御門からの指示で、京都の金王堂地下に住まう悪魔研究者のヴィクトルからGUNPを受け取った竜馬の下に近衛 詠春からの依頼が届くのであった。
メールの内容としては師匠と詠春殿、ヤタガラス間で話して、俺に是非やってほしい依頼があるようだ。
それは貴船神社の奥の森で妖精を見た、と言う内容だった。
今回の俺の仕事はその妖精騒ぎの原因解明と『GUNP』の実地テストを兼ねているらしい。
俺はバスと電車に揺られること一時間半後、時間は午後を回っており、昼時ということで人の出入りも疎らである。
俺は人目を忍びながら山野に分け入る。
そして、山に分け入ること十数分。
確かにこの山、特に今いる場所は轟雷……雷轟童子と似たような氣を感じる。
俺はGUNPを起動し、キーボードを叩いてある機能を動かす。
ヴィクトル曰く、我々の業界では須らく超常の存在は『悪魔』と定義しているらしい。
俺は彼らの概念で言うならば『デビル・サーチャー』を起動する。
画面にはGUNP……つまりは俺を中心に半径一キロ圏内に三つの赤点と中心近くに緑の点が一つ表示される。
何らかの『悪魔』が三体もここにいるようだ。
俺は慎重に赤点の方へと進む。
すると、話し声が聞こえてくる。
「……だホォ」
「気を……ホ」
「そう……頑張……」
何やら切迫しているようだ。
目的地が近付くにつれて気温が少し下がり始める。
俺は茂みに身を隠し、その向こう側にいる存在達を視認する。
「やっぱり駄目だホ、オイラは溶ける運命だホォ……」
「ヒホヒホ! 弱音を吐いたら駄目だホ! 本当に消えてしまうホ!」
「でも、ウチらもそろそろMAG切れ近いよぉ?!」
俺は息を飲んだ。
そこにいたのは転生シリーズの妖精カテゴリの青タイツの方のピクシーとジャック・ランタン、そして……。
今にも溶け切り、その生を終えようとしているジャック・フロストだった。
俺は動揺から体を動かしてしまい、茂みを揺らしてしまう。
「誰!?」
ピクシーは音に気が付き、溶けかけのフロストを守るように抱きかかえようとし、ランタンが俺と二体の間に入り、二体を守ろうと立ちはだかる。
ピクシーやランタンの目は恐怖が滲み、フロストは観念したかのように目を閉じる。
俺は体内で氣を練り、三体の下へ歩いてゆく。
ランタンはその手に持つランタンから炎撃を放つが、俺は氣を纏った手で握り潰す。
ランタンは自分では太刀打ちできないことを悟り、目を閉じる。
同じく、自分達の中で強いランタンの一撃を握り潰す姿を見たピクシーは三体の終わりを察し、それでも友達を守ろうと次に立ちはだかる。
俺は彼らを優しく掴んで、脇に避ける。
体内で練られた氣はその冷たさを増し、俺の指先に霜が降り始める。
俺は雪蓮掌の応用を使う。
「雪蓮掌が崩し『雪華抱翼』」
俺はフロストを包み込むように覆いかぶさると同時に体内で練っていた冷気と化した氣を内側に放出する。
「ヒホッ!?」
「ええ!?」
二体の妖精は人間がフロストに覆いかぶさったと思えば、人間から強烈な冷気が発せられたことに困惑を隠しきれないようだ。
数分後、俺が霜のついた体を払い落とし、立ち上がる。
その中からは多少小さくなったのだろうか、ゲームでは小学生くらいの身長が幼児くらいにまで縮んでいた。
「ヒホッ! オイラ助かったホー」
「で、でも何で助けたホ?」
「わ、分からない」
三者三様、それぞれが困惑をしているが、まぁ良いだろう。
俺は彼らの目線に合うようにしゃがみ込む。
「初めまして。 俺の名前は緋勇 竜馬、新米悪魔召喚師として仲魔契約を結んでくれる相手を探すついでに最近この山から夜な夜な子供のような声が聞こえるから調査をしてってお願いが来てたから調べに来たんだ」
三体に懇切丁寧にここに来た目的を話すと、ピクシーは小首を傾げて質問してきた。
「あくましょーかんし? 知らないわ、初めて聞いた!」
ピクシーのその一言を皮切りに次第に興味津々となっていく。
まずはどんな事をするのか、果ては俺の事まで根掘り葉掘りと聞いてくる。
