運命の強制力か、または大いなる流れか。
沖縄での修学旅行が京都へと変わり、御門 晴明から関西呪術協会と関東魔法協会の仲違いを解消する特使として修学旅行で向かうネギ・スプリングフィールドとその仮契約者神楽坂 明日菜、関東・関西両陣営にとって重要人物の近衛 このかを陰ながら護衛する依頼を受けた竜馬。
ネギ一行と関西呪術協会の天ケ崎一派が衝突する予定の駅でフェイト・アーウェルンクスによる予定外の暗躍があり、物語の修正をするべく竜馬はフェイトと激突をするのだった。
時間は遡り、一時間ほど前。
僕とアスナさん、そしてこのかさんの護衛である桜咲 刹那さんと共に3ーA
気合いが入った僕は従業員のお姉さんにぶつかりながらも夜の見回りを始めていた。
そんな時にふと、
返事が無いのでどうしたものかと考えていたら携帯に着信が掛かり、表示に明日菜さんと出ていた。
『ネギごめん! このかが誘拐されちゃった! どうしよう!』
「え~!?」
僕が驚いていると月を背景に何かがこちらに跳んでくる。
目の前に着地したそれは二メートルを超えるおサルさんだった。
僕もカモ君も驚いているとおサルさんの腕の中にはこのかさんが気絶していた。
僕はこのおサルさんが誘拐の主犯であると理解し、土星を象った携帯杖を取り出して拘束しようとしたが、突如現れた小さいおサルさんに詠唱を妨げられる。
おサルさんたちも合流してきた明日菜さん達に引き剥がしてもらい、情報を共有しながら追跡を開始する。
どうやら誘拐犯の目的はこのかさん自身にあるようで、このかさんを利用しようと画策し、今回の強行に走った、と桜咲さんは推察していました。
駅には人払いの符というものが貼られており、終電間際の駅には人は僕たちを除きあのおサルさんだけだ。
おサルさんは符術と言う魔法を使って僕たちのいる車両を水で満たした!
詠唱が困難な中、桜咲さんの技で車両の扉を破壊して水を排水してくれた。
駅に着くとドアが開き、僕らと隣の車両にいたおサルさんは外に押し流されてしまった。
駅には人払いの符が貼られており、桜咲さんはこれが計画されたものだと確信した。
駅を出るとそこはそこには惨状が広がっていた。
階段や手摺、駅のオブジェクトは黒耀石の剣で破断され、その惨状を作り出したと思われる存在を視認する。
そこには白髪の学生服姿の少年と……。
「!? 貴方は!!」
あの金糸の入った白のローブに黒と紫の仮面を着けた男の人がすでに戦いを始めていた。
「な、なにやってはるんや、フェイトはん!?」
驚いたことにおサルさんの中からあのぶつかってしまった従業員のお姉さんが出てきた!
駅の中央階段は無惨にも黒耀石の剣に蹂躙され、無事なのはあの人の周りだけ。
「悪童よ。 まだ続けるか?」
その問いにフェイトと呼ばれた少年は少し逡巡の末、背を向ける。
「いや、よそう。 千日手のようだから、それに君も本気を出していなかっただろう?」
あの人は鼻を鳴らして腕を組む。
「では、天ケ崎さん。 僕は先に撤退するよ」
その一言に天ケ崎さんと呼ばれた女性は動揺したかのように声を張り上げる。
「はぁ!? 何を言ってはるんや!? このかお嬢様がもう少しで手に入るんや、手伝いなはれ!」
「へぇ、僕らは
フェイトは僕や天ケ崎さん達に背を向けて、立ち去ってゆく。
「ああ、そうだ。」
フェイトは指をパチンッと鳴らすと先ほどまでの惨状が嘘かのように破壊された場所が修復されてゆく。
「では、シスとやら。 また何れ相見えよう」
そう言い残し、ペットボトルから取り出した水を地面に振り撒くと、撒かれた水は渦を巻き、フェイトを取り込んで姿を消す。
あの人はこちらに向き直り、天ケ崎に向かって構えを取る。
「おい。 そこに隠れている女、出てこい。 血生臭ささが隠せてないぞ」
その声に物陰から女の子が出てくる。
「皆さんおはつに~、神鳴流です~」
ロリータファッションの白髪に近いクリーム色の髪の眼鏡を掛けた少女が長刀と短刀の二刀流を携えている。
「月詠はん! 遅刻ですえ!」
「あんじょう、堪忍してくださいよぉ~お仕事はしっかり熟しますさかい」
桜咲さんは前に出て警戒をする。
「貴様、神鳴流……か?」
桜咲さんの一言に月詠と呼ばれた女性は桜咲さんの方を向き、話し始める。
「あら~? あなたも神鳴流ですか~?」
月詠の視線は桜咲さんに向いている。
「待て」
あの人が跳躍一つで桜咲さんと月詠の間に割って入る。
「あら~?」
「貴様の相手は俺だ」
あの人はあの時と同じ構えを月詠の前で取る。
その威に中てられた彼女は。
「……ええなぁ、お兄さん。 お名前は?」
「……シス」
どこか不服そうにあの人は……シスさんは名前を答えた。
「あの中ではお兄さんが
月詠は目を細め、その隙間からは妖光が光る。
「来い。 相手をしてやる」
戦端が開かれようとした矢先。
「ネギ・スプリングフィールド!」
シスさんが僕に声を掛ける。
「は、はい!!」
シスさんは一言「ここは俺に任せて、お前は責務を果たせ」と言い月詠さんへと突撃していった。
そうだ、忘れてはならない。
僕らの目的はこのかさんの救出だ!
