魔法少女リリカルなのは -アルカ・ティ・エーナ-   作:星伝

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 お久しぶりの方、お久しぶりです。
 初めましての方、はじめまして。

 こちらのサイトでは初投稿になります。
 以前の稚作を読みたいと行ってくださった方がいらっしゃったので、再度投稿させていただきます。
 誤字脱字・感想等よければくださると幸いです。

 *注意:この小説は「小説家になろう」様、および「にじふぁん」様にて掲載させていただいた(現在サイト閉鎖に伴い閲覧不可)ものです。
     本作は作者が数年前に書いた物です。文事がつたない部分は目をつぶってくださると・・・


プロローグ -逃げる少女 絡む運命の鎖-

***プロローグ***

 

 「はぁっはぁっはぁっ・・・・」

 

 暗い路地裏に幼さが残る吐息がこだまする。

 春だからそこそこの陽気が表通りを照らしているが、日の差し込まないこの路地裏はどこか湿っぽかった。

 そんな路地裏に座り込む少女がいた。

 淡くピンクがかった銀色の髪。

 それに反するような青い瞳。

 それほど大きいワケでもない体を整った顔を苦しそうにゆがめながら、何かから隠すようにより小さく抱え込んでいる。

 不意に複数の足音が路地裏に響く。

 途端、少女はビクッと体を震わせるとよろめきながらも体を起こす。

 そのままあちこちを見回して…少女の座っていた壁とは反対側にある換気口の蓋を外した。

 左右を見回すと自分の体を魔法で浮かせた。

 そして換気口の中に入った。

 もちろん蓋も閉めている。

 

 「はぁっはぁっはぁっ・・・・」

 

 換気口の中をやけに大きく響くと息をしきりに気にしながら少女は換気口の隙間から外をうかがった。

 ちょうどその時、黒服の男達がバタバタとやってきた。

 

 「おい、いたか!?」

 「いや、いない。」

 

 彼らはしきりにまわりを見回して、何かを探していた。

 

 「くそ、こっちじゃなくてあっちに逃げたか。」

 「よし、追いかけるぞ!」

 

 男達がまた、バタバタと駆けてどこかに行ってしまう。

 しばらく、あたりは静けさに包まれる。

 そして、ガタンッという音と共に少女が再び換気口から顔を出した。

 

 「きゃっ!!」

 

 体を換気口からだそうとして・・・誤って地面に落ちる。

 しばらく何かをこらえるように身を固くして、再び少女は起き上がる。

 起き上がった少女は左手があり得ない方向に曲がっていた。

 さっきよりも更に荒い息をつきながら少女は右手で左手を押さえる。

 そして、再び走り出した。

 

 

 

 * * * * * *

 

 

 

 ミッドチルダ地上本部第8会議室。

 そこに早朝とも呼べる朝5時から珍しい・・・そして頼もしいメンツがそろっていた。

 

 「おはよ~、フェイトちゃん、はやてちゃん。」

 「おはよ、なのは。はやても。」

 「おはような、なのはちゃん、フェイトちゃん。」

 

 地上本部所属、高町なのは教導官。

 本局所属、フェイト・T・ハラオウン執務官。

 おなじく本局所属、八神はやて特別捜査官。

 幼い頃からの親友でそれぞれがオーバーSランクの魔導師でもあるこの三人が会議とはいえ揃うことはほとんどない。

 今回はたまたまの偶然に恵まれた再会だった。

 

