桜通りの吸血鬼事件、その元凶であるエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
彼女はネギの父サウザンド・マスターと浅からぬ因縁があった。
そして、決戦の日。
ネギと明日菜、カモは協力し、エヴァンジェリンを退け、勝利を掴む。
しかし、それは始まりに過ぎず、陰の『氣』を纏う鬼に急襲される。
静観をしようとしていた竜馬は事態の解決に正体を隠し、鬼達を殲滅したのだった。
エヴァンジェリンさんとの戦いが終わった翌日。
僕は明日菜さんにお礼をするべく、オープンカフェに来ています。
僕は僕とアスナさん、カモ君の分のコーヒーを購入し、席に着こうとした時、反対側からコーヒーの乗ったトレイが見えたので確認をすると。
「あ……」
「ぬ……」
昨日の夜、僕と戦った吸血鬼の生徒、エヴァンジェリンさんが茶々丸さんを伴い、カフェに来ていたのだ。
僕らはこれまでの敵対的な雰囲気を払拭するように話し合い、父さんの話になった。
僕が三歳の頃、この杖を託されたことを話すと、エヴァンジェリンさんは目尻の端に涙を溜めていたような気がした。
その後、上機嫌になったエヴァンジェリンさんは歩きながら京都に父さんの仮住まいにしていた場所があることを教えてもらうと共に昨日のあの件に触れる。
「エヴァンジェリンさん。 昨日のあの人なのですが……」
「ああ、アイツか……」
エヴァンジェリンさんは脳内で思考を反芻するかのように視線を宙に躍らせる。
「詳しいことは分からんが……恐らくはあの仮面の男は我々を見ていた、といったところだろう」
「そ、そうなんですか!?」
僕はその推測に動揺していると、エヴァンジェリンは
人差し指を立てて推論を話す。
「まず間違いなく、我々の戦いをあの大橋の尖塔から観察していたのだろう。 でなければあんなベストと言わんばかりのタイミングで現れたりはしないだろう。」
「さらに私は結界と感覚的に繋がっており、電力の回復した結界に再封印され、警備員としての役目も戻ったからあの鬼のような化生に気が付けた。」
「しかし、侵入した気配はあのもの達だけであり、あの仮面に関して気配に気付かなかった」
「奴が結界の停止時に侵入したと考えれば説明が付く事もあるが、それでも謎は残る」
僕はその言葉に矛盾がないと思い、話を聞き入る。
「だが、奴には我々を助けるメリットなどない。 メリットを抜きにしてみても潜伏していたような輩が我々を助けるためだけに姿を現すのは違和感がある」
「そこから幾つか推論できるが、確定している事柄で読み解けそうな箇所は一つ」
エヴァンジェリンさんは肺に空気を満たし、答える。
「あの仮面は麻帆良の中にいる、それもこの学園都市の生徒教員の中に、だ。」
僕は驚きながらも、少しだけ予感はしていた。
「うーん……」
明日菜さんが何かを考えている、僕はそれについて聞くべきだと直感し、声を掛ける。
「明日菜さん、気になることでもあるんですか?」
その問いに明日菜さんは首を捻りながらも答えてくれました。
「なんとなく、見た覚えがあるのよね、コイツ……」
エヴァンジェリンさんはその一言に驚きの表情を見せたが、すぐに冷静さを取り戻してアスナさんに問いかけました。
「それはどの程度だ? そこまで言って日和るような事を言うなよ、神楽坂 明日菜」
エヴァンジェリンさんが発破を掛けたからか、明日菜さんはその心当たりを口に出した。
「私の幼なじみに似てる……ような気がする」
僕は一瞬、あやかさんを幻視したが彼女ではない。
きっと彼だ。
「緋勇……竜馬、さん?」
僕がその可能性のある名前を口に出すとエヴァンジェリンさんは驚きの表情をする。
先ほどまでとは違う、本当の驚愕である。
「緋勇……だと?!」
その驚きは相当なもので、まるで死者でも見たかのようだ。
「本当に緋勇と言う名なのか?」
その切迫した態度に押し負けた明日菜さんは「そ、そうだけど。」と答えた。
その問いを聞き、エヴァンジェリンさんは少し逡巡した後、話し始めた。
「これは、可能性の話として聞け」
エヴァンジェリンさんはそう言いながら、まるで昔を懐かしむように言葉を紡ぐ。
「その男との邂逅は数世紀前に遡る」
そこから語られたのは驚くべき内容だった。
エヴァンジェリンさんが魔女狩りから逃れるために現在の中国に渡った折に緋勇 龍玄と名乗る男と共にある事件を解決し、その代償として龍玄さんは亡くなったこと。
その際に子々孫々に向けた遺言を預かっていると言うことを。
その内容もそうだが、エヴァンジェリンさんの一端に触れたことで、彼女の人となりを多少は知ることができた。
「だが、可能性の話だ。 間違えれば最悪の結果になりかねん」
話し合いの末、後日明日菜さんを仲介して接触をするということでこの話はお開きとなった。
…
……
………
アタシ、神楽坂 明日菜は少し困惑していた。
アイツが……もしかするとあの仮面男が竜馬である可能性……。
違う、可能性とは言ったけど私には確信めいた直感があった。
携帯のアラームが鳴り響き、着替えてから朝の朝刊配達のバイトに出掛ける。
いつも通り、配達のオジさんやオバさんと他愛ない会話をしながらいつものルートを回って配達をする。
最後の配達先に新聞を配り終えると、見覚えのある背中が見えた。
私は咄嗟に隠れ、その背中の正体を見る。
それはやっぱりアイツだった。
緋勇 竜馬。
アタシの幼なじみの唯一の男。
普段はポヤヤンとしたどこか抜けている子だった。
だけど、度々見せたあの姿は忘れることができない。
人が良さそうな姿と対照的な冷たさ? 冷静さ?のような姿は当時のアタシには不気味さを覚えたのを覚えている。
そんなアイツと幼なじみをできているのは、アイツが優しかったからだと思う。
アイツが走り去るのを見た、アタシは咄嗟に携帯でバイト先に連絡を入れていた。
その後はアイツの走りに付いていきながら、尾行を始めた。
アイツはどれだけ走っていたのか、額から汗を流し、世界樹の前で止まった。
その後は空手の型……っていうのかな?
