魔法先生ネギま! 黄龍魔闘剣風帖   作:雑食紳士

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前回のあらすじ

ヒュプノスの一件を目撃された緋勇 竜馬は綾瀬 夕映に口止の交渉を行い、なんとか口止に成功をするのだった。


武道/心理

 ヒュプノスとの闘いやライドウさんとの邂逅、綾瀬さんへの口止めから一日が経ち、俺はカフェに来ていた。

 

 学生ながら多少の金は持ち合わせているので、どこかのカフェに入り、少しだけ落ち着こうかと考えていたのだが、その平穏も後ろからの声により崩れ去った。

 

「あー! やっと見つけたアル!」

 

 俺はその声に応えたくない反面、今後の交友関係に関わると考え、俺は振り向かずに彼女の名を呼ぶ。

 

「やぁ、古さん。 新幹線の時振りだね」

 

「昨日ぶりアルネ! じゃないネ! 竜馬!!」

 

 はぁ……挨拶程度で誤魔化されないか。

 

「古さん、しばし待ってくれないか? 方方への折衝を済ませていないんだ」

 

 そう、俺や俺の家系に纏わる話は東京はもとより、下手をすれば世界がひっくり返る話だ。

 

 アニメ版でも天変地異が起きるレベルだからね、仕様がない。

 

「うううぅー」

 

 聞きたいのを我慢しているからか、古さんは唸り声を上げながらコチラを見てくる。

 

 心根は真っ直ぐな娘なんだよなぁ、この娘。

 

「ある作品の言葉を借りるなら、『待て、しかして希望せよ』かな?」

 

 意味合いは多少違うが希望(・・)には添えるように調整中なのだから。

 

 俺は古さんの肩をポンッと叩き、会計を済ませるために席を立つ。

 

 俺は仕方がなく、父さんに電話を掛ける。

 

 数コールの後、聞き慣れた声が聞こえる。

 

『もしもし、竜馬かい?』

 

「父さん……今大丈夫?」

 

 俺の雰囲気を察してか「良いよ」と答えてくれる。

 

 俺は事の経緯を話して限られた人物にではあるが、俺や父さんや俺の出自、それらにまつわる話について話して良いかを尋ねる。

 

『……あまりオススメはしないかな』

 

「父さんもそう思う?」

 

 やはり、この件は秘匿するのが正解なのだろう。

 

『でも……僕らの事を喋るなら、『氣』や『魔人』に関しては御門君か僕が同伴して話すなら良いと思うよ』

 

 父さんの声は普段より柔和に感じる。

 

『竜馬が人に僕ら(魔人)の事を話したいなんて、やっぱり時代なんだろうね』

 

「父さん……」

 

 この人、自分の血筋やら宿星やらで家族の大半を失ってるんだよな。

 

 アニメ版なら育ての親夫婦も確か殺されてるし、想像できる程度には身内や知り合いの被害は言うに及ばず、周辺まで巻き込みかねない厄ネタだろう。

 

『たまに、今の世界状況を聞くこともあるんだけどね?』

 

 父さんはそう頭にその言葉を添えると話始める。

 

「知り合った人曰く、今の世界はインターネットの普及が目まぐるしいらしくて、『魔人』や『悪霊』の秘匿も儘ならないらしいんだって」

 

 本人は『境界科学』や『疑似科学』の研究母数が増えることが嬉しいようだけどね、との話をされ、一人のキャラが浮かんだが、一旦置いておく。

 

 父さんはその言葉をまるで自分に言い聞かせるようにも聞こえる話し口で話す。

 

『だから、この事は僕か御門君が代表して話に行くと思うから、その時は麻帆良の案内よろしくね。 竜馬』

 

 父さんは「そろそろ、発掘作業が再開するから今日はこれでね」と言って電話を切った。

 

 発掘……父さんは確か、ロゼッタ協会にも面識があるとか、ヤタガラスの使者が言っていたな。

 

 だが、そんな事より明日は確かネギ少年の未来を決定付ける日になるだろう。

 

 俺は明日のネギ少年の弟子入りイベントを念頭に置きつつ、暇つぶしに公園に行って型の訓練をしようとした矢先、ある光景が目に映る。

 

 明日菜とネギ少年が歩いていく様子だった。

 

 確か、カモが非合法の短時間仕様の惚れ薬入チョコを食べて一悶着ある回だったか?

 

 この作品、序盤は惚れ薬ネタが複数回あるからなぁ。

 

 あーあ、あんなに女の顔しちゃって。

 

 惚れ薬効果込でも、高畑指導教員の前に居る時と遜色ないぞ。

 

 遠くから最近は聞き馴染みのある声が聞こえる。

 

「緋勇さーん!」

 

 その声の主はネギ少年だ。

 

 その後ろを妙にモジモジしている明日菜が付いて来ている。

 

「やあ、ネギ少年。 一日振りだね、その節は離席した事はすまないね」

 

 俺が謝罪から入ると、ネギ少年は驚いたように、頭を下げて古さんの横暴? についても謝罪し始める。

 

「いえ!! コチラこそ、くーふぇさんが無理に連れてきてしまったようですみませんでした!」

 

 うん。 いい子なのは確か何だよなぁ、ネギ少年。

 

「それで、俺に何か用かな? 先ほども古さんに催促されたけど正式な説明には方方との折衝が必要だと話したんだけどね」

 

「い、いえ。 そうではなく……」

 

 ネギ少年は何やら言いたげな雰囲気でコチラをみている、その目には覚悟のような物が見える。

 

 この時期にその目は……まさか!?

