翌日の放課後も基山と平田の勉強会はやっていた。基山と平田はやり方こそ違うものの、勉強を教えていた。ちょっと変わったところを挙げるなら、綾小路がいないことだろう。
「大丈夫だと信じたいな」
「なにがだい?」
基山の独り言は偶然クラスメイトに教え終わった平田に聞かれていた。
「いや、堀北さんの勉強会だよ。綾小路、こき使われてないか心配でさ」
「ああ、確かに。失礼だけど、綾小路君の点数で教えるのは厳しいような気がする」
「(あの日の目からして何か隠しているのは間違いないが、受け入れたのは俺だ。言わないでおこう。)そうだな。でも堀北さんも、なんか言葉に出来ないけど心配だ」
「そうかな? 小テストの点数は良かったよ」
「……だから心配なんだ」
基山は軽井沢を中心に教えているクラスメイトの全体を見る。
「俺は最初、軽井沢達に勉強を教えていた。不器用だから、何度も壁にぶつかったり、悩んだりしたんだ。そんな俺を、軽井沢達は受け止めてくれた。むしろ、教わったのは俺の方だった」
「基山君……」
「もし堀北さんが自分の当たり前だけを通してしまったら、その時が一番危ない」
「……そうならないことを祈ろう」
「だな。俺達は俺達に出来ることを考えるか」
そう言って勉強会に集中しようとした時だった。
――キイィイン
「っ! ごめん平田! 俺少し抜ける! 松下!」
「!? な、なに?」
「俺の代理で出来る限りで良いから勉強を教えて欲しい!」
「……はぁ。しょうがないなぁ。早めに戻って来てね」
松下は了承して席をノートを持ちながら席を立った。その時、軽井沢と目が合った。基山は頷くだけに留め、駆け足気味で図書館に向かっていった。
図書館へと近付く。耳鳴り的に図書館の外でミラーモンスターは現れているみたいだった。探していると現場に到着する。
「っ!? 堀北さん!」
基山は声を掛ける。そこにいたのは堀北鈴音。そして……ボルキャンサーであった。教科書が地面に落ちており、堀北は構えていた。ボルキャンサーは基山の存在に気付いて数秒した後に、ミラーワールドへと戻っていった。
基山は堀北に近付く。
「大丈夫か」
「ええ、大丈夫よ。それより、貴方は今すぐここから去りなさい」
「いや、何言って――」
「あのモンスターは、私が倒すから」
堀北はポケットから、白いカードデッキを出した。
「!?」
「……なるほど、基山君もこっち側だったのね。なら、尚更手出しは無用よ」
堀北は図書館にある鏡面を使う。そこは内側からカーテンが掛けられており、図書館側から堀北の行動は分からない。
堀北は白のカードデッキを鏡面へと突き付ける。Vバックルが実体化した。ポーズをとる。
「変身」
カードデッキをVバックルに装填。堀北は――仮面ライダーファムへと変身を遂げた。ファムはミラーワールドの中へと突入する。
「あっ、俺も変身しなきゃ。相手は1匹だけじゃない」
基山は知っていた。ボルキャンサーは仮面ライダーの契約したモンスターであることを。
基山もカーテンで見えない鏡面に立った。龍騎のカードデッキを前へ突き出す。Vバックルが実体化。ポーズをとって――
「変身」
カードデッキをVバックルに装填。仮面ライダー龍騎へと変身した。
「しゃあっ」
いつもより早く声量の低い声。そのまま鏡面へ入り、ライドシューターに乗ってミラーワールドに向かった。
ミラーワールドに到着すると、戦闘しているファムとボルキャンサーを見つけた。ファムはレイピア型の召喚機ブランバイザーでボルキャンサーに攻撃していた。しかしダメージは浅いのか、平常通りに動いていた。ファムは後退する。
「あまり効いてないみたいね。なら」
ファムはアドベントカードを引いた。それをブランバイザーに装填する。
【SWORD VENT】
ファムはブランバイザーからナギナタ型の武器、ウイングスラッシャーへと切り替えた。ウイングスラッシャーでボルキャンサーを攻撃する。ボルキャンサーはダメージこそ浅かったが、ファムの連続攻撃で徐々に蓄積されていた。
「俺も加勢する!」
「邪魔しないで!」
龍騎は加勢すると言ったがファムは拒絶した。龍騎はボルキャンサーとファムがいる場所へと移動する。
「でも!」
「私が、私が倒すの!」
ファムの強い拒絶に龍騎は何も言えなくなる。見ている限りならファムは劣勢ではない。手助けしなくても倒せるくらいだ。……乱入者がいなければの話だが。
「「っ!」」
ライドシューターがファムとボルキャンサーの間を割って入ってくる。攻撃が中断されて、仕方なく龍騎の傍に寄った。
(そりゃ、来るよな)
龍騎はある程度予想していた。ボルキャンサーが契約したモンスターなら、現れると思って姿を出したんだから。
ボルキャンサーと契約しているライダー、仮面ライダーシザースが現れた。
「……貴方の契約したモンスターだったのね。答えなさい。何故私を狙ったの?」
「……」
ウイングスラッシャーをシザースに向けるファム。しかし動じていないのかシザースは質問には答えない。