「まぁ、そんな感じで君達みたいな超常の存在と対話して協力してもらう人達の事を悪魔召喚師、デビルサマナーって呼ぶんだ」
三体から拍手が起こる。
「す、すごいホ! オイラ、チミに付いて行きたいホ!」
「面白そうだから私も〜」
「オイラがいないと二人が何をするか分からんホ、それに……お兄さんにはフロストを助けてもらった恩義があるホ!」
俺はGUNPを展開し、引き金を引くと三体の妖精は光の粒子となってGUNPの中に吸収されてゆく。
その画面には三体の名前が表示される。
それを確認できた俺はGUNPを閉じて眺める。
雷轟童子は俺の式であるためカウントできないから、実質的に悪魔の仲魔を初めて手に入れたこととなる。
俺は事件解決を御門師匠に報告し、金王堂地下のヴィクトルの研究所まで向かう。
落下が心配になる鉄格子の昇降機に揺られ、地下奥まで降り、少し歩くとヴィクトル氏がこちらに歩み寄り声を掛けてきた。
「首尾はどうかね? 若き悪魔召喚師よ」
俺はGUNPを彼に渡すと彼はPCに繋いで、中のデータを検める。
「ほうほう、早速仲魔を手に入れたようだな。」
操作を続けては数分間沈思黙考し、思考に耽る。
「ふむ、これならあれを……」
携帯の時間を見ると日が暮れ始める時間となる。
「ヴィクトル氏、俺は明日
「そうか……では、これを返そう」
そう言い、俺にGUNPを渡してくる。
「……良いんですか?」
ヴィクトル氏は不思議そうにこちらを見て、得心が行ったように頷いた。
「ああ、それの事かある意味無期限貸し出しと言ったところだから気にするな」
事もなげにヴィクトル氏はそう言うと、続けていう。
「それに君は麻帆良での助手が決まっているからな、定期的にデータを取らせてくれればそれで良い」
ヴィクトル氏はこちらにGUNPを渡し終えると貴族礼を取って別れの挨拶をしてくる。
「ではでは、人員と装いを新たにした業魔殿で汝を狂気の世界へ案内しよう。 それまでごきげんよう」
エレベーターから見切れるまで、ヴィクトルは悠然と、そして優美な佇まいで礼を取り続けていた。
…
……
………
ヴィクトル氏との邂逅から一夜明けた修学旅行最終日。
俺は修学旅行中は体調不良で寝込んでいたというカバーストーリーを協力者の教師に流してもらい、友人達には済まないと平謝りし、午前中に……は……午前中?
俺は何かを忘れてしまっており、脳内で反芻しながら思い出そうとしていると運悪く、誰か……と……。
俺の眼の前には金髪に近い黄色髪の中華少女がそこにはいた。
「あー! 竜馬アル!」
そうだ! この時間は女子中等部と帰りがかち合うスケジュールだった!
マズイ、この娘はバカレンジャーとして作中有名だ。
バトル以外は基本頭が回っていないことが多い。
「待つんだ、古菲さん。 俺との約束は覚」
次の瞬間、俺は感じたことのない引力に引っ張られて元いた車両とは反対方向に引っ張られる。
言ってる傍から!!
これ指導教員に見つかったら大目玉だぞ。
しっかし、古さん力強いな!?
俺はあれよあれよと言う間に三−Aの彼彼女らが乗る車両に誘われる。
隣だったのか……ほぼ回避不可じゃないか。
次回予告
あとがき
拙作を読んでいただき、ありがとうございます。
作者は先日久々に剣風帖をやりたいと思っておりましたが、どうせならPS版をやりたいな、と思って駿河屋で購入しました。
PS版は朧綺譚含めて四枚組だったのはFF以来久々に見ましたね。
また積みが増える……
と、いうわけでしばらくは更新頻度も落ちると思いますが、作品の足しになると思うので、お楽しみに待っていただけると幸いです。
もしかすると、拙作のリメイクも早々にするかも?
その時はコチラを基本に更新しつつ、長期間のペースでリメイクをしていこうと思いますので、ご愛好の程よろしくお願いします!
以上、雑食紳士でした。
この小説の文章力は?
-
プロには及ばないが上手い
-
一般人よりマシ
-
普通
-
一般人より下手くそ
-
素材だけで成り立たせているだけ、ゴミ文章