 

「僕を……貴方の弟子にしてください!」

「ネギ!?」

 

 やっぱりかよ!? 古さんではなく、俺への弟子入イベントになったじゃねーか!

 

 でも、これはチャンスか?

 

 このイベントを制御してなんとかネギ君を本来の方向に強化する方向に導く……その為には、俺は……。

 

「断らせてもらおう」

 

 俺はきっぱりと断る。

 

「ど、どうしてですか!?」

 

 かなり驚いているようだが、古武術や師匠達の技は氣を用いないモノに関しては再現可能の範疇だが、俺に弟子入してしまうと物語の乖離が更に激しくなってしまう可能性は十分にある、それに俺には……。

 

「言っちゃあなんだが、俺もまだまだ免許皆伝……って言えば良いのかな? そこまで認められてないんだ、俺の中では弟子はそれまで取らないようにしている」

 

 それに……と俺は続ける。

 

「それに……君には身近に、師と仰げる人がいるだろう?」

 

 俺がそう言うと、ネギ少年は少し考え込んだ後に何かを思い至り、感謝を述べてからその場を後にする。

 

 彼らが去った後を眺めていると、突如頭を金属で殴りつけられたような、刺し裂かれるような痛みが際限なく俺に襲い掛かる。

 

 「ーッ!!」

 

 声が出せない、思考が乱れる。

 

 意識が……無くなる……。

 

 

……

………

 

 意識が鮮明になってゆく。

 

 麻帆良の世界樹前の広場、ギリシア建築の石階段の頂点には誰かが佇んでいる。

 

 後ろ姿でも分かる。

 

 それは俺がこの世界に転生してから過ごしてきた肉体だ。

 

 緋勇 竜馬がそこにはいた。

 

 だが、おかしい。

 

 記憶の中の彼は穏やかな性格である彼に似つかわしくない険しい表情を見せる。

 

「僕と魂の同位体である人……」

 

 緋勇 竜馬は話しかけてきた。

 

 そして、理解した。

 

 この幻覚とも夢とも分からない状況の中、その核心。

 

 彼は正しく、この身体の真の所有者。

 

 転生で魂が溶け合い、再構築された俺ではない。

 

 正真正銘の本人だ。

 

「僕は貴方にお願いがあってこうして無理やり戻ってきました」

 

 理解した。

 

 あの痛みは魂が裂けた痛み。

 

 彼が表出したから現れた現象。

 

 俺は、俺は……。

 

「す、すまなかった!!」

 

 俺は直ぐ様、地に這いつくばり、頭を下げる。

 

 彼はそんな事で出てきた訳ではないと表情から分かるが、抑えられない。

 

「俺は、俺は死んだのに、君の身体を使って転生され……してしまった、俺は君という一人の若者から全てを奪ってしまった!」

 

 止まらない、止められない。

 

 俺の中の押し込めていた罪悪感が全身を蛇のようにのたうち回る。

 

「謝りたくても謝れなかった!! 俺は君が、君が完全に消えてしまったと思った!! 今すぐにでも君に、この身体を返したい!!」

 

 俺は頭を地に落とし、額を地面に擦り付けるように落とす。

 

「僕は気にしていません、むしろこの状況に感謝すらしています」

 

 俺はその言葉に顔を上げてしまう。

 

 彼の顔はまるで慈愛に満ちたような、たかだか十四、五歳ができないような穏やかで許しを与えると言わんばかりの顔に、涙腺が緩んでくる。

 

 視界がボヤけ、頬に伝う感覚に俺は涙を拭う。

 

 彼は俺の肩に優しく手を添えながら語り掛ける。

 

「僕のお願いを聞いてほしいです」

 

「願い?」

 

 俺が聞き返すと、竜馬君はこう切り出した。

 

「学園祭では超さんの側に付いてください」

 

 俺は耳を疑う発言を聞き、その内容と願いを聞き届けた俺は超側に付くことを決心した。

 

 彼の望みは、俺が叶える。

 

 それが俺に科せられる罪業、

 

 でも、どうやって超に接触しよう……。




次回予告
竜馬はネギ達の修行を手伝うために、模擬戦を提案する

次回、模擬戦。


あとがき
毎度お世話になっております、雑食紳士です。

ストック自体はあったのに、本作のリブート版制作にかまけて更新が疎かになっていました。

しかし、リブート版は三話までほぼほぼ完成できましたので、本投稿は9月頃を目処に進行していこうと思いますので、どうか本作並びにリブート版をよろしくお願い申し上げます。

お気に入り登録や感想も私の制作の励みになっておりますので、この場でお礼申し上げ。

そして改めて、本作とリブート版共々よろしくお願い申し上げます。

以上雑食紳士でした。

この小説の文章力は?

  • プロには及ばないが上手い
  • 一般人よりマシ
  • 普通
  • 一般人より下手くそ
  • 素材だけで成り立たせているだけ、ゴミ文章
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