「答えないのなら、今この場で倒したって良いのよ」
「おい待てって。ライダー同士の戦いはやめてくれ! 少なくとも俺は……」
それを隙と見たのか――
【STRIKE VENT】
「後ろ!」
ファムの前に出てきた龍騎は気付かなかった。背中から切り付けられた。
「がっ!?」
ファムは避けて、龍騎は地面に倒れた。龍騎は後ろを見てみると、シザースが右腕にハサミを象った武器、シザースピンチが装備されていた。龍騎が立ち上がろうとするが、シザースが背中を踏み付ける。
「ぐっ!?」
「私はこの人ほどお人好しじゃないわ!」
「……」
始まってしまった、ライダーバトル。ファムとシザースは戦い始めてしまった。龍騎はすぐに立ち上がる。ファムはシザースとボルキャンサー相手に立ち回っていた。
「どうして、戦えるんだよ」
分かっていた。しかしそれは知識としてが大きく、現実として直面したら動きを止めてしまった。でも――
「俺は、止めたいんだ!」
龍騎はアドベントカードを引いて、ドラグバイザーに装填した。
【SWORD VENT】
龍騎はドラグセイバーを装備してファムとシザースの戦いに乱入した。
「おいやめろ!」
「邪魔しないで!」
「嫌だ! 俺は、俺は戦いを止めたいんだ!」
「綺麗ごと言わないで頂戴!」
龍騎とファムは激突する。シザースとボルキャンサーはその隙を攻撃しようとするが、ドラグセイバーとウイングスラッシャーで受け止めて逆に反撃する。
龍騎とシザースが激突する。
「どうしてお前は堀北さんを狙ったんだ!」
「っ!」
シザースは何も喋らない。しかし攻撃は苛烈になっていった。まるで怒りを表しているみたいに。
(怒っているのか? なんで!?)
そしてお互いに距離が空いた。みんな構えて攻撃の隙を見ている。そのまま龍騎以外のライダーとボルキャンサーが動こうとした時だった。
「もうやめて!!」
1人のライダーが中心に割り込んできた。その声は少女だった。龍騎は驚く。
(仮面ライダーライア!?)
お互いに動きを止めるライダー達。
「貴女も私の邪魔をするの? 他クラスなら、容赦はしないわ」
「私は貴方達が戦いを止めたいだけだよ」
「貴女までそんなことを言うのね」
「貴女、まで?」
ライアは疑問に思っているみたいだ。その気の緩みをボルキャンサーは見逃さなかった。ボルキャンサーはライアに襲い掛かる。
「しまっ――!?」
左腕にある、エイのような盾型の召喚機、エビルバイザーを構える暇は無かった。その攻撃から、龍騎は守った。ドラグセイバーでハサミを受け止めた後、前蹴りでボルキャンサーを離した。
「君は……」
「俺も……」
その時、龍騎の一部から粒子が出る。すぐに確認するとファムとシザースにも出ていた。
「時間切れ、みたいね」
「……」
シザースは終始無言のまま退散していった。龍騎とファム、そしてライアも現実の世界へと戻った。
現実の世界へ戻ると堀北は何事も無かったように、教科書を持って立ち去ろうとしていた。
「堀北さん……」
「ねえ、基山君」
堀北は一度振り返る。その目は鋭かった。
「次邪魔をするようなら、容赦はしないわ。誰が相手であれ、私は勝たなきゃいけないの」
「……それでも俺は邪魔すると思う。それが俺の戦いで、戦いを止めたいから」
「矛盾ね。いずれ貴方は自分の理想に押し潰れるわよ」
「そうだとしても、俺は止めるために戦うよ」
堀北は言いたいことだけ言って去って行った。ここで基山は思い出す。
「あっ、勉強会のこと聞けば良かった。……上手くいかなかったんだろうな」
近くに綾小路や櫛田、受けているはずの赤点組がいないのだから。
「君が、あの赤い騎士かな?」
「うん?」
基山は振り返る。そこにはストロベリーブロンドの美少女がいた。
「そうだけど、君があの時の……」
「うん」
制服のポケットからピンク色のカードデッキを出す。それを見た基山は確信した。ライアのカードデッキをポケットにしまう。
「初めまして、私は1年Bクラスの、一之瀬帆波。君の名前を教えて欲しいな」
「1年Dクラス。基山真司。……よろしく」
一之瀬は基山のよろしくに驚いていた。でもすぐに受け取ったのか、微笑みながら返してくれた。
「うん、よろしくね」
仮面ライダー龍騎 基山真司
仮面ライダーナイト 綾小路清隆
仮面ライダーファム 堀北鈴音
仮面ライダーシザース ???
仮面ライダーライア 一之瀬帆波
この小説、このままの文にするか試しに変えた方が良いかアンケート取ります
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このままで良い
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一人称視点で書いてみて
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完全に作者に任せます!