僕は懐からアスナさんの仮契約カードを取り出して、呪文を行使する。
「
「
カードを通じてアスナさんに僕の魔力が供給され、アスナさんの身体能力を強化してゆく。
天ケ崎さんは形勢の不利を感じ取り、逃走に切り替える。
「お札さん、お札さん。 ウチを逃がしておくれやし!」
彼女が札を前方に放つと僕らとの間で符が燃え、それが大きな炎に変わる。
天ケ崎さんはこのかさんを担ぐと逃げようとする。
「ま、待って! ラス・テル・マ・スキル・マギステル!」
今必要なのは炎を吹き飛ばす風!
「
「
強風が吹きすさび、炎を吹き飛ばした!
「アニキ! アレを使う時だ!」
「そうか!」
僕はアスナさんに向けて叫ぶ。
「アスナさん! パートナーが使える
「武器!? そんなのあるの! なら頂戴!」
僕は仮契約カードに魔力を流しつつ、呪文を行使する。
「
アスナさんの手に光が収束してゆき、形を成す。
「『
そこには金属製の柄が付いたハリセンが握られていた。
「ちょっとぉ!? ただのハリセンじゃない!?」
「あ、あれ!?」
そんな筈はないのに、何が原因……そんなことより、このかさんの救出が最優先だ!
「姐さん! もう行っちまいなぁ!!」
「あー! もう! しょうがないわねっ!」
アスナさんと桜咲さんが天ケ崎さんへと殺到し、二人同時に武器を振るうが、それは妨げられた。
突如現れたサルとクマの着ぐるみが二人の武器を受け止める。
「ちょっ!? あの着ぐるみ動けたの!?」
「明日菜さん!! あれが呪符使いの式神、前鬼・後鬼です!」
「ホホホホ、その猿鬼と熊鬼は強力ですえ、あんさんらはソイツらの相手を延々とやってなはれ!」
天ケ崎さんはこのかさんをおサル達の式神たちに担がせて逃げようとする。
このかさんから手を離した!
これならあの戒めの風矢で捕らえられる!
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル」
「
「
捕らえた!
僕がそう確信すると、天ケ崎さんは情けない声を上げておサルさん達からこのかさんを咄嗟に掴み、盾にしようとし始めた!?
まずい!?
「!? 曲がれ!!」
戒めの風矢はこのかさんを避けるように四方八方に散る。
「……あら? あらあらあら?」
天ケ崎さんは僕が攻撃を避けたことに合点がいったようで、高笑いをしながらこちらを嘲笑し始める。
「オーホッホホホ! この
桜咲さんは熊鬼と呼ばれたクマの式神と拮抗し、アスナさんは不慣れな戦闘故か、猿鬼な捕まれている。
「この調子でこの後もどんどん利用させてもらうわ」
逃げ去ろうとする、天ケ崎さんにアスナさんは声を荒げて問いかける。
「アンタ! このかをどうする気なのよ!?」
その問いに形成が傾いたからか、天ケ崎さんは饒舌に答える。
「取り合えず、呪薬と符で口を利けんようにてから傀儡にするのがええなぁ」
「まぁ、ウチの勝ちや」
天ケ崎さんは……天ケ崎はこのかさんを肩に担ぎ、お尻を撫で始める。
「あんじょうなまっちょろいお尻をしてはるなぁ、このかお嬢様は」
「ほなな、ケツの青いクソガキども。 お尻ペンペーン」
天ケ崎は挑発しながらこのかさんのお尻を軽く叩く。
僕の生徒になんて事を!
