知る者 リリーベル・リ・ラスティーネ』(料金:1億円or生徒とのランチ権1回分)
『ドッペルゲンガー』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『もう一人の俺 セシル・ファラウェイ』(料金:週休2日三食昼寝付き週6万)
『世界最強の傭兵隊長だった俺が女子高生になった件について』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『生真面目系殺伐女子高生 雨宮かすが』(料金:組織)
『魂羽織』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『至高の人形師 人形残夢』(料金:人形作成・開発費)
『拳創成期』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『無双女帝 日華』(料金:気持ちよく昼寝できる環境)
『テレポーター三沢ひばりは平穏に過ごしたい』(レンタル終了)
プレミアムレンタル権『ハードラックテレポーター 三沢ひばり』を獲得しました(料金:休日)
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