どのように関わるか想像しながら、是非読んでみて下さい。
基山は数分は固まっていた。自分の頭で必死に考えていたからだ。
(なんで仮面ライダー龍騎のカードデッキがあるんだ。それにあのフードの男は神崎士郎なのか?)
分からないこと、理解出来ないことだらけで考えるだけで時間は過ぎていく。基山は時計を見る。
「もう、こんな時間か」
考えごとは一旦やめて朝食を取る。昨日の残りとご飯を食べて制服に着替えた。鞄に教材を詰める。その時、龍騎のカードデッキが目に入った。
「……持っていくかぁ」
基山は制服のポケットに入れるために、龍騎のカードデッキを持った。
「っ」
カードデッキの使い方が頭の中に入っていく。数秒間は固まった。その後カードデッキをポケットに入れて、部屋を出て学校へと向かうのだった。
2日目だからか、授業は先生の自己紹介と簡単な説明で終わった。みんなは、どこか拍子抜けといった表情をしていた。
昼食は食堂の学食を食べた。基山は券売機に無料である山菜定食があることに気付いた。どんな意味があるかは未だ分からなかった。
そして、放課後。基山は部活動の説明会が行われる体育館に来ていた。部活動に入るつもりはなかった。ただ、何があるのか気になっただけだ。
(ライダーバトルやミラーモンスターとの戦いが起こってしまえば、部活動どころじゃないからな)
基山が考えていることはまだ推測の域を出ない。ただ、龍騎のカードデッキを見た時から何かに巻き込まれてしまったんじゃないかと、勘が働いていた。
(……夢じゃなかった訳だし……どうするか……んっ?)
基山の視界に入ったのは、綾小路と堀北の姿だった。
(……話し掛けてみるか)
人の波を避けて基山は綾小路と堀北の元へ向かう。ある程度近付くと声を掛ける。
「やぁ、綾小路に堀北さん」
「基山か」
「どうかしたのかしら」
「いや、偶々見かけてな。一緒に聞いても良いか?」
「ああ、オレは良いぞ」
「勝手にしなさい」
基山は綾小路と堀北から許可を貰った。そのまま綾小路の隣に移動する。
基山は綾小路と堀北の会話に混じり、時に苦笑いしながら部活動の説明会を聞いていた。運動が平均以上の実力があることを自覚している基山だが、やはりカードデッキのことが頭から離れない。
(少なくとも、ミラーワールドがあるのか、ミラーモンスターが出てきてしまうのか確認しないと)
「どうした?」
綾小路の呟きが基山の耳に入った。
「ん? 綾小路、どうかした?」
「いや、堀北の様子が可笑しいんだ」
基山は頭にハテナマークを浮かべながら可能な限り堀北の表情を見る。表情は複雑だが、誰かに釘付けになっていることは分かった。
説明会は進んでいき、舞台には最後の一人が立っていた。基山と綾小路は彼こそが堀北を釘付けにしている人物であると察する。彼は一言も喋らない。最初こそ、カンペなど騒いでいた生徒達がいた。しかし彼は何も発さず、動かず、場の空気を完全に支配してから口を開いた。
「私は、生徒会長を務めている、堀北学といいます」
(堀北? 偶然か?)
堀北学は生徒会に入る条件を提示した。
「――私達は甘い考えの立候補を望まない。その人間は当選することはおろか、学校に汚点を残すことになるだろう。生徒会には規律を変えられる権利と責任が伴う。そのことを理解出来た者のみ、歓迎しよう」
こうして堀北学生徒会長は演説を終える。その後部活動の説明会は終わった。
「……」
堀北は相変わらず黙ったままであった。どうするか悩んでいると、赤い髪のした少年が声を掛けてきた。
「よう、綾小路。お前も来てたんだな。それと……」
「基山真司。よろしく」
「須藤健だ」
須藤、池、山内の3人が現れた。3人と話すために一度堀北と離れる。
「堀北さん、少し3人と話して来る」
「……」
無言だけど伝えたので一度離れて会話に混ざる。須藤はバスケ一筋で高育でもバスケ部に入るつもりだ。池は運命的な出会いを期待して、山内はそんな池に付いて来た感じだった。
「そうだ。実は男子用のグループチャット作ったんだよ。お前達もやらないか?」
基山と綾小路はありがたい提案だと考えた。それに答えようとした時であった。
――キイィイン
(これは!?)
仮面ライダー龍騎で、そして深夜に聞いたことのある耳鳴りが頭の中に響く。この音が出るのはミラーワールドの異変、ミラーモンスターが接近してくる時だ。
「ご、ごめん! 実はこの後用事あるんだ。また明日誘ってくれ!」
基山は咄嗟の嘘を言って4人の元から離れた。
背後から「あ、綾小路!?」と困惑する池達の声が聞こえたが、振り返る余裕はなかった。
基山は鏡や姿が反射する物の中に見つけた。ミラーモンスター。ミラーワールドにいる怪物。その一体、ミスパイダーの姿を基山は捉えた。
(このままだと被害が出るかもしれない……やるしかない!)