もう許しません!
「「
アスナさんと桜咲さんがそれぞれ式神を一閃。
式神は形を保てなくなり、煙となって消え、二人が天ケ崎に肉薄する。
僕はそれをサポートするため、呪文を詠唱する。
「
僕の武装解除魔法が天ケ崎とこのかさんの衣服を花弁のように分解し、武装解除させる。
アスナさんのアーティファクトが天ケ崎の頭頂部を叩き、桜咲さんが懐に潜り込む。
「秘剣 百花繚乱!!」
桜咲さんの一撃で天ケ崎は宙を舞い、後方の商業施設入り口の扉まで吹き飛ばされる。
それと同時に宙に投げ出されたこのかさんを魔法でキャッチして、優しく降ろす。
「くっ! 一度撤退や!」
天ケ崎はどこから取り出したのか、符を取り出して後方へ投げると、それはまたおサルさんの形を生み出して、天ケ崎を抱き抱える。
「月詠はん!! 撤退や!」
その叫びにシスさんが相手をしていた月詠と呼ばれた少女は名残惜しそうな顔をしながら天ケ崎の下まで跳躍する。
「ウフフ。 では、お兄さん。 また、お逢いしょう?」
「……俺としては遠慮願う」
そう言いながら月詠さんはおサルさんの尻尾を掴み、天ケ崎と撤退してゆく。
撤退を見届けるとシスさんは背を向けて立ち去ろうとする。
僕が感謝を伝えようとした矢先、アスナさんが飛び出してシスさんの前に立ちはだかる。
「アンタ! 竜馬でしょ!?」
アスナさんがそう言うと、シスさんは腕を組みながら少し考え込むと、一言答えた。
「違う」と。
シスさんはアスナさんの脇を華麗に通り抜け、前と同じように常人では考えられないような跳躍をみせて去っていってしまった。
「……なんなのよ、もう……」
アスナさんの顔には何とも言えない表情をしながら戻ってきた。
「アニキ! 桜咲の嬢ちゃん! あいつ、呪薬とか符と言ってたがこのか姉さんはすでに何か盛られてるかも知れねぇ!」
そうだ、今思い付いたような雰囲気を醸し出していたとはいえ、すでに実行済みである可能性はゼロではない!
それに気が付いた桜咲さんも顔が青褪める。
「ん……」
このかさんの意識が戻ろうとしていた。
そして、アスナさんや僕、桜咲さん、このかさんはそのまま旅館へ帰還し、就寝することができた。
…
……
………
まさか、フェイトの暗躍があるとは思いもしなかった。
部屋に戻ってきた俺は仮面を外し、備え付けの椅子に腰掛ける。
手を握り、開く。
それを繰り返し、フェイトとの戦いを思い出す。
黒曜石の刃。石化能力を備える石製の杭を斉射する魔法は強力だ、元の肉体なら血肉すら残らないだろう。
正直、エミュしてたから圧し殺せたが、キツい。
何で、俺なんだ……。
俺は凍る背筋を紛らわせようと、布団を被り眠りにつく。
どうして……。
次回予告
一日目をなんとか乗り越えた竜馬やネギ一行は二日目を比較的穏当に済ませて、二日目へ。
しかし、これまで秘めてきた胸中の罪悪感が溢れてくる。
しかし、関西呪術協会タカ派の攻勢が増し、緋勇 竜馬は窮地に立たされ、彼が執る決断とは。
次回、黄龍降臨
あとがき
いつも拙作をお読みいただき、誠にありがとうございます。
やっぱりキャラクターのエミュレートが難しい今日この頃。
ストック分が底を突くので、しばらく更新は遅くなるか、無い時期がありますが、鋭意製作しますので楽しみに待っていただけると幸いです。
では、雑食紳士でした。
この小説の文章力は?
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プロには及ばないが上手い
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一般人よりマシ
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普通
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一般人より下手くそ
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素材だけで成り立たせているだけ、ゴミ文章