魔法先生ネギま! 黄龍魔闘剣風帖   作:雑食紳士

12 / 13
前回のあらすじ

時間稼ぎと数減らしのために障壁外で戦闘を行う竜馬は古菲と真名の増援により、鬼の大将である轟雷と決闘をし、勝利。
竜馬の契約式神として轟雷改め雷轟童子を仲間して、ネギ達がエヴァンジェリンの救援を受けながらも事態を解決し、安堵した竜馬は意識を手放すのであった。


京都業魔奇譚 前編

 夢の中、俺はそう直感できる。

 

 いわゆる明晰夢、というものなのだろうか?

 

 しかし、この状況はあの時の……転生した時の感覚と似ている。

 

《憐れなる者よ》

 

 あの声だ。

 

《汝、憐れなる者にして世界を搔き回す者よ。》

 

 たしかに俺は前世の死因や今世が何故ネギま! と東京魔人學園のハイブリッドか分からないが、憐れまれるほどなのか?

 

《汝はこれまでに多くの善行を成した。故に報奨が与えられる。》

 

 眼の前には太極図のようなマークの描かれたカードが現れる。

 

 しかし、俺の知る太極図は白側に黒い丸、白側に黒い丸がついているはずだ。

 

 だが、これは瞳とほくそ笑む口のようなマークが該当する部分に描かれている……。

 

 待て!? 思い出した!!

 

 昔遊んだことがあるゲームに出てきたマークだ!

 

 それは確か……。

 

《汝の世界に新たな(概念)が現れよう。憐れなる者よ、新たな悪魔召喚師となれ!》

 

 

……

………

 

 目を覚ますとそこは、関西呪術協会で俺が寝かされていた部屋だった。

 

 目を覚ました俺はある事実に気がついた。

 

「『氣』の乱れが収まってる?」

 

 俺の氣は龍脈との接続で多少狂ってしまっていたが、それがコンマ単位で氣の練りができている。

 

 確か、近衛さんがネギ少年と仮契約をして、その膨大な魔力と力の性質で石化された者や怪我をした者は癒された描写があったな。

 

 そんな事を考えながら、自らの肉体の確認を済ませていると、外から騒ぎ声が響く。

 

 そう言えば、桜咲さんは自分の出生を知られたから逃げようとしていたなぁ。

 

 俺はそのまま外へ続く障子を開ける。

 

 そこにはホテルに帰還しようと準備をし始めるネギ一行の姿があった。

 

 その微笑ましさを一瞥して、二度寝を決め込もうとした瞬間、俺の両肩が誰かに掴まれる。

 

 俺が後ろを見ると。

 

「竜馬、約束覚えてるわよね!」

「竜馬! 約束覚えてるアルか!」

 

 逃げられないか……。

 

……

………

 

 俺は後日、学園内で二人を含めた関係者に話をする約束をして、俺は半日後の四日目を迎えた。

 

 蓬莱寺師匠は師匠でピンピンしていたので確認してみると、『詠春ほどの剣士では無いが、そこらの剣士ならそこそこ苦戦するレベルだろうぜ。 まっ俺に掛かればチョチョイのチョイだがな!』とのこと。

 

 師匠は俺が明日菜と古さんがワチャワチャしている時に現れて、冷やかしたあと、一言二言喋った後は俺は一足先に戻ると言って東京に帰っていった。

 

 四日目の朝、携帯にメールが届いていたので検めてみると内容は関西呪術協会との合同事業の為の人員調達の手伝いとあった。

 

 人遣いが荒いなぁ、と思いながらも内容を確認する。

 

 神宮丸太町の一角にその目的の人物がいるらしい。

 

 俺は地図を頼りに、目的地に辿り着く。

 

 そこにはこじんまりとした骨董品店であり、名前が『金王堂』と描かれていた。

 

 俺は心臓がドキリとする。

 

 あの夢の中に現れたカード、何かを暗示しているのかそれとも元々存在していたのか。

 

 それを確認する術は無いが、これで確定した事が一つある。

 

 あの夢の中の存在は何らかの介入をしている、ということだ。

 

 俺は今日の午前に届いた二通の手紙。

 

 一通目は俺の宛先で書かれたもの、もう一通は『Dr.Vへ』と書かれた封筒だった。

 

 内容は金王堂の主に、Dr.V宛の手紙を渡すだけで良い、本人の了承も確認してくれ、と書かれていた。

 

 俺は引き戸を引くと木と硝子、鉄が共鳴し合う懐かしさを感じる音を聞きながら開く。

 

「……らっしゃい」

 

 何とも無愛想な表情の老年の店主がカウンター替わりの帳場に座りながら新聞を読んでいる。

 

 俺は迷いなく店主の下まで迎い、店主を呼ぶ。

 

「失礼。 こちらをある方から預かっていますのでお渡しします」

 

 店主は俺から手紙を手渡され、宛名を確認した途端に奥に駆け込んでしまった。

 

 その数分後、店主は息を切らして戻ってきた。

 

 店主は俺に「ついて来い」と短く答えて、俺を奥へと(いじな)う。

 

 奥に行くと地下への階段を降り、鉄柵で仕切れたエレベーターに乗り込む。

 