 「ひさしぶりだね。元気にしてた?」

 「うん、ちょっと昨日までは別件の捜査で手間取ったけど・・・なんとかなったし。」

 「へ~、フェイトちゃんが手間取る事件なぁ。あ、もしかして第29管理世界の殺人事件か?」

 「うん。犯人を追い詰めたまではいいんだけど、決定的な証拠がなくて・・・」

 「でも、解決したんだからやっぱりすごいよ。あれって確か迷宮入りになるってもっぱら噂になってたんでしょ?」」

 「別に私はすごくないよ、なのは。私の補佐に着いてる子達が優秀なだけ。それより、リインはどうしたの、はやて?」

 「あ~、リインは今日はメンテでシャーリーの所にいっとるんよ。おかげでデバイスも手元にないから大変で・・・」

 「そうか、そろそろだったね、定期検診。」

 「定期検診と言えば、なのは。体は大丈夫なの?」

 「え、・・・あぁ、うん、大丈夫。この前の検診の時も回復に向かってるっていってたし。」

 「「ふ~ん・・・」」

 「・・・・・・何かな、二人してそんな疑惑のまなざしを向けて。」

 「しんじられないから。」

 「そやそや、この前も無理して部屋でぶっ倒れていたところをフェイトちゃんに見つけられたんやろ?」

 「別にぶっ倒れてないよ!?ただ、ベッドから起き上がれなかっただけで。」

 「それをぶっ倒れるというの。」

 「いわない~。」

 「「いう~。」」

 

 そんな雑談をしていると、更に幾人かが部屋に入ってきて席に着き始めた。

 それを見やってなのは達も席に座る。

 

 「それでは、今回の捜査依頼についての会議を始めます。」

 

 はやてが立ち上がってスクリーンを付ける。

 

 「捜査内容・・・というよりも、捜索内容なんですが対象は人物。第8管理世界出身のアスナ・シルフィードです。」

 

 ピッとボタンを押すとピンクがかった銀色の髪の少女の写真が浮かび上がる。

 

 「特徴はなんと言ってもまずこの銀髪。身長は158cmほどで魔法も使えると言うことです。ただ・・・」

 

 ピッと画面が切り替わり何かの計測結果と思われる表が浮かび上がる。

 

 「これはアスナという少女のステータスなんですが、魔力量だけでもSSランク。技術は未熟とのことですが第8管理世界の秘宝“流れ星(シューティングスター)”という高出力インテリジェントデバイスを所持とのこと。総合的にはSランクの魔導師であると考えるのがベストだと思われます。」

 

 Sランク、という言葉に一瞬場が騒然となる。

 しかし、その場にいる三人(なのは・フェイト・はやて)を見た瞬間、それは静かになる。

 それを感じ取ったはやてが続ける。

 

 「もちろん、私たちが先導して少女の保護に努めます。しかし、現在アスナは町中に潜んでいるとのことです。」

 「いくら私たちが限定解除されていていても、市街地への被害が及ばないようにするのが優先となりますのでかなりの困難が予想されます。」

 「しかも、少女にとってはそんなことは関係ない。・・・・つまり、少女は起動した町中を歩く爆弾、ということです。早急に捜索の上、保護をするときも慎重を期して望んでください。」

 「以上が捜査内容です。質問等はありますか。」

 

 誰も発言をしない。

 

 「では、追って捜査(パトロール)表は通知しますので今日は解散です。」

 「「「「おつかれさまでした~。」」」」

 

 会議はものの数分で終了した。

 次々と人が会議室から出て行って・・・最後になのは・フェイト・はやてが残る。

 三人だけになった会議室はしばらく静かなままだった。

 

 「それで・・・この捜索の依頼主は?」

 

 沈黙を破ったのはフェイトだった。

 

 「一応、第8管理世界統一政府長官ってなっとる。けど・・・」

 「・・・本当の依頼主は違う。」

 

 なのはの言葉にはやてが頷く。

 

 「どうもきな臭いんや。」

 

 再びモニターにアスナの写真を出す。

 

 「こんな少女一人のために地上部隊6つ、執務官が二人、そして特別捜査官が一人。・・・やりすぎだね。」

 「何か裏があると思って動いた方がいいかもね。」

 「そや、だから二人とも。出来るだけ早く私たちで彼女を保護。」

 「・・・だね。」

 「・・・うん、がんばる。」

 

 少女を巡る物語がいま、三人を巻き込んだ。

 

 

to be continue...

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