基山は龍騎のカードデッキを出す。カードデッキを鏡面の前に真っ直ぐ突き出した。Vバックルが実体化して装着される。基山は右腕を斜め左に勢いよく伸ばした。
「変身」
声を上げる。そのままカードデッキをVバックルに装填した。瞬間、基山は仮面ライダー龍騎へと変身した。基山は龍騎となった自分の両手を見た。
(本当に……変身出来た)
まるで子供の頃の夢が叶ったような歓喜が溢れ出そうになる。だけどこれは現実。つまり、命懸けの戦いに参加した資格でもあった。
(とにかく、行くか)
龍騎は鏡面の中に入り込み、ライドシューターというマシンに乗ってミラーワールドへと向かった。
「……あれが、このデッキの正体か」
この様子を綾小路は見ており、その手には基山と同じく仮面ライダーのカードデッキが握られていた。綾小路は驚いていたが、すぐに鏡面を見つめるため動き出す。
ミラーワールドに入った龍騎はライドシューターから降りて、ミスパイダーと対峙する。龍騎は初の実戦ということもあり、緊張と恐怖が同時に襲ってきた。
(どうやって戦う!? どうやって……来るっ!)
そんなことは関係無しとミスパイダーは襲ってきた。ミスパイダーの攻撃を受け止める
「ぐっ!」
攻撃は想像以上に重かった。それでも負けじとカウンターで拳をミスパイダーに叩き込むと、地面に転がる。
(戦える! 戦うんだ!)
龍騎はカードデッキからカードを引き抜く。左腕の召喚機、ドラグバイザーにアドベントカードを装填した。
【SWORD VENT】
龍騎は赤い剣、ドラグセイバーを装備。ミスパイダーに接近してドラグセイバーを振るう。ミスパイダーはドラグセイバーの攻撃でダメージを受け続けた。
(よし、このまま行けば……)
勝てると考えた。その時、背中から衝撃が走る。
「がっ!?」
龍騎は思わず倒れそうになるのを必死で耐えた。後ろを振り向けばもう1体のミラーモンスター、レスパイダーがいた。ミスパイダーに集中し過ぎて、背後から来ていることに気付けなかった。
(あの鉤爪で攻撃されたんだ。……それにしても2体1か)
龍騎には逃げるという選択肢は無い。戦うと一度決めたから。それに龍騎にはそれを可能にするアドベントカードがあった。
龍騎は構える。ミスパイダーとレスパイダーは龍騎に接近した。瞬間、ライドシューターに跳ねられた。
「!?」
龍騎は驚いた。ライドシューターから現れたのは……仮面ライダーナイト。
「助けが必要みたいだな。加勢する」
「……ああ。頼む!」
ナイトは剣型の召喚機、ダークバイザーにアドベントカードを装填する。
【SWORD VENT】
ナイトは大型の槍、ウイングランサーを装備する。龍騎もドラグセイバーを構え直した。
龍騎はミスパイダーと、ナイトはレスパイダーと戦い始めた。お互いに攻勢に出ており、ミラーモンスターを追い詰める。
時々ナイトが視界に入るが、自分より戦い慣れている気がした。実戦対する恐れを感じていないのか。
龍騎はアドベントカードを引く。このカードを知っており、決着を付けるために装填した。
【【FINAL VENT】】
龍騎は赤い龍、ドラグレッダーを呼び出す。ドラグレッダーと共に空高く跳んで、空中で錐揉み回転した後、ライダーキックの体勢に入った。同時にドラグレッダーが龍騎の背後から火炎攻撃をして、燃え盛る火炎を纏いながら、急降下した。
「たあああああっ!」
必殺技『ドラゴンライダーキック』を繰り出した。ミスパイダーは当たり、爆散した。ドラグレッダーの咆哮が響いた。
龍騎とナイトはお互いにミラーモンスターを倒していた。
(ファイナルベントで倒したんだ)
ダークバイザーにファイナルベントのカードを装填。ダークウイングを召喚。駆け出したナイトとマント状になって合体。ウイングランサーを構えて空中に舞い上がり、ウイングウォールで全身を包み螺旋状になる。そして急降下する。必殺技『飛翔斬』でレスパイダーを貫いた。レスパイダーも爆発四散した、のだろう。
「……ありがとうな、綾小路」
仮面ライダー龍騎、基山真司は仮面ライダーナイト、綾小路清隆に感謝する。
「基山、お前はこの世界のシステムを知っているのか」
ナイトは問い掛ける。極めて冷静で、どこか値踏みしている風に聞き取れた。龍騎は内心――
(どう説明しよう。前世の番組だなんて言えないし)
困っていた。背には冷や汗が出てくる。どう説明しようか迷っていると制限時間が来た。
「これは……」
「制限時間だ。ミラーワールドから出よう」
「分かった」
龍騎はナイトと共にミラーワールドから現実の世界へ戻るのだった。
綾小路を仮面ライダーナイトにしようと思ったのは最初から決めていたことです。
他にもライダーになる人達はいます。悩んだり、即決した感じなのでこれからも是夫見て下さい。
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