 鎖がゆっくり撓み、徐々に徐々に降下してゆる。

 

 そして二分も経たないうちに、目的の階層に着いたようで、エレベーターは止まる。

 

 そこからエレベーターホールから一分歩いた場所にそれはあった。

 

 二〇〇三年当時の水準で言えば高水準のPCと二本のフラスコのような物がもう一本のフラスコに繋がっており、それが何なのかシリーズをプレイした身としては知っている。

 

 

 この大型設備はおそらく「我が業魔殿へようこそ」ッ!?。

 

 

 唐突に中の照明が明るくなり、そこには白髪のような銀髪を後ろに流し、シャツを皺なく着こなし、スラックスはサスペンダーで釣り上げられ、その上から白衣を羽織った男が現れる。

 

 そしてこの独特の低音ボイスはリメイクで声優が付いたからか、少し厳つい印象にもなっている。

 

「で? 君が件の使者かね?」

 

 俺はメッセンジャーとしての役割しかないことを念頭に置きつつ、了承するのかの確認をする。

 

「無論、協力させてもらおう。」

 

 男、ヴィクトルは俺の肩に掴みかかる。

 

「手紙には麻帆良での助手に君を派遣する、と書いてあるが相違ないか?」

 

 助手?

 

「俺、聞いてないんですけど」

 

 ヴィクトルが俺に手紙を渡してくる。

 

 これは確か、ヴィクトル宛だったはず。

 

 俺はヴィクトルに読んでいいかを確認し、了承が出たので中身を検める。

 

 要約すると、近年、魔法や呪術に関する事件事故の他に神々や人ならざる者達による被害が爆発的に増えてきており、事態を重く見た政府は超國家機関『ヤタガラス』と宮内庁陰陽寮、関西呪術協会の三組織による共同計画を立案し、ヤタガラスもそれに賛同し、先立ってはヤタガラス側の協力者として、ヴィクトル氏を先んじて麻帆良に招致し、陰陽寮と関西呪術協会からは麻帆良でのエージェントとして、緋勇 竜馬を担当させる、という内容だった。

 

「御門師匠ぉ……!」

 

 あの人、俺を売りやがった!

 

 心で溜息を吐きつつ、俺はヴィクトルに質問をした。

 

「で? これから何をすれば? 流石に修学旅行中なので引っ越し等は先方と話し合っていただけるとありがたいんですが……」

 

「ん? 修学旅行? お主、学生か?」

 

「今年度で中学卒業ですけど……」

 

 そう言うと、ヴィクトルは何かを考え始め、奥の机から何かを取り出してきた。

 

 それは銃のような形をした何かだった。

 

 実際にグリップやトリガーがあるが、明らかに銃と違うのは、銃身だ。

 

 銃身には縦に切れ込みが入っており、銃としての機能を成していない。

 

「それは我が友であり、ヤタガラスの庇護下にいるスティーブンと共同開発した、悪魔召喚機、試作コードとして『GUNP』と名付けられている物だ」

 

 スティーブンにGUNP!? ますます女神転生……否、デビルサマナーの世界になってきているじゃないか!

 

 まさか、あの時の夢はそういう事なのか?

 

「お主はどうやらその歳に似合わない量の生体マグネタイトを有しているようだからこの試作品を使ってもらうに相応しい相手だと考えているが、どうかね?」

 

 俺はヴィクトルの掌に置かれていたGUNPを手に取る。

 

 S&WM500をベースとしているからか、溝に指がしっかり引っかかり、引き金に指を掛けては外すを数度繰り返す。

 

「ふむ、まずは引き金を引き給え。 それで本機能を説明できる」

 

 俺はGUNPを眼の前まで持ち上げ、引き金を引く。

 

 引き金が引かれた瞬間、銃身が縦に裂け、そこから左右に開き、羽を広げる、と表現すれば良いだろうか?

 

 左側の銃身には簡易的なキーボードが付いており、もう片方には液晶が付いており、俺が夢で見た陰陽に似た独特のデザインが画面に映っている。

 

 確信した。

 

 あの夢は推定上位者が何らかの方法で干渉してきており、その結果が反映された結果が今の状況に繋がっているのだろう。

 

 そこから一時間ほどのレクチャーを受け、少ししてからメールにて関西呪術協会の長、近衛 詠春殿からある依頼を受けることとなった。

 

 




次回予告

あとがき
今回も閲覧していただき、誠にありがとうございます。
今回はタグの通り、女神転生シリーズの参戦が決まりました。
作者は初代デビルサマナーは半分、ソウルサマナーもライドウも途中リタイアしたニワカですが、真・女神転生や外伝はプレイしてきているので、ここから雰囲気を混ぜ合わせて崩さないようにしていきますので、コンゴトモヨロシク!

そして、ご閲覧とお気に入り登録、感想、評価、誤字脱字報告など、作品に反応をくださった方々に改めてお礼申し上げます。

ありがとうございました、次回もよろしくお願い申し上げます。

この小説の文章力は?

  • プロには及ばないが上手い
  • 一般人よりマシ
  • 普通
  • 一般人より下手くそ
  • 素材だけで成り立たせているだけ、ゴミ文章
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。