それをしばらくしていると、顔見知りがアイツの……竜馬へ走ってきた。
「早! 竜馬!」
古菲だ。
「おはよう、古さん。 今日も組み手するかな?」
「行! 願たり叶たりアルネ!」
く、組み手!? どういう事!?
困惑しているアタシは流れを見守るしかなかった。
そして、二人はある程度離れてから構えを取る。
二人の構えは堂に入った様子だった。
まず動き出したのは古菲だった。
数メートルほど離れた位置にいたにも関わらず、その距離は数秒も満たない早さで詰められ、拳が竜馬の顔へと向かう。
私が咄嗟に叫びかけた瞬間、竜馬は指を私の袖を指で挟み、手首の回転で服を掴むと古菲を投げ飛ばした。
古菲もそれを読んでいたのか、そのまま左腕を振り下ろして竜馬に肉薄する。
拳と拳、蹴りと蹴り、投げ技を返す応酬が目の前に広がっている。
「ムムッ! 竜馬、腕をまた上げたね、ネ!」
「このまえ、のっ! 山籠りっ! で、新技というか、失伝していた奥義の一部を! できたから、かなっ!」
や、山籠り!? この時代に山籠りなんてやってたの、アイツ!?
「それだけでは、ないネ! 技に重みがあるネ! どこかで! 実戦を積んだアルか?」
「まぁ……多少……ね」
アタシは心臓が飛び出るかと思った。
そして、次の瞬間には古菲と竜馬の拳は互いの顔面の手前で止まり、決着となっていた。
「ムムッ! あそこにいるのは明日菜ネ! オー! 明日菜ー!」
げっ!? 気付かれた!?
出ないとマズイと感じた私は渋々隠れていた場所から身を乗り出した。
…
……
………
私は明日菜の顔が見えたから竜馬を紹介しようと竜馬な向き直り。
「明日菜!紹介するネ、 我が好敵手の……」
私が明日菜に竜馬を紹介しようとすると、竜馬が手で制したネ。
「古さん、神楽坂とは知り合いだから紹介は大丈夫だよ」
「そうだたアルか!?」
私が驚いていると、私は二人の間に流れる微妙な雰囲気を感じながら事の次第を見届ける。
「やぁ、神楽坂。 あの日振りだね、怪我は無かった?」
「え、えぇ、何ともないわよ……」
明らかにナニカがあたようネ、居心地が悪いネ!
「そうか。 それは良かったよ」
私は竜馬のあの安堵したかのような表情に自身の内に感じる違和感を圧し殺しつつも、静観するネ。
「こうして、真っ正面から話すのは小学校卒業以来になるかな?」
竜馬が口火を切ると明日菜もそれに合わせて返事と会話が始またネ。
小学校の時の話、いいんちょと明日菜の喧嘩を宥めたこと。
いいんちょとも幼なじみアルか……。
「でも、なーんでアンタがネギの事知ってたのよ? 女子中等部と男子中等部は近いけど、敷地は区切ってるでしょ?」
「ああ、それはウチの新聞部がパパラッチしてるからだよ。 女子中等部の敷地付近には張込みはできたようだからね、ゴシップ記事としては悪くはなかったと思うよ」
「そう、なの?」
しばらく竜馬が答え、明日菜が質問する。
その流れが続くが、時計を見ると時間は五時を回ろうとしていた。
「おっと、そろそろ登校時間が迫って来てるな。 俺はこれで引き上げるよ」
竜馬はそう言て、帰ろうとするが、明日菜が一言問いかけたネ。
「アンタ、停電の日はどこにいたの?」
明日菜は振り絞ったような声で問いかけた質問に竜馬は……。
「あの日は停電と同時に寝ていたよ。」
竜馬はそう答えて、この場を後にしたネ。
明日菜は何とも言えないような表情のまま、もと来た道を帰っていたネ。
あれはどういう意図があたかは分からないネ。
でも、これだけは言えるネ。
二人の間に何かがアルネ、それもとてつもない重要な程に。
次回予告
修学旅行を控えた竜馬。
しかし、原作に介入した彼に更なる試練が舞い込むことに。
次回、京都隠密行
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素材だけで成り立たせているだけ、ゴミ文章